未来ある若者を盛り上げる仕事をしたい、アカデミックな職種に就いてみたいと思っている人は、大学への転職を考えてみてはいかがでしょうか。
一般企業での勤務とは異なる特徴がありますが、教育に関わる仕事ができ、学生たちの笑顔を間近で見られるやりがいがあります。
今回は、大学にはどんな職種があるのか、それぞれの職種に転職するにはどうすればいいのか、大学への転職について紹介します。
目次
大学にはどんな職種がある?
大学で働くと言っても、どの職種を選ぶのかによって仕事内容が大きく異なります。
大学にはどんな職種があるのでしょうか。
大学職員
大学への転職で真っ先に思い浮かぶのが大学職員ではないでしょうか。
大学職員には正社員や契約社員が多く、パートやアルバイトは少ないです。
一度就職すると、長く働く人が多い傾向にあります。
大学職員とひとくちに言っても、さまざまな職種があります。
もっともよくイメージされるのは事務職ですが、それだけではありません。
営業や企画、研究支援などで、外回りをしたり、人前に立って話したりする仕事もあります。
入学対応や在学生支援などの学生向け職種以外にも、研究支援で教授や外部の人を相手にする職種、会計、人事総務、情報システム管理などのバックオフィス系職種もあります。
大学警備員
学生たちの安全や学習環境を守る大学警備員も、大学で働く職種のひとつです。
警備会社に所属し、大学の警備室に勤務します。
警備員と言うと定年後に就く仕事とイメージされる人もいますが、大学警備員は正社員の若い人も多く、20~40代の働き盛りの人も活躍しています。
具体的には、大学構内で監視や巡回、設備チェック、受付などをおこないます。
オープンキャンパスの際の受験生や保護者対応、業者対応なども仕事のひとつです。
当直や夜勤があり、勤務形態は不規則ですが、1回の勤務時間が長い分休みが多いため、効率よく稼げる職種でもあります。
栄養士、調理師
学食のほか、学内にレストランがある大学もあります。
栄養士や調理師などの専門資格があれば、資格を活かしつつ大学で働くことができます。
給食会社、食堂やレストラン経営、配達飲食サービスを扱う企業などに転職し、勤務地は大学ということになります。
将来ある若い学生たちを栄養や健康面からサポートできる職種です。
栄養士や調理師の資格をもたず、簡単な調理や配膳をする学食スタッフもいますが、パートやアルバイトも多いです。
教授、講師
教育する側の立場として、大学教授や講師になる方法もあります。
大学教授については、大学院博士課程を修了し、博士号を取得、さらに助手、助教授、講師、准教授などを経てなることが一般的です。
そのため、社会人になってからの転職先としては、大学に入り直すでもしない限りは現実的ではありません。
ただし、講師については教授になる過程以外にも、大学が必要と認めた実業家や有識者がなることがあります。
常勤講師になれば大学の職員の一人として活躍できます。
非常勤講師であれば、大学の職員ではなく雇用は安定しませんが、その大学で働くこと自体は叶います。
もっとも、よほどの実績や能力が認められない限りは、講師や非常勤講師になることはありませんので、教授とともに転職としては現実的ではないと言えるでしょう。
大学職員への転職
大学職員の年収相場や転職方法、転職のポイントなどを紹介します。
大学職員の年収相場
大学職員の年収相場は500~700万円と高めです。
基本給に加えて手当がつくことが多いため、若手の職員でも高年収であることは珍しくありません。
景気の影響を受けにくいため、定期昇給や賞与にも、ある程度期待できると言えるでしょう。
ただ、昨今は少子化の影響もあり、経営が厳しい大学もあります。
どの大学に所属するのかによって年収は大きく変わる点は、押さえておきたいところです。
大学職員になるには
大学職員になるためには、通常の転職活動と同じように、求人に応募して採用される必要があります。
転職サイトや転職エージェント、ハローワークなどの、ごく一般的な媒体で大学職員の求人を見つけることができます。
特定の大学への転職を希望するのであれば、大学HPの採用ページから応募する方法もあります。
国立大学に関しては、現在は国立大学法人となっているため、公務員の立場ではなく、国立大学法人が実施する独自の試験に合格できれば職員となることができます。
私立大学については、各学校法人の採用試験により大きく異なりますので、一般企業への転職と同じように、それぞれの学校について対策する必要があります。
大学職員は超人気職種
大学職員は、給与が高い、定時で帰れる、事務系職種が多いなどの理由もあり、非常に人気が高いです。
大学職員に特別な資格は不要ですが、学歴や年齢要件も比較的厳しく、誰もが応募できるわけではありません。
