事前の職場見学や面接で会社を訪れたときには、その会社で働く社員の様子をチェックしましょう。

転職した場合に一緒に働く人たちがどんな人かを確認することで、「本当に働きやすい企業か」が見えてきます。

労働条件や仕事内容からは分からない重要な点に気付くこともあるでしょう。

社員の様子でチェックすべきポイントをご紹介しますので、会社訪問の際の参考にしてみてください。

挨拶がしっかりできているか

外部の人が来訪したときは社員が挨拶するのは基本です。

例えそれが面接予定者や職場見学の人であっても同じです。

今後社員にならないにしても、会社の商品やサービスを利用する可能性があるでしょう。

挨拶はその会社のレベルや質をダイレクトに表していると言っても過言ではありません。

挨拶ができない会社の場合は教育体制だけでなく、率先して挨拶をするような先輩やリーダーなどがいないことも考えられます。

受付時の対応の良し悪しはどうか

会社を訪問すると玄関や受付で要件を伝える場面がありますが、そこでの社員の対応にも注意してみましょう。

受付時の挨拶やマナーはきちんとされていて、感じの良い対応をしてもらえたでしょうか?

また、外部の人が来ているのに気づかないのか、気づいていても受付は自分が対応すべきことではないと思っているのか、社員たちが対応してくれないということはあります。

例え担当者でなくても、外部の人に対しては誰でも対応し、担当者につなぐというの普通です。

見てみぬフリをしている様子が感じられた場合、自分以外の仕事には非協力的である、仕事の責任は各担当にすべて押し付けられるといったことが考えられます。

社員の服装や身だしなみはどうか

社員の服装や身だしなみ、髪形などから、ある程度社風や規律の有無が推測できます。

カジュアルな私服であれば、規律が緩くそれなりに自由がある社風だと考えられます。

髪色や髪形などからも規律の程度が確認できるでしょう。

全員スーツ、制服、黒髪、女性社員たちの髪形が後ろで束ねられている場合などは、規律が厳しい職場だと考えられます。

人によっては私服で働きたい、スーツや制服の方が楽でいいなど好みが異なります。

自分が理想とする職場のイメージに合うかどうか確認しましょう。

仕事中の社員の表情や動き

仕事中の社員たちがどんな表情をしているか、言動はどうなのかで職場の雰囲気や仕事の忙しさを予想することができます。

自分自身の性格などと照らし合わせて職場への適性を判断してみましょう。

例えば以下のようなこと考えられます。

  • 職場内が静まり返っていて誰からも笑顔がない職場…集中力高く、黙々と仕事に没頭することを求められる
  • コミュニケーションが多く笑顔が多い職場…チームで協力して仕事に取り組むやり方のため協調性が求められる
  • 社員の多くがドタバタとして走り回っている…納期や時間に追われやすい激務型の職場

社員とすれ違うときに笑顔で目が合うか

職場内だけでなく、廊下や出入り口などで社員とすれ違うことがあります。

この場合は同じ部署以外の人ともすれ違う確率が高くなりますが、会社全体としての社員の質や仕事の大変さを予測できます。

誰とすれ違っても笑顔で会釈してくれる場合は、社員教育が行き届いている、社員の意識がもともと高く自然と後輩も育つなどが考えられます。

部署異動があったとしても社員のレベルが大きく変わることは少ないでしょう。

反対に、皆下を向いてうつろな表情をしている、小走りの人が多くてすれ違う人に目もくれないという場合は、仕事が激務で離職率が高い可能性もあります。

退社時間帯であれば、残業なく帰る人もいるのか、会社の出退勤にそぐわないような派手な格好をしてでてくる人はいないかなど、残業の多さや社員の常識レベルなどを知ることもできます。

年齢や性別などいろいろなタイプの人がいるか

職場内の様子を見て、幅広い年齢や性別の人がいるか確認しましょう。

人によって「若い人が多い職場で働きたい。」「女性が多い職場がいい。」などはあるでしょうが、基本的には年齢層や性別に偏りがない会社の方が、クセがなく働きやすい職場であることが多いです。

偏りがある場合は、「合う人には合うが、合わない場合は苦痛になるほど合わない。」ということはあります。

若い人がやけに多い場合は、若手が育たない、年齢が上がっても給与が安く仕事を任せられないなどで離職率が高いことが考えられます。

男性が多い場合は女性にはできない肉体労働が多いこともあるでしょう。

本来であれば、いろいろなタイプの人を雇うことで幅広いアイデアを得られたり、教育体制の充実にもつながって優秀な人材が育ちやすいということがあります。

あえて従業員のタイプを限定しているのか、仕事の特性上自然とそうなっているのかなど考えてみてください。

見学時や面接などで「若い方が多いように感じましたが、若い方を惹きつける御社の魅力は何だとお考えですか?」など理由を聞いてみても良いでしょう。

どんな人が求められているのか、どんな社風なのか担当者の本音が聞けることがあります。

社員のデスクの様子はどうか

社員のデスクの上を確認できる環境ならば、整理整頓がされているのかも見てみましょう。

職場全体として仕事効率を上げる取り組むがされているならば、社員のデスクがぐちゃぐちゃで書類が山積みということはそうありません。

仕事の進め方に個人の裁量度が高く、残業しても何も言われないという職場では、社員のデスクに資料が散乱している、もらいものの缶ジュースやお菓子が積まれているなどしています。

そういう職場では、帰りたくても皆が残業しているから帰れないとか、日中の仕事効率を考えずにダラダラと取り組む人が多いといった可能性も否定できません。

職場見学は可能な限りやっておくと良い

今回ご紹介したように、社員の様子からは様々な情報が読み取れます。

すべての社員に該当することばかりではありませんが、職場の傾向を判断する上で良い材料となるでしょう。

できれば転職を決める前に職場見学はしておくことをおすすめします。

職場見学は募集要項に書かれている場合もありますし、個別に依頼すれば対応してくれるケースも多いです。

自分で聞きにくい場合には転職エージェント経由で依頼してみると、快く受けてくれたり、できない場合でも事情をしっかりと説明してくれたりします。

職場見学が難しい場合は、利用者として訪れてみる、会社の出入り口付近で社員の様子を探ってみるのも一案です。

社員の様子を見てみることは、募集要項などからはわからないことを知るための良い方法です。

企業研究の一環としてぜひ参考にしてみてください。