世の中には「若気の至り」で片付けられる問題がありますが、転職活動においては若さゆえの失敗はできるだけ避けたいところです。
なぜなら一度キャリアに傷がついてしまうと、今後の職業人生に大きく影響を与えることになるからです。
若いうちにこそ転職をという考えは間違っていませんが、勢いだけの転職ではまずいというものです。
そこで今回は、20代を中心とする若い人がやりがちな転職失敗パターンをご紹介していきます。
同じ失敗をしないようにぜひ参考にしてください。
目次
やりがいを求め過ぎたことによる失敗
若い人ほどやりがいを求めて転職したがります。
仕事においてやりがいは大事なのですが、それだけでやっていけるほど甘いものではありません。
やりがいを求め過ぎて転職すると、給与が低くて生活できない、長時間労働に悩まされる、高い結果を求められるためプレッシャーに負けてしまうなどが原因で、辞めてしまうことがよくあるのです。
ある程度社会人経験を積んで苦労してきた世代には理解ができるのですが、どうしてもやりがいという言葉の魅力に惑わされるのが若い世代の特徴です。
やりがいを求めるなということではなく、他の点とのバランスが大切だということです。
税金や社会保険などの知識不足による失敗
サラリーマンであれば基本的な税金や社会保険の知識はある程度持っているものですが、若い世代だと知らないということも多いです。
家族や先輩から教えてもらえる環境にいない場合、自分で調べない限りは誰も教えてくれないからです。
よくある失敗としては、税金や社会保険料が引かれた後の手取りを想定していなかったため、転職して給与が振り込まれた段階で驚くということがあります。
生活できると踏んでいた給与が想定より少なくて、生活自体が厳しくなってしまうのです。
専門家のように詳細を知る必要はありませんが、毎月何がどの程度引かれていて、会社を辞めた場合にはどうなるのかなど、最低限のことは覚えておきましょう。
高学歴若年者は自分の実力を高く見積もりがち
何十年も社会人として働いていると学生時代のことなど遠い昔になりますが、若い世代にとっての輝かしい過去は学生時代にあるということがあります。
特に高学歴の若い世代は職歴から誇れるものが少ないため、学歴を自分の実力だと勘違いすることがあります。
この勘違いによって、「自分はもっとできるはずだから実力を試したい。」とやみくもに転職してしまい、思うように成果を出せず転職を繰り返していくことになります。
転職先の職場の人に上から目線で接するなどして孤立してしまうということもあります。
もちろん高学歴出身者は優秀で仕事もできる人は多いのですが、それは社会人になって努力して磨いていった仕事上のスキルがあってこそです。
学歴が高いことと仕事ができることは、必ずしもイコールにはならないという点は覚えておきましょう。
勢いで辞めて失業手当がもらえなかった
退職すると失業手当がもらえるという知識はある人がほとんどですが、必ず誰でももらえるわけではありません。
若い人が注意したいのは、失業手当の受給要件である雇用保険の加入期間を満たしていない可能性があるという点です。
自己都合退職の場合、離職前の2年間に雇用保険の加入が12か月以上必要となります。
つまり、新卒で就職して数か月で転職する人はその時点では失業手当はもらえないということです。
また、短期間での再転職を繰り返しているような場合、すでに失業手当の受給を受けていると、雇用保険加入期間がリセットされます。
加入期間を満たしていない場合は、前回のように失業手当がもらえない可能性がありますので注意してください。
若い世代は転職しやすいこともあって、失業手当の支給期間は短いです。
失業手当をあてにして勢いよく辞めてしまうなどはないようにしましょう。
残業や通勤時間がだんだんきつくなる
若いうちは体力も気力もありますから、転職先を決めるときに残業時間の長さをあまり気にしないという人もいます。
しかし、30代に入ったぐらいから体力的に厳しいと感じることが増えてきます。
若いころの転職を間違えたかもしれないと後悔するケースは珍しくありません。
頑張って管理職になれば残業が減るというものでもなく、企業風土によっては立場関係なく残業はあるものです。
今はいいけれど長い目で見たらどうなのかは、転職先を決める際に考えておくべきでしょう。
また、意外と見逃しがちなのが通勤時間の長さです。
若いうちは通勤ラッシュに耐える体力はありますが、年齢と蓄積された疲れで苦痛に感じることが増えてきます。
特に20代のうちに持ち家を購入した人は、転職時の通勤時間は考えておくようにしましょう。
引っ越しという逃げ道がなく、何年後かに後悔する可能性があります。
働きながら学ぶことの想像以上の大変さ
若い世代が転職するときのメリットとして、未経験やスキル不足であっても採用されやすいことがあります。
年齢が若い分、将来的な成長に期待して自社で育てたいと思ってもらえるからです。
これ自体は良いことなのですが、大前提として将来的に育つということがあるので、転職後に勉強したりスキルを磨いていくことが必要です。
若い人が転職した場合、最初のうちは「入社してから勉強を続けてスキルアップに励みます!」とやる気がみなぎっているのですが、実際には仕事を覚えるだけで手いっぱいになります。
本人としては、仕事は仕事で覚えて、業務時間外に勉強をしてぐんぐん成長していく、そんな姿を思い描いているのでここで挫折を経験します。
それどころか、日々の仕事すらまともにできずに先輩から怒られるなど、自信を失って辞めてしまうというケースがあるのです。
働きながら何かを学ぶことは想像以上に大変なことです。
やみくもに未経験職種にチャレンジするのではなく、まずは今いる環境で経験を積むことも大切です。
若さゆえの失敗を防ぐにはプロのアドバイスを受けよう
若いからこそ知らないことが多い、自分を客観視できないということはある程度仕方のないことです。
しかし、一度の転職失敗はキャリアにしっかりと残ってしまいますから、できるだけ下調べをした上で慎重に転職先を決めることは若い世代でも必要なことです。
わからないことも多いでしょうから、プロのアドバイスを受けながら転職活動をしましょう。
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最後に
いかがでしたか?今回は、若い人ほど転職でやりがちな失敗パターンをご紹介しました。
まだまだリスクを負える世代とはいえ、転職の失敗はできるだけしない方がいいに決まっています。
若い世代の転職は意欲と勢いだけでなく、冷静さも付け加えるようにしましょう。