近年急速に注目度が高まるドローンビジネス。
転職希望者の中でも、ドローン業界を視野に入れている方もいるでしょう。
転職して新しいことにチャレンジしたい人や、将来性のある業界への転職を希望する方にとっては気になる業界と言えます。
そこで今回は、ドローン業界事情や職種、転職活動方法など、ドローン業界への転職基礎知識を紹介します。
目次
ドローン業界への転職は今がチャンス?その理由は
「ドローン業界への転職は今がチャンス!」と言われることがありますが、一体なぜなのでしょうか。
ここでは、ドローン業界への転職が注目されている理由を紹介します。
国内ドローンビジネスの将来性
転職先として注目されている大きな理由としては、国内のドローンビジネスの市場規模が拡大していくと予測されているからです。
国内ドローンビジネスの市場規模予測は、下記の調査によると右肩上がりとなっています。
- 2016年度 404億円
- 2017年度 540億円
- 2018年度 714億円
- 2019年度 930億円
- 2020年度 1341億円
- 2021年度 1676億円
参照:株式会社MM総研「ドローン国内市場規模調査」
https://www.m2ri.jp/news/detail.html?id=221
後述しますが、ドローン業界は今非常に勢いがある分野で、さまざまな場所での活用が見込まれています。
大手企業でドローンビジネスに続々参入
ドローン業界は、自動車部品メーカーや電力会社など大手企業が続々と参入しています。
これはドローンビジネス自体の将来性に期待できる証拠であるとともに、転職希望者にとっては、ドローン関連の知識や技術を身につけることで、大手企業への転職可能性も見いだせることを意味しています。
本来、大手企業に中途採用枠で入社するのは至難の業です。
別の大手企業出身者か、よほどの実績やスキルがない限りは採用は厳しいでしょう。
新卒一括採用を基本とする大手企業では、中途採用枠自体を設けていないケースもあります。
ただ、新しいドローンビジネスに関しては、すでに技術や知識を持っている人材がどうしても必要になるため、この分野での求人枠拡大に期待できるのです。
ドローンの活用はどんどん広がっている!
ドローンと言うとどんなイメージを持たれるでしょうか。
まだまだ生活するうえで身近とまでは感じにくいかもしれませんが、ビジネスの世界では凄まじい勢いで実用化が進んでいます。
「最近開発された航空機」とのイメージを持たれる方も多いドローンですが、古くから軍事用、産業用として活用されてきた歴史ある航空機です。
ここでは、ドローンがどんな場所で使われているのか、将来性はどうなのかについて紹介します。
メディア関連の空撮
ドローンと言えば、もっとも多くの方がイメージしているのがメディア関連の空撮でしょう。
テレビ番組やCM、映画、Youtubeなどで、臨場感のある撮影ができるのもドローンの魅力。
メディアを通じてドローンの存在を知り、「かっこいい!」「すごい時代になった!」などと感じた方も多いのではないでしょうか。
災害時の活用
災害時には、「今一体何が起きているのか。」が全く分からず、大混乱となるでしょう。
事態把握と適切な対処のために情報収集が重要になります。
現場の情報を詳細まで把握することで、必要な人材や物資を準備し、適切な救助につながるからです。
しかし、電話やメール等通常の連絡手段が使えず、土砂崩れや川の氾濫等で車両や人が現地に到達できないことから、情報収集が難しくなります。
そこで、障害物のない空が最短ルートの筆頭に挙げられます。
ドローンの速度は60~110kmですから、通常考えられる手段より速く情報収集が叶います。
情報収集だけでなく、避難誘導や行方不明者の捜索などのほか、大至急必要な物資を運ぶ際の手段としての活用も考えられます。
運搬に関しては、近い未来には一般家庭への宅配もドローンが使われるようになるとも言われています。
建物、高速道路、鉄道等の調査
ビルや工場の修繕をおこなう際、足場がなかったり、損傷が激しかったりして状況判断が難しいケースがあります。
ドローンがあれば無人で調査ができ、調査員の安全確保や大幅な時間短縮が叶います。
人手不足の建設業界では、高速道路や鉄道等の調査、点検をする人材も足りていませんから、ドローンの活用に期待されています。
ほかにも、農薬の散布や土地の測量、セキュリティなど、さまざまな場面での活用や実用に向けての実験がおこなわれています。
ドローン業界で働く職種とは
ドローン業界へ転職するとどんな職種で働くことになるのでしょうか。
ドローン関連企業で見られる職種を紹介します。
ドローンパイロット
ドローン業界で働くと多くの方が操縦の仕事を思い浮かべるかもしれません。
子供の頃に熱中したラジコンをイメージし、「楽しそうな仕事」と期待を抱くこともあるでしょう。
ドローンを操縦する職種としては、ドローンパイロットやドローンカメラマンなどと呼ばれることがあります。
