転職先を決めてから、今の会社を辞めるのがスタンダードな転職方法ですが、場合によっては先に退職日を決めてから転職活動をスタートさせるということがあります。

退職日がすでに数か月先に迫っているのであれば引継ぎを進めながら転職活動を今すぐ始めなければなりませんが、退職日が当分先の場合には現時点で企業にアプローチしていくことは難しくなります。

即戦力を期待する中途採用者に対しては「今すぐにでも働いてもらいたい。」と考える企業が多いです。

大分先の入社予定であればよほどの人材でない限り、選考のステージにすら上がらせてくれないでしょう。

しかし、退職日が当分先の場合は、転職活動を何も行わないのかというとそうではありません。

転職活動の一環として今やれること、今こそやるべきことがありますのでご紹介していきます。

いつぐらいから具体的に応募を始めていくべきか

まず、いつぐらいから具体的に企業にアプローチをしていくのか計画を立てることから始めましょう。

中途採用者の場合、内定から遅くとも2~3ヶ月後には入社をしてほしいと考える企業が一般的です。

可能であればもっと早くに来てほしいという企業も少なくありません。

1社の応募にかかる期間は、書類選考と面接が2回だとして大体1ヶ月前後はかかることが多いので、具体的に応募を始めるのは退職日から3~4ヶ月前からになります。

これより前で退職日から半年~1年以上も前になってしまうと、企業としても中途採用者を雇うにあたって人員配置等難しくなりますので、採用は見送られることが多くなります。

ただし、計画していた時期に希望の企業が必ず見つかるとは限りませんから、求人情報等は常に見ておく必要があります。

企業研究をじっくりできるというメリットが

退職日まで当分先の人が転職活動を行う場合は、希望する業界や企業について下調べに時間をかけられるという点が大きなメリットです。

特定のターゲットに絞って企業研究できなければ意味がないように感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

実際に応募する際には必ず志望動機を述べることになりますが、そのときに深く業界研究をしておいたことは必ず役に立ちます。

他の企業にはない応募先の魅力を伝えるには他社との比較が必須ですから「だから私は御社で働きたいんです。」と熱意が伝わりやすくなります。

業界研究の中で目星をつけておいた企業では求人がなくても、同じような強みを持つ企業から求人が出ればそちらをターゲットにして応募しても良いでしょう。

退職日の3ヶ月前から企業研究を始めるよりも、今の段階で業界や企業研究を行っておく方が良いスタートダッシュが切れます。

自己分析やキャリアの棚卸に時間をかけて

実際の応募前に必ず行ってほしいのが自己分析やキャリアの棚卸です。

自己分析やキャリアの棚卸をしっかりとをすることで自身の適性を判断し、これまでの経験を活かせる仕事に的を絞って応募していくことで内定をもらいやすくなるからです。

企業は中途採用者に即戦力として貢献してくれる人を求めていますから、自分のスキルや経験を活かせる企業にアプローチしていくというのが転職の王道必勝法になるのです。

退職日が当分先という人は、転職活動にかけられる時間がたっぷりある上に在籍中ということもあって、自分の経歴を整理しやすい環境にあります。

今の仕事をしながら、自分の強みは何だろうと考えてみると良いでしょう。

退職日が差し迫っている場合よりも気持ち的な余裕がありますから、じっくりと自分自身と向き合うことができるはずです。

猶予が1年ぐらいあるなら資格取得やSPI対策をするのも手

退職日が1年近く先になってしまうという人は、実際に応募していくタイミングでより良い企業に応募できるよう、今のうちに自身のスキルアップに励むことをおすすめします。

何もせずに過ごすよりも好条件の求人に応募できるようになるでしょう。

気になる業界であれば有利とされる資格を調べて勉強を始めてみる、筆記試験がある企業にも応募できるようにSPI対策等をしておくのも良いでしょう。

資格はときに応募要件になっていることもありますし、条件の良い企業ほど筆記試験でふるい落としを行うケースはよく見られます。

今のうちに対策を立てておくことで応募企業の幅が広がり、転職活動を有利に進めることができるようになります。

後任の育成に力を注ぐこと

退職日が決まっているとは言え当分先ですから、実際に退職できるまでは何が起きるか分かりません。

もしかすると上司も一旦は退職の意志を受け入れたものの、「大分先だから考えが変わって思いとどまってくれるかもしれない。」という期待を抱いているかもしれません。

転職と円満退職は切り離せませんから、今の会社をスムーズに辞めれるためにの対策も立てておきましょう。

転職先が実際に決まった場合に「やっぱり辞めないでくれないか?」と言われないためにも大切なのは後任の育成です。

きちんと後任を育てておくことで引き留めにも合わなくなりますし、やるべきことをやった退職者に対して文句を言う人もいないでしょう。

今のうちに一緒にやれる仕事はやってみる、誰にでもわかるようなマニュアルを作っておくなどして、退職日近くに引き継ぐがうまくいくようにしておきましょう。

希望の企業が早めに見つかったら有休を捨てる覚悟も

来るべき応募の時期に備えて今できることをやっておくと同時に、求人情報からも目を離さないでおくべきです。

もし早い段階で希望の企業が見つかったら、場合によっては退職日を早めるということも必要になります。

職場によっては希望が通らない可能性もありますが、例えば退職日前を残った有休消化に充てる計画がある場合であれば、職場に直接的な影響が少ないので退職日を早めることが認められることはあります。

有休を捨てるのは勿体ないと感じるかもしれませんが、どうしても行きたい企業を逃すことの方が長い目で見ると勿体ないことです。

退職日の交渉は当然内定をもらってからが前提になりますが、こういった場合に備えて有休を無駄に消化せず最後まで取っておくことも大切になります。

転職エージェントには早めに登録しておくべき

退職日3~4ヶ月前になって転職エージェントに登録して求人探しをするのでは、せっかくの時間が有効に使えません。

転職エージェントには早い段階で登録だけはしておきましょう。

転職エージェントとしても具体的な求人紹介はできませんが、今の時期にやるべきことを教えてくれますし、転職フェアの情報や業界動向など役に立つ情報をくれます。

企業によっては採用予定日からかなり早めに募集をかけ始めることがあるので、そのタイミングを逃さないようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、退職日が決まっているけど当分先という人が、転職活動で今やるべきことをご紹介しました。

転職活動は、具体的に応募するだけでなく事前準備としてやっておけることがたくさんあります。

時間を無駄にしないよう、転職活動を有利に進める有益なものとしてください。