同僚も取引先も男性が多く、男性社会というイメージが大きい営業の仕事。

確かに割合としては男性が多めですが、女性営業として活躍している方もいます。

女性営業には、営業職としての悩みと女性としての悩み、さらには女性営業であることの悩みという、「悩みの三本柱」があります。

女性営業たちはどんなことに悩み、仕事を辞めたいと思っているのでしょうか。

すでに女性営業として働いていて辞めたい理由を整理したい方、これから営業を目指す女性たちはぜひ参考にしてみてください。

営業職としての悩み


まずは、営業職としての悩みについて。

営業職は企業利益への直接的な貢献を期待され、すべての職種の中でも前面に立つ仕事と言えるでしょう。

営業職の主な悩みはどんな点があるのかを見ていきます。

ノルマが厳しくて辛い

営業職の宿命と言えるべきノルマ。

仕事に就く前からわかってはいても、どうしてもノルマが厳しくて辛いという営業職の方は多くいます。

具体的な数値が設定されていない場合でも、個人売上や契約件数がデータで張り出されたり、成績が悪い場合は上司から厳しく言われたりと、ノルマを含めて「目に見えた結果がすべて」とされる職種です。

日々売上に追われ、月末が近づいてくるとキリキリと胃が痛むなど、プレッシャーを感じながらの仕事は精神的に負荷がかかることでしょう。

仕事がハード

営業の仕事はハードです。

1日中歩き周り、クタクタに疲れて会社に戻ってきたら、事務職の人が置いていった提出物の依頼メモが貼ってあったりして、正直もう嫌だと思うこともあります。

「ここまでやったら終わり」ということがなく、時間で区切ることも難しい仕事。

顧客のために頑張れば頑張るほど、業務量が増え、長時間労働にもつながります。

心身ともにタフでないと続けられない仕事なのです。

オンオフの切り替えが難しい

外回り営業の場合、会社支給の携帯電話を持たされることも多いですが、この携帯電話には顧客からひっきりなしに電話が入ります。

こちらの営業日や営業時間を一切気にしていないのか、営業はそういうものだと思っているのか、夜中や休日にまで電話をかけてくることも。

電話に出てみると「それ、平日の昼間に言ってくれればよかったのに。」と思うような緊急性のない用件であることも多いのです。

とはいえ、営業が顧客に強く言えるはずもなく、次第にオンオフの境目がなくなり、いつ休んでいつ仕事をしているのかがわからなくなっていきます。

女性特有の悩み


女性営業には、女性特有の悩みがつきものです。

営業職に限らず働く女性に共通した悩みにはどんなものがあるのでしょうか。

結婚や出産などのライフイベントによる変化

女性は、結婚や出産といったライフイベントによって、キャリアのかじ取りを大きく変える時期があります。

結婚の場合は、配偶者が県外勤務のためついて行ったり、出産であれば仕事から一旦離れざるを得ないでしょう。

キャリアを途絶えることなく働き続けられる男性にはない悩みです。

そもそも休職が取れる社風なのか、復帰した後に自分の居場所があるのか、転居先で仕事が見つかるのか…。

さまざまな不安が女性たちを襲います。

女性への対応が極端

女性ならではの悩みと言えばセクハラがありますが、最近はコミュニケーションすら取ってこない周囲に悩む女性も増えてきました。

男性上司や同僚たちは、女性への適切な距離感がつかめず、「調子に乗ってセクハラをしてしまう人」か、「セクハラ訴訟を恐れて近寄ってこない人」と極端になるケースも。

女性だって男性上司や同僚たちと、仕事上のコミュニケーションはしっかり取り、ビジネスパーソンとして評価を受けたいと思っていますが、女性であるがゆえに距離を置かれることがあるのです。

もちろん、セクハラは論外ですが、ほどほどな距離感は必要だと感じる女性も多いです。

女性営業であることの悩み

ここまでは営業職であれば男女問わず発生する悩み、職種関係なく女性にある悩みでしたが、女性営業ならではの悩みもあります。

事務職の女性とのやり取り


営業が安心して外出できるのも、事務所内で働く人たちが留守を守ってくれ、会社にかかってきた電話をつないでくれ、書類作成や管理といった業務をおこなってくれるからです。

そのため、営業は特に事務職の方には何かとお願いごとが多くなるのですが、依頼する立場のため、事務職の人からすると「上から目線」と思われることも多いです。

女性は人に気を使う生き物で、特に相手が同性だと顕著です。

事務職は女性が多いため、女性営業はかなり神経質になります。

特に、事務職の女性が自分より年上の「お局」的存在だと、なかなか依頼ごとができず困ることもあるのです。

取引先からのセクハラ

女性が営業職を選ぶと「社交的」「活発で人が好き」と見られることが多いです。

そのせいもあってか、取引先の男性から気軽に食事に誘われたり、私用の連絡先を聞かれたりということも少なくありません。

この程度ならまだいいのですが、セクハラまがいの対応をされることも。

女性営業として何年も勤めてきた方なら、一度や二度は嫌な思いをしているのではないでしょうか。

ロールモデルがいない

近年は女性が活躍しやすい環境が整ってきたこともあり、女性営業も増えてきました。

しかし、お手本となる女性の先輩営業がいない、いても結婚を機に辞めてしまうなど、モデルケースが少ないのがネック。

仕事がハードなこともあり、何かのきっかけがあると辞めてしまう女性は少なくないのです。

営業を続け、女性としてどんなキャリアを築いていけばいいのか、相談できる相手もいないと悩む女性営業は多いです。

営業が辛いなら転職しよう

女性営業はまだまだ少数派で、悩みを吐き出す相手が見つからないこともあるでしょう。

しかし、女性は細やかな気遣いと優れたコミュニケーションスキルがあり、営業職への適性は本来高いものもあります。

営業部隊の中でトップセールスを誇るのが女性営業というケースも珍しくないのです。

ただ、女性営業の悩みはつきず、あれもこれもと悩むことで仕事自体が辛くなってしまうことも。

悩みを一旦整理し、どうしても辛い場合は転職するのも1つです。

その場合は、転職エージェントを利用して、自身の市場価値を判断してから踏み切るようにすると、失敗リスクを最小限に抑えることができるでしょう。