ロボットや人工知能に仕事を奪われる時代が来たと言われる中、転職先としてロボットに関わる仕事への注目度が上がっています。

高度な知識や技術が求められる仕事ですが、その将来性には大きな期待が集まっており、今から業界に入っておきたいと考える方も多いでしょう。

転職活動を始める前に、ロボットに関わる仕事の種類や求められる人材像、業界動向などはぜひ知っておきたいところです。

今回は、ロボットに関わる仕事をテーマにお送りします。

ロボットが活躍する場所

未来の世界を描いた映画や漫画等ではたびたび登場するロボットですが、一般家庭ではまだまだ見かける機会は少ないです。

家庭内にもロボットが導入される未来は近いですが、まずは現時点でどのような場所でロボットが活用されているのかを知っておきましょう。

介護、医療現場

少子高齢化の日本において需要の拡大が見込まれる介護、医療業界では人手不足や激務が問題視されていますので、ロボットの活躍が期待される代表格ともいえるでしょう。

ロボットが重労働や単純作業を代わりにおこなうことで、介護、医療職の負担軽減、人手不足の解消、利用者や患者へよりよいサービスを提供することにもつながります。

被災地

災害が起きたときの救助や捜索、被害状況の確認や救援物資の配達など、人が担うには危険が多い作業が多発します。

ロボットが人に代わって稼働することで、危険性の高い場所へ行ったり、安全に作業をおこなったりできます。

飲食、サービス業界

飲食、サービス業界では人手不足、低賃金、サービス残業等など問題が山積しています。

しかし、ロボットを導入することで会計係や受付などが簡略化され、本来従事すべき接客に重きを置くことができます。

近年ではロボットによる食事や商品の自動搬送を導入している企業もありますので、ロボットが飲食、サービス業界の主力となる時代はすぐそこまできています。

運送業界

インターネット通販の発達に伴い激務や人手不足が指摘される運送業界では、すでにロボットを利用した仕分け、配達が導入されています。

今後もインターネット通販の利用拡大が予想されますので、ロボットの活用は急務といえるでしょう。

製造業

モノづくり大国である日本ではすでに多くの工場で産業用ロボットが活躍しています。

自動車製造業や食品製造業、化粧品製造業などの工場ではロボットの助けが不可欠であり、さらなる活用が求められます。

伝統工芸

伝統工芸品の作り手が高齢化したことや担い手不足により、消滅の危機にある伝統工芸もあります。

伝統工芸にロボットを導入することに批判的な意見はありますが、一部の工程をロボットが担当することで、日本の伝統工芸を守ることにもつながります。

ロボットに関わる仕事の種類

ロボットは一人の力で作り上げることができませんので、さまざまな職種が関わり、協力し合って完成させます。

また、ロボットができても流通させたりメンテナンスをしたりする職種がなければ、ロボット産業の発展にはつながりません。

ここでは、ロボットに関わる仕事の主な種類を紹介します。

ロボットエンジニア

ロボットの設計、開発を担当する技術者です。

機械、工学、電気系の深い知識が必要ですが、ロボット開発はまだまだ新しい分野に入りますので、人々の期待を超えるロボットを開発したときの喜びは他では味わえないでしょう。

ロボットクリエイター

ロボットのコンセプトやデザインを考案する仕事です。

エンジニアとクリエイターが兼ねられることもありますが、デザイナー的な立場として専門性を発揮することもできます。

機械や電気系の知識のほか、見た目にこだわる美的センスも求められます。

ロボットオペレーター

ロボットの教示作業をしたり、動作をプログラミングしたりする仕事です。

特に工場で利用されている産業用ロボットのオペレターは現在でも多くの需要があります。

ロボット整備士

ロボットは精密機械ですので、故障や不具合が生じたときの整備やメンテナンスが不可欠です。

電気回路に関する知識やロボット工学などを学ぶこと以外にも、電気製品の整備経験があると有利に働きます。

ロボット販売(セールスエンジニア)

完成したロボットを企業や施設へ売り込む仕事です。

いわゆる営業職ですが、ロボット販売の場合には専門的な知識が必須ですので、大学や専門学校等で情報システムや電気工学を学んでいる必要があります。

セールスエンジニアと呼ばれ、一般的な営業とは異なる難しさがあります。

ロボットが発展するとどうなる?

