「収入を上げたい。」
多くの方が一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
今より収入を上げるには転職するのがいい方法ですが、何らかの事情により転職だけは避けたい方もいるはずです。
転職せずに収入を上げる方法は多数ありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どの方法が最適かをよく考えたうえで取り組みましょう。
今回は、転職以外で収入アップにつながる方法の、メリット・デメリットを解説します。
目次
収入を上げるなら転職が一番だと分かっているが…。
今より収入を上げたいなら、転職するのが一番です。
給与テーブルは会社ごとに異なるため、同じような仕事内容でも基本給が全く違っていたり、業績がよく勢いのある会社だと賞与支給率が高かったりといったケースもあるからです。
現在の転職市場は盛り上がりを見せていますから、転職するいい時期とも言えるでしょう。
とはいえ、下記のようなさまざまな理由から、どうしても転職はしたくない方もいますよね。
- 職場の人間関係が気に入っている
- 仕事内容に満足している
- 年齢的に転職が難しいと思われる
- 転職して高い収入を得られるほどの経験やスキルがない
- 転職を失敗するのが怖いからリスクをとりたくない
「転職はできない、でも収入は上げたい。」
一見わがままなようですが、ごく自然な感情です。
人によっては転職しない方がいいケースもあるため、決して間違えた考えではありません。
転職しないで収入を上げる方法は?
では、転職しないで今より収入を上げるにはどうすればいいのでしょうか。
方法は複数ありますが、たとえば下記の方法が考えられます。
- 今の会社で昇進を狙う
- 毎日の残業を増やす
- 歩合の営業に職種変更して好成績をだす
- 副業をおこなう
- ダブルワークをする
- 投資運用に挑戦する
これらの方法は確かに転職しないで収入を上げられる可能性がありますが、メリットデメリットがありますので、選ぶ際には注意もしましょう。
今の会社で昇進を狙うメリット・デメリット
ここからは、それぞれの方法について、どんなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。
まずは、今の会社で昇進を狙う場合のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
収入だけでなく仕事の幅も広がるメリットがある
昇進して管理職になれば、管理職手当がつき、月収ベースで3~5万円アップするケースも珍しくありません。
社内での地位が上がり、周囲や家族から尊敬の眼差しを受ける可能性もあるでしょう。
管理職という新たなステージにステップアップすることで、仕事の幅も広がります。
いつかは転職をと考えている場合でも、管理職経験があれば、30代、40代での転職も可能です。
今の会社で地道に努力することで、収入が上がる以外にも長い目で見たメリットがあるというわけですね。
責任の割に収入が増えないデメリットも
管理職になると仕事の責任が格段に重くなりますが、責任に比例して収入が上がるとも限りません。
それどころか、管理職になって労働基準法上の「管理監督者」として扱われることで残業代がつかなくなり、逆に下がってしまうケースすらあります。
管理職になって基本給が上がったにもかかわらず、これまでと同じ時間残業をしても残業代が一切つかないため、逆転現象が起きてしまうケースです。
また、昇進を狙うといっても当然ながら簡単なことではなく、社内での試験に合格し、少ない管理職の枠を勝ち取る必要があります。
昇進、昇給に成功すればメリットは大きい半面、成功可能性は誰にでもあるわけではなく、収入ダウンのリスクもあるというわけです。
毎日の残業を増やすメリット・デメリット
続いては、昇進する以外に今の仕事で収入をアップさせる方法として、毎日の残業を増やすことが挙げられます。
残業を増やして収入を上げることのメリット・デメリットはどんな点にあるのでしょうか。
慣れている仕事で収入アップが狙え評価の対象に?
