「稼ぎやすい仕事」として注目を集めているタクシー運転手。
その中でも「子育てサポートタクシーの運転手」という仕事があるのをご存じでしょうか。
「タクシー運転手への転職に興味はあるけど将来性が不安。」という方は、近年増えているこのサービスを知っておきましょう。
日本全体で子育てしながら働く人を支援する動きが活発化している中、今後増え続ける可能性が高いサービスとして、子育てをサポートするタクシーがあるのです。
今回は、子育てサポートタクシー運転手の仕事内容や転職方法を紹介します。
目次
子育てサポートタクシーとは?
各タクシー会社で子育てサポートタクシーが展開されています。
「子育てタクシー」の呼び名は全国子育てタクシー協会の登録商標ですが、子育て支援タクシー、キッズタクシー、陣痛タクシーなど各社サービス名はさまざま。
主に子育て中の方をサポートする目的で、多くのタクシー会社が採用し始めている近年急増中のサービスなのです。
ここでは、子育てサポートタクシー運転手の仕事内容や給与、利用者から見たメリットを挙げていきます。
子育てサポートタクシーの仕事内容
子育てサポートタクシーのサービス内容は各社異なりますが、たとえば下記のような場面で送迎の仕事が発生します。
- 赤ちゃん検診時
- 1人でいるときに陣痛を迎えたとき
- 子供の発熱など夜間通院時
- 子供たちだけで外出させたいとき
- 急な残業で子供を迎えに行けないとき
- 子供の塾や習い事の定期送迎
送迎以外には何をしているの?
子育てサポートタクシーは一般のタクシー運転手とは異なり、子育てサポートタクシーのみを運転することも多いです。
送迎の予約が入ったときには運転手としての仕事がありますが、それ以外にも勤務時間中におこなう仕事があります。
送迎時にはできない事務仕事や、配車のオペレーター、子育てサポートタクシーを広めるための外回りやチラシ配りなどもあります。
子育てサポートタクシー、利用者から見たメリットは?
子育てサポートタクシーが近年増えているのは、ニーズがあるからです。
利用者から見たメリットはどんな点にあるのでしょうか。
たとえば下記のメリットが考えられます。
- 特別な訓練を受けた運転手のため安心
- 陣通時には破水に備えた吸水シートやバスタオルが用意されている
- あらかじめ送迎先の住所を登録しておくため道案内が最低限で済む
- 子供だけの送迎でも保護者や先生の元まで直接送ってくれるため安全
- ネット決済や後日決済ができるため子供のみ、陣痛時などの支払が不要
核家族化で緊急時に頼れる人がいない、女性活躍社会になり女性も仕事をバリバリこなすようになったなど、時代的な背景からメリットを感じる人が増えています。
子育てサポートタクシーは一般運転手より給与が高い?
給与規定は各タクシー会社によって異なるため一概に言えませんが、子育てサポートタクシーのような特殊タクシーの運転手の場合、一般運転手にプラスαの技能があることが前提です。
手当が加算される可能性も高くなります。
一般運転手と同じであったとしても、より待遇のいいタクシー会社に転職する際には特殊タクシーの経験や技能は大きなアピールポイントになります。
収入アップを目指すなら身につけておいて損はない技能と言えるでしょう。
子育てサポートタクシーの運転手に転職するには?
