29歳になると、「20代最後の年齢」「30代になる前に何かをやっておかなくては」などと、妙な焦りが生まれることがあります。
転職においては、30代になると一気に採用ハードルが上がるイメージから、29歳のうちに転職すべきかどうか迷う方もいるでしょう。
周囲から「20代のうちに転職しないと厳しいよ。」などと言われることもありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。
そこで今回は、「29歳のうちに転職した方がいい理由」と「29歳のうちに焦って転職しなくてもいい理由」の双方の観点から、転職すべきかどうかを探っていきます。
目次
29歳のうちに転職した方がいいと言われる理由
まずは、30歳になる前に転職すべきとの考え方を紹介します。
一般的には、転職は若い方が有利と言われますから、1歳でも若いタイミングで転職した方がいいと考える人は少なくありません。
29歳の今こそ動き出すべき理由はどんな点にあるのでしょうか。
29歳と30歳では印象が違うから
企業の人事担当者が応募書類を見たとき、20代と30代では印象が大きく異なるという考えがあります。
20代なら若手人材として、30代なら中堅どころとして、企業が求める人材とマッチしているかどうかを判断されることがあるでしょう。
確かに、相手の年齢を聞いたとき、29歳と30歳では受ける印象に違いを感じることはありますよね。
特に企業が若手人材を求めている場合は、1歳の差が明暗を分ける可能性も残されます。
「30歳未満」に限定した求人があるから
企業が求人をだすとき、特定の条件の元に募集年齢を制限することができます。
多いのは、30歳未満や40歳未満などの節目で区切るケース。
長期的なキャリア形成を目的とする場合などは、30歳未満を求めるケースも多く見られます。
求職者が応募するとき、まず確認するのは応募条件ですが、こうした「30歳未満限定求人」は、29歳ならギリギリOK、30歳はアウトとの認識が強いと言えるでしょう。
30歳になると応募できない求人が増えるというのは、納得できる理由の1つです。
30代になると即戦力スキルを求められるから
企業は20代の若手人材にはポテンシャルを、30代の中堅人材には即戦力スキルを求めると言われることがあります。
20代なら経験の少なさを若さや意欲でカバーできますが、30代になると職歴がものを言うことになるでしょう。
20代を対象とした転職サービスがあるから
近年は転職エージェントや転職サイトなどのサービスが盛り上がっていますが、中には20代に特化した転職サービスもあります。
社会人経験が少ない20代でも転職できるように、ビジネスマナーや書類の書き方を教えてくれたり、書類選考なしで面接を紹介してくれたりといった徹底的なサービスです。
経歴を活かすことが大前提の30代以降は使えないサービスなので、特に経歴に不安が大きい方には利用メリットがあるでしょう。
29歳のうちに焦って転職しなくてもいい理由
29歳のうちに転職すべき理由にはそれなりの説得力があるようにも感じますが、一方で29歳で焦って転職しなくてもいいとの考えも根強くあります。
ここからは、29歳のうちに転職しなくていい理由を紹介します。
1歳の差をそこまで気にしない企業は多い
「29歳も30歳も大して変わらない」と考える企業は多くあります。
同じ20代でも、20代前半と30歳では差がありますが、1歳変わったところでスキルや経験に大きな差がでるとは考えにくいからです。
また、企業は求職者の職歴を中心にチェックしますから、そもそも年齢をあまり気にしないこともあります。
職歴を見たあと、確認のためにさらっと年齢を見るだけというケースもあるため、年齢を気にし過ぎなのは求職者の方なのかもしれません。
30歳未満限定求人でも選考してくれるケースもある
30代になって30歳未満の年齢制限がある求人を見ると「応募条件すらクリアできないのか。」とがっかりすることがあるでしょう。
ただ、絶対に応募できないわけではなく、企業によっては柔軟に対応してくれることもあります。
自分にぴったりの求人を見つけ、「年齢だけがあと1歳若ければ…。」と思うなら、応募してみるのも1つですよ。
ここは企業によって対応が分かれるところで、完全にスクリーニングするため年齢を厳格に制限する企業と、近い年齢ならOKとする企業があります。
