方向音痴が原因で道に迷う、目的地に到着できずに困ったなど、何らかのトラブルに巻き込まれた経験がないでしょうか。

これまでの人生の中で方向感覚のなさを自覚した出来事があるのなら、転職活動においても注意が必要です。

特に、面接日当日では取り返しのつかない失敗につながる可能性もあります。

気を引き締めておきましょう。

今回は、方向音痴な人が転職面接の日に失敗しないための対策を紹介します。

方向音痴な人が転職活動でやりがちな失敗

方向音痴であることは、親しい人との日常会話の中では、笑い話になったり、親近感を覚えたりと、さほど大した話でないように思われます。

しかし、転職活動という場面になると、将来を左右するほどの大きな出来事になることがあるのです。

方向音痴な人は転職活動でどんな失敗をしているのでしょうか。

面接の時間に遅れる

一番多い失敗は、方向音痴が原因で面接会場までの道に迷ってしまい、面接の時間に遅れてしまうことです。

転職活動中の面接は、特段の事情がない限り、先方に悪い印象を与えることがほとんどです。

ビジネスマナーがなっていない人材だと思われ、採用を思いとどまるケースもあるでしょう。

厳しい会社の場合は、遅刻者の面接を受け付けない場合もあります。

面接をしてくれる場合であっても、遅れたことで自身の気持ちが焦り、いつも通りの力を発揮できないことも考えられます。

何をとっても、面接の時間に遅れることは避けるべきと言えるでしょう。

応募先の人を困らせる

面接会場へ向かう途中、道に迷い、応募先企業に電話をして確認する場合があります。

それ自体は正しい対処法ですが、そもそも方向音痴な人は、自分が今どこにいて、どちらの方向を向いているのかを説明することが苦手です。

分かりやすい目印が近くにあればいいのですが、そうでない場合、電話を受けた人に上手く伝えることができなかったり、説明を聞いてもよく分からなかったりします。

どうにもこうにも伝わらず、応募先企業の人がわざわざ探しに行ったケースも実際にありますよ。

電話を受ける人は必ずしも人事担当者ではありませんから、電話でのやり取りが即選考に影響するわけではありません。

しかし、人事担当者に伝わる可能性もありますし、他の担当者に多大な迷惑をかけることになるのは、社会人として避けたいところです。

仕事は大丈夫だろうかと思われる

面接に遅れたり、面接直前に問い合わせをしたりして、「この応募者は方向音痴なのだろうか。」と思われると、仕事への影響を懸念されます。

面接当日がどうというより、採用しても大丈夫だろうかと思われることがあるのです。

特に、方向音痴が仕事に直接関わってくるような業務内容の場合は、不安視される可能性もでてくるでしょう。

方向音痴であることは面接の時点でバレないように

方向音痴の度合いは人によって差がありますし、通常は仕事や生活に困らない範囲内であることがほとんどです。

自ら方向音痴であることを伝える必要はありませんので、応募先の人にはバレないようにしておくべきです。

そのためには、面接当日でありがいな失敗をしないことが大切になります。

道に迷わず時間通りに訪問さえすれば乗り切れますので、事前によく準備しておきましょう。

方向音痴な人が転職面接当日に失敗しないための9箇条

では、方向音痴な人が大事な面接当日に失敗しないためには、何をすればいいのでしょうか。

ここからは、方向音痴な人が意識したい点、具体的な対策を紹介します。

1.方向音痴を自覚する

まず、自身が方向音痴であり、転職面接当日は細心の注意を払うべきであるということを、しっかりと自覚しましょう。

ときどき、「私、方向音痴なんだよね。」と言いながら、面接日に向けて何の準備もしない人がいます。

そういう人は、運よく面接会場に着けるときもあれば、なるべくして遅刻する場合もあります。

「方向音痴だから30分以上前に家を出た。」という人も、自覚がまだ足りません。

一度道に迷うと、迷ったことを認識し、元の道に戻るまでにかなりの時間がかかります。

最低でも1時間以上前には家を出るくらいはしておく必要があるでしょう。

2.面接では笑って許してもらえないと心得る

方向音痴な人は、これまで友人知人との待ち合わせに、道に迷って遅れてしまったことがあるでしょう。

友人知人であれば、近くまで迎えに来てもらったり、笑って許してもらえたりしますが、面接ではそうはいきません。

転職面接は今後のキャリアを左右する場面ですから、そう簡単に考えるべきではないと思っておきましょう。

3.人事担当者の立場に立って印象を考えてみる

道に迷うことは誰しもあり得ることですが、転職面接という場面で遅れると相手にどんな印象を与えるのでしょうか。

面接に遅れてしまうと、遅れた理由を述べなければ納得してもらえません。

しかし、素直に「道に迷って遅れました。」と言っても、このように思われます。

  • 事前に下調べをしていなかったのだろうか?(所詮はその程度の応募意欲なのだろう。)
  • 予想時間より早く家をでなかったのだろうか?(リスク管理ができない人材なのだろう。)
  • 普段から道に迷いやすい人なのだろうか?(採用しても外出する用事や業務を頼みにくいな。)

