企業と応募者との間には、どうしてもミスマッチが生じてしまうことがあります。

ミスマッチが生まれると企業側、応募者側にとって不満の要因となり、希望しない部署異動や解雇、退職等、不幸な結果が待っています。

双方にとっての幸せな転職のためにはミスマッチをいかになくしていくかが大事で、最近は企業側も、説明を念入りに行うなどミスマッチを防ぐための努力をしているところが増えてきました。

応募者としても、企業側のこうした努力に甘えることなく自分自身でしっかりとミスマッチ対策をしておかなくてはなりません。

そこで今回は、転職先とのミスマッチを防ぐために応募者がやっておくべきことをご紹介していきます。

企業選びは慎重に冷静に。勢いや雰囲気だけで決めようとしないこと

入社して「こんなはずではなかった。」と感じる人の特徴として、転職先を決める際に様々な確認不足があったり、面接での雰囲気だけを信じて勢いで決めてしまうということがあります。

世の中には悪質な企業もあって、事前に条件等の説明をしない、募集要項に嘘の記載があるなど場合は残念ながらあります。

その場合に悪いのは当然企業側ではありますが、企業の評判や口コミを確認する、面接で聞いたり労働条件の書面提示を求めるなどして、細心の注意を払って転職すれば悪質な企業かどうかは大抵予測がつくものです。

応募者が慎重に冷静に企業選びを行うことで、応募者側が入社後に感じるミスマッチは防げるのです。

自己分析とキャリアの棚卸から自分の強みを発見しておくこと

企業とのミスマッチを防ぐには、自分がどんな人間であるのかを企業側に明確に伝える必要があります。

明確に伝えることで企業側の誤解をなくすことができるからです。

それには自分自身が自分のことを把握していなければならず、そのために必要なのが自己分析とキャリアの棚卸です。

自己分析やキャリアの棚卸の中で自分の強み・弱み、応募先でどんな貢献ができるのかを整理しておきましょう。

発見した強み等は応募書類や面接でわかりやすく伝えることを心がけます。

そうすることで企業側が求めている人材とマッチしたときに、双方にとって幸せな転職が叶うでしょう。

仕事内容や条件だけでなく社風も確認すること

転職するときには仕事内容や給与、労働条件等を確認することは必須ですが、それ以外に社風も一つ大切なポイントです。

退職者に会社を辞めた理由を聞いてみると「社風が合わなかった。」という理由を挙げる人はかなり多くいて、社風との相性が仕事そのものに影響を与えてしまうということがあるからです。

社風の確認はなかなか難しい面もありますが、職場見学や業界関係者からの話、面接での質問、転職口コミサイトなどの情報等、様々な方法で調べてみることは可能です。

また、業界によって「体育会系の社風が多い」などある種の傾向がありますので、判断材料にするのも一つです。

これをやれば安心というものはありませんが、ある程度予測を立てておくことは可能です。

あまりにも自分と相性が合わなそうな企業は除外することができるでしょう。

憧れだけで転職しようとしないこと

特定の業界や職種に強い憧れや夢を持っている人で、よく調べもせずに転職してしまって起きるミスマッチがあります。

その業界や職種の良い部分だけにしか目を向けておらず、仕事を始めてみてから感じた仕事の大変さやデメリットなどで辞めたくなるというケースです。

憧れや夢があるという場合は、それ自体は否定すべきものではありませんが、良い面以外にも必ず目を向けておくことが大切です。

仕事としてやるなら「その仕事で自分が耐えられないことはないか?」をしっかりと考えておかなくてはなりません。

どんなことが大変なのかということは、経験者の話を聞いてみる、職種研究を行っておくなどで分かります。

そして自分がその大変さに直面したときにどう感じるのかを具体的にイメージしておきましょう。

好きなことや興味のあることがあるのは良いのですが、そこだけに目を向けていると大抵失敗します。

「好きなことであれば辛いことも頑張れる」は一種の幻想です。

たくさんの好きなことの中に一つだけ辛いことがあれば耐えられたり、たまにしかない嫌なことであればやり過ごすことができるかもしれません。

しかし仕事は大変なことの方が多いので、好きや憧れだけで頑張れるのは相当の覚悟がある一握りの人だけなのです。

無理して身の丈に合わない企業に入ろうとしないこと

転職におけるミスマッチは、企業が求めている人材と応募者の持つスキルや能力に差があるということでも起こります。

特に内定をもらうことをゴールのように思ってしまっている人は多いのですが、転職は入社してからがスタートです。

自分を取り繕ったり無理して身の丈に合わない企業に入ることはやめましょう。

周囲から求められているレベル対して自分の能力が不足していることに気づき、肩身の狭い想いをすることがあるのです。

転職は自分をアピールする場所だとは言われますが、それは自分を必要以上に見せることではなく、企業が求めているものを実際に提供できることをアピールすることが必要です。

できないことをできると言ったりするのはもちろん、自分がすごい人であるように見せることをやめて等身大の自分をうまく伝えることを心がけましょう。

当然のことながら、虚偽の申告は何一ついい結果を生みません。

学歴・経歴に嘘をついて入社できたところで、ばれたときに懲戒解雇の対象になり得ます。

そうなると再度転職活動をするときに必ず苦労しますから絶対にやめましょう。

転職活動は転職エージェントを利用して行うこと

転職活動は求人探しだけでなく、企業研究、自己分析、面接対策など想像以上にやるべきことがたくさんあります。

自己流で転職活動をしてしまうと、こういった大事な過程を飛ばしていきなり求人検索から始めてしまったりします。

そういう人はミスマッチで失敗しがちなので、プロのアドバイスをもらいながら戦略的に転職活動を行っていくようにしましょう。

転職エージェントは転職支援のプロですから、企業研究や自己分析の方法から書類の書き方、面接対策まで転職活動をトータルでサポートしてくれます。

まず何から始めたら良いのか分からないという人についても真摯に相談に乗ってくれますから、早い段階で転職エージェントを頼ることをおすすめします。

最後に

いかがでしたか?今回は、転職先とのミスマッチを防ぐために応募者がやっておくべきことをご紹介しました。

応募前に企業のすべてを知るということはできませんが、可能な限り対策を講じておくことで、大抵の不幸は回避することができるはずです。

応募者側にとってもミスマッチ対策は重要である、ということを理解した上で転職活動を行ってください。