サラリーマンやOLの中でも、土日祝休みの仕事に就いている方と平日休みの仕事に就いている方とに分かれます。
「給与より休みが欲しい」と考える労働者が増えている中で、転職を考えるときの1つの基準として、いつが休みになるかは意外と大切なポイントではないでしょうか。
そこで今回は、土日祝休みと平日休み、転職先として選びたいのはどちらかについて、メリットデメリットを比較しながら検証していきます。
目次
土日祝休みの仕事に転職するメリット
まずは、土日祝休みの仕事に転職するメリットを紹介します。
土日祝休みはやはりメリットが大きいもの。
どんなメリットがあるのでしょうか。
毎週連休になるため体が休まる
土日祝休みの大きなメリットの1つが、自動的に毎週連休になる点です。
少なくとも2連休、祝日が金曜か月曜なら3連休になります。
まとまった休みがあることで、旅行や遠出がしやすいだけでなく、ゆっくり体を休めることができます。
精神的な面も大きいでしょう。
「明日はゆっくり休める」という安心感や解放感を持てる日が、金土の2日はあることで、仕事を忘れて精神的に落ち着くことができます。
家族や友人と予定をあわせやすい
日本では圧倒的に土日祝休みの仕事が多いため、家族や友人と予定を合わせやすくなります。
特に、子供がいる家庭では学校の休みと重なるため、一緒に時間を過ごすことが容易です。
連休を使って配偶者や恋人と仲良く外出できたり、友人たちと週末飲み会を開くことも可能。
誰かと過ごすプライベートの充実は、やはり土日祝休みの仕事にメリットがあります。
オンオフの切り替えをはっきりさせられる
土日祝休みで固定していると、オンオフのメリハリをつけやすいのがメリットです。
平日は仕事を頑張り、週末に休息や遊びに行くと自分の中で決めることができるため、気持ちの切り替えがスムーズ。
定期的な休みなので体も段々覚えてきて、仕事のペース配分もしやすくなります。
「この日まで頑張ったら連休」と決まっているのため、平日を乗り切ることもできるでしょう。
労働条件の悪い接客サービス業を避けることができる
平日休みの仕事で多いのは接客サービス業ですよね。
土日祝休みの一般ビジネスマンに向けたサービスを提供する仕事なので、土日祝日は特に忙しいです。
接客サービス業は、給与や待遇、労働時間などに何かと問題を抱えています。
全産業の中でもブラック企業が多い業界と言われることもありますよね。
土日祝休みの仕事を正社員で選ぶと、自然と接客サービス業「以外」の仕事に就くケースが多くなります。
もちろん、すべての接客サービス業がブラックとは言いませんが、確率的にはブラック企業を避けやすいと言えるでしょう。
土日祝休みの仕事に転職するデメリット
メリットしかないように思える土日祝休みの仕事ですが、実はデメリットもあります。
土日祝休みが当たり前になっている方は意識したことがないかもしれませんが、場合によっては平日休みの仕事の方が向いている可能性もあるでしょう。
土日祝休みの仕事に転職するデメリットを紹介します。
どこに出かけるにも混雑している
外出が好きな方にとっては、土日祝休みは大変です。
デパート、スーパー、旅行先にレジャー施設、どこに出かけるにも大混雑だからです。
道路や交通機関の混雑もひどいため、せっかくの休みに外出しても、ヘトヘトに疲れ果ててしまうこともあるでしょう。
待ち時間を取られることが多いため、貴重な時間を有効活用できるとは言い難いのです。
基本的に5日連続勤務となる
祝日がない週だと、毎週5日連勤が基本です。
週の半ば頃から徐々に出始めた疲れは、金曜日にはピークを迎えるでしょう。
5日連続勤務は意外と長いものです。
1日の仕事がハードで翌日に疲れを持ち込みやすい場合は、連休がなくてもいいからこまめに休みたいと感じることもあるでしょう。
休日出勤時に気が重い
就業規則上は土日休みでも、仕事の状況によっては、やむを得ず休日出勤することがあります。
いつもなら休みのはずの週末に仕事に出かけることは、想像以上に気が重いものです。
土日祝出勤が当たり前の仕事なら気にならないことも、普段のサイクルから外れるため精神的な負担が大きくのしかかるのです。
通勤ラッシュがひどい
平日出勤の仕事が多いことで、交通機関の混雑は平日の決まった時間に集中します。
毎日の通勤ラッシュに大きなストレスを感じている方も多いでしょう。
フレックスタイム制導入企業や、通勤時の指定座席列車がでてはいるものの、大幅な通勤ラッシュ改善までには時間がかかりそうです。
平日休みの仕事に転職するメリット
ここからは、平日休みの仕事に転職するメリットを見ていきます。
土日祝日を休めないことを嫌がる方も多いですが、意外なほどメリットが多い働き方ですよ。
どんなメリットがあるのでしょうか。
公的機関や銀行への用事が済ませやすい
公的機関や銀行は、平日の昼間に稼働しています。
一部土日にも対応してくれますが、煩雑な手続きや窓口対応は平日がほとんど。
土日祝休みの仕事に就いていると用事のために有休を取得しなくてはなりません。
