今や必須のスキルとまで言われるようになった英語ですが、実際にビジネスレベルで使用できる人材はまだまだ少ないのが現実です。

英語が得意というと通訳や翻訳業が有名ですがもっと身近に「英文事務」という職業があるのをご存知でしょうか。

今回は英文事務の仕事内容から年収などをご紹介していきます。

仕事を探す上で是非参考にしてみてください。

「英文事務」の主な仕事内容

一言で英文事務といってもその仕事内容は募集企業によって様々です。

一般的なのは通常の一般事務に加え英文書類全般を扱うという点で、英語のスキルが高ければ高いほど高度な業務を任されます。

請求書やファイリングは英語に慣れていないと単純な間違いや見落としが発生しやすいので英文事務ではその正確性やスピードが求められています。

多くの企業ではTOEIC600点レベルからを採用基準とし、まずは英文請求書や資料のチェック、さらに800点以上の実力があれば英文書類やビジネスメールの作成から翻訳など社内で幅広く任されるでしょう。

社内で発生する案件によっては常に英文に触れられる環境もあればそうではない場合も多いので面接の段階で採用担当者へ細かく質問しておくとよいでしょう。

多くは通常の一般事務と英文事務を併用することが多いようです。

英会話やプレゼンテーションを行えるまでのビジネススキルがある場合は事務の枠を超えて担当者として抜擢されることも少なくないので英語を使いながらかなり幅広く仕事をしていけるポジションです。

また翻訳者や通訳者になる前のステップとしてまず英文事務で基礎的な業務を身に付けるという方も多くいます。

なるために必要な資格とは?

まずは求職情報の「英文事務」で検索しどのようなスキルが求められているのかを会社ごとに研究すると良いでしょう。

そしてアピールできる自分の英語スキルを固めておくこと。

学生時代に英語が得意だったのは良いですが、実際にビジネスシーンでは何ができるのか。

請求書などの簡単な書類チェックからEメールの作成、契約書の翻訳など実績がある場合は積極的にアピールしましょう。

始めての場合はやはりTOEICの点数があると採用者に解り易いため、社会人経験がなくても採用されやすくなります。

一方通訳や翻訳者と異なり経験や実績が少なくても比較的なりやすいのがこの職業の特徴です。

そのため電話応対や外国人来客の応対、プレゼンテーション、会議通訳など会話面でも積極的に力を付けていくと「英文事務」の中でも一目置かれる存在になりステップアップしていきやすいでしょう。

「英文事務」に必要な資格とは?

代表的なのはTOEICの点数です。

採用の時点で700点以上など基準を設けている企業も少なくないため時間と余裕のあるうちに点数を上げておくことをおすすめします。

得意な英語を活かしたくてもTOEICの点数が足りないために面接を受けられないのは非常にもったいないのでここは少し面倒でもテストを事前に受け準備しておくことが大切です。

また留学経験も語学のアピールとしてはよくありますが、「英文事務」のスキルとしては少し印象が薄いかもしれません。

というのも英文事務自体で必要とされているのは書類を扱う上での正確性や早く仕上げられるかといったスピードなのです。

そのため例えば塾講師のアルバイトで書類作成を行っていたり、前職で一般事務の経験があったりすると採用者の目に留まりやすいかもしれません。

留学経験は例えば外資系企業で社内に外国人が多く就業しており日常的にコミュニケーションを取る必要がある場合、また英語での電話応対等がある場合には非常に好印象になるでしょう。

自分のスキルが会社のニーズと合致しているか、また持っているスキルをどのように採用者にアピールするか、という点については十分に熟考しておく必要があります。

「英文事務」の平均年収は?

「英文事務」の年収は300万から400万以上です。

初心者の場合は300万円前後からスタートすることが多く経験を重ねれば任される仕事も多いため年収も上昇していくでしょう。

一般事務よりは語学を扱うので専門性も高くなります。

また英語のみならず日本語のビジネススキルも高めていけばその先に秘書業務や通訳翻訳業務をこなせるようになりますので将来性のある職業と言えるでしょう。

現在は海外との取引も盛んになってきていますので英語が得意であれば是非お勧めしたい職業の一つです。

この職業に向いている人

「英文事務」にはこまめな作業が苦にならず集中力の高い人が向いていると言えます。

細かい書類のチェックや作成が日常的に発生するため、飽きっぽい性格の人や事務作業が雑になってしまう人には残念ながら向いていません。

逆に言えば一人で黙々と作業を進められ、誤字脱字を見つけ出すスキルが高い人には向いています。

文書作成の場合には上司や発注者からの要望に合うよう文章を作成していくので、細かい指示にも対応できるような臨機応変さやコミュニケーション能力の高さも必要となるでしょう。

また専門用語など常に覚えることも多いですが、勉強が好きな人であれば仕事を楽しんで進めていくことができるでしょう。

日常的に大変なこと

この仕事で大変なのは英語に関して妥協ができないという点です。

英語ができる人材という前提で採用されますので英語業務は全て自分で裁いていかなければいけません。

もちろん分からない単語などは辞書で調べながら進めていけますが、ビジネスの場面なのでスピードも要求されています。

また周りに英語ができない人も多い可能性が高いので、分からない点は自分で積極的に調べ、確認し、完成させていける能力が求められます。

時にはインターネットのみならず、海外に電話やメールで問い合わせる必要もあります。

そういった業務に抵抗がなく、自分でどんどん進めていける力が必要なため、通常の事務職よりは積極性が必要です。

チームワークが前提とされる日本人にとっては、この自発的な仕事の進め方が初めのちは不安も多く大変に感じるかもしれません。

また海外クライアントを相手に連絡を取り合う場合には時差の関係上、自分だけ残業を強いられる場合もあります。

この辺りも事案に合わせて臨機応変に対応できると会社では重宝されるでしょう。

慣れてくれば就業時間後は自宅での作業を認められる可能性もあるので、初めのうちは実績を積みながら上司や同僚の信頼を得ておくことも大切です。

ただし、英語が好きで向上心さえあれば、自然と力も付き辛い時期も乗り越えていけるでしょう。

また英語業務の担当となり人から頼られるようになれば自信もついてくるので、更なるステップアップへの原動力へと繋がるはずです。

まとめ

英文事務といっても一概にこれというくくりはなく、自分次第で可能性が広がるポジションと言えます。

また自分の英語レベルによりさまざまな業務を担当するようになれば、多くの部署や顧客と関わる機会も増えるので仕事のやりがいにも繋がります。

英語が得意、好きであればアピールできる資格や経験を積み是非挑戦してみてはいかがでしょうか。

事務作業で書類が扱えるだけでなく語学力がプラスされることで自分だけの専門性を身に付けられます。

英語の堪能な秘書、通訳、翻訳職を始め日本と世界を繋ぐビジネスを行える人材として、将来的にも職業選択の幅が広がっていきます。

英語がただ得意なだけではなく、ビジネス英語として使えるように、まずは英文事務としてスタートしてみることをおすすめします。