友人知人やその家族が銀行員だと聞いて、うらやましく感じたことはないでしょうか。
安定的で高収入のイメージが高い銀行員になるために、「学生時代から進路を決めておくべきだった!」と後悔した方もいるかもしれません。
銀行への転職は、社会人になった今からでは難しいのかが気になりますよね。
そこで今回は、銀行への転職について、転職事情や転職可能性を探っていきます。
目次
銀行求人の種類と転職事情
銀行とひとくちに言っても、下記のようにいろいろなタイプの銀行があります。
- 日本銀行
- メガバンク、その他の大手銀行
- 地方銀行
- 信託銀行
- 外資系銀行
- ゆうちょ銀行
- 信用金庫、信用組合
- ネット銀行
時期によって求人の有無は異なりますが、どの種類の銀行であっても、中途採用枠が存在します。
銀行への転職可能性はあるのです。
銀行の募集枠は多い?少ない?
募集人員数は銀行によって異なりますが、中途採用での募集枠は「若干名」であることも多く、その場合は、少ない枠を他の応募者と競うことになります。
ただ、新事業設立や強化などの目的で募集される場合、比較的枠が多い求人もあります。
転職サイトなどで求人を検索してみた際、多数の職種から求人がだされていればチャンスだと思って、積極的に応募してみましょう。
全体的に見ると新卒一括募集を前提としていることが多く、転職機会は他業界に比べてかなり低い部類に入ります。
どの種類の銀行にチャンスがある?
銀行への転職は求人がだされたタイミングにもよるため、どこが一番可能性が高いとは一概には言えません。
日本銀行やゆうちょ銀行の場合は、応募する先が決まっているため、チャンスは少ないと言えます。
どの銀行かにこだわりがないのであれば、応募機会が全くないということもありません。
ただ、勢いからすれば、ネット銀行への転職機会は多いと見ることができます。
ネット銀行の利用者が増加傾向にあるため、それに伴って求人がだされる可能性が高いからです。
大手転職エージェントや転職サイトなどでも、ネット銀行の求人を見かけることもあるため、採用HPとあわせて確認してみるといいでしょう。
銀行に応募するには資格は必要?
銀行員は資格がないとなれないわけではありませんが、業務の種類によって必要とされることがあります。
たとえば以下のような資格が求められる業務があります。
- 証券アナリスト
- 証券外務員1級
- 公認会計士
- 税理士
- 1級建築士
このほか、銀行の職種は多数ありますので、別の専門資格が求められる場合もあります。
近年の銀行は「フィンテック」と呼ばれ、金融とテクノロジーの融合がテーマとなっていますので、ビックデータ、IOT、AI、システム系に強いと重宝される可能性があります。
共通して言えるのは、全くの未経験で知識もない場合、メガバンクや有力銀行への転職可能性は低いということです。
少なくとも、業務経験か営業経験、募集職種で高い専門性を発揮していたことは必要となります。
転職市場で多い金融系求人は?
銀行で働いてみたいけれど求人が見つからない場合はどうすればいいのでしょうか。
銀行といえば金融業界に分類されますが、転職市場で多い金融系企業や職種には何があるのでしょうか。
媒体にもよりますが、一般的には生保・損保、カード会社、証券会社の営業職、コンサル職、アドバイザー職が多い傾向にあります。
未経験者や学歴不問の求人もありますが、「大卒以上」を基準としているケースが多いようです。
銀行ではありませんが、金融関係の仕事に就けるという点では、求人件数が多い企業や職種にも目を向けてみるのも1つです。
銀行では何をするの?
