中小企業の最終面接など、経営者が直接面接官として対応してくれることがあります。

緊張するかもしれませんが、経営者自らとじっくり話をする機会はそうはありません。

良い機会と捉えて面接に臨みましょう。

経営者の人柄や考え方は、仕事のやりやすさや社風にも直結します。

特に中小企業の場合は一族経営など、経営者が交代しない可能性も高くあります。

長い目で見てこの経営者の元でなら続けられるかどうかを、しっかりと見極めていきましょう。

では、経営者面接ではどんな点を確認すれば良いのでしょうか?

経営者についてチェックしたいポイントをご紹介していきます。

どこかで聞いたような話を並べている

面接の前半は自分が質問を受けて答えることに終始するでしょうが、後半になると質問タイムが設けられているなど、経営者の考え方を聞ける場面がでてきます。

そのときには、経営者の話の内容にしっかりと集中して、何を言っているのかを覚えておきましょう。

何かの本やセミナーなどで聞いたことがあるような話ばかりしていないでしょうか?

経営者本人の考え方として独自の視点があるのか、その場で考えられたことが述べられているのかを見極めましょう。

これは、経営方針に関する質問を投げかけたときに、経営者がどう答えるのかで推測することができます。

経営方針が明確で軸がある経営者であれば、どんな聞き方をしたとしてもすぐに答えが返ってくるはずです。

納得できるようなできないような曖昧な答え方をされた場合は、軸がブレブレで未熟な経営者である可能性があると判断しましょう。

企業HPの内容と印象が異なる話をする

面接前には企業HPを確認することが必須ですが、企業HPには経営者の顔写真や理念の紹介がされていることも多いです。

まともな経営者であればその内容と大きく異なることはないでしょうが、企業HPに掲載されている内容と印象が異なる話をする経営者は危険です。

その場合、企業HPの作成者や部下に体裁の良さそうな文言を用意させ、自分の考えを載せていない可能性があります。

企業HPは求職者にとっても商品やサービスの利用者にとっても、会社の信頼性を確認する上での大事なツールです。

それを適当に考えているという点は看過できない問題です。

精神論や自己犠牲の意識が強い

経営者の話の中で、やたらと精神論に関する内容が多かったり、「我々はお客さまのために身を粉にして働いている」など自己犠牲の意識が強い発言がある場合は危険信号です。

こういう経営者は従業員に対して、とにかく精神論を押し付けてくる可能性があります。

設備投資をしたり現場の声を聞き入れたりしないのに「もっと営業をかければ契約がとれるはずだ。」と、従業員の気合いと根性だけを頼りに、業績をアップさせることを要求してくるかもしれません。

お客さまを大事にするのは企業経営の基本でしょうが、従業員の立場を省みない経営者の元からは従業員は離れていきます。

「社員に対して何を求めますか?」と聞いてみても

経営者に質問する機会があれば、経営者の社員に対しての考え方を聞いてみると良いでしょう。

聞き方は様々ですが、社員に対して何を求めるのかに触れる質問が効果的です。

経営者が社員の存在をどう思っているのかの本音が聞けることがあります。

<質問例>

「実際に接客を受けた印象や企業HPを拝見するなどして、社員の方の対応力の素晴らしさを感じているのですが、反対に社員の皆さまに対して課題とされていることはありますか?」

社員の不満をもらす経営者は注意

社員に対しての課題であれば良いのですが、それが不満と感じられる場合は注意が必要です。

「うちの社員は頭が固くて困ることが多い。」「年寄りが多いから若い人を積極的に採用したい。」など、社員をけなす言い方をする経営者は良い経営者ではありません。

言葉だけでは測りかねる部分もありますが、言い方や表情などから本心で言っているかがある程度推測できます。

例え謙遜だったとしても、謙遜で社員を卑下するような経営者も考えものです。

社員たちに愛情や感謝の気持ちがあるのであれば、外部の人間に社員の不満を簡単にもらすのも考えにくいです。

部下に経営者の印象を聞いてみるのも一つ

経営者面接ではなく、別の役職者や人事担当者が面接官であることもよくあります。

その場合には経営者と直接話をする機会はありませんが、部下から見た経営者の印象を聞いてみるのは一つです。

「社員の皆さまから見て社長はどのような人物ですか?」という聞き方は失礼にあたりませんし、答える社員の表情や言葉の向こうに経営者の人物像を想像することができます。

この質問に対して答えに詰まってしまったり、やけに社長を持ちあげるような言い方をする場合も慎重に見極めなくてはなりません。

社長には誰も意見を言えないワンマン経営である可能性もあります。

新規事業や改善の取り組みが何もない企業は危険かも

経営者面接だけで判断できることではないのですが、事業展開や目的から新規事業や改善のための取り組みがほとんどされていない企業は危険です。

よくあるのが、創業者が経営手腕を発揮して高い収益を達成したが、その息子や孫が経営者として引継ぎ、昔の貯金にあぐらをかいているというケースです。

そういう企業は経営者の考え方が明確でないなど個性がなく、社内の雰囲気もどこか殺伐としています。

面接に訪れた際に職場の様子を確認する、企業HPなどで事業変遷を確認するなどして総合的に判断しましょう。

当然ですが貯金はいつか底をつきます。

それは資金だけでなく優秀な人材が流出してしまうという点でも同じです。

面接中にそんな余裕はなくて当たり前。面接後にじっくり判断しよう

ここまで経営者面接で確認すべき点をご紹介しましたが、面接では質問に答えることに精一杯で経営者をチェックする余裕などないという人も多いでしょう。

それは当然のことなので、面接の場であれやこれや考える必要はありません。

ただし、経営者の発言や印象はしっかりと覚えておき、面接が終わってからじっくり判断するようにしましょう。

面接終了直後に発言や印象をノートにまとめておくと、記憶が新しい状態で整理できるので効果的です。

面接対策は転職エージェントを利用しよう

面接では経営者や面接官の様子など、見極めたいポイントがたくさんありますが、自分が選考される立場であることには変わりありません。

事前に面接対策を行っておき、希望の企業から内定をもらえるように準備しておきたいところです。

面接対策は転職エージェントを利用するのが良いでしょう。

転職支援のプロからのアドバイスは実際の面接で役立つことが多いです。

最後に

いかがでしたか?今回は、中小企業の経営者面接で経営者を見極めるためにチェックしたいポイントをご紹介しました。

経営者の考えや人柄は、仕事をする上で非常に大切な要素になります。

自分自身も相手を見極めるという気持ちをもって、面接に臨むようにしましょう。