家庭や業者にプロパンガスを提供する、プロパンガス事業者での仕事。

業界としての将来性を考えると不透明さがあるため、将来に不安を抱える前に早めに転職を考えてみるべきです。

今回は、プロパンガス業界の将来性が不透明な理由と、プロパンガス業界で働く人の転職先についてご紹介していきます。

プロパンガス業界の将来性が不透明な理由とは?

プロパンガス業界の将来性は不透明さが残ると言われていますが、どのような理由が考えられるのでしょうか?

都市ガスは需要増が見込めるけど、プロパンガスは現状維持が精いっぱい

地方から都市部への人口流入が止まらないため、都市ガスへの転換が進む都市部を中心に、都市ガスの需要は増加が見込めます。

一方で、プロパンガスについては地方を基盤としています。

地方の人口が減っていくということは、需要が増える見込みがなく将来性は不透明と言えるでしょう。

また、プロパンガス業者自体も多く、業界内での競争が激しいため、生き残るには相当な工夫が必要です。

生き残れたとしても、良くて現状維持が精いっぱいと言われるぐらい厳しい現状があります。

オール電化攻勢が止まらない

現在の新築物件は、7割以上がオール電化物件だというデータもあります。

プロパンガスと都市ガスの争いに加えて、電力とのエネルギー争いも大きな不安要素です。

また、エネルギーに関しては国の方針などにより急に転換期が訪れることもあります。

そのため、民間の努力だけではどうしようもない状況に立たされる可能性もあります。

エネルギー関係は安定性が高いとされていた時代もありましたが、現状は不透明感が大きい業界とも言えるでしょう。

外食産業の衰退によりプロパンガス需要にも陰りが

プロパンガスは都市ガスや電気などに比べても火力が強く、特に飲食店などで利用されることも多いです。

しかし現在は、人口減少や中食と呼ばれるお惣菜などを家で食べる食事がブームで、外食をしない人も増えています。

外食そのものが完全に消えてなくなることはないでしょうが、これまでお得意先だった飲食店が潰れてしまうことも、プロパンガス業界としては不安要素です。

給料も恵まれておらず休日出勤や深夜呼び出しも

プロパンガス業者にもよりますが、給料は相対的に低い傾向にあります。

また、ガスのことなので深夜帯の待機当番や休日出勤などもあり、プライベートの予定なども立てにくいというデメリットがあります。

将来的に見ても、プロパンガス業界自体の不透明さから考えると、給料や待遇が劇的にアップするという期待はできないのではないでしょうか?

長い目で見ると、早めに転職を考えておくことも必要かもしれません。

プロパンガス業界で働く人の転職先について

プロパンガス業界で働いている人は、将来性を考えて早めに転職について考えてみることをおすすめします。

では、転職先についてはどのように考える必要があるのでしょうか?

都市ガスは大手が多くなるからハードルは高い

プロパンガスと都市ガスは別物ですが、同じガス業界という点から考えると、都市ガス会社への転職も方法の一つです。

プロパンガス業者に比べて都市ガスに関しては大手が多くなるため、転職のハードルは上がります。

ただ、同じガスエネルギーというくくりで見ると、これまで得た知識や経験が活かせる部分も大きく、転職理由としても将来性など明確に答えられることはメリットと言えるでしょう。

また、都市ガスは今後自由化が始まり、電力会社をはじめとして都市ガスに参入してくる企業も増えてくると予想されます。

そのような企業を狙って、ガス業界で働いてきた知識を活かすのも手かもしれません。

給料面だけなら意外と大手より中小も

プロパンガス業界内での転職を希望するのであれば、大手に目が行きがちですが、中小企業もメリットはあります。

プロパンガス会社の給料は決して恵まれているとは言えませんが、意外にも大手より中小企業の方が給料が良いという場合も多くあります。

大手の場合は人件費を削ることを優先し、労働基準監督署などの監査が入ることもあるブラック企業もあります。

中小企業のプロパンガス会社であってもブラック企業はありますが、給料や待遇をしっかり整えている優良企業もあります。

プロパンガスだけでは生き残れないと理解している会社を選んで

プロパンガス業界も、プロパンガスだけを売っていれば良いという時代ではないということを認識しており、新しい分野への進出を模索しています。

今後もプロパンガス業界に残り、同業他社への転職を考えるのであれば、将来性のある新しい分野への参入を検討しているプロパンガス会社が良いでしょう。

新しい分野への参入により、将来性の見込める会社になる可能性があります。

ただし、何の知識もない状態で別事業に手を出すことの危険性もあります。

会社自体がプロパンガスの現状をどのように捉え、将来的にどうすべきと考えているのかについては、給料や待遇以上に気にすべきポイントかもしれません。

異業界・異業種への転職は早めに考えて

将来性を考えて異業界・異業種への転職をするなら早い方が良いです。

なぜなら、プロパンガス会社での仕事は特殊なので、その知識を直接役立てることは難しいからです。

そのため、未経験から業界や業種への知識を深めていく必要があります。

ただし、プロパンガス会社で行っていた器具等の営業販売や、顧客とのコミュニケーションスキルに関しては、どんな仕事に転職するにしても役立てることができます。

ガスの安全性や注意事項など、顧客に分かりやすく説明することを心がけていたという人は、そのような具体的エピソードを交えて面接でもアピールすると良いでしょう。

転職は転職エージェントを利用しよう

プロパンガス業界の将来性を考えて転職をするなら、転職エージェントを利用することをおすすめします。

同じエネルギー関連の求人も多く掲載がありますし、全くの異業界・異職種へ転職するにしても求人数や情報量が多いためよりよい求人を見つけることが可能です。

転職フェアなどの転職イベントも開催されていますので、積極的に足を運んで、どんな業界や業種があるのかについて知識を深めていっても良いでしょう。

また、転職支援のプロに応募書類の添削や、面接時のアドバイスなど役に立つ話を聞くことができます。

一人での転職活動に比べてもメリットが非常に大きいですから、ぜひ活用してみてください。

プロパンガス業界を抜け出そう

今回は、プロパンガス業界の将来性が不透明な理由と、転職先についてご紹介しました。

エネルギー関連は、比較的安定性の高い業界と言われてきましたが、電力や都市ガスの自由化をはじめ、その構造には大きな変化が訪れています。

プロパンガスについては、将来性にも不透明さが残りますから、一度真剣に今後について考えてみてはいかがでしょうか?