毎日仕事が辛くてどうすればよいのか分からない。
こんな悩みを抱えていないでしょうか。
仕事が辛すぎると思考が停止するか、あれこれと考えすぎてやるべきことが分からなくなってしまうか、どちらかになりがちです。
しかし、その状態のまま仕事を続けていても、必ずしも時間が解決してくれるとは限りません。
心身ともに疲弊して尽くす手がなくなる前に、何ができるのかを知る必要があります。
深呼吸をし、現状を整理してみることから始めてみましょう。
今回は、毎日仕事が辛い人に向けて、現状打破の方法を紹介します。
目次
毎日仕事が辛い原因を探る
まずは、「なぜ毎日仕事が辛いのか」を知りましょう。
現状を分析することで、今後どうするべきかのヒントになるからです。
仕事が辛いと感じている本人でさえ、なぜ仕事が辛いのか実は把握していないことは多々あります。
毎日仕事が辛くなる理由としては、次のようなものがあります。
- 職場の人間関係が悪い
- 企業と考え方があわない
- 仕事量が多すぎて肉体的に疲弊している
- 給与が低くて生活できない
- 仕事がつまらなすぎる
- 頑張っても評価されない
- 単純に働きたくない
このような理由で毎日仕事が辛いとき、今できることを考える必要があります。
次項からはそれぞれの項目について、対処法も含めてもう少し詳しく見ていきます。
職場の人間関係が悪い
毎日仕事が辛い理由の必ず上位に入るのが職場の人間関係です。
人間関係とひとくちにいっても、その様態はさまざまです。
- 誰か特定の嫌な人がいる
- パワハラ、セクハラで悩んでいる
- 職場全体がギスギスした雰囲気で居心地が悪い
- 親しく話ができる人がいなくて寂しい
自分なりの工夫の後に環境を変える
誰か特定の嫌な人が一人だけいる場合や、親しく話ができる人がいない場合、二人の関係に誤解が生じていたり、自分にも原因があったりといったことは考えられないでしょうか。
職場全体の雰囲気も、自ら積極的に明るく振る舞うことで雰囲気が和らぐことはあります。
まずは、自分なりにできることをしたのかを振り返り、そのうえで解決できない人間関係であれば、異動や転職など、自ら環境を変える対処が必要になります。
パワハラやセクハラには毅然な対応を
パワハラやセクハラなどの場合は自分一人で抱え込まないようにしましょう。
企業のコンプライアンス部門に相談する、信頼できる他の上司や先輩に相談する、証拠を集めるなどすることが賢明です。
パワハラやセクハラをする本人が自ら状況を変えてくれることはありませんので、こちらが毅然な対応をする必要があります。
企業と考え方があわない
自分と企業(上司やトップ)との考え方に乖離が生まれ、自分のやりたい仕事ではない、方向性が異なるなどと感じることです。
入社年数が浅い人だけでなく、ベテラン社員にも起こり得ることです。
たとえば、クライアントに平気で嘘をついたり、現場の声が一切聞き入れられなかったりといった企業体質に、うんざりしてしまうことがあるかもしれません。
他の社員たちも同じように企業の考え方に疑問を感じているのであれば、社員たちと協力し、トップに訴える方法もあります。
しかし、実際には個々の事情があり、「我慢してでも波風立てずに仕事をしたい」と考える人もいます。
一致団結することは簡単ではありません。
当然、個人の力だけで企業の考え方を変えることは難しいものがあります。
この場合は、トップに意見を伝える機会をうかがうとともに、聞き入れられないケースも想定し、転職も視野に入れておくべきでしょう。
現職にしがみつくことで貴重な時間が失われてしまうことは理解しておきたいところです。
仕事量が多すぎて肉体的に疲弊している
仕事量が多すぎて毎日長時間労働が発生している、休日出勤がある、有休が取得できないといった理由です。
もともとは肉体的な疲弊であっても、そのうち精神的に疲れてきてしまうこともあります。
「仕事量が多い」にも2種類あります。
1つは客観的に見ればそれほど多くない仕事でも、本人の容量を超えて負担になっているケースです。
もう1つは誰がどう見ても対処しきれないなど、客観的に見て仕事量が多いケースです。
本人の容量を超えている場合
職場を見渡して、他の人は難なく仕事をこなしているけれど、自分だけが残業になってしまう場合、仕事のやり方が間違っているのかもしれません。
