文系出身者の方は、「時間を巻き戻してやり直せるなら理系を選択したい。」と思うことがないでしょうか。

社会人になった現在、文系出身者ができる仕事に限界があるような気がし、理系出身者たちが生き生きと働いているように見えるものです。

文系の転職は厳しいと言われることもありますが、果たして本当なのかが気になりますね。

今回は、文系の転職に照準をあて、その可能性と職種や資格について紹介します。

文系の転職が厳しいと言われる根拠

文系か理系かがもっとも関わってくるのは新卒市場です。

経歴がない学生を判断する材料としては、学校で何を学び、どんなポテンシャルがあるのかを見極めるしかないからです。

まずは、新卒の就職状況を見てみましょう。

厚生労働省がおこなった就職状況調査によると、文系学生の就職率は97.1%、理系学生は98.2%となっています。

参照:厚労省「大学等卒業者の就職状況」平成28年度分
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000124364.html

やや理系が上回るものの、文系学生と1%程度の差です。

文系だから就職できないということは、現在の市場から言えないでしょう。

転職市場においては、文理の区分以前に経歴が重視されるはず。

にもかかわらず、文系の転職は厳しいと言われるのはなぜなのでしょうか。

理系に比べて専門性が低いから

1つは、理系に比べて専門性が低いことが理由です。

スペシャリストになりやすい理系人材に比べ、文系人材はゼネラリストを目指すことが一般的。

さまざまな経験を通じ、多角的な視点で企業利益に貢献できる人材として育てられます。

それぞれ優秀であればどんな転職も可能ですが、アピールのしやすさという点ではスペシャリストが有利です。

「私はこれができます!」と明確に伝えることができるため、企業が採用した後の活躍イメージを持ちやすいからです。

営業経験しかないことが多いから

文系は新卒時に営業部に配属されることが多いです。

理系でも一部営業部への配属はおこなわれますが、もともと就職先が製造業などを中心としていており、専門性もあるため、技術者や研究職に就くケースも多いのです。

文系新卒者が営業部に配属される理由として、専門的スキルや知識を持たず、社会人経験もない文系学生を一人前に育てるためには、営業部で鍛えるのが一番だからです。

営業の仕事を通じて、基礎的ビジネススキルを身につけ、売り込みのために自社の商品サービスと向き合うことになるため、新人を育てる部署としてはもってこいと言えるでしょう。

営業経験を積む中で強みを見出し、他部署に異動になる者、そのまま営業として活躍していく者とわかれていきます。

そうなると、転職のタイミングによっては「営業経験しかない」という文系出身者もでてきます。

しかし、「もう営業だけはやりたくない!」と感じる人材が一定数いるのも事実。

営業をやりたくないけれど、営業経験しかない。

転職では経験を活かすことが基本ですから、必然的に営業以外の職種への転職が困難になるのです。

AIが進む社会で文系は危機的状況に?

AIの発展により10年、20年後には多くの仕事がなくなると言われています。

論理的な思考ができ、専門スキルを持つ理系出身者に比べ、文系出身者が現在就いている職種の多くが失われるとの見解もあります。

AI社会を生き抜くには、国語や英語より数学が大事と言われることも。

文系出身者にとっては、これまで学んできたことが無駄だったような気になるでしょうし、焦りや不安も生まれてきますよね。

もちろん、AIの発展はもう始まっていることですし、将来に備えてスキルを磨くことは必要です。

しかし、現在の仕事から目を背けることはできませんので、10年後がどうかと同時に、今何をやりたいのか、得意な分野で引き続き技術を磨くことも大切でしょう。

近い将来への警告を無視することはできませんが、それに囚われ過ぎて身動きができなくなったり、何も行動していない状態で可能性を排除することは避けるべきです。

本当に文系の転職は厳しいの?

では現在、本当に文系の転職は厳しいのでしょうか。

周囲が「文系は転職できないよ。」と言うことで転職にネガティブなイメージを持っているかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。

