毎日夜遅くまで仕事をしてヘトヘト、精神的にもストレスを感じているようで見ていられないなど、家族や恋人をそばで見ていて「絶対に転職した方がいい!」と感じることがあります。
ただ、転職に踏み切れるかどうかは人によってハードルの高さが違うもの。
「自分だったらその環境ならすぐに転職活動を始める。」と思っても、相手にとっては転職活動に踏み切れない理由もあるのです。
人に転職をすすめるには「転職すれば?」と言えばいいという問題ではなく、意外とナイーブで難しい問題です。
そこで今回は、家族や恋人に上手に転職をすすめる方法を紹介します。
目次
いきなり転職の言葉を口にすべきでない理由
一刻も早く転職をすすめたい気持ちはわかりますが、本人がここまで転職に踏み切れない以上は、他人から言われても動かないでしょう。
いきなり転職をすすめるべきではないのですが、なぜなのでしょうか。
男性は「仕事に口出しされた」と感じる
男性は妻や恋人など、女性から仕事のことをあれこれ言われることを嫌います。
女性側からすれば「本人のためを思って」言っていることでも、男性にとっては「仕事に口出しされた」以外のなにものでもないのです。
転職も同様で、いきなり「転職したら?」など言おうものなら「わかってる!」「仕事のことをよく知らないのに口出しするな!」と怒られるかもしれません。
口には出さない男性でも、少なからずこうした気持ちになるでしょう。
男性は仕事の面だけにおいては、女性より優位に立ちたいと思う生き物ですし、それは女性を守ってあげたいことの裏返しでもあるのです。
その気持ちを理解して配慮する必要があるでしょう。
女性はただ優しい言葉が必要なだけ
相手が女性の場合は、「そんなに辛いなら転職すればいいだろう。」などと突き放す言い方をしてはいけません。
女性はただただ優しい言葉を投げかけてほしいだけという人も多いのです。
女性は現実主義で将来のこともよく考えるので、転職が必要かどうかは自分でわかっています。
転職をすすめるよりは「辛かったら辞めたっていいんだよ。」と、退職する道があることを伝えてあげましょう。
子供はもう大人。出しゃばらないことも大切
相手は自分の子供にあたる場合は、親の思い通りにしようとしてはいけません。
関係性は親子であっても、相手はすでに大人。
信用して出しゃばらないことも大切です。
ただし、長時間労働やノルマの厳しさなど精神的に限界が近い状態にあり、正常な判断ができていないと感じる場合は別です。
専門家に相談するなどして、家族としてのサポートをどうすべきか具体的に考えます。
場合によっては、無理やりにでも辞めさせることが必要なケースもありますが、あくまでも最終手段だと思っておきましょう。
自己判断で子供のキャリアを決めようとせず、親自身が周りを頼ることが大切です。
まずは相談に乗ることからはじめよう
転職をすすめたい相手には、まずは今の会社での不満や悩みを聞いてあげることから始めます。
誰にも言えなかった不満や悩みを吐き出すことで、精神的に楽になれることもあるでしょう。
どんな点を意識して相談に乗ればいいのでしょうか。
否定や責める言い方はしないこと
精神的にいっぱいいっぱいになっている人を冷静に見つめてみると「そんなことで悩んでいるの?」と正直思うことがあります。
「それは自分にも責任があるのでは?」とわかることもあるでしょう。
しかし、相談に乗るからには否定から入ったり、相手を責める言い方はしないことが大切です。
共感や肯定が相手の心を冷静にさせるコツ
どんな些細な悩みでも、「それは大変だったね。」と受け止め、とにかく全部吐き出させてあげましょう。
相手も、声にだして不満や悩みを言うことで頭の中が整理され、ふと「そんなに大した悩みではないかも。」と気がつくこともあります。
人が誰かに相談するときは、本当に解決策がほしい場合と、単に聞いて共感してほしいだけの場合があります。
本当に解決策がほしい場合は相談ではなく、具体的な質問に及ぶことがほとんどです。
相手が何を求めているのかを見極めましょう。
相談内容に具体性がない場合はただ聞いてほしいだけなので、共感し、肯定してあげることで相手の心が落ち着いてきます。
家族や恋人に転職をすすめる方法
相談に乗ってあげたらいよいよ転職をすすめていくわけですが、ここでも「転職した方がいい!」と強くすすめることはしません。
最終的に決断するのは自分でしかないので、転職を前向きに考えられるように誘導するようにしましょう。
情報収集を一緒におこなってあげる
転職市場の状況や、どんな仕事があるのかなど、情報収集を手伝ってあげましょう。
業界事情や優良企業の情報などをリサーチし、「こんな会社もあるみたいだね。」と押し付けないよう提案します。
最近は転職エージェントを利用する人が多いとか、ためになる転職サイトを見つけたとか、転職ツールの情報でもいいでしょう。
ポイントは、その場で答えを求めず、そっと情報のみを与えて話題を変えることです。
さりげない会話の一コマであるかのように情報提供をし、後で「ちょっと見てみようかな。」と思わせましょう。
相手のいいところを教えてあげる
今の会社に不満を抱えているのに転職しない人の多くは、その自信のなさにあります。
転職してもやっていける自信がないから、今の場所にとどまって我慢する方がマシだと考えているのです。
自分で自分の強みに気づけていない場合が多いので、客観的にみていいところを教えてあげましょう。
「〇〇は教えるのが上手だから講師業もできそうだね。」「△△の知識が本当に豊富だよね。」など。
人からいい点を指摘されることで、何を武器にすれば転職できるのか見えてくることがあります。
辞めても大丈夫と安心させるぐらい自分が頑張る
転職できない理由として経済的事情をあげる人は多いですよね。
ならば、その不安を解消してあげましょう。
しばらく無職になっても大丈夫だと思わせるぐらい、自分自身が働く、副業するなどして相手に安心感を与えましょう。
身近な存在の人が頑張っている姿を見れば、転職に向けて自分も本腰をいれようと勇気がわいてくるでしょう。
ただ、過去にニートや無職期間が長くあり、他力癖がある人に対しては逆効果です。
相手の性質を考慮したうえで、「安心感」と「危機感」のどちらを与えるべきか考えましょう。