まだ先のように思えた東京オリンピックですが、2020年まではかなり近づいています。
東京オリンピックでは大規模な雇用創出が予想されており、何となく転職を考えていた方も、そろそろ本格的に動き始める時期でしょう。
期待感が大きい東京オリンピックですが、転職と連動させるにはリスクもあるため、ぜひ慎重に見極めたいところ。
そこで今回は、東京オリンピックで需要が見込まれる業界と、オリンピックに向けて転職を考える場合の注意点を紹介します。
目次
オリンピック需要が考えられる業界
東京オリンピックは国内の雇用に大きな影響を与えると言われており、すでに特定の業界では活性化しています。
まずは、特に需要が大きいと予想される業界を紹介します。
現在転職を考えている方にとってはまさに絶好のタイミング。
売り手市場の転職マーケットですが、業界を選ぶことでさらに転職のチャンスが広がります。
建設、工事業
東京オリンピック開催に向けて需要が大きいと見込まれる業界の筆頭は建設、工事業。
施設や道路の建設や工事だけでなく、建築設計、土地建物の検査など幅広く含まれます。
オリンピック会場そのものの建設や工事に限らず、会場近隣の観光ホテルや商業施設などの新築・増改築も期待できます。
交通、運輸、通信業
施設建設に伴い、交通、運輸、通信業も需要が拡大すると見られています。
会場および周辺施設の交通インフラや観光タクシーの需要、建設工事に付随する運輸、外国人観光客向けに通信インフラ整備も急務です。
観光、飲食、その他のサービス業
国内外問わず、観光客の増加は間違いありませんから、観光や飲食業、小売サービス業でもオリンピック特需に期待が高まっています。
新設ホテルや飲食店、商業施設やアミューズメント施設等で働く人の大量募集が見込まれるため、サービス業で働いている方にもチャンスが広がります。
特にサービス業では外国人観光客向けに、語学力がある人材は引く手あまたになる可能性が高いので、今から勉強を始めてみるのもいいでしょう。
広告、宣伝、PR業
東京オリンピックにまつわる各種イベントはすでに全国で始まっており、今後も至る場所で開催されるでしょう。
イベントを盛り上げるために必要なのは広告、宣伝やPR。
広告代理店をはじめ、イベント会社やPR会社、イベントのディスプレイを手がける会社なども需要が見込まれます。
福祉機器の製造、販売業
東京オリンピックとともに重要なのは東京パラリンピック開催。
特に福祉業界では、車いすをはじめとする福祉機器の開発が進んでいます。
パラリンピックで日本の福祉機器を世界にアピールできるチャンスなので、福祉業界としても期待が大きいところです。
不動産業
東京オリンピック開催地として、都心部へ人が集まり、人口増加にもつながる可能性があるため、不動産業も活性化しています。
オフィスビルや商業施設の誘致、不動産投資目的で新築マンション建築も始まっており、都心部の不動産価格はすでに上昇傾向にあります。
警備業
東京オリンピックに向けて警備業の需要も大きいですが、特に女性警備員が不足しています。
身体チェックが伴う警備の場合、女性警備員にしかできないことが多いためニーズが高いのです。
東京オリンピックに向けて転職を考える人の注意点
東京オリンピックに向けては、今回ご紹介した業界以外にもさまざまなニーズが予想されます。
需要が大きい業界を狙って転職活動をすることで、転職ハードルが下がり、これまで挑戦できなかった仕事に就く可能性もでてくるでしょう。
ただし、東京オリンピックを視野に入れた転職はリスクもあります。
全体像を見極めることを忘れず、勢いだけで転職してしまって後悔することのないようにしましょう。
東京オリンピック特需は確定的なものではない
東京オリンピックに向けて需要が見込まれる業界は、人材業界、金融業界、経済のプロたちがあらゆるところで言及しているものです。
ただ、あくまでも予想であり、必ず業界が活性化することを確定しているものではありません。
たとえプロの経済学者であっても、未来の経済や雇用を完全に言い当てることなど不可能。
その点は忘れないようにしましょう。
需要が大きい業界ほど人材不足による激務も予想される
需要が大きいと予想される業界には、比較的転職はしやすい部類に入ると言えます。
一方で、業界外からの人材が集まらなければ、すでに内部にいる人材で業務を担当するしかなく、激務になる可能性もあります。
たとえば、需要が大きい業界の代表格である建設業では、すでに人材不足。
国内の震災復興が遅れている地域もまだまだ多く、資材の高騰などにより、廃業、賃金低下、離職など負の循環も起きています。
東京オリンピックの前だけ短期的に働きたいのならいいのですが、正社員で転職を目指すなら、転職先でどんな働き方ができるのか慎重に見極めたいものです。
長く続けたいなら考えておきたい東京オリンピックのその後
東京オリンピックの人材需要は、一時的なものか、その後も継続するものなのかが重要です。
どの業界や業種も、オリンピック限定ではなく、あくまでもきっかけに過ぎないという点は覚えておきたいところです。
転職を考える方は、オリンピック終了してどんなキャリアが描けるのか、需要がなくなった場合に、身につけたスキルを他で活かすことができるのかは、ぜひ考えておきましょう。
転職エージェントに相談して冷静にキャリアを見つめよう
需要が見込まれ、転職希望者にとって期待も大きい東京オリンピック。
しかし、転職は一時的な視点ではなく、自身のキャリアについて全体像を見つめなければなりません。
転職の大きなチャンスではあるものの、勢いだけで転職を決めるのではなく、冷静さも必要でしょう。
ぜひやっていただきたいのが、転職エージェントとのキャリア相談。
転職支援のプロとして、転職市場をよく理解し、求職者ごとのキャリアパスを一緒に考え、適切なアドバイスをしてくれます。
キャリア相談をしたうえで、自身の経験がスキルを活かせる転職先を選ぶことができれば、東京オリンピックが終わった後も、転職先で長く活躍できるでしょう。