企業の採用者は転職者を文系か理系かで区別しない

転職で文系か理系かを気にする求職者は多いですが、企業の採用担当者が気にするケースは少ないです。

仮に理系出身者のみしか就けない特殊な仕事だとすれば、その時点で応募条件を設定しているはずでしょう。

理系を限定している求人にはそもそも文系が応募することはできませんので、見る必要はありません。

そうでないのなら、それほど気にする必要はないでしょう。

企業の採用担当者が重視するのは経歴やスキル。

文系か理系かはほとんど見ていないと言ってもいいくらいです。

文系出身者が多く活躍している実態に目を向けるべき

転職が当たり前になった現在、転職経験がない人は減ってきました。

周囲を見渡してみて、文系出身者が転職していない事実はあるでしょうか。

企業の人事担当者や経営者の方に話を聞くと、中途採用人材で文系出身者は多数いることがわかります。

さまざまな職種が世の中にある中で、特に職種を限定することなく、文系出身者は活躍しています。

理系の方が転職に有利だと感じるのは、職種の範囲を狭めている証拠でもあります。

柔軟な視点で仕事を探してみると、文系で就ける仕事は山ほどあることに気づくでしょう。

理系出身者が厳しいのも同じ

理系だから転職に有利と見えるのは文系側の考え方とも言えます。

理系出身者であっても、転職市場での勝ち組は本当に優秀な人だけ。

彼らはコミュニケーションスキルをはじめ、仕事を通じてさまざまなスキルを磨いてきています。

一方、高偏差値の理系大学や学部をでていても、対人スキルがなく、転職できない人はいるものですよ。

もちろん文系で転職できない人も同じこと。

文系か理系かではなく、これまでのキャリアで何をやってきたかを、今問われているのです。

文系が転職しやすい職種はあるのか?

豊富な選択肢があると言っても、具体的にどの職種に転職できるのかが気になる方も多いですよね。

ここからは、文系転職の職種について考えていきます。

文系が転職しやすいのは営業

文系出身者がまず転職を考えたいのは営業職です。

営業経験のほか、接客サービス業などでも対人スキルが活かせますので、幅広い方にチャンスがあります。

営業への転職がしやすい理由としては下記の点が考えられます。

  • 業界を問わず需要が高い職種である
  • 文系出身者のコミュニケーション能力が活かせる職種である
  • 特定の資格は不要である
  • 一定の入れ替わりが発生する職種である
  • 企業には営業採用で能力を見極めたいとの思惑もある

これからどんな仕事をしたい人でも、営業職はスキル構築の土台となる職種です。

「商品やサービスを売る」という観点から、経営者に近い目線で仕事ができ、起業を目指す方が必ず経験しておくべき職種でもあります。

自身の工夫次第で高い報酬を得たり、論理的思考や、クリエイティブな能力を鍛えることもできます。

文系だけど営業以外に転職したい場合

すでに営業経験があったり、性格的なものから「営業は向いていない。」と感じている方もいるでしょう。

営業は転職しやすい反面、大変な仕事とのイメージもある職種です。

営業への転職を避けたい場合でも、十分転職機会はあります。

実は文系出身者はおよそ7割以上が、事務系職種か接客販売サービス職に就いているとされています。

そう聞くと、「文系は事務職か接客業しかないの?」と感じるかもしれませんが、これらの職種は細かく分類すると非常に多く、自身でイメージしている以上の選択肢があることに気づくでしょう。

たとえば、事務系職種とひとくくりにしても、下記のようにさまざまな職種があります。

  • 経営企画
  • 一般事務、営業事務
  • 貿易事務、通訳
  • 人事、総務
  • 秘書、広報
  • 経理、財務、金融事務
  • 医療事務

接客販売サービス職も同様です。

飲食店や宿泊施設だけでなく、受付、コールセンター、医療福祉系職種なども含まれるため、道はいくつもあるのです。

IT分野は文系でも狙い目

IT系と聞くだけでフリーズしてしまう文系出身者も多いでしょう。

「自分は文系だからIT系は無理…。」と思う方もいるはずです。

しかし、時代的にIT分野から目を背けることはできませんし、文系出身者にとっても
狙い目の業界です。

すでに成熟している業界で、AIに奪われそうな仕事にかじりつくより、視野を広く持ってみることも大切ではないでしょうか。

IT業界は人手不足が続いていますから、現在の転職チャンスはかなり高いものがあります。

とはいえ、何の知識やスキルを持たない状態で「採用してください!」は無謀というもの。

転職前にプログラミングなどを学んでおくのがいいでしょう。

以前はプログラミングを学ぶために多額のスクール費用がかかりましたが、今はインターネットを利用して無料で学べるツールもあります。

転職支援会社や派遣会社などを通じて、無料または格安でスクールを利用できるケースも。

プログラマーやITエンジニアには文系出身者も活躍しています。

変化を恐れず向上心を持つことができれば、長い目で見た自身の価値を上げることができるはずです。

文系の転職には資格が必要か。実態や本当に役立つ資格は?

