人を幸せにする仕事、笑顔にする仕事に転職したいとお考えの方は大勢いらっしゃいます。
具体的な仕事にはどのようなものがあるのか、知りたいと思われることでしょう。
そこで今回は、人を幸せにする仕事の種類や、転職活動における考え方を紹介します。
人を幸せにする仕事とひとくちに言ってもさまざまな視点がありますので、ご自身が納得できる転職のためにぜひ参考にしてみてください。
目次
人を幸せにする仕事とは?
人を幸せにしたい、笑顔にしたいといっても、
- その幸せや笑顔を直接見たいのか
- 間接的であっても幸せになってくれればよいのか
によって選ぶ仕事が変わります。
まずは、この2つの視点から人を幸せにする仕事を見ていきましょう。
人の笑顔を実際に見ることができる仕事
仕事を通じて人の笑顔を実際に見ることができれば、自分まで嬉しくなり、仕事のやりがいを感じることが多いでしょう。
達成感という点では、もっとも分かりやすく「人を幸せにする仕事」といえます。
直接笑顔が見られる仕事はたとえば次のようなものがあります。
- お笑い芸人、舞台俳優、ミュージシャン
- アミューズメント施設の接客スタッフ
- 宿泊施設スタッフ
- 保育士、幼稚園・学校教諭
- スポーツインストラクター
- エステティシャン、マッサージ師
- 美容師、美容部員
- ブライダルプランナー
- 料理人
職種を挙げていけばきりがないほどたくさんの仕事があります。
人の笑顔を実際に見るには、人と直接接するか、同じ空間にいて笑顔を確認することが必要です。
その意味では、やはり接客サービス業、教育、娯楽などを中心に選んでいくことになります。
人の笑顔を実際には見られないが人を幸せにしている仕事
一方で、人の笑顔を直接見ることは難しくても、間接的に笑顔にする仕事も多数あります。
たとえば、
- ゲームの制作者
- コンビニスイーツの企画職
- 漫画家、小説家、絵本作家、ブロガー
- 生花の卸業者
- 宅配流通センターのスタッフ
- 職人
- 研究職、開発職
こちらも数多くの仕事があり、もちろん上記以外にも多数あります。
人を幸せにする仕事を4つの系統に分類
もう少し別の視点から見てみると、4つに分けてみることもできます。
この記事では、「人助け系」「ライフライン系」「娯楽系」「代行系」と分類してみましょう。
「人助け系」
人助け系とは、その名の通り、困っている人を助ける仕事です。
困っていて自分ではどうすることもできないことを助けてもらったら、「ありがとう」という言葉が自然にでてきますし、その際には笑顔になっているはずです。
これも立派な「人を幸せにする仕事」でしょう。
主には医療、福祉、法律など、基本的に特別なスキルや知識が求められる仕事が多くなっています。
そうしたスキルや知識がないからこそ一般の人は困るのであり、だからこそ人助け系の仕事は人を笑顔にするからです。
【人助け系の仕事例】
- 介護職員
- 医師、看護師、薬剤師
- 弁護士、検事
- ライフセーバー
- ソーシャルワーカー
- 自衛隊、警察官、役所職員
「ライフライン系」
ライフラインとは、生活や命を維持するために必要な水道、エネルギー、交通などのシステムを支える仕事です。
現代社会においては情報通信などもライフラインのひとつです。
一般的なライフラインという意味では少しずれますが、ここでは、人が生きていくには衣食住が大切になるため、住宅や食料、衣料なども広く含めて考えてみます。
ライフライン系は「当たり前にあるもの」と認識されがちなので直接的に誰かを笑顔にできる仕事とはいえないかもしれません。
しかし、人の幸せや笑顔のためには根本的に必要なものなので、その意味で果たす役割は非常に大きい仕事になります。
【ライフライン系の仕事例】
- 電気工事士
- 水道局職員
- 工事現場作業員
- 畜産農家、漁師
- 大工、左官屋
- スーパー、流通
- IT関連業
「娯楽系」
娯楽系は人生を豊かにするためのサービスを提供する仕事です。
これがないと生きていけないということではない分、「幸せ」「笑顔」に上限がない仕事かもしれません。
一般的に人を幸せにする仕事と聞くと、この分野の仕事を思い浮かべる人が多いようです。
食料を扱う仕事でも、外食産業はこの分野に該当すると考え、ファッション、美容なども含めてみます。
【娯楽系の仕事例】
- レストラン、カフェ店員
- シェフ、パティシエ
- ネイリスト
