将来的な独立を視野に一旦転職という方法を取ることもあるでしょう。
その場合、転職先は将来の独立につながる企業を選ぶ必要があります。
転職先選びを間違うと独立の夢が遠のいてしまいますから、慎重に企業選びを行いましょう。
通常の転職とは企業選びのポイントが異なる点がありますのでご紹介していきます。
目次
独立を考えている人が転職して働くまでの4つの過程
まずは独立を考えている人がどのような道筋で転職して働いていけば良いのか、その過程をご紹介していきます。
漠然と考えるのではなく、順序立てて今何をすべきかを整理しながら進んでいきましょう。
1.これまでの経験を整理する
これまでの経歴の中でどんなスキルを身につけてきたのか、何を経験してきたのかを整理していきましょう。
これは通常の転職活動でも行われるキャリアの棚卸と同じです。
応募書類を作成する際にも役立つ作業ですから、ぜひしっかりとやっておきましょう。
ただし、目的は将来の独立にあるという点が異なります。
スキルや経験を紙に書きだして整理していったら、それが「独立するときに必要なスキルかどうか。」も、同時に考えていきましょう。
2.独立するために何が不足しているのかを見つける
現時点で何が不足しているのかを知るには、独立には何が必要かを調べておかなくてはなりません。
実際に独立するときには資金や技術だけでなく、労務管理、経理なども担当することになるでしょう。
最初のうちは人を雇う余裕もないでしょうから、それなりの知識やスキルはなくてはならないこともあります。
技術には十分自信があっても、営業力やマネジメント能力がゼロでは独立は難しいかもしれません。
独立のために自分に足りていないもの、それを見つけることをしていきましょう。
3.不足しているものを得られる企業を選び転職する
スキルや経験を整理し、独立のために不足しているものが見つかったら、いよいよ転職先を探していきます。
転職先を選ぶ際にぶれない軸としたいのは、「独立のために不足しているものを得られる職場であること。」です。
資金なのか技術なのか、経営スキルなのか、ここまでの過程で見つけ出したものを手に入れることができる企業に絞って応募していきましょう。
4.転職先では誠心誠意働くこと
最後の大切なポイントとしては、転職先で誠心誠意働くことです。
「いずれ辞めるから」という気持ちが自分の中にあって目の前の仕事をおろそかにしてしまうと、スキル習得や適切な人脈作りが叶わなくなります。
一生懸命働いている人にこそ、経営者や先輩たちは知識やスキルを教えてくれるというものです。
独立を理由に転職先で貢献できない人は、独立してからもうまくいくはずがありません。
自分に不足しているのは何?こんな企業を目指すべき
転職先で働くまでの過程を理解したところで、独立のために自分に不足していることは見つけることができたでしょうか?
ここからは、不足スキルごとに「こんな企業を選ぶべき」というポイントをご紹介していきます。
経営ノウハウを学ぶことができる企業
応募先が「独立支援」を謳っていなくても、経営ノウハウを学ぶことは可能です。
例えば管理職、店長などマネジメントスキルを磨ける求人は数多くあります。
マネジメント経験がない場合でも、管理職候補、店長候補などの正社員求人に応募すると、早い段階からマネジメントについて学べます。
頑張り次第では1年程度で管理職や店長になれることもあります。
自分に不足しているのが経営ノウハウの場合、スキルや技術力には十分自信があるということです。
その自信の根拠となるものを応募時に提示することで信頼を得ると、マネジメント未経験であっても候補者として採用してくれることはあります。
ただし、年齢が高い場合にはマネジメントスキルはすでにある程度持っていて当然と思われます。
これまでの経験の中から指導や教育にあたった経験などを元にアピールしていきましょう。
技術を身につけることができる企業
経営ノウハウ以前の段階で、将来やりたいことの技術力そのものが不足していることはあります。
その場合は、技術の習得ができる企業を目指します。
同じ業界や職種を選び、直接的に将来につながる技術を身につけましょう。
時間はかかりますが、技術力がなければ独立もなにもありません。
調理技術なのか営業力なのか、自分が将来独立して主にやりたい仕事を雇われの身として学ぶのです。
技術習得からマネジメントまですべて経験できる企業
技術の習得から管理者側へのステップまですべて経験したいという場合は、キャリアアップが可能な企業を探しましょう。
明確な評価制度があって着実にキャリアアップしていける企業ならば、技術者スタートで管理職になれるなど一つの会社の中で多くのことを学んでいけます。
応募時には、モデルケースの確認などを通じて、本当にキャリアアップできる企業なのかを確かめておきましょう。
独立支援を宣言している企業を選ぶべき?
企業によっては将来的な独立支援を宣言していることもあります。
この場合は独立希望を面接で隠す必要がなく、経営に必要なノウハウを直接教えてもらえるというメリットがあります。
ただし、こういった企業でも転職してしばらくは働いて貢献してもらうことを前提としています。
自分だけがノウハウを得て即辞めたいという姿勢が丸わかりだと、受け入れてくれないでしょう。
まずは一生懸命働きたい、その姿勢の向こうにある独立の夢を応援してくれるということです。
また、必ずしも独立支援を宣言している企業でなくてはダメということもありません。
独立のために必要なスキルを得ることが目的の転職ですから、それが叶えばいずれ辞めるのも仕方がないことです。
志望動機などの言い方に工夫は必要ですが、こちらも貢献ありきでの応募であれば問題ないでしょう。
資金か勉強のための時間か
独立に必要なものは資金だけという場合、業界や職種に限らず給与の良い企業を選ぶという方法もあります。
この場合は、しっかり残業代が出る、成果報酬型で頑張った分給与に反映されるなど、資金作りの目的を果たせるかを見極めましょう。
ただし、給与が良いということは激務の可能性もあります。
仕事が忙しすぎて体を壊してしまい独立できなくなる、すでに持っている技術力を保つための時間がなくなるなど、本末転倒なことがないように気をつけましょう。
また、働きながらの技術習得が難しい場合は、勤務時間外で技術習得を目指すという方法もあります。
その場合は必要最低限の生活ができる給与であることを基本とし、残業がなく定時で帰れるなど、技術習得の時間が確保できる企業を探していきましょう。
得たいスキルが整理されたら転職エージェントに相談しよう
転職先で何をしたいのか、どんなスキルを身につけたいのか、目的がはっきりしている人は応募先を絞りやすくなります。
転職エージェントに相談することで、希望のスキルが得られる求人を一緒に探してくれますのでぜひ頼ってみましょう。
最後に
いかがでしたか?今回は、将来独立を考えている人が転職先を選ぶ際のポイントをご紹介しました。
夢に向かって転職するのであれば、その前向きな気持ちがきっと応募先にも響くはずです。
独立のための第一歩としてぜひ転職を成功させてください。