転職活動の一つに企業研究があり、面接対策や転職後のミスマッチを防ぐために大きな意味を持つものです。
企業研究の方法はいろいろありますが、OB・OG訪問によって情報を得るという手段があります。
転職活動においてはあまり積極的に行う人は多くありませんが、有益な情報を得ることができるため実はかなりおすすめしたい研究方法です。
そこで今回は、転職活動中にOBやOG訪問をすべき理由と、OB・OGへのコンタクトの取り方を紹介します。
目次
転職活動の一環としてOB・OG訪問をすべき理由
まずはOB・OG訪問をすべき理由を解説します。
インターネットで何でも調べられる時代、企業情報は多く出回っている中で、なぜ敢えてOB・OGを訪問して話を聞く必要があるのでしょうか。
そもそもOB・OG訪問とは
そもそも転職活動におけるOB・OG訪問とは、自身が希望する業界や企業で働く人を訪問し、業界や企業がどんなところなのか実際の様子を話してもらうことを言います。
一般的には新卒の就職活動などでよく行われ、大学に卒業生を招待して話をしてもらうケースなどもあります。
しかし、何も就職活動に限らず、転職活動においても重要な役割をもつのです。
信憑性が高い情報を入手できる
実際に希望の業界や企業で働いている人の話は、単なるイメージだけで伝わった会社情報や、企業が世間体を意識して公表している企業HPとは異なり、信憑性が高いのが特徴です。
実際に働いているからこそ分かることがあるでしょう。
もちろん、OB・OGによっても感じ方が異なりますし、必ず本当のことを教えてくれる保証はどこにもありません。
しかし、その会社で働いている事実がある以上、求職者を騙したり悪意ある内容は言わない可能性が高いのです。
実際に会うことで態度や雰囲気から感じとれるものがある
OB・OG訪問は実際にその人と対面できるという点も利点です。
例えば残業の長さや有休の取りにくさなど、企業で働くことのデメリットを聞いたとします。
OB・OGとしても、あまり企業側のデメリットは言いたくないので濁す可能性がありますが、言い方や態度である程度推測できることもあります。
経験豊富な面接官と違って一般の社員なので、実際と言っている内容に相違があれば意外とわかってしまうもの。
気になる点があれば、そこをさらに調べていくなどして研究を深めていきましょう。
OB・OG訪問を行ったことで意欲の高さをアピールできる
個人的な紹介の場合は名前を勝手に出すのは避けるべきですが、企業から紹介してもらったOB・OGに関しては面接で名前をだしてアピールすることは可能です。
「〇〇様からお話をうかがい、御社で働かせていただきたい気持ちがより強くなりました。」など。
もちろんそれだけで合格できるわけではありませんが、わざわざOB・OG訪問をするぐらい志望度が高いことはわかりますし、行動力があると思われることもあるでしょう。
本来持っている志望動機をより強固なものとすることができ、意欲ある応募者という点で
好印象です。
OB・OGとコンタクトを取る方法
では、OBやOGの方と具体的にコンタクトを取るにはどうすればいいでしょうか。
コンタクト方法と、その方法におけるメリット・デメリットを解説します。
家族や知り合いに聞いてみる
自分の家族、友人、知り合いにその業界や企業で働く人がいればいいですが、そうでなくても、その人たちの知り合いに関係者がいるということはよくあります。
意外と世間は狭いもので、知り合いの知り合いに近い人がいるとか、ピンポイントの企業でなくても、同業他社で働いていてかなり深い情報を知っているなどの可能性は大いにあります。
本気でOB・OG訪問をしたいと考えているなら、周囲に聞いて回ってみるいいですね。
OBやOGからしてみても、自分が知っている人の紹介ということもあり、紹介者との関係性も考慮して誠実な対応をしてくれるため、かなりメリットが大きい方法です。
企業内情や本音など、求職者が本当に知りたい情報を教えてくれる可能性が高いでしょう。
訪問を受けてくれたということは、役に立ちたいと少なからず思ってくれているということですから、積極的に情報提供してくれることもあります。
企業側の人間としてではなく、一人の労働者としてこちら側の立場に立った意見を述べてくれると期待できます。
希望の企業に直接依頼する
希望する企業の人事担当者の方に、「実際に働いている方のお話をお伺いしたいのですが可能でしょうか?」と聞いてみると、受けつけてくれる場合があります。
企業としては、求職者の申し出が転職した後のミスマッチを防ぐためだと理解できますから、非常識な申し出とは思いません。
社内の様子をよく理解してから転職してもらう方が無駄な離職を回避できるので、企業にとってもメリットがあるのです。
積極的な転職活動をしていることに好感をもつこともあるでしょう。
ただし、この場合は求職者の方でOB・OGを選ぶことはできず、基本的に企業愛が強くて、企業にとって問題がない人がでてくる可能性が高いです。
企業HPの社員インタビューなどで、企業のいい所ばかりを目にしてきた人にとっては、物足りない印象を持つこともあります。
使える情報もあるので無意味とは言いませんが、企業のデメリットよりメリットを知るためと割り切ることも必要です。
求職者の印象をOB・OGの方が報告することもあるので、こちらの対応にも十分気をつける必要があるでしょう。
訪問が難しい場合は転職エージェントを利用しよう
残念ながらOBやOGの方とコンタクトが取れなかった場合でも、活きた情報を得るための企業研究を諦める必要はありません。
実際に働いている方の話を聞くほか、もう一つ企業内情を知れる方法があり、それが転職エージェントを利用することです。
転職エージェントは企業との独自のパイプをもっており、一般には知られていない企業情報を持っていることが多くあります。
面接で聞きにくいこともエージェント経由で確認すればスムーズなので、活動全体を効率よく行うことができるでしょう。