学歴、職歴、資格など、募集要項に書かれている条件はすべて満たしているはずなのに書類選考で落ちてしまうという人がいます。

面接で不採用になるならば「単に相性が合わなかっただけ。」と思うことができるかもしれません。

しかし書類選考の場合は、なぜ選考のステージにすら上がらせてもらえなかったのか分からなくなるでしょう。

特に送っても送っても書類選考を通過できないという壊滅的な状態にある人は、一度応募書類そのものを見直してみる必要があります。

そこで今回は、応募条件を満たしているのに書類で落ちる理由についてご紹介していきます。

求める人材とは異なっている

募集要項に書かれているのはあくまでも応募ができるというだけの最低条件という役割があります。

その条件を満たしていることで自信を持って応募することがあるかもしれませんが、だから書類選考に通るというわけではないということは理解しなくてはなりません。

人事担当者が書類で確認するのは、最低条件を満たしてあるかどうかと、今回募集をかけた背景に適した人材であるかという点です。

前者は募集要項で確認することができますが、後者に関しては企業研究で経営者の考え方に触れたり、募集の背景を調べておくなどしなければ分からないことなのです。

企業研究をきちんと行っておき、企業が求める人材を理解した上で書類を送るということも大切なことです。

条件を満たしている人が大勢いて選ばれない

応募条件を満たしていて企業が求める人材からも大きく外れてはいない、それなのに書類選考で落ちてしまうということもあります。

この場合に考えられるのは、同じように条件を満たしている人が大勢いたということです。

そうなると条件のみをもってふるい分けができなくなりますから、意欲が特に伝わる、経験が豊富そうであるなど、何か特筆すべき点がある人が選ばれることになります。

特に応募が集中するような人気企業・職種であれば、条件を満たす人全員に会って面接する時間はないわけですから強みがなくてはなりません。

応募条件を満たしているから安心するのではなく、プラスの何かを見つけましょう。

自己分析やキャリアの棚卸を時間をかけて行うことをおすすめします。

基本的なことがなっていない書類である

人事担当者の仕事は、何も今回の募集に関する採用活動だけではありません。

別の職種や役職での募集も同時にかけていることがありますし、新卒の採用活動も1年を通じて計画的に行われます。

さらに採用活動だけでなく、社内人事や評価などについても携わるのが人事担当になります。

そんな多忙な中で多くの応募書類を目にするわけですから、基本的なことができていない応募書類は一瞬で除外されてしまうことがあります。

基本的なこととは、雑な書き方や誤字脱字、証明写真の服装、書類のシワや汚れなど様々です。

応募条件を満たしてかつ優秀な経歴があるという人でも、応募書類の基礎やマナーすら守れないような人はその時点で書類を最後まで見てもらうことができないでしょう。

もう一度、書類の作成の基本に戻ってやり直してみましょう。

見にくく分かりにくい

応募書類のマナー自体は守られているけれど、言葉が羅列してあるだけで分かりにくい、小さな文字が書類全体にびっしりと書いてあって見にくいなど、情報だけをポイっと投げられたような書類は敬遠されがちです。

前述したように忙しい人事担当者にとってこうした見にくく分かりにくい書類は見る気すら失せますし、書類を見る相手の立場に立っていない人とも思われます。

仕事でも人間関係でも、相手の視点に立って考えるということは重要な要素なので、そこができていない人だと推測されてしまうことになります。

書類の中に余計な情報が多い

とにかく自分の持っているものをすべてアピールしようと考えて、あれもこれも応募書類の中に詰め込もうとしている場合も書類で落ちる可能性があります。

募集要項に書かれている条件に関してはそれを満たしていることを伝える必要がありますが、それ以外の点に関しては取捨選択して書類作成していくことが大切です。

例えば履歴書の資格欄ですが、持っている資格を何でも書けば良いというものではなく、仕事に関するもの、それも応募職種で活かせそうなものに絞って書きましょう。

明らかに趣味系の資格や鮮度が古すぎるものは評価されない可能性がありますし、仕事に必要なものとそうでないものを理解できていない人だという印象も与えてしまいます。

もちろん資格だけではありません。

情報をつらつらと並べるのではなく、応募企業にとってメリットになりそうな経験やスキルについて主に触れていくようにしましょう。

適切なものをチョイスしてわかりやすくまとめている、これが転職の応募書類には大切な点になります。

曖昧な表現ばかりで具体性に欠けている

応募書類の中でも志望動機や自己アピール文など、意欲を伝えることができるポイントがあります。

ただし、曖昧な表現が多く具体性に欠ける内容の場合は意欲が伝わるどころか、企業研究や自己分析が客観的にできていない人だと準備不足を疑われます。

例えば「昔から憧れていました。」「頑張りたいと思います。」「周囲と協力してやってきました。」などの言葉が根拠なく多用されている応募書類は見る気が失せてしまいます。

自分が感じていることを伝えるのは良いのですが、根拠となる数字や具体例などを述べた上で、なぜそう思うのかを論理的に書かれていなければ意欲が実際に届くことはありません。

もう一度書類を見直してみて、曖昧で具体性のない表現ばかりしていないか確かめてみましょう。

すでに良い人が決まってしまった

応募にはタイミングも大切ですから、同じ応募書類を送っても見られる時期によっては不採用になってしまうこともあります。

応募自体は受け付けていてもすでに良い人が現れてしまっていて、その人に決めかけている状況では、かなりインパクトのある書類でなければ人事担当者の心を動かすことはできません。

いつも後手後手にまわってしまうという人は、適切な応募のタイミングを逃さないためにも常に情報収集を欠かさないようにしましょう。

転職エージェントを利用すればあらかじめスキルや条件を登録しておくことで、良い求人が出たらすぐに紹介を受けることが可能です。

効率的な応募のためにも利用を検討されると良いでしょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、応募条件を満たしているのに書類選考に落ちてしまう理由をご紹介しました。

こうして考えてみると、読み手の立場に立った書類作成を行うという視点が非常に大切であるということが分かります。

自分のアピールをすることに必死で、読み手である人事担当者の立場を忘れていませんか?

その視点に立って書類作成ができれば、おのずと書類選考に通過できるようになるでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。