一度社会人になると、無職にでもならない限り、まとまった休みを取るのは簡単ではありません。
よほど環境的に恵まれた企業でなければ1週間連続で有休を取るなんて、ハネムーンでもなければ認められないことが多いでしょう。
いつかは転職をと考えている人は、転職時期に向けて有休貯金をしっかりしておき、転職時期をコントロールすることで、うまくいけば長い場合で2ヶ月間、お金をもらいながら旅行に行ったり趣味に没頭する夢のような時期を過ごすことも可能です。
そこで今回は、転職を機に退職日までをできるだけ長く有休消化するためのコツを紹介します。
目次
1ヶ月休むために何日有休が必要?
まずは1ヶ月の長期連休を目指すと仮定して、1ヶ月間お金をもらいながら休むには何日の有休が必要か確認します。
よくある「土日祝休み」の企業なら、月の所定労働日数は20~22日が主流です。
有休は「本来は労働するはずの日」について充てることができ、もともと休日だった日に消化する必要はありません。
例えば月の所定労働日数が20日ならば、20日有休があれば、1ヶ月間まるまる給与をもらいながら休むことができるというわけです。
1ヶ月休むために、30日や31日分の有休がいるわけではないということですね。
有休は最大で何日残せる?
有給休暇は労働基準法で、勤続年数ごとの最低付与日数が定められています。
勤続6ヶ月で10日付与、勤続6年6ヶ月を超すと1年間で20日付与されます。
これは最低限の基準なので、基準を上回る付与日数を与えてくれる企業も中にはあります。
就業規則で有休付与日数について書かれていますから、自社の有休規定を確認してみましょう。
そして、有休消化には2年の時効が定められており、前年度に消化できなかった分を今年度に繰り越すことができます。
6年6ヶ月以上勤務している人が1日も有休を使わず1年を過ごして繰り越した場合、労基法の規定通りの付与であっても、40日間まるまる有休を持つことができるということです。
例えば2017年1月と2月の、土日祝日を除いた日数は合計で40日。
2月末退職の人ならば、40日分の有休をすべて退職日前に消化できれば、まるまる2ヶ月を長期休暇として、収入がありながら休める時期を過ごすことができます。
有休の無駄使いに注意
有休日数は限られていますから、1日でも多く残して連続取得できるよう、有休の無駄使いは回避したいところです。
連続消化のタイミングでいくらでも遊びに行けますから、それまでは旅行などで使ってしまうのは我慢しましょう。
転職活動中にもできる限り有休を使わず活動することも可能です。
面接日にどうしても有休を使うことはありますが、転職者の多くは平日の夜や休日なども上手に使いながら、最低限の有休消化に抑えるよう努力しています。
企業も在籍中の活動に一定の配慮があるため、有休を使わずに面接までを終わらせることも十分にできるということ。
半日や時間単位で取得を認めている企業もあるので、できるだけ細かく取得していくのもコツです。
むやみに1日有休を取得せず、「午後に面接だから午後に有休を取ろう。」などと上手にやりくりするのがいいでしょう。
退職日までに有休を使えないと思っていませんか?
転職が決まって、退職日までをすべて有休消化できた人の割合は、退職者の半分にも満たないと言われています。
確かにそういった人は多く、理由を聞いてみると「何だか悪いような気がした。」「認められないと言われた。」などと言います。
有休消化が後ろめたい気持ちになる人は、休暇というよりお金をもらうことだと思ってみてはいかがでしょうか。
休暇だと思えば我慢してしまっても、「30万円のお金をもらえる権利」だと思ったら、簡単に放棄する人は減るはず。
基本給が30万円の人なら、1ヶ月有休取得することと、基本給と同額の30万円をもらうことは、同じ意味を持つのです。
また、会社から認められないと言われた人は、有休取得は労基法上認められたの当然の権利であり、原則として申請を拒否することはできないと知りましょう。
会社には「時季変更権」と呼ばれる、業務の正常な運営を妨げる場合に有休日を変更できる権利があります。
しかし、退職が決まっていて引き継ぎも終わっているなら、時季変更権を正当に行使することは難しいでしょう。
上司から「有休消化なんて認められない」と言われても、法知識がある人事部などに問い合わせるなどして諦めないことも大切です。
普段から関係性を良好に保つこと
有休が当然の権利と知っていても、どうしても上司に請求できない、周囲の目が気になってしまうという人も多いでしょう。
これには、普段の上司や職場の人たちとの関係性も関わってきます。
上手に人間関係を構築してきた人ならば「最後ぐらい有休消化すればいいよ。」と上司や周りの理解もありますが、いつも孤立してきたような人ならば積極的な協力は得られないでしょう。
関係性を保つことは簡単ではありませんが、日頃の行いが自分の損得にも影響するものだと思って、言動に気をつけるようにするのも一つです。
引き継ぎがスムーズにいくようできることは進めておく
有休をできるだけ残して最終勤務日を迎えるためには、引き継ぎを早め早めにおこなっておくことがとても大切です。
内定が出てから慌てて引継ぎを始めるのではなく、転職を決意した時点で自分の業務整理は行っておくことをおすすめします。
業務整理をして、マニュアル作りなどをコツコツやっておけば、実際に引き継ぐときにスムーズです。
さらに転職活動に必要なキャリアの棚卸にもなるため、密かにすすめておくといいでしょう。
面接の日程調整は転職エージェントを頼ろう
有休をできるだけ使わないよう平日の夜に面接を対応してもらいたい、休日にも可能かどうか確認したいなど、日程調整で希望があってもなかなか企業に申し出るのは難しいですよね。
転職エージェントを利用した転職活動なら、応募者に代わって日程調整をおこなってくれるためスムーズです。
在籍中であることを配慮してもらいやすくなるので、プロの手を借りてみてはいかがでしょうか。