ダメ元で応募して採用されたケースもあるため、諦めるのは早いでしょう。
焦って転職すると失敗するリスクがある
29歳のうちにどうしても転職した方がいいと思い込むと、焦りにつながります。
いろいろ気になる点があったにもかかわらず、もうすぐ30歳だからと焦り、妥協して転職を失敗したケースもありますよ。
また、そもそも転職する必要もなかったのに、20代のうちに転職を経験しないといけない気がしてしまい、転職に踏み切った人もいます。
周囲が何といおうと、転職すべきかどうかを決めるのは自分自身だという点も覚えておきたいものです。
30代人材に注目する企業が増えている
現在転職市場は盛り上がりを見せており、30代人材を求める企業も多数あります。
一昔前までは30代の転職事情は厳しいものがありましたが、今はそんなことはありません。
20代には20代の、30代には30代の採用メリットがあるという点に企業も気づいています。
30歳になった瞬間から急激に転職確率が下がるわけではありませんので、焦る必要はないのです。
29歳であってもすでに即戦力スキルが必要
30代になると求められると言われる即戦力スキルですが、実は29歳でも同様のものが求められています。
29歳だと、大卒者であってもすでにそれなりの社会人経験があるため、いわゆるポテンシャル採用とはなりません。
今さら焦ってもすでに経験を活かすことが前提になるため、冷静になった方がいいと言えるのです。
30歳まで転職を先延ばしにするリスクもある
「29歳のうちに焦って転職しなくてもいい。」と思ったとしても、「まだいいや。」と先延ばしにしていいという問題ではありません。
転職は思い立ったときがタイミングですから、本当は転職したいのにズルズルと先延ばしにすることにはリスクが伴います。
ゆっくり転職しようとするとなかなか先に進めない
29歳で焦って転職する必要はないものの、ゆっくり転職しようとすると全く先に進ません。
転職は短期決戦を基本。
のんびり転職活動すると転職モチベーションを保つことができなくなり、結局いい時期を逃してしまうことになるでしょう。
転職活動期間としては、1~3ヶ月が目安です。
半年以上になると転職確率も下がっていきますので、早期決着をつけたいところです。
余裕を持ち過ぎて30代半ばになってしまう
30歳まで転職を先延ばしにする人は、31歳、32歳とどんどん先延ばしにしていきます。
気づいたら30代半ばにさしかかっているはずです。
年齢による転職ハードルは、以前に比べて低くなってはいるものの、やはり30代後半になると厳しいものがあります。
特にマネジメントスキルがないと転職確率がぐっと下がると覚えておきましょう。
結論:年齢を気にするよりも即座に行動することが重要
29歳での転職と30歳での転職には、状況によって若干の違いがあるものの、本人が気にするほど大きいものではありません。
問題は、転職をズルズルと先延ばしにするリスクがある点です。
29歳のうちに転職すべきかどうかを悩むより、転職を考えた時点で即座に行動すべきです。
そのときの年齢が29歳だったとしても30歳だったとしても関係ありません。
転職の二文字が頭をよぎったなら、自身が仕事に何を求めるのかを知れる大きなチャンス。
転職理由を整理し、思い描くキャリアに向けて動き出しましょう。
転職に迷ったらプロに相談を
今転職すべきかどうかを迷ったら、友人知人ではなく、プロに相談すべきです。
転職市場の状況をよく知るプロなら、客観的で的確なアドバイスをくれるからです。
質が高い転職エージェントなら、今転職すべきではない人にはそう伝えてくれます。
複数の転職エージェントに相談し、本音で話してくれるエージェントを選びましょう。
信頼できる転職エージェントを見つけたら、転職成功確率が格段に上がることになります。
最後に
いかがでしたか?今回は、29歳のうちに転職すべきかどうかについて、29歳と30歳にどんな違いがあるのかを紹介しました。
29歳は確かに節目の年齢ですが、そこにこだわり過ぎると周りが見えなくなります。
30歳になって一気に転職しにくくなる可能性は低いため、転職意欲がどの程度あるのかで判断してみてはいかがでしょうか。
転職したい気持ちがあれば年齢関係なくすぐにでも動き出すべき。
29歳が崖っぷちだと思わず、肩の力を抜いて考えてみましょう。