ハウスメーカーの営業は、住宅展示会に来場した人に接客を行い営業したり、新規需要を掘り起こして住宅の購買につなげるための開拓を行う、まさに家を売る仕事です。

びしっとスーツを着て家を売っている姿がカッコイイと、良いイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

しかしハウスメーカーでは常に人手を募集しており、求人も出続けていることからも分かるように、非常に離職率の高い仕事です。

そこで今回は、ハウスメーカー営業の仕事のデメリットから転職すべき理由と、転職先についてお話していきます。

住宅営業の仕事の厳しい現実とは

住宅営業の仕事は本当に大変だとよく聞きますが、実際にどんなことが大変なのでしょうか。

成果主義でノルマがきつく精神的プレッシャーがある

住宅営業はノルマが厳しいと言われています。

営業成績が社内に張り出されるのは当たり前で、成績が振るわないと上司から厳しく叱咤されることもあります。

毎月そのノルマとの戦いなので常に精神的にプレッシャーを感じています。

このストレスは相当なもので、毎日胃が痛くなるなどの体調にも影響がでることがあるそうです。

また、同僚であっても同じ営業であればライバルなので、社内にはピリピリした雰囲気が漂っていたりと、決して働きやすい雰囲気とは言えない会社が多いです。

毎日そのような雰囲気の会社に出社して、外に出れば厳しいノルマに追われるの生活ではいつか参ってしまいます。

仕事が大変で家族や友人との時間が取れない

住宅営業の仕事は、土日になると住宅展覧会などを開いて来客を案内をしたり、展覧会が終わったあともDMを送ったり電話をしたりと営業活動は続きます。

土日休みが取れず、エンドレスに続く営業活動のために家族や友人との時間が取れずプライベートが充実しないとう声をよく聞きます。

長く同じ仕事を続けていくためには適度に息抜きをしたりプライベートを充実させることも必要です。

長期的に見て働きやすい仕事とは言えないのではないでしょうか。

価格が大きい住宅だからトラブルも多い

住宅は数ある営業の仕事の中でも特に単価が高い仕事です。

そのため売るのも大変ですが、売った後の未払いや欠陥、工事の遅れなどによる金銭トラブルが起きやすいとも言えます。

また、住宅は長く利用するためのものなので、購買後何年かして欠陥が見つかるなどの場合もあり、長期的な購買客へのフォローが必要です。

顧客からの期待責任が重い

住宅は人間が生きていくための根幹を成すものなので、顧客からの期待が高く、それを売る営業自身にとっても責任が重い仕事です。

ただノルマを達成するだけではなく顧客の安全・安心を守るためのきめ細かいサービスやケアが必要になってきます。

ずっと気の抜けない仕事という意味では息つく場所がありません。

成績が悪いと配置転換も

営業成績が良い住宅営業マンであれば、同じ年代の他の職種や他業界の営業と比べても報酬につながりやすく、高年収も見込めます。

しかし、高額で売れにくい住宅ですから毎月契約件数が0件という場合もあり、それが続くと立場が危うくなることもあります。

社内の肩身が狭くなるだけでなく、配置転換や仕事をやらせず自主退職へと追いやるケースもあるのだそうです。

知人のツテを頼らざるを得ないから友達をなくす

テレビドラマでも話題になった家を売る営業の仕事ですが、実際には知り合いでもない新規の客に営業能力だけで売るのは難しい仕事です。

多くの住宅営業マンが友人やその友人、ほとんど知っているだけというレベルの知り合いまで、そのツテを頼って紹介してもらった顧客に売るのが現実のようです。

中にはさほど付き合いもないのに何回もしつこく電話をして嫌がられたり、評判を落として友人を失うというケースもあります。

住宅営業からの転職先にはどんな仕事が良い?

住宅メーカー営業の仕事を長く続けている人は、ほとんどが成果を上げてきた営業職の成功者たちです。

逆に言えば成果が出ずに辞めてしまう人が本当に多い仕事です。

では、住宅メーカー営業からの転職にはどんな仕事が考えられるのでしょうか。

他の業界の営業職

住宅は営業職の中でも売りにくく、アフターフォローも大変な究極の営業とも言えます。

知人や家族以外にもしっかり売ることができた営業スキルのある人であれば、どんな業界の営業職であってもやり抜くことは十分可能です。

別の業界であれば一からその業界や商品について知る必要はありますが、住宅営業としての営業経験を活かせれば成果を挙げることはそう難しくはないでしょう。

また、業界や商品によっては、住宅と違い単価が低く売りやすいものも実際にはあります。

住宅に比べると目に見えて成果が挙げやすいため、営業自身のモチベーションにもつながります。

いつ結果がでるのかわからない仕事を永遠とこなしていくより、小さくても目に見えて結果がわかる方がやる気を感じやすい方も多いはずです。

高い接遇スキルがあるから接客業もお勧め

厳しいノルマから解放されたいという場合には、ノルマのない接客業への転職も向いています。

住宅営業は単なる営業という側面だけでなく、接客的要素も強い仕事です。

接遇スキルや顧客のニーズを聞きだす力など、接客業に必要なコミュニケーション能力も兼ね備えているはずです。

ご自身が興味を持った分野の接客業であれば、売ることにこだわりすぎずに本心から顧客のことを考えた心のこもったサービスができるのではないでしょうか。

どんな業界や職種があるのか分からないという場合は

何となく稼げそうというイメージでハウスメーカーに就職してしまったという方は、それ以外にどんな業界や職種があるのか正直よくわからないという場合もあるでしょう。

そんなときは、転職フェアなどの転職イベントに参加したり、転職エージェントや転職サイトなどを見ることで幅広い業界や職種について知ることができます。

特に転職エージェントではキャリアコンサルタントと呼ばれる転職支援のプロが在籍しており、自分の希望に合う条件の良い求人を紹介してもらえます。

転職を成功させるためにも、これらのツールは是非活用してみてください。

先の見えない住宅業界から抜け出そう

ハウスメーカー営業の仕事は大変な仕事ですし、成果を出せなければ使い捨てされてしまうこともある辛い職業です。

いつ来るともわからないその日に怯えながら仕事を続けるよりも、自分らしく生き生きと働ける職場に転職することも前向きで建設的なことではないでしょうか。

ぜひ転職を成功させてより良い職業人生を歩んでください。