かと言って、電車の遅延など調べてすぐ分かる嘘をつくこともできませんので、結局は道に遅れたことを伝えることになるでしょう。

4.可能な限り下見をする

方向音痴な人は、時間が許す限り面接会場までの道を下見すべきです。

少なくとも、現地の場所を目で見て確認し、行く途中の目印などをチェックしておきましょう。

極度の方向音痴という場合は時間がかかることも想定し、面接時間と同じ時間帯に下見をすることがおすすめです。

平日と休日とでは電車の時間や本数、混雑具合など条件が異なります。

何があっても慌てないように完璧に準備しておきましょう。

ただ、面接で有休日を使うことを考えると、有休はできるだけ残しておいた方がいいとの考えもあります。

その場合は、仕事帰りに確認しておくなどし、おおよその時間と場所だけでも確認しておきたいですね。

5.「ちょうどいい時間」に着こうとしないこと

面接で会社を訪問する時間は、遅れるのはもちろん厳禁ですが、早すぎてもダメだと言われます。

会社によっては待合室を用意しておらず、気を使わせてしまうことがあるからです。

5分前くらいがベストですが、それは実際に会社を訪問する時間です。

「5分前訪問になるように、家を出る時間を調整しよう。」とする人がいますが、NGですよ。

想定外のことが起きることを考えると、「ちょうどいい時間」に着こうとするのはリスクが高いです。

会社近くには15~30分前までには到着しておくようにし、時間になったら訪問するようにしましょう。

方向音痴であればなおさらです。

早めに到着し、会社近くのカフェや飲食店で時間を潰せるよう、下見の段階でお店も確認しておくといいでしょう。

6.ルートのチョイスに注意する

時間を効率的に使うためにも、最短ルートで面接会場に行きたいと思うでしょう。

しかし、最短ルートが必ずしも行きやすいルートとは限りません。

目印が少ない最短ルートを選んだ結果、道に迷って結局遠回りになる場合があります。

方向音痴の人は、最短ルートではなく、一番分かりやすいルートを選びましょう。

分かりやすい目印が多い、曲がり角が少ないなどのルートです。

大切なことは、効率的なルートを使っていくことではなく、確実に時間を守ってたどり着くことです。

目的を間違えないようにしましょう。

7.スマホのナビやアプリをあらかじめ使っておく

方向音痴であることを自覚し、面接当日にはスマートフォンのナビやコンパスアプリなどを利用する人もいるでしょう。

確かに便利で役に立つツールですが、当日にいきなり使うのも考えものです。

ナビは近くまで連れていってくれても、ピンポイントでは分からない場合があります。

特に、会社の看板がなかったり、小さな事務所で気づきにくかったりすると、いつになっても会社の入り口を見つけられません。

ナビやアプリにどんな特徴があるのかを、日頃から使うことで確認しておきましょう。

8.普段から周りを意識して観察するようにする

方向音痴の人は、そうでない人に比べると、周りを見ておらず、普段から何も考えずに歩いている傾向にあるそうです。

方向音痴をなおすために、日常的に周りを観察する癖をつけるようにしましょう。

特に、動いている人や車ではなく、会社やお店、信号など、基本的に動かないものをよく観察するといいと言われます。

意識的に周りを見るようにすることで、方向音痴はある程度改善されるケースもあります。

方向音痴を直しておくことは、今後のことを考えても損はありませんので、転職活動をいい機会とし、自身の行動を見直してみてはいかがでしょうか。

9.どうしても心配ならタクシーを使う

時間がなく下見が難しい、当日は道より面接に意識を集中させたい人もいるでしょう。

今の仕事をしながら転職活動することが基本ですから、事前に十分な準備ができないことは無理もありません。

その場合にできることは2つに限られます。

1つは、とにかく早く家をでること、2つめはお金を余分に持っていきタクシーを使うことです。

特に、タクシーを使えば道に迷うことはありませんし、タクシーの中で応募資料の確認などもできます。

お金はかかるかもしれませんが、行きだけでも集中できる環境を作っておくことは悪くないでしょう。

方向音痴な人が向いていない仕事とは?