あるいは、入社年数が短くて要領を得ていないだけということも考えられます。
どのようにすれば効率よく、ミスなく仕事を進められるのか、同僚や先輩に相談してみるとよいでしょう。
何かのスキルや知識を身につければ効率が上がるようであれば、身につけることも方法です。
誰でもできる仕事を自分一人で抱え込むことで仕事量が多くなる人もいます。
その場合は周囲に仕事をふることもスキルのうちです。
このように、自分の中に問題があるのなら、まずは冷静に分析し、できる工夫はないのかを考えてみることが有効です。
客観的に仕事量が多い場合
客観的に見て仕事量が多い場合は、物理的に一人では担いきれない仕事ということです。
新しい人を雇ってもらう、余裕がある別の人に手伝ってもらうなどの方法で対処するほかありません。
しかし、上司に言っても「一人で何とかしろ」と却下されてしまうことがあるでしょう。
特に新しい人員を採用するとコストがかかりますので、多少の残業代を支払っても少ない人員でまわしたいと考える企業は多いものです。
この場合はまずは異動を申し出てみましょう。
上司に対し、本気で環境を変えてほしい気持ちが伝わり、何らかの対策を講じてくれる可能性が生じます。
異動が叶わないのであれば、いよいよ転職も考える必要がでてきます。
給与が低くて生活できない
仕事の対価である給与も、毎日仕事が辛くなる原因になりがちです。
特に家族を養っている人、住宅ローンを抱えている人などは、給与の低さが死活問題になりかねません。
とはいえ、給与が低いことと、毎日仕事が辛いことは、必ずしも直結しません。
給与が低くても他は満足している場合
たとえば、給与が低くても残業がほとんどなく、職場の人間関係も良好であればどうでしょうか。
この場合、給与が低くて生活が苦しかったとしても、仕事自体が辛いわけではありません。
お金の問題を解消することを第一に考えましょう。
対処法としては、仕事に役立つ資格を取得し、資格手当を得る方法があります。
副業禁止規定がないのであれば、仕事以外の時間を使って副業する方法も考えられます。
贅沢やギャンブルなどをしていることで生活を圧迫しているのであれば、見直すことも対処法です。
お金の問題というだけであれば解決できることが多いものです。
お金の問題が解決されても辞めたいのであれば、それは給与が理由ではなく別のところに本質的な問題があるということです。
給与は低くないが不満がある場合
たとえば、本当は生活が十分できるだけの給与だけれど、頑張りに見合っていないことが苦痛だと感じるケースもあります。
「こんなに頑張っているのに給与がこれだけ」といった具合です。
この場合は給与が低いことが理由というより、評価そのものに不満があります。
職場の評価制度を確認し、何をすれば評価対象になるのか調べてみましょう。
あるいは、上司が代わることで納得のいく評価が得られ、給与はそのままでも精神的な満足感が得られることもあります。
上司の考え方を変えることも、上司そのものを代えることも自分ではできませんので、通常は異動や転職を考えることになります。
仕事がつまらなすぎる
トラブルなく毎日を過ごせているけれど、仕事がつまらなすぎて毎日辛いと感じる人もいます。
仕事が全く自分にあっていないか、向上心が高いがゆえに現状に不満を感じているのかもしれません。
単純作業の連続など、明らかに向上できない環境であれば、早々に転職することもひとつの方法です。
しかし、本来仕事の面白い、つまらないは、何を仕事にするというより、自分自身がどのように取り組むのかの側面が大きいものです。
どんな仕事でも、自分なりに工夫をして面白くすることはできるのです。
- いつもより早く仕事を完成させるように時間を決める
- いつもより完成度の高い仕事をするように目標を定める
- 仕事にまつわる知識やスキルを身につける
- 職場全体の効率アップのために分かりやすいマニュアルを作成する
- 顧客満足度向上のための企画を考える
こうしたことをやっていると、つまらないと思う暇が生まれなくなります。
それでも、とことん工夫を続けて「もうこれ以上できることはない!」と限界を感じることがあるでしょう。
そのときは新しいステージに行くチャンスです。
そこまで徹底的に工夫をしたうえで転職するのであれば、職歴を活かすことも、別の仕事で成功することも難しくありません。
