職場の上司からの度重なるモラハラで辛いとお悩みではないでしょうか。

モラハラだとの認識はなくても、上司への恐怖心が強い方や仕事に行くことが辛いと感じている方は、モラハラ被害者かもしれません。

そこで今回は、職場の上司からのモラハラをテーマに、その特徴や対処法を中心にお伝えします。

モラハラとは一体どういうものなのか、モラハラをされた場合にどうするのが効果的なのか、相談先なども知っておきましょう。

この記事の目次

モラハラとは

モラハラは正式には「モラル・ハラスメント」といい、フランスの精神科医が提唱したものです。

道徳的、倫理的な嫌がらせのことを意味します。

職場の上司や先輩、同僚たちから受けることのほか、配偶者や恋人、親子など身近な人からのモラハラもあります。

モラハラ被害者には、「自分の方が悪いと責めてしまう」「モラハラをされていると気づけない」「原因不明の体調不良が続く」といった特徴があります。

また、そもそもモラハラのターゲットとなりやすい人もいます。

だから悪いということには決してなりませんし、無理に自分を変える必要はありません。

ただし、いざターゲットになってしまった場合に備え、「自分の身を守る術を知っておくことが大切」だと覚えておきましょう。

【モラハラのターゲットとなりやすい人】

  • 人の輪に入ることが苦手
  • 真面目
  • 声が小さい
  • 気が優しい
  • 大人しい
  • 人の目を見て話さない

モラハラの具体例

ここで、モラハラの具体例を挙げてみましょう。

  • 人が見ている前で執拗に責め続ける
  • 些細なミスに対してあからさまに大きなため息をつく
  • 仕事上重要な連絡や会議への参加をさせない
  • 不必要な仕事を押し付ける
  • 仕事を与えず孤立させる
  • 無視する
  • 私生活のダメ出しをする
  • 密室で解雇をほのめかされる
  • 「他の人も迷惑している」と言う
  • 勤務外の時間でも平気で連絡する

ごく簡単にいえば、職場内のいじめです。

場所は違いますが、学校などでも起こり得ることも多数ありますね。

たとえば、無視や孤立させる、ため息などは典型的ないじめです。

これらの行為を頻繁にされているようであればモラハラの可能性が高いといえます。

1~2回なら様子見、3回目以降は危機感をもつ

上記の行為は、1回されてすぐに「モラハラだ!」と言うことも得策ではありません。

人によってはつい口が滑ってしまったり、たまたまそのときだけ気づかなかったりして相手に嫌な思いをさせてしまうことはあるからです。

人のあげ足をとり、何でも非難する人だと思われてしまうと、ご自身が職場内で浮いてしまう原因となりかねないでしょう。

1~2回嫌な思いをしたという程度であれば、少し様子を見て冷静に対処することも必要です。

3回目以降は危機感を持っておくようにしましょう。

モラハラとパワハラの違い

モラハラとパワハラはよく似ていますが、違いもあります。

パワハラは上下関係を利用した攻撃ですが、モラハラは本来上下関係がないはずのところでも発生します。

職場の同僚や夫婦、恋人間などが典型的な例です。

また、パワハラは暴力など目に見えて分かる攻撃も含まれているため、自身や周囲が気づきやすい点も異なります。

一方のモラハラは陰湿におこなわれるため、被害が顕在化するまでに時間がかかってしまいます。

気づいたときには精神的にボロボロになってしまうといったリスクもあるわけです。

とはいえ、モラハラはパワハラの一種です。

誰かに相談や訴えを起こす場合にも、切り口は「パワハラ被害に遭っている」と伝えた方がよいでしょう。

厚生労働省でも、企業がパワハラ防止策を講じる重要性について、力を入れて訴えています。

企業内でもパワハラ防止研修がおこなわれることがあり、モラハラよりもパワハラと訴えることで、より認識されやすくなります。

こんな症状がでていたらモラハラを疑ってみる

モラハラには傷や痣のように分かりやすい自覚症状がありません。

しかし、確実に心は傷ついていますので、早めに気づいて対処することが大切です。

特に次のような症状がすでにでている人は、職場内でいつも起きていることと照らし合わせてみることでモラハラに結びつくことがあります。

  • 朝起きようと思っても起きあがれない
  • 仕事に行くことが毎日辛い
  • 頭痛や発熱、腹痛など原因不明の体調不良がある
  • なぜか涙が止まらないときがある

