病院や施設で働く看護助手は、ベテランか新人か2極化が進みやすい職種です。

すぐ辞めてしまう人も多いのですが、一体なぜなのでしょうか?

今回は、看護助手の仕事を辞めたい理由と、辞めたいと感じたときの対処法についてご紹介していきます。

ベテランか新人かに分かれやすい看護助手の仕事

看護助手は、看護師や助産師などのように資格が必要な職種ではありません。

それゆえに、仕事内容に対しての理解が不足している状態で就職してしまう人が多いです。

何となく仕事に困ることのなさそうな医療系で働きたい、と漠然としてイメージだけで就職してしまうので、入社した後にその仕事の大変さやきつさに耐えられなくなってしまうことがあります。

看護師などの専門職であれば、実習などを通して仕事に対してのイメージができている状態で働き始めますから、仕事の大変さはある程度覚悟の上です。

しかし、資格不要の看護助手の場合は専門職に比べるとギャップを感じやすく、入社直後から辞めたいと感じてしまう人が多いのです。

また、辞めたいと感じたときに資格職であれば「せっかく苦労して取得した資格だから頑張ろう。」と自分をつなぎとめる思いもあります。

しかし看護助手の場合は「自分には合わなかった。」とすぐに違う道に進んでしまう人もいます。

結果的に入社数か月で辞める人も多いのですが、合う人にとっては合う仕事なので何十年と働いている大ベテランの看護助手もいます。

そのため、ベテランか新人かの2極化が進みやすいのです。

看護助手を辞めたい理由とは?

看護助手はどんな大変さを感じてこの仕事を辞めたくなるのでしょうか?

2極化がより後輩が育たない要因になる

ベテランと新人の2極化が進むと、せっかく入社した新人も年齢が離れたベテランに指導してもらうことになるため、ますます辞めやすいという悪循環に陥ります。

ベテランになればなるほど自分が新人だった頃のことを忘れがちになるため、新人の苦労や仕事が覚えられない理由が理解できないことになるからです。

また、看護助手として長年働いてきた人は、厳しい現場で戦い抜いてきた人ですから、精神的にタフで気が強い人もいます。

でなければ、厳しい看護師たちと一緒に仕事をしていくことが難しいのです。

入社したばかりの新人にとっては、年齢が近く気持ちを分かってもらいやすい優しい先輩がおらず、いきなりベテランの厳しさを実感することになり、余計に辞めたいと感じやすくなってしまうのです。

患者さんの身の周りの世話などが多くなる

看護助手の仕事は、看護師のサポートとして位置づけられていて、主には患者さんの身の周りのお世話が中心になります。

介護職と共通点も多く、排泄物の処理やオムツ替えなど、大変な仕事も多いです。

雑用的な仕事も多いため1日中動きっぱなしで肉体的にもハードです。

仕事自体がかなりきつ仕事のため、こんなはずではなかったと思う人も多いのです。

特に、高校を卒業したばかりの若い人などにとっては経験したことのないことばかりなので、自分には到底できない仕事だと感じて数日で辞めてしまうケースもあります。

看護師との人間関係が辛くて辞めたくなる人は多い

看護師のサポートを行う看護助手は、看護師との人間関係に悩む人が多くいます。

医療現場で働く看護師は気が強い人も多いですし、中には無資格でできる看護助手をかなり下に見ている看護師もいます。

看護助手がいてこそ、自分たちが職務に専念できるということを忘れて、看護助手に当たったり、きつい態度を取るような人もいます。

「看護師から召使のように扱われるのが苦痛…。」という本音をもらす看護助手もいるのです。

もちろん、ほとんどの看護師たちは高い志を持ち、患者さんのことを考えているからこその、厳しい言葉を使うというケースです。

人間的に素晴らしい看護師たちがいることは間違いないのですが、そうでない人もいるということです。

看護助手を辞めたいと思ったら

看護助手を辞めたいと思ったらすぐに辞めるのではなく、冷静になって考えたいことがあります。

医療行為ができないからこそ果たす役割がある

看護助手は医師や看護師などのように医療行為はできません。

あくまでも医師や看護師が職務に専念できるようにサポートするのが仕事です。

サポート業務というのは、どんな仕事でも、自分たちの存在意義に疑問を感じてしまうことがあります。

看護助手も、自身の仕事について求められていないのではと感じたり、本当に患者さんの役に立っているのかと不安に思うことがあります。

しかし、看護助手は本当に大切な存在です。

看護助手がいなければ、医師や看護師たちは職務に専念することができず、結果的に患者さんに満足の行く治療が行えないこともあります。

また、患者さんの身の周りの世話をする看護助手は、患者さんにとっては最も身近な存在であり、気軽に話を聞いてもらえたりするため精神的な支えになることも多いです。

看護助手には看護助手にしか果たせない役割があるということを思い出すようにしましょう。

資格不要の仕事だからと感じているのは周囲より自分かも

資格が不要の仕事であっても、自分自身がその仕事に誇りを持っていれば看護師たちと同じようにやりがいを感じながら仕事をすることは十分に可能です。

「所詮資格がないから看護師たちより下」と自分がどこかで思っているようでは、看護師たちに劣等感を感じ、それが態度にも表れてしまいます。

自分は自分にしかできない仕事をする、という強い意志があれば、看護師たちが看護助手をどう扱おうと関係ありません。

確かに看護師の中には看護助手を下に見ている人もいますが、逆に看護師たちからも尊敬されているような看護助手もいるのです。

まずは自分が看護助手という仕事に誇りを持つことができているのか、辞めたいと感じたときには冷静に振り返ってみましょう。

看護助手を辞めたいと思ったら転職を考えよう

看護助手の仕事はやりがいの大きい仕事ですが、大変な面も多く辞めたいと感じるのは仕方がないことです。

今後看護助手が辞めないための環境が整わなければ、離職を避けるのは難しいと言えます。

まずは自分の仕事に誇りを持つことが必要ですが、それでも辞めたいと感じたら無理は禁物です。

医療従事者は精神的にストレスを感じやすく、我慢しすぎてうつ病になってしまう人も多いからです。

看護助手の転職先は病院だけでなく施設や介護関連などでも求められていますから、転職エージェントに登録するなどして転職の準備を始めていきましょう。

転職エージェントであれば看護系に特化したものもありますし、その他の媒体に比べても求人数が多いため条件の良い求人も見つけやすいのがメリットです。

最後に

いかがでしたか?今回は、看護助手を辞めたい理由と、辞めたいと感じたときに思い出してほしいことをご紹介しました。

ハードな仕事ですが辞めるときは冷静になることも必要です。

ぜひ参考にしてみてください。