銀行への転職を考えている方は、その業務が多岐にわたっている点を認識する必要があります。
特に、他業界から転職される方は、イメージ通りの業務に就けるとは限りませんので、よく調べておきましょう。
銀行の代表的な業務として、預金業務、貸付業務、為替業務などがあります。
さらに細かくわけると、マーケティング、企画、リスク管理、システム運営など、一般的な銀行業務のイメージとは少し異なる仕事も任されます。
銀行への転職で年齢制限はあるのか
転職で気になる年齢ですが、転職市場全体においては、以前に比べて年齢による壁は減ってきています。
ただし、銀行への転職ではまだまだ年齢が重視される傾向にあり、若いほど有利となります。
具体的には20代までが1つの目安です。
これは、応募条件として年齢基準がある場合、ない場合、どちらにおいても言えることでしょう。
若い方が将来性があるということもそうですが、銀行は特殊性の高い世界ですので、転職時の年齢によって「馴染めるか」も関わってきます。
他業界から転職してくると、銀行独自のルールや考え方に苦労する人も多いようです。
銀行へ転職する場合の雇用形態は?
銀行への転職は、雇用形態によっても転職可能性が変わってきます。
ここからは、銀行で働く人たちの雇用形態と転職の難しさを紹介します。
正社員
銀行では多くの正社員が活躍しています。
銀行自体の安定性とともに、雇用形態の安定性も望む方にとっては、銀行の正社員を目指したいところでしょう。
正社員の中でも、「総合職」「一般職」とすみわけがなされているのも、昔からある銀行の特徴でしょう。
総合職は全国転勤があり、部署やポジションもさまざま。
一般職は転勤はエリア内に限られ、窓口や事務業務、営業などに就いている人が多い傾向にあります。
派遣社員
派遣であれば、銀行業務の求人も多く見られます。
直接雇用を前提とした紹介予定派遣も、多くはありませんが銀行関連業務の求人があります。
誰もが知る銀行で働けるチャンスと言えますが、派遣社員は正社員以上に即戦力が求められます。
銀行業務経験が応募資格になっているケースも多いため、正社員に比べても求められる経験範囲が狭いと言えるでしょう。
未経験可能な派遣求人もありますが、その場合は英語が使えないと難しい場合が多いです。
パートタイマー
パートタイマーの求人もあります。
パートの場合は担当業務が決まっているため、応募資格が少なく、正社員や派遣社員に比べてハードルはぐっと下がります。
会社員経験やパソコンスキルがあれば応募自体は可能な求人が多いため、配偶者の扶養範囲内で働きたい方などはおすすめです。
求人も比較的多いため、銀行の採用HPなどで確認してみましょう。
ただし、時給は思っているほど高くないこともあります。
一般的に正社員の銀行員は給与水準が高いことで知られていますが、パートに関してはごく標準的な時給の職種も多いです。
特に、ロビーでの案内業務など専門知識や経験がいらない職種の場合は、その傾向が強いです。
業務経験が求められるパートの場合はその分時給も上がりますので、銀行や職種ごとに比べてみるといいでしょう。
その他
ほかにも、銀行には契約社員や嘱託社員が働いています。
契約社員は、派遣と同様に比較的求人が見られますし、長期勤務を前提とした求人もあります。
嘱託社員の場合は、すでに銀行で働いていた定年後の方などが対象ですので、転職組にとってはなかなかチャンスが少ないかもしれません。
銀行にどうしても正社員として転職したいならどうする?