モラハラをする人の心理状態とは

モラハラをしてくるような人に遭遇すると、「この人は何の目的でこんな幼稚なことをするのだろう」と疑問に思うこともあるでしょう。

モラハラをする人の心理には、次のようなものがあります。

  • 自分の方が優位に立っていることを確認したい
  • 不安感が強いから常に周りの情報を得ておきたい
  • 自分のコンプレックスを隠したい
  • 弱い人をいじめてストレスを発散したい

ここから分かるのは、モラハラをする人は、表面上は強く見えますが、非常に弱い人間だということです。

本当に強い人間は自分と違う人も受けいれ、人の気持ちを傷つけることなどしません。

職場のモラハラ上司への対処法

職場にモラハラ上司がいて悩んでいる場合、できることは多数ありますので安心してください。

選択肢があるという事実を認識するだけでも気持ちに余裕が生まれます。

自分が悪いと思わないこと

大前提として、モラハラをされる自分に原因があると思わないことです。

モラハラをする人は、幼少期の家庭環境が影響を与えているケースから、大人になって形成されたケース、家族や友人にはよい人だけれど職場内でだけ攻撃性を強めてしまうケースまでさまざまです。

つまり、モラハラは被害者ではなく「加害者の事情」によって起きているわけです。

あなた自身に問題があるわけではありません。

自分が悪いと思い込んでしまうと、具体的な解決策が見えてこないことが多くなってしまうので、これは非常に重要なことになります。

相手にしない

たとえばモラハラ上司は「皆も同じように迷惑している」と、上司以外の人の評価を言ってくることがあります。

しかし、そこに根拠はないことが多いものです。

つまりは嘘です。

嘘を言って「自分は職場の皆から嫌われているだめな人間」と、洗脳しようとしているのです。

優しくて人を信じやすい人ほど洗脳されがちですが、自分が実際に見た確実な情報以外は信じないことが大切です。

明るく礼儀正しく接してみる

たとえば仕事上重要なメールが自分にだけ送られてこなかったことが頻繁にあるとします。

このとき、「課長!いつもわたしのところにだけ届いていませんので、お手数ですが送っていただけますでしょうか」と明るく礼儀正しく言ってみます。

これは、「あなたに責任があるから、もっと礼儀正しくすればよい」ということではありません。

相手や周囲が「モラハラする人の方がよくない」と分かるように、自身の正当性をより明確にするということです。

また、モラハラをする人間からすれば、明るく礼儀正しい人を攻撃しても自分に非があることが周囲に伝わりやすく、面白くもありません。

そのため、通常はモラハラのターゲットとされにくくなります。

休憩中にモラハラ本を読む

お昼休憩などに、デスクでモラハラやパワハラに関する本を読んでみることも、モラハラ抑止力のひとつです。

表紙に「モラハラ」の文字が大きく印字されている本がよいでしょう。

それをモラハラ上司の目に入るように、デスクの上に置いておくことも方法です。

職場の人から「どうしたの?」と聞かれて困ったら「友達がモラハラ被害に遭っていて相談を受けている」など、いくらでもごまかしようがあります。

ちなみに、アマゾンで「モラハラ」と検索すると153件、「パワハラ」と検索すると583件の書籍がヒットしました。

もちろん、そうした書籍の内容がモラハラ対策に役立つことも十分考えられます。

モラハラの証拠を集めておく

モラハラの証拠を集めておくことも有効です。

この効果は主に2つあります。

1つめは、相談するときや訴えを起こすときに事実関係が認められやすい有利な証拠となることです。

2つめは、証拠の存在が精神的な余裕や安心感につながることです。

証拠集めをおこなうことで「相手が悪い」と客観的に認識できるようになったり、「証拠があればいつでも訴えて勝負できる」と思えたりします。

気持ちに余裕がでることで、うまくいけば「相手にしない」ができますし、モラハラに対して必要以上にオドオドすることなく、相手の攻撃性が弱まることも考えられます。

具体的な証拠としては、メールやLINEでモラハラ発言があれば残しておく、音声データ、モラハラ被害について詳細を記載したノートなどです。

そのほかメンタルの不調に陥ったときは医師の診断書なども作成してもらいましょう。

異動を申し出る