ロボットの存在を今ひとつ受け入れられない、現在の仕事が奪われる危険があるといった見方をする方もいます。

感情のないロボットを冷たく感じることに無理はありませんが、ロボットはデメリットばかりではなく、現実的な問題を解決するツールとして期待されています。

まず、日本は世界的に見ても労働者一人あたりの生産性が低く、遠慮しがちな国民性もあり、効率よく仕事を終わらせて定時で帰宅するといったことができません。

その結果、長時間労働やサービス残業などの問題が改善されず、劣悪な労働環境に心身ともに疲れ果ててしまうケースが珍しくありません。

ロボットの開発が進み、単純労働を代わりに担うことで労働者の生産性が上がり、労働環境が改善される可能性があります。

また、単純労働に就いている人は職を奪われることになりますが、逆の視点から考えれば、単純労働がなくなることで創造性のある仕事を生みだすことになります。

危険な作業によって労災が発生していた工場や作業現場では痛ましい事故の減少に期待できます。

ロボット業界へ転職すると年収が右肩上がり?

ロボット業界では高度な知識や技術が求められることがほとんどですが、現状の年収相場は500万円前後と、一般的なサラリーマンの年収とそれほど大きく変わるわけではありません。

理由としては、ロボット業界が発展途上にあり、まだまだ人々の日常において不可欠な存在だと認知されていないことが挙げられます。

しかし、その分成長可能性には期待できる側面が大きく、少子高齢化が進む日本でも需要が高まると見られますので、将来的には年収も上がっていく可能性があります。

ロボット業界のマーケットは今後10年で飛躍的に拡大するとされていますので、現状というよりも将来性に期待できる業界だといえるでしょう。

成熟された業界ではない分、問題点やリスクをはらんでいるとはいえますが、将来性のある新しい分野にチャレンジしたい、創造性のある仕事に就きたいといった方には魅力的な業界になります。

ロボット業界で求められる人材

ロボット業界で働くには、第一に高度な理数系の知識が必要ですので、基本的には理数系の大学や大学院、工学系の専門学校等の卒業が条件となります。

ロボットは海外のメーカーや大学の研究室などと共同開発することが多いため、語学力も不可欠です。

創造性が豊かなで、好奇心が旺盛であることも求められます。

ロボットが必要とされる領域を知ることも大切ですので、常にアンテナを張っておくことが大切です。

また、他の職種や関連企業とも連携して設計、開発していきますので、コミュニケーション能力が高く、それでいて自分の意見をしっかり述べられるプレゼン能力も有していなくてはなりません。

簡単にいえば優秀な人材が求められるため努力が必要ですが、将来性に期待できる業界ですので、現時点では学びや努力を要したとしても選ぶ価値は高い業界です。

ロボットに関わる仕事の探し方

ロボット開発や販売をおこなうメーカーに転職することが一般的ですが、研究施設や大学の研究室等に勤める方法もあります。

大学等で工学の基礎を学んでいることが不可欠ですので、特に知識がない方は勉強を始めるところからがスタートです。

応募条件を満たしている方については、転職エージェントを利用した転職活動がよいでしょう。

ロボット業界の求人は昨今増えており、特に大手の転職エージェントであれば多数の業界、業種を扱っていますので選択の幅が広がります。

あらかじめご自身の知識や経験を伝えておくことで、フィットした求人を紹介してもらうことができ、転職活動の効率化も叶います。

最後に

いかがでしたか?今回はロボットに関わる仕事をテーマに、活用場所やロボット業界の動向、仕事の種類などを紹介しました。

ロボット業界は将来性が非常に高いとされる注目分野です。

今ある知識や技術を新しい分野で活かしたい方、成長著しい業界で働きたい方には向いているといえるでしょう。

とはいえ、情報量が少ないため転職に際しては慎重さも必要です。

企業研究や現場見学なども含め、よくリサーチすることが大切になりますので、転職エージェントなどを活用して転職活動を成功させましょう。