専業主婦の妻が家にいてくれれば用事を頼めるというものですが、今は夫婦共働きの時代。
平日の昼間に頼めるケースばかりではないでしょう。
有休取得をしにくい職場だと、用事を先延ばしにしてしまうことになります。
子供の行事に参加しやすい
入学式、参観会など、子供の行事が平日に開催されるとがあります。
小さな子供向けの行事も、保育園だと土日開催ですが、幼稚園の場合は平日開催も多いですよね。
土日祝休みの仕事に就く場合は、上司にブツブツ言われながら有休を取得したり、仕事を休めず子供の行事に参加できなかったりします。
平日休みなら子供の行事にあわせてシフトを出すだけなので、上司から嫌な顔をされることもなく、堂々と休むことができるでしょう。
平日はどこも空いていて活動がスムーズ
平日休みだとどこに行っても空いているため、活動がスムーズで時間を有効活用できます。
買い物に飲食にと、好きなお店に並ばず入れますし、予約がいっぱいで利用できないこともありません。
地味ですが楽なのは運転免許の更新です。
運転免許の更新は平日のほか、日曜日も対応してくれる窓口が多いですが、日曜日は一般のビジネスマンで大混雑。
平日は人が少なめなので、写真撮影なども早く終わってさっと更新できます。
平日限定割引でお得に買い物やサービス利用ができる
デパートやスーパーでは土日祝にセールを実施することも多いですが、人が多いため欲しいものがすぐになくなったり、疲れてしまうことがあります。
平日休みの仕事だと、平日限定割引を利用してお得に買い物やサービス利用が叶います。
人が少ない平日に売上をアップさせるため、平日を狙ったサービスが多いからです。
通勤ストレスが減る
平日休みの仕事の場合、少なくとも週に2回は通勤ラッシュを避けることができます。
さらに、平日休みの大半を占める接客サービス業ではシフト制を採用しているケースがほとんどなので、平日の出勤日も通勤ラッシュ時間帯にあたらないことが多いのです。
全体的に見て、土日祝休みの仕事の人よりも、通勤ストレスは少なく、仕事のみに集中しやすい環境と言えます。
一人の時間が増える
土日祝休みの家族や友人と予定があわないことで、一人の時間を持ちやすくなります。
土日祝休みだと、家でゆっくり休みたいと思っても、家族から外出をねだられ、疲れた体にムチ打って出かけることもあるでしょう。
あまり乗り気のしない友人からの誘いを受ける機会も減ります。
一人の時間を持つことで精神的な安定を保てる方には大きなメリットでしょう。
平日休みの仕事に転職するデメリット
平日休みの仕事は意外なほどにメリットが多いですが、やはりデメリットも多数あります。
人によっては致命的なデメリットと言える点もあるため、転職先として選ぶ場合は慎重になる必要があるでしょう。
平日休みの仕事に転職するデメリットとは一体どんなことでしょうか。
連休が取得しにくいため休んだ気がしない
平日休みの仕事では、基本的に連休にならないことが多いです。
「明日が休み」の解放感を連続で持てないため、精神的に落ち着く時間が短いと言えるでしょう。
泊まりで旅行に行くことも難しく、休みの日にできる趣味や遊びは近場に限られてしまいます。
家族や友人と予定があわない
平日しか休めない仕事だと、土日祝休みの家族や友人と予定をあわせにくくなります。
子供に寂しい想いをさせたり、新婚なのに一緒にどこにも外出できなかったりと、特に家族への影響が大きいでしょう。
冠婚葬祭に困る
おめでたい結婚式は、大切な親族や友人なら喜んで参加したいですよね。
しかし、結婚式は土日祝に集中しますので、平日休みの仕事だと有休を取得するしかありません。
問題は、週の中で繁忙日である土日祝に有休申請が通りにくい点です。
職場によっては、たとえ親族や友人の結婚式でも休ませてもらえないことがあります。
ひどい職場になると、親族の葬儀ですら許可されないケースも。
大切な人より仕事を優先せざるを得ない状況を経験すると、土日祝休みの仕事に心底転職したくなります。
交代制のため会社から連絡があることも多い
平日休みの仕事は基本的に交代制なので、会社自体は稼働しています。
そのため、職場で何かトラブルがあったときや、業務上の質問があったときなど、職場の人から連絡を受けるケースがぐっと多くなります。
土日祝休みの仕事は他の社員たちも休みなのでこうしたケースはほとんどないのですが、平日稼働の会社で普通に出勤している社員たちは、休みの社員のことなどお構いなしに連絡をしてくるもの。
中には「それって今聞かないといけないこと?」と思えるような無神経な質問を受けるケースもあって、ストレスも溜まります。
シフト申請が面倒
平日休みの仕事の場合はシフト制が多いため、毎月のシフト申請を面倒に感じることがあります。
土日祝休みで固定化されていればシフト申請の手間がなく、毎日シフトの確認をしながら出勤日や時間に気をつける必要もありませんよね。
シフト申請は月単位で早めにおこなわれることも多いですが、1ヶ月以上先の予定などそう立てられるものでもありません。
