クラッシャー上司のせいで会社に行くことが辛い…。
クラッシャー上司に悩みを抱えているのであれば、できるだけ早く適切に対処する必要があります。
言葉による暴力はじわじわと精神的なダメージが蓄積され、気づいたときには回復が困難な状態にまで陥ってしまうことがあるからです。
近年耳にするようになったクラッシャー上司とはどんな人のことなのでしょうか。
その特徴を知り、自分の身を守りましょう。
今回は、クラッシャー上司の特徴と対処法を紹介します。
目次
クラッシャー上司とは
クラッシャー上司とは、次のような行動をおこない、部下のメンタルを痛めつける人のことをいいます。
- 部下のミスに暴言を浴びせかける、執拗に文句を言う
- 常に威圧的な態度で部下と接する
- 部下の話に耳を貸さない
- 些細なミスで突然狂ったように怒り出す
- 指示不足が原因で起きたことも自分以外のミスにする
- 気に入らないことがあるとあからさまに不機嫌になる
どこの職場にも同じような人がいるかもしれませんが、「この人は常軌を逸しているのでは?」と感じることがあればクラッシャー上司の可能性が高いです。
クラッシャー上司がいるとどうなる?
クラッシャー上司がいることで、部下たちはメンタルの不調に陥ってしまいます。
- 上司が怖くて萎縮しミスにつながる
- 常に上司の顔色を伺い伸び伸びと仕事ができない
- 仕事に行くことが嫌になる
- 私生活でも仕事のことを考えてしまいストレス過多になる
仕事には多少の嫌なことや厳しいことはつきものとはいえ、クラッシャー上司によって仕事そのものを憂鬱に感じるようになれば問題です。
自分の非を認めないから謝罪を求めることは困難
クラッシャー上司にメンタルをボロボロにされ、謝罪を求めたいと感じることがあるかもしれません。
医師の診断書などの証拠があればよいのですが、通常はクラッシャー上司に謝罪させることは難しい面があります。
なぜなら、クラッシャー上司は自分の非を絶対に認めないからです。
というより、自分の何が悪いのか全く理解できないのです。
- 部下の管理をすることは自分の仕事
- 部下がミスをすれば指摘して当然
- 自分はストイックにやって結果を出したから部下もそうあるべき
こうした思考回路なので、部下が精神的にまいっている様子に気づいたり、部下の気持ちを考慮したりといったことはできません。
「それはさすがに言い過ぎだ」とさらに上の人から指摘されたとしても、内心では「ただミスを指摘しただけで何が悪い」と思うのがクラッシャー上司です。
クラッシャー上司はここが厄介
さらに、クラッシャー上司はある厄介な性質を持ち合わせています。
クラッシャー上司はパワハラ上司でもあるのですが、それに加えて次の性質があることで、対処が難しい側面があるのです。
- 仕事ができる人が多く上からの評価も高い
- ストイックな一面がある
- 言っていることは正論な場合もある
仕事が全くできず社内での評価も低い上司が横暴を繰り返しているパワハラと異なり、クラッシャー上司は基本的に仕事ができます。
自分自身を律しストイックにやってきたからこそ今の地位に上りつめているのです。
上からの評価も高いため、パワハラ問題などでクラッシャー上司の上に相談してもなかなか理解してもらえないこともあります。
言い方は大問題があったとしても、その内容は正しいこともあり、自分自身や周囲が丸めこまれてしまうわけです。
とはいえ、正論だからといって人のむやみに人のメンタルを痛めつけることを言っていいはずはありません。
物には言い方、言う場所、言う頻度など「程度の問題」は大きくあり、それこそが人間関係の良し悪しに影響を与えるものだからです。
クラッシャー上司への対処法
ここからは、厄介なクラッシャー上司への対処法を紹介しています。
クラッシャー上司の年齢を把握
まずはクラッシャー上司の年齢を把握しておきましょう。
30代、40代の上司であればまだまだ会社に居続けますので、これからご紹介する対処法を試す必要があります。
一方で、すでに50代以降の場合は時間が解決してくれることがあります。
まずは役職定年です。
役職定年を設けている企業の場合、53~55歳がひとつの目安です。
クラッシャー上司は自分の役職を盾に攻撃性を強め、役職があることが誇りであり自信につながっています。
役職がなくなった途端に驚くほど丸くなる人はいるものです。
