相変わらずの人気を誇る事務職ですが、20代からの指名率も高くなっています。

20代で事務職への転職を成功させたいと考える方は多いでしょう。

ライバルたちに勝ち、納得できる事務転職を叶えるためにはどうすればいいのでしょうか。

今回は、20代が事務職への転職を成功させるコツとして、20代に求められる資質と活動方法、男女による違いを紹介します。

20代から事務職の人気が高い理由

事務職への転職を考える20代は非常に多いです。

女性人気が高いイメージですが、20代の場合は男性からの人気も高くなっています。

なぜ事務職は20代からの人気が高いのでしょうか。

残業が少なめ

事務職は残業が少ないとされる職種の1つです。

営業や接客サービス業のように、顧客の都合で業務時間が延長したり、急な仕事が舞い込んできたりすることが少ないからです。

残業が少なめであることはどの世代からも事務人気の理由ですが、特に20代は顕著です。

近年の若者は、給与よりもプライベートの時間を大切にしたいと考える傾向にあるからです。

まだ20代であれば、養う家族もおらず、給与にこだわる必要がない方も多いでしょう。

ただし、「事務は残業がない」と思い込んでいる人がいますが、決してそんなことはありまえん。

業界ごと、企業ごとに傾向は異なりますので、毎日遅くまで残業している事務職もいると思っておきましょう。

土日休みが多い

事務職は基本的に土日休みのケースが多いため、規則正しい勤務スタイルで体調管理もしやすくなります。

シフト制だと連休にならないことがあり、体がゆっくり休まらない場合もでてきますが、事務職なら土日を使ってしっかり回復させることができるでしょう。

日本では土日休みの企業や職種が主流ですから、家族や友人たちと休みを合わせることもできます。

土日と有休を利用して、趣味や旅行を楽しむこともできるでしょう。

「やっぱり土日休みがいい」と考える20代は多いため、事務職をはじめとするオフィスワークが人気です。

体力的、肉体的な負担が少ない

営業のように外回りをしたり、製造業や建設業のように重労働もない事務職は、体力的、肉体的な負担が少ない職種です。

座りながら仕事ができ、夜勤もほとんどありません。

製造業や建設業の経営者に話を聞くと、「最近の若い人は屋外業務や重労働を嫌がる」と言います。

結果的に内勤に人気が集中し、中でも特別な技術が不要な事務職を指名する20代が多いのです。

「事務職は楽」とのイメージですね。

長く続けやすい仕事

事務職は他職種に比べて長く続けやすいと言われています。

20代で事務職への転職を考える方も、これから長く働くことを見越しているケースが多いでしょう。

たとえば足をケガしてしまったとしても、事務職ならメイン業務を遂行することは可能ですよね。

体を使った仕事ではできる業務が限られるため、体を壊すと痛手が大きいです。

事務職においても体が大切であることは言うまでもありませんが、他職種よりはリスクが少ない職種と言えます。

結婚、出産後でも続けられそう

20代の女性は、近い将来の結婚や出産が気になります。

転職では、結婚や出産後も復帰して働きやすいかどうかを考える女性も多いでしょう。

事務職は、残業や体力的な負担が少なく夜勤もないことから、育児をしながらでも続けやすいイメージを持たれています。

これまで他職種で働いていた方も、結婚を機に事務職へ転職する方は多いです。

営業が嫌だ

事務職に転職したいというより、「営業をやりたくない」との理由で事務職を希望する20代もいます。

対人ストレスが多くノルマに追われるイメージから、営業を避けたがる20代は多いものです。

特に、文系出身で専門的なスキルや知識を持たない人材の場合、営業以外に就ける職種が限られるとの認識で、事務職を選ぶ傾向にあります。

転職ハードルが低いと思われているから

事務職は特別な資格や能力、学歴が不要で、簡単な仕事だと思われがちです。

20代で事務経験がない人でもチャンスがあると考える方は多いでしょう。

転職ハードルが低いとのイメージからも20代が事務職を希望しがちです。

20代から人気だが転職は難しい事務職

比較的楽で転職しやすいと思われている事務職ですが、実は他職種に比べても転職は厳しいものがあります。

理由は、下記のとおりで、有効求人倍率も全国的に「1」を大きく下回っています。

  • 長く続ける人が多いため欠員がでにくい
  • 営業や販売に比べるともともとの事務員枠が限られている
  • コスト人材(利益を生まない)職種のため最低限の人員数になる
  • 人気が高くライバルが多い
  • システム化が進み事務業務が減少している