- おもちゃ製作、販売業
- スマホゲーム開発
- 芸能人、モデル
「代行系」
代行系とは人の面倒を代行する仕事を幅広く指します。
誰でも面倒なことはやりたくないものです。
それを「わたしが代わりにやりますよ」と言ってもらえたら「本当ですか!?ラッキー!」と笑顔にならないでしょうか。
世の中の仕事の多くは、こうした人の面倒を代行することで成り立っています。
直接的な代行だけでなく、間接的な代行も含まれます。
たとえば便利グッズを作って販売している企業や工場です。
職種も何も特別な職種ではなく、事務員、営業、工場作業員など一般的によくある職種も広く含みます。
【代行系の仕事例】
- ゴミ収集車ドライバー
- タクシー、バス運転手
- クリーニング屋
- 清掃スタッフ
- 家事代行
- 引越し屋
- 宅配ドライバー
人を幸せにする仕事に向いている人、向いていない人
仕事には適性というものがありますが、人を幸せにする仕事に関しても例外ではありません。
人を幸せにする仕事の向き、不向きについて考えてみましょう。
サービス精神が旺盛な人
テーマパークのスタッフや芸能人などが分かりやすいですが、サービス精神が旺盛な人はとても適性があります。
人に「与える」ことを出し惜しみしないため、人を幸せにするためにできることを次々に考えます。
トレンドに敏感な人
トレンドが全てというわけではありませんが、トレンドがあるところには大きな笑顔や熱狂が存在します。
トレンドに敏感であることで、「今の人たちはどんなことが好きなのだろう」と市場のニーズを察知しやすくなりますので、最短距離で人の笑顔に近づくことができるのです。
人の役に立ちたいと思える人
日頃から誰かの役に立つことに喜びを感じる人もこの仕事に適性があります。
誰かに貢献することで仕事の満足感につながるため、継続しやすくなるでしょう。
人に尽くすことで自信の存在意義を感じることになり、それが精神的な安定にもなります。
人を幸せにする仕事に向いていない人
まず大前提として、人を幸せにしない仕事をしたい人などいません。
よほど世の中を恨めしく思い、何かの復讐心にかられている人でなければ、通常は誰だって人を幸せにしたい気持ちがあります。
ここでいう「人を幸せにする仕事に向いていない人」とは、人の笑顔を見たり想像したりすることがモチベーションややりがいにつながりにくい人のことです。
つまり、人の幸せや笑顔を見たいという理由で仕事を選んでも、何か嫌なことや不満があれば続けることが難しくなるので、他の理由で仕事を選んだ方がよいということです。
- とにかく給与がよい会社に転職したい
- 安定的に稼げる仕事がよい
- 他人の笑顔より家族の笑顔が見たいから早く帰れる仕事がよい
このような人は、人を幸せにする仕事という観点から選ぶことで、失敗してしまうリスクがあります。
たとえば接客サービス業では、低賃金、不安定、働き方が不規則、サービス残業が多いなど、希望とは真逆のことがよく起こります。
ですが、人の笑顔を直接見ることができる仕事です。
何を優先したいと感じるのかは人の価値観や生活スタイルなどによって大きく変わります。
このあたり、「人を幸せにしたいか、したくないか」ではなく、仕事における優先順位は何なのかを分析することが必要になります。
人を幸せにしながら年収や社会的地位も得られる仕事は?
人の笑顔を直接見られる仕事に転職しようと探しても、「給与が低い」「社会的信用度が低い」など、他の点に不満を感じる人がいます。
「人を幸せにしながらも、年収や社会的信用が得られる仕事に就きたい!」と思うかもしれません。
年収や社会的信用については一概にいえるものではありませんが、あえて具体例を挙げてみると、たとえば、次のような仕事があります。
- 医師、薬剤師
- 弁護士、税理士
- パイロット
- コンサルタント
- 政治家
などがあります。
いずれもなるために時間や努力が必要な仕事ですが、年収や社会的なステイタスがあります。
特徴としては、特殊なスキルや知識が必要であること、困っている人を救える仕事だといえます。
全てではありませんが、前述した「人助け系」の仕事に該当することが多いようです。
「人を幸せにする仕事に転職したい」人が覚えておきたいこと
人を幸せにする仕事に転職したい人が転職活動中や転職してから後悔しないために、覚えておきたいことを紹介します。
「人を幸せにしたい」は転職理由としてアリ?