残業は基本的に現業務の延長線上にあるものですから、新しく何かを覚える必要はありません。
転職のように職場を変えたり、昇進して立場が上がり責任が重たくなるリスクもなく、誰もが狙える方法となります。
残業は比較的簡単に収入を上げることができるのがメリットと言えるでしょう。
日本ではまだまだ「残業する=頑張っている社員」と認識されることが多く、特に中小会社ではその傾向が強くあります。
収入を上げる目的で残業しているのに、周囲からは「最近頑張ってるな。」などと言われるようになることも。
場合によっては社内での評価が上がる可能性も考えられます。
むやみに残業するのはリスクもある
残業を増やすことは手軽に取り組みやすい方法ではあるものの、いくつかのデメリットもあります。
まず、近年の流れとして残業削減が進んでいること。
大手を中心として、残業せず効率重視の働き方で結果をだすことが、よしとされつつあります。
現在は自由に残業を増やすことができる人であっても、会社方針によって残業削減を言い渡されるかもしれません。
そうなると、残業が多いと上司から指摘を受けたり、「仕事ができない人」の烙印を押される可能性もでてきます。
また、そもそも本来はやらなくてもいい残業を増やす行為は、生活費を稼ぐ目的で「生活残業」などと呼ばれることがあり、監視の対象となりやすいと言えます。
効率を無視してダラダラ日中業務をおこなったり、私語をすることで居残ったりと悪質なケースもあるからです。
ほかにも、残業を増やすことで長時間労働につながり、睡眠不足や疾病リスクにもつながります。
むやみに残業するのはあまりおすすめできないと言えるでしょう。
歩合の営業に職種変更するメリット・デメリット
営業職はどの業界でも求人数が多く、通年募集している会社も多いですよね。
今の会社で営業以外の職種に就いているなら、営業職に職種変更するのも、収入を上げる1つの方法です。
ここからは、歩合の営業に職種変更して収入アップを目指すメリット・デメリットを紹介します。
稼げるチャンスが高い職種が営業
営業職の給与形態は固定給、歩合給とがあります。
ここでは歩合部分がある営業職への職種変更を前提としてお話します。
歩合は売上や契約件数に応じて与えられるものなので、頑張れば頑張るほど収入が上がる可能性があります。
歩合営業以外の職種の場合、基本的には給与テーブルが固定化されているため、仕事の能力にかかわらず給与が同じということも起こり得ますよね。
今の会社で昇給でもしない限り、努力が給与と結びつきにくいのがネックです。
その点、歩合の営業なら自分の工夫次第では昇給、昇進なしでの収入アップが可能。
平社員でも高収入を得る可能性がある数少ない職種なのです。
安定とは程遠い職種
一方で、歩合の営業職は稼げないリスクも同時に抱えることになります。
業界自体の勢いがなく、自社の商品サービスに魅力がない場合、いくら本人が努力したところで売上につながらない可能性もあるでしょう。
営業職は向き不向きがある職種ですから、人によっては全く成果がでず収入アップどころか下がってしまうこともあります。
ノルマを課せられるケースも多く、成績をあげるためのプレッシャーと戦うストレスもあります。
成果が給与に結びつきやすい半面、成果をだすまでが大変という要素が強いため、それなりに覚悟が必要です。
また、現職で評価を得ている人の場合は、営業職への職種変更を許可されない可能性もあるため、誰でも営業になれるわけではないとも言えるでしょう。
副業をおこなうメリット・デメリット
次に、本業は何一つ変えることなく、副業で収入を増やす方法について、メリット・デメリットを紹介します。
ここで言う副業とは、本業以外に雇用される方法ではなく、ネットビジネスや自身で講師業をするなど「雇われない働き方」を想定しています。
副業内容を選べばリスクが低い
副業内容を厳選することで、リスクを非常に少なくして取り組むことができます。
たとえば、自身のブログやサイトで広告収入を得る方法や、クラウドソーシングで簡単な在宅作業をおこなうといった方法がありますが、初期投資はほとんどかかりません。
在宅でもできる業務のため、職場の人に見られてしまうこともありません。
本業を邪魔しない程度の仕事量なら、収入の柱がしっかりある状態で余裕をもって取り組むことができます。