脅すわけではありませんが、20代が事務職に転職することは簡単ではないと思っておきましょう。

特に、条件や労働環境がいい求人には応募が殺到します。

応募者の中には事務経験が豊富な人材も入っていますから、経歴によってはなかなか転職できない可能性もあるでしょう。

20代が事務職で求められる資質を理解しよう

20代が人気の事務職への転職を成功させるためには、20代が求められる資質を理解しておく必要があります。

どの世代にも共通して求められる点だけでなく、20代という若さがあるからこそ必要とされる要素もあります。

応募前に、自身の資質を分析し、本当に事務職への適性があるのかを考えておきましょう。

コミュニケーションスキル

職種を問わず必要なコミュニケーションスキルは、事務職にとっても重要なスキルです。

事務職は他職種や他部署の人と接する機会が多く、外部との調整も発生します。

対面、電話、メール、どの手段においても適切なコミュニケーションを取れる人でないと難しいでしょう。

特に20代は事務スキルや知識の点では30代、40代に劣ることも多いため、他の点でカバーする必要があります。

その筆頭がコミュニケーションスキルというわけです。

パソコンスキル

事務作業をするうえで欠かせないパソコンスキルは、事務員採用で必ずチェックされるポイントです。

事務経験者でパソコンが使えないことはないでしょうが、未経験者の場合は注意が必要です。

今の20代はタブレットやスマートフォンに慣れており、ブラインドタッチができないと言われています。

将来的にはキーボード操作がなくなっていくかもしれませんが、今現在使えないのは致命的です。

事務職希望でパソコンが使えないなら、すぐにでも勉強しましょう。

20代なら数ヶ月集中して取り組めば、基本的なパソコン操作はもちろん、ある程度応用力を備えることも可能です。

独学が難しい方はパソコンスクールなどを利用するのも1つでしょう。

忍耐強くコツコツ取り組む姿勢

事務職は繁忙期になると、業務量が膨大になりがちです。

パソコン上のデータや書類相手に1日中格闘することもあります。

飽きっぽい人には向いておらず、忍耐強くコツコツ取り組む姿勢が必要になります。

数字を扱ったり、細かい作業も多くなったりしますので、慎重でミスのない仕事をしなくてはなりません。

かといって丁寧過ぎて遅いと業務が滞りますので、スピードも求められます。

正確さと速さを保つために、集中力も必要となるでしょう。

素直で成長性に期待できる

20代は将来的な成長性にも期待されて採用されます。

社会人経験が少ない20代半ばまでの人材であっても、将来的に貢献してくれそうな人材なら十分転職チャンスがあるでしょう。

20代後半になると経験やスキルが求められますが、共通しているのは素直であることです。

それなりに経験値がある20代後半も含め、20代は素直で謙虚な姿勢がないと、上司や先輩から吸収できる要素が減ってしまいます。

企業側から見た「教育のしやすさ」でも、素直な人の方が採用したいと思うものです。

これからの事務職はプラスαが必要

20代が事務職に転職するときは、長い目で見て働き続けられる職種かどうかも視野に入れておくべきです。

AIの発展によって多くの仕事がなくなると言われている現代、単にパソコンや書類作成ができるだけの事務職は将来的に厳しいものがあります。

応募先が展開する事業について、視野を広く持ち、どんな業務にも積極的に取り組む姿勢も必要となるでしょう。

今まで以上にコミュニケーションスキルも大切になってきます。

黙々とパソコンの前に座り、単純な事務作業をすればいいと思っていると、近い将来再転職を余儀なくされる可能性があります。

未経験者でも20代ならチャンスがある

20代の場合、未経験でも事務職に転職したいと考える方もいるでしょう。

まだ若ければポテンシャル採用も可能ですから、20代なら未経験転職でもチャンスがあります。

しかし、「転職市場が活性化している現在は」との但し書きがつきます。

東京オリンピック開催の2020年頃までは景気も好調だと見込まれ、転職市場にも明るいニュースが多いですが、それ以降はまだ見えない点が多いです。

今の時期を逃すと、人気の事務職に未経験で転職するのは、20代でも難しくなる可能性もでてきます。

前述したように人気職ですから、主には新卒枠と、経験者枠に限られてくるからです。

20代の事務職転職、男女における違いは?

20代が事務職に転職する場合、男女における違いはあるのでしょうか。

性別によって採用基準やキャリアを変えることは本来できませんが、実際問題としては違う点も多くなります。

応募で意識すべき点も変わってきますので、企業が男女それぞれに持つイメージも踏まえて理解しておきましょう。

事務職人口は圧倒的に女性が多い?