子育てサポートタクシーの運転手として転職したいと考えている方は、どのような方法で目指せばいいのでしょうか。
ここからは、子育てサポートタクシー運転手になる方法を紹介します。
まずはタクシー会社に転職
大前提として、タクシー会社に転職しなくてはなりません。
タクシー運転手には二種免許が必要ですが、一種免許を持っていれば、転職先で二種免許取得の補助をしてくれることも多くあります。
現在二種免許がない場合でも、転職自体は可能なので、タクシー会社の募集要項をよく確認しましょう。
二種免許取得の後は、地域によって「地理試験」を受けたり、会社の研修を受けるなどします。
研修期間中も給与がでるタクシー会社を選び、働きながらタクシー運転手としての技能を身につけていきましょう。
タクシー会社への転職方法
タクシー会社への転職方法は、働きたいタクシー会社のHPで募集状況を確認する、求人媒体を利用するなどの方法で求人を探していきます。
希望のタクシー会社が決まっている場合は募集枠がなければそもそも転職が難しいため、情報収集をしながらタイミングを待つことになり長期戦は必至です。
求人媒体を利用する場合、転職サイトや転職エージェントを使えば効率よく求人探しができるため早期転職が叶いやすくなるでしょう。
特に転職エージェントを利用することでタクシー会社の内情などが把握できるため、転職の失敗リスクを回避しやすいのがメリットです。
運転手としての能力基準をクリアする
タクシー会社に転職してタクシー運転手として一人前になったら、さらに会社が定めた能力基準をクリアする必要があります。
たとえば、事故違反回数や乗客からのクレームがないなど、優良タクシー運転手としての基準が各社定められています。
会社によっては勤続年数も基準に含めることもあります。
その基準をクリアしなければ、そもそも子育てサポートタクシーの運転手にはなれないことがほとんどです。
一般タクシーに比べて特殊な知識やスキルが必要な分、タクシー運転手としての能力が高くなければいけないのは当然と言えるでしょう。
会社が定めた研修を受ける
各タクシー会社が定めた基準をクリアしたら、いよいよ子育てサポートタクシー運転手になるための研修を受けることになります。
全国子育てタクシー協会の「子育てタクシー」の場合は協会が定めた研修を修了しますが、それ以外の場合でも会社規定の研修を受けることが多くあり、たとえば助産師などの専門家から指導を受けるといったことになります。
救命救急のための資格取得を義務づけている会社もあり、転職した会社がどんな規定の元にサービスを展開しているかによります。
簡単ではないが将来性が豊か
子育てサポートタクシーの運転手は、妊婦さんや小さなお子様など特に注意が必要な乗客を送迎する使命があるため、そう簡単にはなれません。
転職、基準クリア、研修、認定を経てようやくなることができます。
その代わり、増え続けるニーズに対応でき、タクシー運転手としてより高いスキルの証明にもなります。
車の自動運転機能がタクシー業界に浸透すれば、将来的にはタクシー運転手の仕事は淘汰されていく可能性もあります。
その中でも子育てサポートタクシー運転手は付加価値があるため、生き残れることになります。
タクシー業界で働くメリット
子育てサポートタクシーの運転手に興味があっても、タクシー業界への転職自体に不安を感じている方も多いでしょう。
タクシー業界は子育てサポートタクシーの運転手でなくてもメリットある業界ですよ。
タクシー業界に転職するメリットを解説します。
男女問わず稼ぎやすい
タクシー運転手の仕事は多くの会社で歩合制を導入しており、雇われでいながら個人事業主のような側面もあります。
収入が少ない運転手の場合は年収300万円程度で収まることもありますが、自身の努力次第で年収500万円以上は十分可能性がある仕事です。
歩合給の仕事と言えばほかに住宅や生保営業などがありますが、営業の場合は成果を挙げるまでが大変でノルマもあります。
それに比べると、タクシー運転手は特別な能力がなくても比較的高収入を得やすく、男女問わず稼ぎやすい仕事になっています。
新規参入の壁が高いため業界自体が安定している
現在のタクシー業界は新規参入障壁が高いため、タクシー会社の乱立やタクシー台数の増加によって競争にさらされる可能性が低くなっています。
言い換えれば業界自体が安定しているとも言え、今あるタクシー会社に転職すれば、長く働き続けることも可能です。
業界の将来性についても、高齢化や外国人観光客の増加などによって新たな需要も見込めます。
女性の需要が増えているため女性にチャンス
今回ご紹介した子育てサポートタクシーを始めとして、女性のタクシー利用者が増えています。
女性の利用者にとっては、運転手が女性であることが安心材料となるため、女性がタクシー運転手に転職する場合はチャンスです。
女性の運転手はまだまだ少ないのが現状なので、採用されやすく、活躍の場も広がりやすいでしょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、子育てサポートタクシー運転手の仕事内容や転職方法を紹介しました。
タクシー運転手への転職を考えている方だけでなく、タクシー運転手への転職を考えていなかった方にとっても、こうしたサービスの存在を知っておくことはメリットがあります。
仕事の選択肢を増やしてみることで将来の可能性も広がっていくでしょう。