趣味や知識を活かし、知人友人を中心に何かのノウハウを教えるといった副業も、すでにあるものを利用するだけ。
特別な費用や場所は不要です。
初期投資が不要の副業は、失敗しても失うものがなく気軽に始めることができます。
自分の好きなときに、自分のペースでできるのも魅力でしょう。
確実性がないことがデメリット
リスクがない分、収入をアップさせる確実性がないことがデメリットと言えます。
たとえば、ブログの広告収入を得るには何ヶ月、何年もの間地道に続ける必要がありますから、いつ収入が上がるかは分かりません。
せっかく始めた副業も結果がなかなかでないことにストレスを感じ、やっぱり確実性のある本業での残業や時給バイトを増やす方が楽だと思う人もいます。
今すぐ簡単に稼げる方法ではないため、緩い気持ちでコツコツ楽しみながら続けられるかにかかっているでしょう。
ダブルワークをするメリット・デメリット
ここで述べるダブルワークとは、個人で稼ぐ方法ではなく、本業にプラスしてもう一本雇われる先を増やすということです。
たとえば、昼間は正社員として働きながら、夜や週末だけ工場や店舗でアルバイトをするといったケースです。
働いた分だけ確実に収入が上がるのがメリット
ダブルワークの一番のメリットは、時給分だけ確実に収入が上がるという点です。
副業のような地道な作業は不要で、働き始めたその瞬間から給与が発生します。
雇われですから初期投資や業務に必要な道具を準備する必要もなく、身一つで稼ぐことができます。
何かと制限が多いのがデメリット
ダブルワークには何かと制限がかかります。
まず、兼業禁止規定がある会社に勤めている場合、職場の人に知られるリスクがあるため、接客業などを選ぶことは難しくなります。
場所や時間に拘束されやすく、本業との兼ね合いでシフト調整も大変です。
副業のように隙間時間を使ってできるわけではありませんから、どんなに疲れていてもシフトに入らなくてはなりません。
休む時間がまったくなく、体力も必要になります。
ダブルワークを長年続けることは難しいと言えるでしょう。
投資運用に挑戦するメリット・デメリット
ここまでは労働対価を増やす方法をお伝えしましたが、労働以外にも収入を上げる方法があります。
それは、投資運用です。株やFX、仮想通貨などさまざまな方法がありますが、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
労働外収入を得られる
投資運用は自分が働かなくても、勝手に資産を増やせる方法です。
働き過ぎて疲れてしまったり、職場の人間関係でイライラすることもありません。
時間を使うことなく収入アップにつながるのは大きなメリットでしょう。
投資運用の勉強はビジネスの場で役立つこともあるため、ビジネスマンは比較的入りやすい方法とも言えます。
失敗するリスクがある
投資運用にはリスクがつきものです。
失敗すれば、元手を大きく減らしたり、失ってしまったりする可能性もあります。
投資運用と言っても、ある程度のギャンブル性があるため、確実に収入を上げたい人には向いていません。
また、人によっては株価や為替変動が気になり、本業が手につかなくなることもあります。
本来は時間にとらわれない収入アップの方法のはずが、完全にとらわれてしまって身動きが取れなくなる人もいるということです。
余裕資金や知識のない素人が簡単に手をだすものではありません。
やっぱり転職して収入アップを目指すなら
今の会社にいながら収入を上げるより、転職した方が早いと感じた方もいるでしょう。
転職は勤務先が変わるだけでベース給与が変わるため、実は手っ取り早い方法だからです。
とはいえ、今より給与の高い会社に転職するためには、適切な求人を見つけ、内定を勝ち取らなくてはいけません。
今の会社で働きながら転職先を決める必要もあります。
プロである転職エージェントを利用すれば効率のいい転職活動が叶いますので、上手に利用してみましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、転職以外で収入を上げる方法のメリット・デメリットを解説しました。
収入アップの方法ごとに、向き不向きもあります。
どの方法が自分に合うかよく自己分析してみましょう。
転職以外で収入アップを目指したい方はぜひ参考にしてみてください。