事務職は一般的に「女性が就く職種」とイメージされることも多いですが、実際はどうなのでしょうか。

全体の割合は、6~7割程度は女性と、やや女性が多い職種ではありますが、反対から見ると3~4割ほどの男性事務職が活躍しているということです。

男性で事務職希望の方は、女性人気が高いからと言って諦めてしまう必要はありません。

事務職に必要な協調性があり、慎重で丁寧な仕事をする人が女性に多いことからも、企業側が女性を好む傾向はありますが、男性であっても同じ要素があれば問題ないのです。

一昔前であれば、お茶出しや電話当番といった業務がある事務職は、女性の方がいいという考え方もありました。

しかし、近年では性差別にもつながるとの理由から、その考えも薄れてきています。

男性は将来の管理職候補として期待されると覚悟

20代の男性が事務職を希望する場合、将来的には事務部門の管理職候補として期待されることが多いです。

女性人気が高い事務職ですが、女性は出世を望まない人が多く、育児等で職場を離れるケースも見られるため、男性事務職が管理職候補の筆頭となりやすいのです。

近年は男性でも出世したくないと考える人が増えてきていますが、事務希望の場合は、管理職を目指すことが当然だと思われることが多いです。

将来の方向性も踏まえて考えておきましょう。

男性で出世をしたくないなら、営業や技術職など、現場の第一線で活躍できる職種に転職する方法もあります。

女性は復帰後の制度利用より前に企業貢献をアピール

20代の女性が事務職を希望する場合は、近い将来起きる結婚や出産から休職、復帰後までを見越しているケースが多いです。

仕事をバリバリしたいというより、プライベートも大切にしながら、自分らしい働き方を模索したいと考える傾向にあります。

ただ、近年は女性管理職の登用が推奨されていますので、キャリア志向の女性を積極採用する流れもあります。

企業への貢献より前に、育児支援制度や時短勤務などを確認すると嫌がられるでしょう。

復帰後も働きやすいかどうかは非常に大切ですが、そもそも企業貢献をした人材のために用意されている環境です。

復帰した後に何を利用できるかの前に、企業のためにできることをアピールしなくてはなりません。

男性と女性どちらが事務転職に有利?

20代の性別によって採用基準を変えることはできませんが、募集の背景に適しているかは問題になります。

たとえば、将来の管理職候補である事務人材を募集したいのに、応募してきた人材が管理職への意欲が低い場合は、マッチングが成立しません。

反対に、アシスタント的な事務募集で、出世意欲が高い人材が応募してきても、「もっと他にいいところがあるよ。」と思われてしまうでしょう。

募集背景を読み取り、企業がどんな人材を求めているのかを理解しましょう。

男性だから不利、女性だから不利と考えるより、自身の希望と企業のニーズを照らし合わせ、方向性を確認しておくことが大切です。

20代が事務職に転職するための活動方法

転職を成功させるためには活動方法の選択が鍵となります。

20代の転職活動方法は選択肢が多いです。

特に事務職への転職にメリットがある方法を挙げていきます。

「わかものハローワーク」を利用する

転職活動にハローワークを利用する方は多いですが、20代なら「わかものハローワーク」を利用できる可能性があります。

「わかものハローワーク」は若年層の正社員就職支援を目的とした公共施設で、通常のハローワークと異なり、書類添削や面接対策、キャリア面談など個別の支援を受けることができます。

事務職は一定の需要がある職種ですから、事務希望の旨相談されるといいでしょう。

自力での応募に比べて選考通過がしやすくなるはずです。

設置場所はある程度限られますが、利用できる方は利用した方がいいです。

※厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jakunen/wakamono/index.html

紹介予定派遣を利用する

20代なら紹介予定派遣を利用する方法もあります。

紹介予定派遣は、直接雇用を前提とした派遣形態の1つで、派遣期間を通じて職場環境を確認でき、転職後に起きるギャップを回避しやすくなります。

事務求人の割合が高いのが特徴で、20代の方が紹介されやすい傾向にあります。

一旦派遣社員になるため、正社員として働きながらの転職活動はできませんが、若いうちしか使いにくい方法と言えます。

転職エージェントを利用する

人気の事務職への転職のためにはプロの手を借りるのもいいでしょう。

転職エージェントでは、求人紹介から応募サポートまで幅広く対応してくれます。

「わかものハローワーク」との違いとして、求人の質があります。

転職エージェントの方が採用基準が高めな分、好条件の求人が揃っています。

フリーターや第二新卒でも応募できる求人が多い「わかものハローワーク」に比べ、転職エージェントは社会人経験者を主に対象としているため、集まる求人のレベルが上がるからです。

非公開求人の中に好条件の求人が集まっていますので、登録することで利用価値がぐっと上がるでしょう。

また、スケジュール調整や給与交渉などの細かいサポートも受けられ、応募先の情報提供もおこなわれます。

ハローワークも転職エージェントも無料で利用できますので、経歴によって使い分けるのが1つです。

経歴がなく、転職エージェントで求人紹介が受けられない場合は、わかものハローワークの利用を検討するといいでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、20代が事務職への転職を成功させるコツを紹介しました。

人気の事務職への転職は、20代だからこそ求められる資質を理解し、最適な活動方法を選ぶことが大切です。

好景気や年齢による絶好のタイミングを逃さないよう、早めの行動をおすすめします。