役職定年が近いクラッシャー上司であれば少しだけ様子を見てみることも方法です。
続いては定年です。
一般的には60歳定年企業が多く、継続雇用制度を利用してもクラッシャー上司が引き続き同じ立場でいられることは稀です。
パートや嘱託社員など立場が変わりますので、クラッシャー上司がとやかく言う機会は減るはずです。
クラッシャー上司の年齢が高ければ「あと少し辛抱すればいなくなる」と気が楽になることがあるわけです。
ミスの内容だけをピックアップして改善する
クラッシャー上司の言い方には問題がありますが、言っている内容は正論であることも多いです。
腹が立つことがあってもまずは内容を振り返り、自分の身にするようにしましょう。
仕事の精度が上がることでクラッシャー上司から指摘されることが減り、平穏に仕事ができるようになります。
このとき、クラッシャー上司からの人格否定などの言葉を受け取る必要はありません。
ミスの内容だけをピックアップし、「同じミスはしないように改善しよう」と思えば十分です。
クラッシャー上司の言葉を全て真に受けてしまうと、自己否定感が強くなり、自分はだめな人間だと思ってしまいます。
そうではなく、単にミスの内容だけを事務的に受け取り改善するのです。
仕事ができるようになれば周囲の理解や助けを得られやすくなり、クラッシャー上司の標的になりにくくなります。
こまめに報・連・相をする
報・連・相は仕事の基本ですが、相手がクラッシャー上司の場合はいつも以上にこまめにする方がよいです。
クラッシャー上司は部下にミスを押し付けたり、自分の指示不足を認めなかったりすることが得意ですから、報・連・相によって仕事の経緯を明確にしておくのです。
それによって、クラッシャー上司は「そんな指示はだしていない」などと言い逃れできなくなります。
周りの人が見ている前で報・連・相をすることで、きちんと指示を仰いでいることの証拠になります。
こまめに仕事の経過を報告してくる部下に対しては文句のつけどころがなくなりますので、攻撃性を弱めていくでしょう。
クラッシャー上司の意向とは異なる仕事をすることも減りますので、結果的にはミスのない仕事にもつながります。
機嫌がよいときを見計らって味方につける
クラッシャー上司は感情の起伏が激しいです。
まるで子どものようですが、そこを逆手にとりましょう。
つまり、機嫌がよいときもあるわけなので上手く利用するのです。
いつも近くで仕事をしていると、朝出社した表情だけで機嫌の良し悪しが判断できるようになります。
機嫌がよさそうなときこそ歩み寄り、上司が好きそうな話題を振ってみてもよいでしょう。
親であれば子どもの話をしたがることが多いですし、スーツや身につけている物を褒めてもよいです。
仕事ができるクラッシャー上司はこだわりの物を持っていることが多く、上質な物を身に付けることで仕事の質が上がると感じている「意識高い系」なケースもあります。
おすすめの書籍やセミナーについて質問してみてもよいでしょう。
クラッシャー上司はストイックに自分を高めているタイプが多いため、同じようなところに興味をもつ部下は可愛く感じるものです。
仕事の些細な相談を例にとり「〇〇さんに相談したことでうまくいきました」と、上司の自尊心をくすぐるような言葉を贈るのもよい方法です。
攻撃性の高い上司は、敵にまわすと非常に厄介ですが、味方にするとメリットが大きいです。
機嫌がよいときを見計らって仲良くなっておくと、攻撃相手が別のところに動くことがあります。
堂々としている
クラッシャー上司は相手が委縮するほどさらに攻撃性を強めます。
萎縮している相手を見てさらにイライラが募り、過去のミスを持ちだしてしつこく攻撃してきます。
きつい言い方をされたとしても必要以上に委縮せず、堂々としていましょう。
ミスがあれば謝り、次は同じミスをしないように準備しておきます。
このとき単に「ミスをしちゃだめだ」と精神的に自分を追い込むようなことはせず、シンプルで具体的な対策を講じておきましょう。
たとえば、チェック項目を作り書類を提出する前に必ず確認する、先輩にダブルチェックを依頼するなど事務的にできる対策です。
やるべきことを淡々とこなし、下手に怯えることなく仕事に取り組んでいればクラッシャー上司も攻撃する要素がありません。
クラッシャー上司から呼び出されると明らかに怯えた表情を浮かべてしまう人がいますが、それではクラッシャー上司の思うつぼです。