ここまでの内容を通じて、銀行に正社員として転職することは簡単ではないとお分かりでしょう。
しかし、どうしても転職したい場合はどうすればいいのでしょうか。
第二新卒なら可能性が高め
まず、第二新卒枠を利用できる方であれば、他世代に比べて転職可能性は上がります。
銀行への転職は圧倒的に若い方が有利だからです。
第二新卒であれば社会人経験があることから、基本的なビジネスマナーをもった人材と思われます。
ポテンシャルにも期待できることから、採用シーンでは人気がある層になりますので、今のうちに転職活動を始めましょう。
キャリア募集がでるのを忍耐強く待つ
大手や地方銀行にも「キャリア採用」と呼ばれる、中途採用者向けの募集がおこなわれることがあります。
常に求人があるわけではありませんが、メガバンクなどでも普通に募集がありますので、こまめにチェックしてみましょう。
募集職種によって応募資格が異なりますが、大前提として以下の要素が求められることが多くなります。
- おおむね3年以上の実務経験
- 対顧経験
- 業務遂行に必要な専門知識
- 業務遂行に必要な英語力
この他、銀行の種類によっては「チャレンジングな方」「リスクを取れる方」「業務改善に前向きな方」など、求める人材像が提示されています。
これによって、銀行の方向性や必要な資質を予想することができますので、自己分析結果と照らし合わせて考えてみましょう。
学歴条件が特に書かれていない求人であっても、基本的には大卒以上を前提としているケースが多いと言われています。
二段階転職で可能性を探る
銀行に転職したいけれど、応募条件に達していない場合、二段階転職で可能性を探る方法もあります。
金融業界の中でも転職可能性がある企業に一旦転職し、経験を積んでから銀行への転職に挑戦する方法です。
子会社や関連会社への転職も1つですね。
正社員にこだわらないなら、派遣やパートで入行し、正社員登用を目指す方法もあります。
いずれも決して簡単な方法ではありませんが、いきなり正社員転職を目指すより、遠回りなようで近道との見方もできます。
ただし、二段階転職は年齢的なタイムリミットもあります。
経験を積んだ後の年齢によっては応募が難しくなる場合もありますので、現在の年齢やスキルレベルとあわせて慎重に判断しましょう。
銀行への転職理由を考えてみよう
一昔前であれば、銀行で働くということは、倒産可能性のない「安定」を意味していました。
しかし、新しいスタイルの銀行が増え、金融業界の様態も大きく変化しています。
フィンテックの台頭によって、今後は大手IT企業が金融業界に参入してくる可能性も指摘されています。
銀行の破綻や合併も十分に考えられますし、手放しでの安定とは言い難い時代でしょう。
では、なぜ銀行に転職したいと思うのでしょうか。
「安定」という二文字を抜いた理由を思い浮かべることができないなら、残念ながら応募枠しても採用に至ることは少ないでしょう。
転職面接では転職理由を問われることがほとんどで、銀行においても同じです。
仮に採用されたとしても、銀行員は大変な仕事ですから、続かない可能性もあります。
銀行で何をしたいのかという目的意識がない場合には、今一度自己分析からやり直す必要があるでしょう。
銀行への転職活動方法は?
銀行への転職を目指す場合、転職活動はどの方法でおこなうのがいいのでしょうか。
選択肢としては複数ありますので、状況に応じて使い分けてみてください。
採用HPから直接応募する
銀行では採用HPで募集をかけることが一般的ですので、常に採用情報を確認することが大切です。
キャリア採用に関してはタイミングを逃すと、次いつ募集がだされるかわかりません。
今の仕事をしながら、毎日のようにチェックしましょう。
ハローワーク経由で応募する
地方銀行や信用金庫であれば、ハローワークで求人を見かけるケースもあります。
ハローワークは、地元企業の求人が多いのが特徴ですから、住居地を変えたくない方、自宅から通いやすい場所での転職を目指している方には向いています。
ただ、銀行求人自体は多くありませんので、銀行にこだわらず、金融業界全体で探してみる方がいいでしょう。
知人のコネを頼る
大々的に公開されてはいませんが、転職市場ではコネ入社も存在すると言われています。
関係者からの紹介や縁故によって、採用で有利に働く方法です。
銀行の場合、コネ入社は少ないとも言われますが、親の職業や経済事情、社会的地位が影響することはあるようです。
こればかりは誰でも利用できる方法ではありませんが、関係者が近くにいるのであれば、業界事情を聞くことはできますので、転職活動という点では有利だと言えます。
転職エージェントや転職サイトを利用する
転職エージェントや転職サイトでも、銀行求人の取り扱いがあります。
特に、大手銀行の子会社や関連会社、ネット銀行などの求人が多い傾向に。
転職エージェントを使えば、求人探しや転職サポートを依頼できるため、転職力がアップするというメリットがあります。
最後に
いかがでしたか?今回は、銀行への転職についてお話しました。
中途採用で銀行に入行できる可能性はゼロではありません。
新卒しか無理だと思っていた方は、どうしても銀行へ転職したい気持ちを諦める必要はないでしょう。
ただし、決して簡単ではありませんので、ご自身の経験や知識、転職理由なども含め、よく考えてから転職を目指すようにしましょう。