モラハラ加害者との距離を取ることは大切ですが、実際問題として同じ職場にいて距離を保つことは難しいものがあります。

あまり接しないようにしようとしても、相手から近づいてきてモラハラをしてくることは多々あるでしょう。

特に相手が上司ともなれば厄介です。

その場合、物理的な距離を取ることも必要になります。
まずは異動です。

同じ会社内にいても、部署が変わるだけで接する機会が格段に減り、上司の興味が別のターゲットに移ります。

異動で勤務地が変われば、モラハラ相手とほぼ顔をあわせることがありませんので、さらに効果があります。

転職する

異動が難しい、仕事内容自体に不満はないから部署は変えたくないといったケースでは、転職も検討しましょう。

モラハラを受けていて精神的に辛いと、転職活動にエネルギーを費やすことができないかもしれません。

そのときは「1日10分」と決めてもよいので、少しずつ転職活動を進めることで、一歩ずつ前に進んでいる状態を認識することができます。

転職エージェントなどを使えば、不必要な仕事を押し付けられて転職活動の時間が取れない場合でも代わりに動いてくれますので効率的です。

裁判以外にも方法があることを知っておこう

上司や職場からモラハラをされると、裁判に訴えることくらいしか思いつかない方が多いかもしれません。

一般的に裁判は「お金がかかる」「時間と労力が必要」「勝てるか分からない」などを理由に非常にハードルが高いイメージがあるでしょう。

そのため、そもそもモラハラを「どうにもできないもの」と諦めてしまう人がいます。

もちろん、できることは全てやった結果、最終手段として裁判がありますが、職場のトラブルには裁判以前にさまざまな解決法があります。

身近な相談先を頼る

まずは、身近な相談先を確認してみましょう。

職場内のことなので、職場内で解決できることも多々あります。

モラハラをしてくる相手が一人なのか職場全体なのかによっても違いますが、相談先には次のような選択肢があるはずです。

  • 人事やコンプライアンス部門
  • 労働組合
  • モラハラ上司の上司
  • 先輩、友人、家族

特別な相談窓口がない場合でも、人事に関係する部署であれば相談に乗ってくれる可能性があります。

モラハラは精神面への攻撃なので、一人で抱え込むと「自分が悪い」と思い込んでしまうことがあります。

そうなると、被害が拡大してしまうため、休職や退職に追い込まれるおそれも。

誰かに相談することが非常に大切になることは覚えておきましょう。

なお、仲良しの先輩や友人などへの相談はハードルが低く相談しやすいですが、その分「そういう人ってどこにでもいるよね」と、あまり解決にならないことも多いものです。

また、モラハラ加害者をよく知っている人に相談すると、「あの人はそんなことするような人ではない」と反対に非難されてしまう可能性もあります。

暴力ではないモラハラをするような人は、総じて悪賢く、仕事上の評価も高く、人を選んで攻撃する傾向にあり、被害者以外の人にとっては「デキル人」であることが多いからです。

愚痴を聞いてもらい、ストレスを発散するという意味では効果的ですが、具体的な解決案を求めるのであれば別です。

第三者的な立場からアドバイスをしてもらえる上の立場の人間や人事、労働組合などに相談した方が早いことがあります。

労基署や労働局の相談窓口

身近に相談できる場所や人が一切なければ、会社外の相談窓口に目を向ける必要があります。

労基署や労働局では、個別の労働者の紛争は取り扱ってくれないと言われていますが、相談することが無意味であるわけではありません。

相談窓口では、労働者として今後どのような選択肢があるのかといった情報提示をしてくれます。

これから具体的に何をするべきなのかが見えてきます。

何の知識も情報もないといった方は、まずは労基署や労働局の相談窓口で相談してみましょう。

厚生労働省のHPでも全国の総合労働コーナーが案内されています。

https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

そのほか、労基署や労働局では弁護士の無料相談会などが実施されていることもあります。

労働問題に詳しい弁護士への相談はお金がかかるため敬遠する方は多いですが、法テラスや、弁護士事務所の無料相談なども利用できますので諦めずに探してみることも大切です。