文系が転職市場を勝ち抜くためには、資格が必要だと指摘されることがあります。

確かに、今すぐにでもできる努力の1つとして、資格の勉強は手っ取り早いような気もしますね。

向上心を持つことは大切ですし、資格も一定の効力を発揮するでしょう。

しかし、資格を取得して何の役にも立たなかった人がいることも事実。

ここからは、文系の転職で本当に資格が必要なのかを見ていきましょう。

文系の転職に有利と言われる資格

まずは、文系の転職に有利と言われる資格を挙げていきます。

たとえば、下記のような資格は強いと言われることがあります。

  • 法律系資格(弁護士、司法書士、税理士、社労士など)
  • 簿記
  • マイクロソフトオフィススペシャリスト
  • 医療事務

では文系の転職に有利と言われる資格の有無が、転職活動の際にどの程度影響を与えるのでしょうか。

事項から解説します。

法律系資格は転職先を限定して利用価値がある

法律条文の理解、手続きや書類提出代行といった業務は、文系出身者の得意分野とも言えます。

法律系資格は、弁護士事務所、税理士事務所など、資格を使った業務に従事するためには必須です。

それゆえ、専門事務所への転職では資格が有利に働きます。

一方で、一般企業では資格が必須ではないため、資格があるから転職できるとはいきません。

法律系資格の傾向として、難易度が高く、取得までに年月がかかることが挙げられます。

少なくとも1~2年、5年以上かかるケースも全く珍しくありません。

それだけの年月と費用をかける意味があるかどうかは慎重に見極める必要があります。

簿記は経理、金融関係で評価される

事務希望者から人気の簿記ですが、経理や財務、金融など特定の業種を希望しない限りは、転職で有利とは言い難い面もあります。

「第三の言語」と呼ばれるように特殊性が高いため、経理業務以外の実務では使うことが少ないからです。

ただし、簿記の考え方はどんな仕事をするときでも重要になります。

数字への感度は企業経営上必須の能力と言えるでしょう。

簿記があると採用されやすいかどうかというより、ビジネスマンとしての価値を上げるという意味で勉強するのはいいでしょう。

マイクロソフトオフィススペシャリストはスキルの証明に

文系出身者が多く従事する職種でパソコンスキルは必須です。

事務はもちろん、営業や接客サービスでもパソコンを使わなくて済む仕事は少ないでしょう。

代表的なものはマイクロソフトオフィススペシャリスト。

ただし、パソコンスキルの証明さえできれば資格は必須ではありません。

アピールがしやすくなるといった程度に思っておきましょう。

医療事務

文系出身者の中でも特に女性に人気なのが医療事務です。

資格スクールや講座での人気もあり、医療事務があればどこでも仕事ができるとイメージが広がっています。

しかし、医療事務という名の国家資格があるわけではなく、いくつもの民間資格が存在しています。

どの資格を取得すれば有利になるかが見えにくく、実際の求人で医療事務資格が求められるわけではありません。

資格よりも、接客経験や女性が多い職場でもうまくやっていける人間性などが重視されるケースもあります。

文系が本当に取得すべき資格は転職の方向性を決めてから

文系出身者は座学に抵抗がないことも多く、資格取得は比較的取り組みやすい手段です。

しかし、どの資格も仕事に活かすことができなければ意味がありません。

「とりあえず資格でも…。」と思ってしまうと時間のロスにつながります。

まずは、転職の方向性を定めましょう。

どんな仕事に就きたいのか、希望の業界はあるのかなど、分析することが大切です。

これまでのキャリアを活かせる分野に絞って転職先を決めることも、必要になってきます。

そのうえで、そこで確実に評価され、必要とされる資格があるなら取り組んでみてはいかがでしょうか。

文系出身者が転職の方向性に迷ったらプロに相談すべき

文系の転職は巷でささやかれる点と、実際の転職市場とでは合致しないことも多くあります。

文系だからどうと悩んでいる時点で、転職の方向性が定まっていないと言えるでしょう。

迷ったらプロに相談すべき。

転職エージェントならキャリア相談ができ、自身の適性を考慮した方向性を一緒に考えてくれます。

プロならではの視点でアドバイスをくれますので、真偽のほどが分からない情報に振り回されるより時間を有効活用できるでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、文系の転職可能性、職種や資格はどうなのかをお話しました。

文系の転職は狭い範囲だけを見ると厳しさを感じるかもしれませんが、実際に転職できる先は多数あります。

文系と理系をわけて考えるより、どんな仕事に就きたいのか、これまでの経験を活かせる点は何かにフォーカスしてみましょう。

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