仕事や転職とビジネスマナーは切っても切れない関係です。

社会人経験を積むと、ビジネスマナーは「身についていて当たり前」と思われるようになりますが、実際は自信がなかったり、曖昧にやり過ごしていたりする方も多いのではないでしょうか。

「ビジネスマナーをしっかり身につけたい!」と考える方には、資格や検定試験で学ぶことがおすすめです。

体系的に学ぶことで自分では気がつかなかった視点をもつことができ、楽しみながら学習することができるでしょう。

そこで今回は、ビジネスマナーが身につく資格・検定を紹介します。

1.ビジネス実務マナー検定

公益財団法人 実務技能検定協会が実施しているビジネスマン向けの検定試験。

知識というより、行動や判断を事例で確認したり、人間関係やビジネスの場における話し方といった、職場の中での対人スキルなどを養うことができます。

より実務レベルに近い内容が学べるため、サラリーマンやOLなら、学んだその瞬間から活かせることが多いでしょう。

受験資格も特になく、1級~3級までレベルが設定されているため、社会人経験が少ない方でも取り組みやすい検定試験です。

ビジネスマナーを学ぶと言えばこの検定、というくらい、一般的に知られるようになりました。

2.社会常識マナー検定

全国経理教育協会が実施する、社会人としての常識や心構え、コミュニケーションスキルやビジネスマナーを問う検定試験。

以前は「社会常識能力検定試験」という名称でしたが、平成27年度より変更されています。

年3回実施、1級~3級まであり、受験料も低め(2200円~)なので、手軽にチャレンジしやすい検定試験と言えるでしょう。

自身のマナーレベルを再確認したい方に向いています。

3.秘書検定

ビジネス実務マナー検定と同じく、公益財団法人 実務技能検定協会が実施している検定。

秘書に特化した検定は数少ないため、認知度は高いものがあります。

秘書としての資質を問う出題もありますが、基本的にはビジネスマンとして誰もが知っておくべきマナーや敬語の使い方、一般常識、文書作成のポイントなどを学びます。

圧倒的に女性の受験者が多いですが、サラリーマンの男性にも実はおすすめ。

学んだ内容が即職場で活かせるため、取得後の満足度が高い検定試験の1つです。

4.日本語検定

ビジネスマン向けというより、日本語を使うすべての人を対象とした検定試験として、日本語検定委員会が実施しており、日本語の意味、文法、敬語などが総合的に学べます。

英語ができるなどグローバルな人材ばかりが注目されがちですが、そもそも日本語ができていない人は多いもの。

ビジネスの場で間違った日本語を使うと恥ずかしい思いをしますし、転職面接においては選考に影響しないとも限りません。

多くの言語の中でもかなり難易度が高いとされる日本語は、日本人だからこそマスターすべき分野と言えるでしょう。

1級~7級まであり、小中学生の受験者も多い検定試験ですが、社会人は3級以上は目指したいところです。

5.ニュース時事能力検定

ニュース時事能力検定は、志願者数が年々増加傾向にある、注目度の高い検定試験です。

一般の会社員やニュースキャスターの方も取得しています。

ニュース検定と呼ばれており、時事問題への理解や社会の仕組みや流れについて学べる検定。

大人としてぜひ知っておきたい一般常識が身につく検定と言えるでしょう。

時事問題はビジネスの場で話題になることも多く、転職面接でも質問を受けることがある分野です。

ビジネスパーソンに必要なビジネス情報感度を高めることができるため、学ぶ価値があります。

時事問題について実は自信がないという方におすすめです。

6.ユニバーサルマナー検定

この検定では、高齢者や障がいがある方、外国人、小さな子供連れの女性など、自分とは異なる視点をもつ方たちへの心遣いと行動のことをユニバーサルマナーと呼びます。

具体的には、高齢者や障がいがある方への声かけ方法や、車いすの操作方法など実践的な内容まで学べる内容となっています。

障害のある方がカリキュラムを監修しているため、何を考えてどんなことを求めているのかを、相手の立場になって知ることができます。

社会で生きる人全員が知っておきたい内容ですが、転職対策としては特に福祉系に転職を考えている方におすすめの資格です。

7.日商簿記

人気資格の筆頭の日商簿記は、ビジネスマナーに特化したものではありませんが、ビジネスマンにとって会社のお金の仕組みがわかるのは重要なこと。

経理や財務への転職では必須ですが、それ以外の職種でも知識が役に立つ資格です。

今や簿記は「企業の共通言語」としての認識が広まっているため、ビジネスマンなら職種関係なく取得しておきたいですね。

経理や財務でなければ3級あれば十分ですが、2級は工業簿記も入ってくるので、製造業勤務なら2級まであるといいでしょう。

8.個人情報保護士

ビジネスの場において個人情報の保護は重要な問題。

個人情報流出により企業信用が失われ、株価や業績が悪化するケースもありますよね。

特にマイナンバー制度が始まったことにより、個人情報への意識が社会全体として高まりました。

インターネットを使っていつでも場所を選ばずに仕事ができる時代だからこそ、個人情報を守るための正しい知識や技術が必要になります。

総務人事などのバックオフィス系の職種で個人情報を担当したいなら必須、Web関連の仕事に就く方も取得しておくといいでしょう。

受験資格は特にありませんし、難易度が高いわけではないので、真面目に勉強すれば比較的取得しやすい試験です。

資格・検定が転職に即有利になるわけではない

今回はビジネスマナーに関する資格・検定をご紹介しましたが、あくまでも転職や仕事に役立つ知識やスキルが「身につけて実務に活かす」ことを目的としています。

当たり前ですが、これらの資格・検定に合格したからと言って、転職に即有利になったり、給与がすぐに上がるということではありません。

特に転職については、転職エージェントを利用するなどし、書類添削や面接対策等もあわせておこなう必要があるでしょう。

しかし、ビジネスマナーは転職や仕事で必要不可欠であり、ビジネスマンとしての総合力を上げることになります。

この視点をぜひ忘れず資格・検定の勉強に取り組んでみましょう。