転職を考えるとき、どんな理想を思い描きますか?

人によっては、あれもこれもと、さまざまな理想がでてくることでしょう。

転職は自身のキャリアをより良くするためのものですから、理想を持つことはいいことです。

ただし、理想が大きくこだわり過ぎると失敗します。

いつになっても転職できない、転職してもギャップを感じて辞めてしまうといったことが起こるでしょう。

転職活動で大切なのは理想を持ちつつ、適切な妥協点を見つけること。

妥協と言うとネガティブなイメージを持つかもしれませんが、転職活動においては実は非常に大切な考え方になります。

そこで今回は、転職に持つ理想と現実、妥協点の見つけ方を紹介します。

転職にどんな理想を求めている?

まずは、求職者の方が転職にどんな理想を求めているのかについて。

人によって理想は異なりますが、多くの方が持ちやすい理想を紹介します。

年収大幅アップ

会社を辞めたい理由で必ず上位に挙がるのが年収の低さです。

年収をアップするために転職を考える方は少なくありません。

同じような仕事に転職するなら、今より年収アップは絶対条件として、できれば数十万円アップは狙いたいと考えることでしょう。

やりがいがある仕事

毎日同じ仕事ばかりでつまらない、やりたい仕事をやらせてもらえないなど、仕事にやりがいを求めて転職するケースもよく見られます。

主に若い求職者に見られる傾向です。

仕事時間は1日の中で多くの時間を占めますし、今後何十年と続く長い職業人生ですから、やりがいを感じながら楽しく仕事をしたいと考えるのも無理はありません。

休日もしっかり残業少なめ

近年は、給与より休みが欲しいと感じる人が増えてきています。

ワークライフバランスという言葉に代表されるように、仕事だけに熱中するのではなく、自分や家族、恋人との時間を大切にしたいと感じるのでしょう。

長期連休がしっかりあり、有休休暇も取得しやすい、残業は月20~30時間未満がいいといった条件を持つ方は多いです。

職場の人間関係がいい

仕事におけるストレスのほとんどは人間関係と言ってもいいくらい、最適な仕事を見つけるために人間関係構築は欠かせない作業です。

特に、今の職場で人間関係の悩みを抱えている方にとっては、どんな条件よりも、良好な人間関係が欲しいと感じることでしょう。

希望通りの勤務地

毎日の通勤ラッシュは心身ともに相当な負担があります。

自宅から通いやすい場所にあるか、通勤時間を短縮できるかなど、転職先の勤務地をチェックする方は多いもの。

仕事帰りのプライベートを充実しやすい、駅近や繁華街で働きたいといったこだわりを持つケースもあります。

転職の現実は甘くない!転職後に直面する現実とは?

さまざまな理想がある中、実際に転職した後にはその理想が大きく崩れていく瞬間を経験することがあります。

転職の現実は思っているより甘くないもの。

ここからは、現実をしっかりとらえ、適切な妥協点を見つける大切さをお伝えしていきます。

年収キープならOKとしよう

年収アップを理想とする方は多いですが、転職時の年齢やスキルレベルによっては、年収アップが叶わないこともあります。

年収アップならラッキー、キープでもOKとするくらいの緩めの基準の方が、トータル的にはうまくいくことも多いですよ。

多少年収が下がっても、その他の点で良かったと感じることもあるため、年収にこだわり過ぎず、現実的な視点を持つことが大切です。

やりがいは自分で感じるもの

やりがいを求めて転職した方でも、仕事に慣れてくるとまた退屈に感じることはあります。

これは、根本的な問題として「やりがいは自分で感じるもの」ということを忘れているからです。

本当は、やりがいのある仕事、やりがいのない仕事と明確に分けることなどできません。

自分が目の前の仕事とどう向き合っていくかが大切で「やりがいのある仕事をさせてほしい」という受け身の姿勢では、また同じ理由で辞めたくなってしまうのが現実です。

休日と残業はギャップを感じやすい項目

休日が多く残業が少ない求人は非常に人気が集まりやすいですが、働き始めてから後悔することも多いです。

たとえば、休日が多く残業は少ないけど、その分給与も低くて生活が苦しくなったなど、思い描いていた理想とかけ離れてしまうことがあります。

休日と残業は気になるポイントでしょうが、他の項目とのバランスを考えてみることも大切です。

はっきり言って、休日が多くて残業は少ない、さらに給与もいいなんて職場はそうありません。

あったとしても高い成果を求められるため、実績やスキルが必須です。

また、残業が少ないと聞いていたのに実際にはサービス残業が横行していたなど、応募時に想定していた待遇と異なることもあります。

休日や残業の多い少ないは、言葉で判断するのではなく、応募先のデータを数値で確認しましょう。

年間休日、有休取得率、実際に働く職場の平均残業と繁忙期の残業など、多方面からチェックすることが大切です。

人間関係はどこにいっても逃れられない

人間関係に理想を求めて転職するのはやめましょう。

職場の人は他人ですから、自分と意見が異なることもあれば、苦手な人も必ずでてくるのが現実です。

職場の人付き合いとはそういうものと思っておく方が、適切な距離感で、長くいい付き合いができるでしょう。

もし本当に人間関係から逃げたいなら、自営業やフリーランスでやっていく覚悟も必要になります。

正社員なら異動も十分あり得ること

勤務地の理想は、転職直後は叶うことも多いですが、長い目で見るとあまり意味がないこともあります。

正社員であれば異動で勤務地が異なる可能性もありますし、結婚や家庭の事情で自宅が変わることもあります。

勤務地に理想を持ち過ぎると転職先の選択肢自体が狭まるので、トータル的には納得できない要素が残ります。

勤務地への理想はなるべく低く持っておく方がいいでしょう。

転職活動は理想を追い求めるのではなく現実を直視すること

転職に求めていた理想が、現実に直面して打ち砕かれることはよくあります。

転職してから後悔するのではなく、どのあたりが妥協点かを転職前に考えておくことが大切でしょう。

自分の理想が高過ぎないのか、現実的には何が起こり得るのかは、転職のプロに相談してアドバイスを受けることがおすすめです。

転職エージェントなら転職市場の状況をよく理解しており、適切な落としどころを教えてくれますので、ぜひ頼ってみてください。