名前を呼ばれたら大きな声で返事をし、口角を上げて堂々と近づきましょう。
社会人らしい堂々とした大人な対応を見せることで、クラッシャー上司もいじめがいがなくなります。
職場の同僚との協力体制を強める
クラッシャー上司の被害に遭っている人は一人でないことが多いです。
自分以外の人のやり方がすべて気にくわないことも多いため、同じようにクラッシャー上司に嫌な思いをしている人はいるものです。
そのため、職場の同僚とは良好な人間関係を保ち、協力体制を強めておくことが有益です。
悩みを分かち合い、話を聞いてもらうだけでも自分だけが被害に遭っているのではないと分かり、安心材料になります。
クラッシャー上司の話をまともに聞く必要もないと知ることができ、いつもの暴言を聞き流すことができるようにもなります。
クラッシャー上司があまりにひどいことを言ってきた場合は、結託してパワハラで上に相談することもできます。
一人だけが相談を持ち掛けるよりも複数人で訴える方が、信ぴょう性が増すでしょう。
クラッシャー上司へは自分一人だけで反発しようと思わないことが得策です。
クラッシャー上司の上司と良好な関係を
クラッシャー上司の上司にあたる人とは、可能な限り良好な関係性を作っておきましょう。
上の立場の人なのでなかなか難しい面があるかもしれませんが、挨拶をこまめにする、積極的に話しかけるようにするといった程度のきっかけでも可愛がってくれることがあります。
クラッシャー上司についての相談をしなかったとしてもよいのです。
さらに上の存在が、クラッシャー上司への抑止力になるからです。
クラッシャー上司との会話の中で「常務が先日○○とおっしゃっていました」というように、上の立場の人と関係性があることをにおわせておきましょう。
パワハラの証拠を集めておく
クラッシャー上司はパワハラ上司でもあるため、パワハラの証拠を集めておくことも必要になります。
毎日のようにメールで「営業成績が伸びなかったら分かっているね?」など脅すような文言を送られているのであればしっかり残しておきましょう。
クラッシャー上司の上司に相談する際や、企業のコンプライアンス部門に訴えるときにも証拠がある方が伝わりやすくなります。
実際にパワハラで訴えなかったとしても証拠を残しておく意味はあります。
「これはいつか訴えたときの証拠になる」と思っておくことで、クラッシャー上司の攻撃も客観的に受け取れるようになるからです。
職場異動を申し出る
いろいろと工夫をしてもクラッシャー上司の攻撃性が弱まらない場合は、こちらが環境を変える覚悟で臨みましょう。
異動が可能であればまずは職場異動を申し出ます。
クラッシャー上司は上からの評価を気にしますので、職場異動希望者がでると不安に感じます。
職場異動者が多いということは、部下の信頼を勝ち取ることができない「だめな上司」のレッテルを貼られる意味でもあります。
そのため、職場異動の申し出をすること自体にクラッシャー上司の攻撃性を弱める効果が期待できるでしょう。
とはいえ、実際に異動するつもりで申し出ておかなければ、あっさり異動が認められて困ってしまいます。
異動が認められれば万々歳、認められなくても一定の効果があれば成功したといえる。
このように思って申し出てみましょう。
クラッシャー上司が辛いなら転職を
異動が難しいのであれば転職も視野に入れましょう。
人の気持ちを考えない上司の元で長く仕事をしていてもよいことはありません。
クラッシャー上司の存在に気づかず、放置しておく会社の体制にも問題があります。
世の中には部下のためを思い、尊敬に値する上司もいるものです。
よい上司に巡り合うことは簡単ではありませんが、少なくとも環境を変えない限り出会うチャンスはありません。
クラッシャー上司のもとで働いていると、転職活動の時間がとれないほど忙しい方もいるでしょう。
そんなときは転職エージェントを利用すると効率のよい転職活動ができます。
上手に活用し、クラッシャー上司に怯える毎日から解放されましょう。
最後に
いかがでしたか?今回はクラッシャー上司の特徴と対処法を紹介しました。
クラッシャー上司はパワハラに加え、自身がストイックで仕事ができるなど、厄介な面を持ち合わせています。
こちらも冷静かつ賢く対処する必要がありますので、対処法をよく覚えておきましょう。
それでも状況改善が難しいのであれば異動や転職も視野にいれるべきです。