近年、リスクマネジメントの重要性がビジネスにおいても見直されつつあり、職場単位、個人単位において、リスクマネジメント力を向上させるための取り組みがおこなわれています。

転職活動においても、リスクマネジメント力の高い人材を企業が求めていることを知り、評価につながるように能力アップをはかりましょう。

リスクマネジメント能力をアップさせるには、技術習得や知識を得るというよりも、日ごろの意識づけが重要。

今の仕事をしながら十分に能力向上につなげることができますから、ぜひ意識してみてください。

今回は、個人単位でのリスクマネジメント力を向上させるポイントを紹介します。

なぜリスクマネジメント能力をアップさせる必要があるのか

企業が求める人材と聞くと何を思い浮かべますか?

マネジメントスキルやコミュニケーション能力など、転職に必要な要素がいくつもでてくるでしょう。

その中で意外と見逃されがちなのが「リスクマネジメント能力」。

すでに起きてしまったことに対しての損失を抑える危機管理だけでなく、まだ起きていないリスクを事前に回避するための行動、手段までその範囲は幅広いです。

なぜリスクマネジメント能力の必要性を伝えたいのかというと、近年、リスクマネジメント能力不足の人材に頭を悩まされる企業が増えているから。

これまでは社会人として当然と思われた能力が、思いのほか備わっていない社会人が多いことに、企業側も気づいているのです。

SNSの浸透、マイナンバー導入などに伴い、さらに個人情報の管理能力が問われるようになりました。

ビジネスマンの基本かつ重要なスキルとして、リスクマネジメント能力を鍛えていきましょう。

報告・連絡・相談ができない若手が多い

リスクマネジメント能力がない典型例として、報告・連絡・相談のいわゆる「ほうれんそう」ができない人がいます。

特に若手や、高学歴などでプライドが高いタイプに見られます。

若手の場合は「先輩が忙しそうで話しかけられない」いった事情もありますが、結局のところは「怒られたくない」「認めてもらいたい」ということにつながります。

ミスを相談すれば怒られることもあるでしょうし、まだ一人前と認めてもらえないでしょう。

結果としてミスを隠して自分一人で何とかしようとし、何ともならずに大問題に発展してしまうのです。

プライドが高いタイプの場合は、失敗を周囲に見せたくない傾向にあります。

自分で解決できる力があるという過信もあり、なかなか人を頼ることができないのです。

リスクマネジメント力をアップさせるためには、まずは「ほうれんそう」の徹底が重要です。

基本的なことですができない人も多いので、ぜひ振り返ってみましょう。

常に周りとの情報共有を心がける

自分一人で仕事を抱え込む、情報を誰とも共有しないのはとてもリスクが高いことです。

リスクは、自分が思っているよりも広い範囲で起こります。

自分を信じ過ぎないことも、リスクマネジメントにつながります。

情報共有は、ミーティングや回覧メールなどを利用して、チーム全体に発信しておくようにしましょう。

誰か個人に伝えても、言った言わないが起こります。

議事録やメールなどあとに残る方法で情報を共有しておけば、事前にリスクを回避できるだけでなく、起きてしまった場合にミスを隠そうとできなくなります。

ただし、「皆に言ったから大丈夫。」という責任逃れのための情報共有では、リスクマネジメント力の向上にはつながりません。

最終的な責任は自分で背負うという意識をもつことは大前提としてあります。

起こり得る危険を考えるクセをつけること

あとさき考えずに業務を進めていくと、思わぬ危険に見舞われることがあります。

いつもその仕事の先には何が起こり得るのかを考えるクセをつけましょう。

不安がある、何が起きるかイメージできないという場合、経験値の不足から予想できる範囲が狭い可能性があります。

最初のうちは「これをやろうと思うのですが何か考えられることはありますか?」と周りに相談すればいいのです。

経験値が低いなら、周囲の経験を活かし、自分のものにしていく、その繰り返しであらゆるリスクを予想できるようになります。

「聞かされていなかったからミスしてしまった。」は残念ながら言い訳にならないのです。

また、「言われたからやる」という受け身の姿勢ではなく、「なぜやるのか」を常に考えて能動的に動くことも大切です。

「〇〇という危険を回避するためにこの仕事がある」とわかれば、無駄だと思えた仕事も丁寧にやるようになり、ミスにつながりにくくなります。

セミナーに参加するのも有効

近年はさまざまなリスクマネジメントセミナーがおこなわれています。

企業で実施してくれるタイプ、個人で参加するタイプなど。

お金は多少かかりますが、こうしたセミナーに参加するとリスクマネジメントに対する意識づけができ、常にリスクの可能性を考えるようになります。

セミナーに参加してすぐに身につくというものでもありませんが、考えるきっかけになったり、具体的なポイントを教えてくれたりとそれなりに意味のあるものです。

特に、現在管理職の人、将来的に管理職を目指す人などは参加してみてもいいでしょう。

転職活動をよりスムーズに進めるために

転職活動期間は短い人で3ヶ月程度ですが、長いと1年以上に及ぶ場合も珍しくありません。

活動が長期化すれば精神的にも焦りが生じ、すでに退職していれば経済的にも困ることになります。

このような、転職活動が長期化するというリスクに備えるために、転職エージェントを使うことを検討してみましょう。

転職活動は時間が限られており、なかなかスムーズに進められない人も多いはず。

あらかじめ自身の希望を伝えておくことで、条件にあう求人がでれば紹介してもらえるため、求人探しの手間が省け、時間を有効活用できます。

さらに、応募書類の添削や面接対策など、転職活動全体をバックアップしてくれるため、内定確率がアップ。

転職活動がむやみに長期化するリスクを大幅に抑えてくれます。

最後に

いかがでしたか?今回は、リスクマネジメント能力をアップさせるポイントを紹介しました。

リスクマネジメントができれば、仕事で評価され、今後のキャリアに良い影響を及ぼします。

身の回りに潜むリスクをイメージするところから始めていきましょう。