方向音痴を自覚している人は、転職先として選ぶ仕事にも制限がでてきます。

仕事自体には適性があっても、方向音痴が理由で大変な思いをし、仕事が辛くなってしまう人もいます。

方向音痴の度合いによって、選ぶ仕事を考えてみることも大切ですよ。

ここからは、方向音痴な人が向いていない仕事を紹介します。

営業

営業職は、さまざまな会社や個人宅を訪問しますので、方向音痴が致命的になる場合があります。

ルート営業のように訪問先が固定されている営業であればいいのですが、毎日訪問先が変わる営業はストレスにもなります。

多数の中小零細企業や個人を相手にする営業職は、方向音痴だと苦労するでしょう。

たとえば、個人向け生命保険の営業、求人媒体の営業、不動産賃貸営業などが考えられます。

営業職に転職したい場合は、訪問先や範囲がある程度決まっているかどうかを確認しておくべきです。

ドライバー

宅配ドライバーやタクシー運転手などドライバー職も、方向音痴には向いていない仕事の1つです。

カーナビがあるため苦労しないと言う人もいますが、これらのドライバー職は一般家庭を対象とすることも多く、カーナビだと対応できないことがあるからです。

カーナビはあくまでも補助的に使い、ある程度の方向感覚を持っていないと難しいでしょう。

特にタクシー運転手は複数のルートの中から最短ルートで行くことを求められます。

方向音痴な人がドライバー職に転職したい場合は、研修や教育体制が整っている会社を選ぶことと、休日などを利用して道を覚える努力をする覚悟も必要になります。

訪問介護

個人宅への訪問が基本の訪問介護も、方向音痴には向いていないと言われます。

運転手がいる場合もありますが、訪問介護は一人で出向くことも多いからです。

勤務時間中にはやることが多いため、転職面接のように1時間以上早くでることも難しいでしょう。

時間通りに訪問しないと利用者に迷惑をかけますので、遅刻はあってはならないことです。

介護職は訪問介護以外に多数の選択肢がありますので、施設内で働ける介護職を目指した方がいいでしょう。

法律関係の事務所

弁護士事務所や税理士事務所なども、意外と外出が多くあります。

職種にもよりますが、役所や顧客を頻繁に訪問することがあるからです。

役所への用事だけなら何度も行けば覚えられますが、中小零細企業や個人顧客の自宅は道が分かりにくいでしょう。

特に税理士事務所の顧問先は、中小零細企業がほとんどです。

顧客数も多く、監査や相談で頻繁に訪問することがありますので、道を知らないと大変になります。

特に転職してしばらくは色々な顧客を訪問することになりますので、慣れるまでに苦労する可能性もあります。

その他

他にも、新聞配達、飲食のデリバリースタッフ、ツアーコンダクターなど、方向音痴が原因で大変に感じる仕事があります。

共通しているのは、外出を伴う仕事であり、訪問先が多数あるという点でしょう。

今応募しようとしている仕事は、方向音痴でも無理なく続けられる仕事かどうかを確認してみるのは1つです。

方向音痴な人は転職先の業務内容に注目すべき

ここまで方向音痴な人に向いていない仕事を紹介しましたが、業務内容によって問題がないケースもあります。

大切なことは、職種全体で考えるのではなく、職場ごとの業務内容を確認するという点です。

外出業務が多いか、不特定多数を訪問する可能性はあるのかを知っておきましょう。

もちろん、慣れや本人の努力で乗り越えられることも多いため、どうしてもその仕事をしたいのに諦める必要もありません。

あくまでも、「転職した後のストレスが少ない仕事に就くには?」という観点から考えてみてはどうかということです。

応募先企業の情報は転職エージェントを利用して詳細を確認

応募した先でどんな業務をおこなうのか、詳細を知りたい場合は転職エージェントを利用しましょう。

業務内容に関する質問は面接でしても構わないのですが、事前に知っておいた方が、やみくもに応募することがなく、転職活動の効率化が図れるからです。

しつこく問い合わせすると嫌がられることもあるため、転職エージェントの情報網を利用するとスムーズ。

転職エージェントは、掲載企業に足を運ぶ、企業の人事担当者と密接に連絡を取り合うといった方法で、業務内容や実情を聞きだしてくれます。

転職活動全体をサポートしてくれますので、上手く使ってみましょう。

方向音痴は努力や工夫で改善できる

方向音痴がもたらす転職面接日当日のリスクをお伝えしてきましたが、何も悲観的になる必要はありません。

方向音痴はある程度の努力や工夫次第で改善することができるからです。

生まれつき完全な方向感覚の持ち主などそういるものではなく、誰もが道に迷ったり、方向が分からなくなったりするものです。

程度の差に過ぎず、多くは経験や土地勘によって補われていきます。

仕事でどこかを訪問するにしても、決められた範囲の中で動くことがほとんどでしょう。

たとえば、休日を使って生活圏外を散歩してみる、知らない街にも積極的に行ってみるなどのちょっとした工夫で、道は覚えていくものです。

方向感覚がなくても、道を知ってさえいれば迷うことは少なくなりますよ。

最後に

いかがでしたか?今回は、方向音痴な人が転職面接で失敗しないための対策を紹介しました。

失敗事例や、向いていない仕事も踏まえ、方向音痴であることを真剣に捉えてみてください。

方向音痴だからと言って転職先の選択肢を狭める必要はありませんが、自覚と事前対策が重要だということです。

大切な面接日を失敗して後悔することのないように、ぜひ参考にしてみてください。