まずは、「人を幸せにしたい」が転職理由として通用するのかについての問題です。
人を幸せにしたいという転職理由は前向きで素晴らしいものですが、実際の転職活動で応募先企業に伝える情報としてはこれだけでは足りません。
どこか理想主義的に捉えられ、「具体的に何ができるのですか?」と聞かれてしまうでしょう。
人を幸せにしたい気持ちが大前提にあることは主張してもよいのですが、これまでの職歴や保有スキルなどから、応募先企業の中でどのような貢献ができるのかも同時に伝えましょう。
2つをあわせて、「だから、応募します」とまとめられるようにしたいものです。
人を幸せにする仕事には責任がある
人を幸せにする仕事といえばとても聞こえがよいですが、本心から人を幸せにしたいと思わなければ、逆に人を不幸にしてしまうことがあります。
- 飲食店で運ばれた料理に髪の毛が入っていた
- アパレル店員の接客態度が横柄で感じが悪かった
- アミューズメント施設のスタッフに笑顔がなかった
- 担当看護師がいつもイライラしていて気分が悪くなる
- 美容師の腕が悪くて変な髪型にされてしまった
こうしたことは、そのときの事情は置いておくとしても、よくあることです。
つまり、人を幸せにする仕事にはそれだけ責任が伴うということです。
特に上記のような直接的に人と接する仕事では顕著です。
もちろん、人の笑顔を直接見られない仕事においても責任の重さが変わることはありませんが、ダイレクトに人の幸福度や笑顔に影響を与えてしまいやすいと思っておきましょう。
人を幸せにする仕事は、その仕事を選んだ時点で人を幸せにできるわけではなく、人を幸せにしたいという強い意志をもって仕事をすることが大前提として必要になります。
「人を幸せにするために転職したい」の前に
人を幸せにする仕事に転職したいという想いはとても素晴らしいものですが、人を幸せにすることは職業を変えることでしか叶わないものではありません。
一例を挙げるとウエディングプランナーという仕事があります。
結婚と聞けば多くの人が「幸せ」「笑顔」を想像するのではないでしょうか。
ウエディングプランナーは人の結婚という幸せなイベントに立ち会える仕事です。
一方で、その仕事は非常にハードで、労働時間が長く、休みも少ないです。
「人を幸せにする仕事に就きたい」と言ってウエディングプランナーに転職した結果、疲れ果ててしまい、ご自身が不幸せになってしまう人もいます。
このように、「人を幸せにしたい」という気持ちが先走ってしまうと転職が失敗に終わることがあります。
また、そもそも、自分と身近にいる大事な人を幸せにしていますか?
自分を否定してばかりいる人や、家族や恋人、友人を大切にしていない人が心の底から人を幸せにはできません。
たとえば「あの人口元笑ってるけど目が死んでいるよね」と言われてしまいます。
仕事でいつも手を抜いており、平凡な仕事が退屈に感じている人が、転職したから急に人を幸せにできるわけではありません。
こうした人が転職しても失敗するリスクがあります。転職の前に、現時点で自分や家族、仕事に対して誠実に向き合っているのかを振り返ってみてください。
人を幸せにしていない仕事ってあるの?
人を幸せにしていない仕事とは何でしょうか。
そう考えてみると、「どんな仕事も心がけ次第で人を幸せにできる!」と分かります。
目の前の笑顔や直接の「ありがとう」がなくても、自分の仕事はまわりまわって人の役に立ち、それが幸せや笑顔につながっているからです。
人を幸せにしない仕事で思い浮かぶのは詐欺師などがあるかもしれませんが、そもそも犯罪なので仕事と呼べるものではありません。
葬儀屋だって、「幸せ」というイメージはないかもしれませんが、遺族の悲しみに寄り添い、あの世に旅立つ方のお手伝いをしています。
葬儀屋がいなければ故人をきちんと埋葬してあげることすら難しいでしょう。
その意味では、間接的に人の幸せに貢献していることになります。
屁理屈のように思われるかもしれませんが、転職先を決めるうえで非常に大切な考え方ですので、ぜひ押さえておいてください。
実際の求人はどう?「幸せ」「笑顔」がキーワードの仕事
では、実際にでている求人で「人を幸せにする仕事」や「人を笑顔にする仕事」と書かれている仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
こうしたキーワードが使われているということは、企業側が人の幸せや笑顔を求めている姿勢が見えてきますのでひとつの参考となります。
さまざまな媒体を確認した結果、次のような仕事がヒットしました。
- 介護職
- 飲食
- 食材配送(病院、学校、老人ホームなど)
- ホテルスタッフ
- 自動車ディーラー
- 栄養士
このほかにも「我が社では多くの人を笑顔にしたい」という理念をもっている会社はあるでしょう。
転職活動中の企業研究や面接の中では、そうした企業理念についてもよく確認しておくことで、ご自身の想いが叶えやすい職場で働くことにつながります。
最後に
いかがでしたか?今回は、人を幸せにする仕事をテーマに、仕事の種類や考え方などをお伝えしました。
人を幸せにする、笑顔にする仕事に転職したいという気持ちはとても素敵なことです。
ただし、その裏には仕事としての適性があるのか、ご自身の求める仕事像に本当に一致しているのかなど、現実的な問題もあります。
人を幸せにしたいという気持ちを大切にしつつも、「幸せ」「笑顔」の字面や聞こえだけで判断せず、冷静に判断されるとよいでしょう。