反対に、旅行や観劇などに行きたい場合でも、シフト申請が通るかすら分かりませんから、予約を入れにくいと言えます。
まるで「その日暮らし」のようで、日々の仕事が落ち着きません。
資格取得がしにくい
勉強熱心で向上心が高い方には大きなデメリットとなるのが、資格取得のしにくさです。
特に、独学での勉強が困難な難関資格に挑戦する場合は、社会人学校に通いながら資格取得を目指すことになりますが、講座によっては土日開講のケースが多いのです。
もしくは、平日の夜と土曜日の午後といった組み合わせ。
社会人学校は基本的に、ビジネスマンの大半を占める土日祝休みの人向けにスケジュールが組まれているため、土日が休めない場合は学校に通うことが困難になります。
本試験日も日曜実施が多いため、試験を受けるために有休を使う必要もあります。
土日祝の出勤時にうらやましく感じる
土日祝日に出勤すると、職場への行き帰りに辛くなることがあります。
というのは、すれ違う人たちの多くが休日なので、実に楽しそうにしているからです。
「世間は休みなのに自分は仕事」。
このギャップは思っているより嫌なもので、特に仕事に行くことを少しでも苦痛に感じている人にとっては精神的なダメージが大きくなるでしょう。
もちろん、世間が仕事のときに自分が休める利点はあるのですが、どうしても多数派の状況が気になってしまうものです。
土日祝休みと平日休みの仕事を見分けるには?
土日祝休みか平日休みかどうかは、企業ごとに異なりますが、業界や職種によっておおよその分類分けはできます。
土日祝休みの仕事が大半ですから、「平日休みの仕事」と「それ以外」で考えていきましょう。
平日休みの仕事には、たとえば下記のようなものがあります。
- 飲食業(調理師、ウエイトレスなど)
- 販売業(アパレル販売員、美容部員、自動車販売など)
- 接客サービス業(ホテルマン、美容師、レジャー施設社員など)
- 講師、インストラクター(スクール講師、フィットネストレーナーなど)
- 医療系専門職(看護師、助産師など)
- 個人向け営業(生命保険営業、住宅営業など)
「個人への接客が発生する仕事は土日祝は休めない」と思っておくのも分かりやすいですね。
そのほか、オフィスワークや工場勤務は、光熱費などのコスト削減やセキュリティの観点から一斉休日を取得するため、必然的に土日祝休みが多い傾向にあります。
土日祝休みと平日休みの仕事どちらが向いている?
土日祝休みも平日休みも、それぞれメリット、デメリットがあります。
どちらがいいと一概に言えるものではなく、相性の問題もあります。
土日祝休みの仕事が向いている人、平日休みの仕事が向いている人の特徴は、たとえば下記のようなものがあります。
(土日祝休みの仕事が向いている人)
- 家族や友人との時間をできるだけ持ちたい人
- 規則的な働き方をしたい人
- 休日の予定はかなり前から把握しておきたい人
- 混雑を受け入れられる人
- 接客の仕事が苦手な人
(平日休みの仕事が向いている人)
- 一人の時間を持ちたい人
- とにかく混雑が嫌いな人
- 通勤ラッシュのストレスを感じやすい人
- 常に仕事のことを考えていたい人
- 連休よりこまめに休みが欲しい人
- 接客の仕事が好きな人
転職先としてどちらを選ぼうか迷っている方は、自分自身が何を大切にしたいかを基準に考えると見えてくるでしょう。
上記以外に譲れないポイントを書き出し、自身との相性を判断しましょう。
それぞれの仕事に転職する方法
土日祝休みの仕事と平日休みの仕事、どちらかにメリットを感じ転職したい場合、方法はいくつかあります。
たとえば下記のような方法です。
(土日祝休みの仕事に転職したい人)
- オフィスワークや工場を中心に選ぶ
- 事務職や企画などに職種変更する
- 法人向けに活動する企業を選ぶ
- 土日祝休みで条件を指定して探す
(平日休みの仕事に転職したい人)
- サービス業界を中心に選ぶ
- 販売や個人営業に職種変更する
- 平日休みで条件を指定して探す
ほかにも、転職エージェントを利用すれば、あらかじめ休みの条件を伝えておくことで、希望の条件にあった求人を探して紹介してくれます。
ただし、休み以外にも何を大切にしたいかを整理しておかないと、適性が低い求人紹介を受ける可能性もありますので、できるだけ詳細まで方向性を定めておきましょう。
方向性が定まらない方は、エージェントとのキャリア面談を通じてプロが一緒に考えてくれますので、そちらもあわせて利用しましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、土日祝休みと平日休みのメリットデメリットをお伝えしましたが、いつが休みかどうかはあくまでも労働環境に関することです。
何より大切なのは仕事内容という方も多いですよね。
やりたい仕事がたまたまどちらかの休みに偏っていても、メリットデメリットを理解して受けいれることで、納得できるのではないでしょうか。