個別労働紛争のあっせん

労働者と職場で労働紛争が生じた場合、労働委員会が間に入り問題解決を図ってくれます。

具体的には、有識者などから構成される中立な立場のあっせん員が、労働者と職場の代表双方から話を聞き、説得、解決案の提示、打診等をおこないます。

裁判と違い、柔軟な解決を目指した手続きであること、費用がほとんどかからないことが大きなメリットです。

相手方があっせんに応じなければ利用できませんが、そうなると労働審判や訴訟に発展するおそれがあることから、応じてもらえるケースも多くあります。

「労働者から訴えられた会社」というレッテルを貼られたくないからです。

個別労働紛争のあっせんの相談先は、中央労働委員会のHPで案内されています。

https://www.mhlw.go.jp/churoi/chihou/pref.html

労働審判

労働審判とは、裁判官と労働の専門家である審判員で構成された労働審判委員会が、個別労働紛争の解決をはかる手続きのことです。

適宜調停による解決を試みますので、うまくいけば労働審判にならず調停で決着できることもあります。

労働審判はモラハラをした個人相手と争うことはできませんが、モラハラ被害を会社に訴えたにも関わらず放置された、不当解雇されたといったケースでは、会社を相手にした利用ができます。

3回以内の期日で審理が終結するため、訴訟よりもスピーディーな解決が見込めます。

印紙代や郵送代などはかかりますが、訴訟と比較すれば費用が少なくて済むこともメリットです。

さらに労働審判の決定は訴訟の判定と同じ効力をもちます。

労働審判については裁判所のHPで詳細が確認できます。

http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_02_03/

職場でモラハラ上司にならないために

職場のモラハラは自分が被害者になるリスクだけでなく、加害者になってしまうリスクもあります。

部下がいる立場の人はもちろん、後輩指導にあたる人や同僚がいる人も覚えておきましょう。

ここからは、モラハラ加害者にならないための対処法を見ていきます。

職場でモラハラ加害者になるとどうなる?

モラハラの加害者は、自分でモラハラをしている自覚がなく、被害者からの相談を受けた上司から呼び出されて始めて認識することもあります。

加害者になってしまえば、「そんなつもりはなかった」といったところで異動や降格などの対象になるおそれもあります。

あっせんや労働審判ともなれば会社から厄介者扱いされてしまい、退職勧奨の対象になることも。

モラハラは被害者だけでなく、加害者にならない意識も必要です。

こんな人は少し注意。モラハラ加害者予備軍とは

自分は常識ある人間だからモラハラなんてしないと思っても、気づかないうちにモラハラをしてしまうことがあります。

特に職場は仕事上のストレスが過大になりやすいことから、通常の精神状態にはない状態に陥ることが多く、普段なら絶対に言わないようなことを言ってしまうこともあり得ます。

日頃から次のような特徴がある人は、自身が攻撃しやすい格好のターゲットを見つけてしまうと、モラハラ加害者に変わってしまうおそれがあります。

  • 私生活の嫌なことを仕事に持ち込みやすい
  • イライラすると物に当たりやすい
  • 普段から声が大きく威圧的だと言われることがある
  • 自分の仕事のやり方に絶対的な自信がある
  • 価値観の違う人を受け入れられない
  • 自分から謝ることはまずない
  • オドオドしている相手ほどイライラする
  • 職場の人の私生活をたくさん知っておきたい
  • 人の話には相槌を打たず自分の言いたいことだけ言う癖がある
  • 心から信頼できると思える人がいない

最後に

いかがでしたか?今回は職場の上司からのモラハラにスポットライトをあて、モラハラの特徴や対処法などを紹介しました。

上司からのモラハラは、上下関係を利用したパワハラと同じく、非常に厄介です。

しかし、できることは多くありますので、我慢だけはしないようにしてください。

殴る、蹴るなどの暴力がなくても、人を精神的に痛めつける行為は当然許されるものではありません。

ぜひそのことを忘れず、何かしらの対処をするようにしましょう。

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