「ドローン操縦者が不足している」と言われることがありますが、果たして本当なのでしょうか。
ドローン操縦の仕事に転職したい人への注意点
「ドローン業界への転職=ドローンを操縦する職種」と結びつけるのは早計です。
メディア関連の空撮などでかっこいい映像を撮っている人も、クリエイティブ性が求められるため、単に操縦できればいいわけでもありません。
ドローンの操縦自体は国家資格などが必要なわけではなく、操縦するだけのハードルは低いこともあり、やりたがる人が多い職種でもあります。
そのため、操縦者の求人は圧倒的に少なく、ライバルも多いです。
もし、ドローンの操縦が単に楽しそうでやってみたいだけなら、仕事としてではなく、おもちゃのドローンで楽しむ方法もあります。
営業、バックオフィス系
どの業界にも存在する職種といえば、営業や、事務職などのバックオフィス系職種です。
ドローンビジネスを展開している企業でも、営業や事務職の応募は存在しています。
ドローン業界に魅力を感じ、かつ、これまでの職種経験を活かしたいと考えるなら、営業や事務職などの職種を探してみるのも1つでしょう。
システム開発関連職種
ドローン業界への転職では、システム開発関連の職種で需要が高い傾向にあります。
素晴らしいドローンを操縦したい、魅力があるといくら思っても、ドローンのシステム開発が進まなければ、ドローン業界の未来はありません。
技術職としてのスキルを磨いてきた人が前提になりますが、操縦者に比べて転職チャンスや可能性があるでしょう。
ドローンパイロット養成講師
ドローンパイロットを養成する講師業の求人もあります。
講師の場合はすでに技術や知識を持っており、人に教えるスキルも求められます。
ドローン業界の魅力を広めたい、自身の技術を伝えたいといった方には適しています。
そのほか(CADオペレーター、画像処理など)
ドローンの設計図を図面に仕上げる、ドローンで撮影した画像を処理するといった職種もあります。
ほかにも、経営マネジメント職やドローン事業の立ち上げメンバー募集求人も。
他の業界に比べて圧倒的に情報量が少ない分、どんな仕事をするのかが見えにくく、一般的にイメージしている職種とは業務内容が異なる可能性もあります。
転職を決める前に詳細まで把握しておくようにしましょう。
ドローン業界へ転職するのはリスクもある
ドローン業界への転職といっても、ドローン事業に特化している企業ばかりではありません。
建設や不動産、エネルギー関連企業などで一部ドローンの利用をしているケースも多数あります。
転職先の将来性を見る1つ要素としてドローン事業参入を魅力と感じるのか、ドローンビジネスだけをやっていきたいのかによっても変わってきます。
ドローンビジネスに力を入れている企業は、大企業が参入しているケースだけでなく、ベンチャー企業として小規模経営しているケースもあります。
事業を立ち上げたばかりの「エキサイティング」な職場は、ワクワクするかもしれませんが安定性には全く期待できません。
経営実績がないドローン関連企業への転職はリスクが伴うことも、しっかりと理解しておきましょう。
今すぐドローンスクールに通うべき?
ドローン操縦の技術や知識が学べる民間スクールもあり、ドローン業界の盛り上がりとともにドローン教育ビジネスも増えてきています。
2日~2週間ほどで認定資格が取得できる養成講座なども多いですが、ドローン操縦は資格がすべてではありませんので、転職に直結するとは限りません。
受講費用も10~30万ほどしますので、口コミや資格の必要性などをよく調べてから通うようにしましょう。
ドローン業界への転職活動方法は?
ドローン事業に関わりたい希望があるなら、転職活動は転職エージェントや転職サイトを利用しましょう。
地域に密着した求人をメインに扱っているハローワークでは、ドローン関連求人を見つけにくいからです。
勤務地にこだわり過ぎず、「全国のどこでもいいから働きたい!」くらいの視点を持っておく方がいいでしょう。
転職エージェントや転職サイトなら、全国の求人を探すことができます。
転職エージェントであれば求職者に代わって求人を探してくれるため、自分では探せなかったドローン求人を紹介してもらえる可能性もあるでしょう。
ドローン職種に特化した転職エージェントもあります。
一般的な転職エージェントに比べ、特化型の転職エージェントを利用した方が、情報量の点で有利になります。
ただ、現在のところ利用者の口コミなどはまだまだ多くありませんので、他の転職エージェントと併用しつつ、慎重な見極めも必要になります。
最後に
いかがでしたか?今回は、ドローン業界への転職基礎知識を紹介しました。
メディア等で取り上げられる機会が多くなっていますが、転職情報としてはまだまだ不明確な点があるのも事実です。
企業や活用場所を実際に訪れるなどして、イメージだけで転職を決めてしまわないよう、慎重な転職活動をおこなうことも必要になるでしょう。