単純に働きたくない
どんな仕事も嫌だ、働くこと自体を避けたいと感じることもあるかもしれません。
しかし、仕事が嫌というより、今の仕事があわないだけというケースが多くあります。
今の仕事の具体的にどんな部分が嫌なのかを書き出してみましょう。
そのうえで、本当に嫌な項目を避けて仕事を探せば、自分にあう仕事が見つかりやすくなります。
「仕事もそんなに悪くないものだ」と感じることもあります。
「仕事と名の付くものが全て嫌だ」と思うのであれば、まずは私生活で自分の好きなことをやってみましょう。
仕事だと思うから辛いのであって、自分の好きなことや趣味の延長にあるものなら苦にならないことは多々あります。
すでに自分の好きなことが確立されているのなら、それを仕事にする手段はないでしょうか。
必ずしも雇われの身である必要はありません。
インターネットなどを利用して簡単に起業できる時代です。
とはいえ、預貯金を貯めておく、実家に住まわせてもらうなど、生活を守るための準備はしておかなくてはなりません。
好きなことを仕事にするためには、見切り発車的に現職を辞めるのではなく、一定の準備期間を設け、想定し得るリスクに対処できるように環境を整えましょう。
毎日仕事が辛いけど動けない理由
毎日仕事が辛い、やるべきことは何となく分かっている。
「なのに」動けない人は多いものです。
次に分析するべきなのは、「仕事が辛いのに行動を起こせない理由は何なのか」です。
たとえば次のような感情から、行動へのハードルが高まっているのかもしれません。
- 誰にも相談できない
- 転職したいけど年齢的に難しそう
- 家族から反対されるに決まっている
- 職歴や資格がないため評価されない
- ここまで我慢してきたのに辞めてはいけない気がする
次項からは、これらの理由に対する解決策を探っていきます。
誰にも相談できない
本当に誰にも相談できないケースは、そう多くありません。
職場の同僚、上司、企業の相談窓口のほか、家族や友人も相談相手になります。
知り合いでなくても、今はインターネットを見れば同じような悩みを抱えている人が解決法を提案していますし、法的なことなら自治体や専門家を頼る方法もあります。
相談相手はいます。
誰にも相談できないと感じるのは、相談することで自分がどう思われるのかが気になったり、どのように現状を説明すればよいのか分からなかったりといったことが原因ではないでしょうか。
相談することで何らかの人間関係に影響があるとお考えであれば、上に挙げたように、知り合い以外の相談窓口を探しましょう。
どうしても知り合いがよいなら、職場のことを一切知らない友人も、仕事の相談に対して客観的な意見をくれる相手として適しています。
誰かに相談するとき、説明が苦手で上手に伝わらない人は、人に相談する前に紙に相談内容を書いて整理することをおすすめします。
ゆっくり文章にしていく作業であれば、人からせかされることはありません。
相談する前に「説明が苦手なので紙に書いてきました」と言えば、相手も丁寧に聞いてくれることが多くなります。
転職したいけど年齢的に難しそう
まだ30代、40代であれば転職ができない年齢ではありません。
企業の定年年齢は多くが60歳であることを踏まえても、残りの職業人生は20~30年はあります。
今から新しい環境に挑戦する余地は十分あるでしょう。
すでに50代になっている場合、確かに年齢がネックになり転職が難しくなることが多々あります。
しかし、年齢問わず人材を受け入れる業界はあります。
たとえば、タクシー、運送、介護業界などは50代以降の転職組は珍しくありません。
こうした業界に目を向けてみることがひとつです。
また、仕事自体に不満はなく、人間関係や職場の体質などの問題で毎日仕事が辛い場合も、同業界であれば経験を活かせ、難なく転職できることもあります。
この場合、経験や実績がものを言います。
現職で相応の結果を残しているか、役職経験があるかなどが問われるでしょう。
スカウト型の転職エージェントなどに登録しておくと、自身の年齢でも転職市場からのニーズがあるのかどうかが判断できます。
年齢が高くて転職が難しいことが明らかになった、でも毎日仕事が辛いとしても、選択肢はいろいろあります。
たとえば
- 現場職として仕事を楽しむように意識する