応募が殺到するうえに一般教養や論文試験などもありますので、採用までは長い道のりです。
特に国立大学法人は20代前半が目安となり、早めの転職が求められます。
ただし、若ければ良いというものでもなく、社会人経験3年以上などの制限があるケースも存在します。
さらに、大学職員を教育するという環境にはあまり期待できませんので、即戦力として活躍できるレベルが求められます。
どの大学も採用のハードルは高いと思っておいた方がいいでしょう。
大学警備員への転職
大学警備員の年収相場や転職方法、転職のポイントなどを紹介します。
警備員の年収相場
大学警備員の年収相場は300~400万円ほどですが、当直や夜勤の回数によっても変動します。
大学職員と比べると見劣りする年収ですが、商業施設の警備員やイベントの警備員よりも業務自体が楽だと言われることがあり、業務内容の割には高収入と考える人もいます。
正社員であれば賞与や退職金がでることもあります。
警備員になるには
まずは警備会社に転職する必要があります。
警備会社の求人は各媒体で定期的に掲載がありますので、警備会社に転職すること自体はそれほど難しくありません。
学歴や年齢制限も緩く、未経験OKの会社もあります。
もちろん経験者の方が優遇されやすいのは言うまでもありませんが、比較的多くの人に応募チャンスがある職種です。
ただし、大学警備員に限定すると求人が少なくなります。
大学警備員は警備員の中でも人気が高く、長く働く人も多いため、欠員募集が基本だからです。
やや時間をかけてじっくり探す必要があります。
体力とコミュニケーションスキルが必要な仕事
警備員は重労働こそありませんが、巡回や点検、夜勤があるなどで、比較的体力が必要な仕事です。
応募の際にも健康状態の確認をされることがありますので、体力が少ない人にはあまり向いていません。
また、大学という場所柄、学生たちとコミュニケーションを取ることもあります。
学生たちにとっては、話しかけやすい警備員の方が安心できるというものです。
小さな子供はいませんが、精神的には未熟な学生もおり、喧嘩をしたり、サークル活動で騒いだりして、近隣住民から苦情を受けることもあります。
そうしたときの初期対応や説明などが必要になる場面もありますので、適応力も求められます。
栄養士、調理師への転職
大学の学食やレストランで働く栄養士、調理師の年収相場は転職方法、ポイントを紹介します。
栄養士、調理師の年収相場
栄養士も調理師も、年収は雇用先次第ですが、全体的には250~350万円が目安となっており、恵まれた年収とは言えないことが多いです。
栄養士の場合、管理栄養士を持っていれば、手当がつくことがあるため、年収は上がりやすいです。
調理師は雇用先によっては、生活に苦労するレベルであることも珍しくありません。
ただし、飲食店やホテルなどに勤務するより、大学の食堂やレストランの方が、営業時間が限られています。
厳しい修行という側面も弱まりますので、ハードワークを避けることが可能です。
その意味では、業務量に見合った年収となりやすいと言えるでしょう。
栄養士、調理師になるには
栄養士の資格を取得するには、大学で栄養士養成課程を修了するか、専門学校、短大を出ていなければなりません。
現時点で資格がないのであれば、学校に入り直す必要がありますので、栄養士として転職するまでは長い年月がかかります。
管理栄養士の場合はさらに実務経験が必要ですが、その分資格の価値は上がります。
調理師の資格を取得するには、調理師学校を卒業するか、2年以上の実務経験を経たうえで試験に合格する必要があります。
栄養士と比べると、社会人になってからでもチャンスが大きいと言えます。
工夫が求められる職場
若くて流行にも敏感な大学生を相手にする職場には、それなりの工夫が必要です。
好奇心や向上心が高い人でなければ、長く続けることはできないでしょう。
学生たちは、味、ボリューム、価格にこだわりがあります。
大学によっては一般の人が利用できる学食やレストランもあり、調理の方法や盛り付けが評価されることもあります。
学生たちとコミュニケーションを取り、メニューや味付けを進化させていくことも必要です。
学食やレストランが評判になれば大学の人気や評価が上がり、入学希望者が増えることも考えられますので、その役割は想像以上に大きいものです。
最後に
いかがでしたか?今回は、大学への転職について、職種や転職方法などを中心に紹介しました。
これまで一般企業にしか興味がなかった人も、ひとつの魅力ある職場として、大学も考えてみることをおすすめします。
職種によっては転職は簡単ではありませんが、新たなやりがいと出会える可能性があるでしょう。
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