- 後輩指導に精を出す
- 余っている有休を使って自分の好きなことだけをする
- 知り合いの紹介で転職する
- 起業する
- 副業を始める
などです。
何が現状打破のきっかけになるか分からないものです。
ちょっとしたことでもよいので、とにかく一歩動いてみましょう。
家族から反対されるに決まっている
しばらく仕事を休みたい、転職したいと思っても、家族からの反対が怖くて行動に移せないことがあります。
いわゆる「嫁ブロック」と呼ばれるものもその一種です。
家族はなぜ反対するのかといえば、お金や生活の心配があることが多いでしょう。
特に家計をともにする配偶者からの反対は、お金や生活面の不安からくるものがほとんどです。
反対の理由が明らかであれば、その不安を解消してあげることです。
お金や生活面の不安なら、配偶者に負担をかけないように準備をしましょう。
仕事を休むのであれば会社の制度を利用して休むことです。
有休のほか、メンタルの不調などがあれば傷病手当金をもらいながら休むこともできます。
転職の場合は次を見つけてから辞めるようにすれば、納得してくれることは少なくありません。
職歴や資格がないため評価されない
今の職場で評価されないからといって、次の職場で必ず評価される保証はどこにもありません。
職歴に自信がない方は特に尻込みするでしょう。
しかし、一般的な会社員の中で、職歴に絶対の自信を持つ人の方が少ないのではないでしょうか。
それでも、これまでの職歴を振り返り、希望する企業へ活かせる経験を探し出し、応募に至ります。
それが転職活動です。
輝かしい実績などなくても、あなたの経験やスキルを求めている企業はありますので、それを見つけることが肝心です。
企業の探し方が分からないのであれば、転職エージェントを利用するとよいでしょう。
キャリア面談を通じ、経験を活かせる企業を、プロの視点からアドバイスしてくれます。
一緒に適職を探してくれる心強い味方となります。
資格については、中途採用者が資格を多大に評価されて転職することはあまりありません。
資格がなければ就けない職業は別ですが、そうでなければ、資格がなくてもさほど気にすることはないでしょう。
資格で武装したい、資格があれば自信を持って動き出せるというのであれば資格取得も悪くはありません。
しかし、その分転職までに時間がかかること、年齢が上がりチャンスが少なくなることは覚えておきたいところです。
実際に仕事に活かせる仕事かどうかを見極めることも重要です。
ここまで我慢してきたのに辞めてはいけない気がする
休職や退職、転職をすることに後ろめたさを感じる人もいます。
毎日仕事が辛いと思いながら頑張ってきたのに、環境を変えることが自分への裏切りのように思うのかもしれません。
しかし、職業人生は我慢したから輝くものではありません。
我慢比べ大会でもなければ、辛い思いをした人ほど後でよいことが起きるわけでもありません。
早いタイミングで今の仕事に区切りをつけ、自分にあった仕事に出会うことができ「もっと早く転職するべきだった」「今の仕事が本当にあっている」と感じている人は大勢います。
日本人は我慢を美徳としがちですが、残念ながら、我慢せず、楽しく仕事を続けている人はいるのです。
我慢がないことで、心身ともに健康的で、精神的にも充足します。
「辞めてはいけない気がする」は思い込みであることが多いものです。
まずは、「誰でも辞めてはいけない理由などない」と思ってみてください。
結果的に、「いつでも辞められる」という安心感から現職を続けやすくなる人もいます。
実際、思い切りのよい転職に踏み切れる人もいます。
「辞めてはいけない」と自分の可能性を制限しないことが大切です。
最後に
いかがでしたか?今回は毎日仕事が辛い人に向けて、現状打破の方法を紹介しました。
現状を変えたいと思うのであれば、まずは現状を把握することが大切です。
自分では分かっているつもりでも、仕事が辛すぎることでよく理解できていないことがありますので、一旦立ち止まって整理してみましょう。
今何をするべきかが見えてきたら、ひとつずつでよいのでやってみましょう。
毎日仕事が辛いのに嫌々続けている、我慢しかしていないことが一番自分を苦しめます。
一歩前に進むごとに気持ちが楽になっていくものだと思って、今できることを試してみてください。