女性が働きやすい環境を作るための取り組み、男性の育児休暇取得への呼びかけなど、仕事と家庭との両立を叶えるための施策はいくつもおこなわれています。
ただ、実際問題として、いくら制度が整って職場から理解されやすい環境になっても、家庭内で夫の協力が得られなければ両立は難しいというものです。
働く女性が家庭と仕事を両立させるには、夫の協力が不可欠だと言えるでしょう。
とはいえ、いまだに家事は妻が担当するといった考え方も根強く、夫側の意識改革には時間がかかります。
そこで今回は、積極的に家事を手伝ってくれない夫に家事をやってもらう方法を紹介します。
目次
妻は理解を示しつつはっきりと伝えること
いくら仕事が大変だとしても、妻にとってみれば「それでも自分の方が大変」という考えがあるでしょうし、実際に妻の育児、家事負担の方が圧倒的に多いのも事実ですよね。
ただ、やってはいけないのは、夫側の状況を無視することと、自分が我慢してすべてを引き受けることです。
夫の状況に理解を示しつつ、「大変だとは思うけどこれだけはやってもらえないかな。」と、はっきりと伝えることが大切です。
男性にとって仕事は女性とは異なる意味を持つものでもあり、男性が育児で早退したり休暇を取得することへの理解はまだ進んでいません。
女性以上に職場を離れにくいのが男性の現状なのです。
我慢しないではっきり具体的に説明する
とはいえ、夫のために家事も育児も自分がすべて引き受けてしまっては限界がきます。
夫を支えたい健気な気持ちは素敵ですが、自分が潰れては結局夫に負担をかけてしまうと割り切って、やってもらいたいことは伝えましょう。
このとき、「少しは協力してよ!」とイライラをぶつけてはいけません。
男性は悪気なく気づいていないことが多いため、「だから、これを、協力してほしい」と、やってほしい理由と具体的にやってほしいことを論理的に伝えます。
「言わなくてもわかってほしい」が本音でしょうが、男性は言われなくてはわからない生き物だと思った方が気持ちが楽になれますよ。
家事をやった後はしっかり褒めること
妻は毎日当たり前のようにやっている家事。
妻だって本当は褒められたい、感謝されたいのに、夫から褒められることはないかもしれませんね。
だからと言って「夫だってやって当たり前なのだから褒める必要はない。」「いつもわたしばかりがやってるからたまにはやってよ!」と思ってはいけません。
妻の方が育児も家事もやって大変なのは誰もがわかっていますが、そのうえで「幼稚で周りが見えない夫」を上手におだてて育ててこそ賢い妻。
夫が家事をやった後は「掃除が上手だから本当に助かる。」「忙しいのにやってくれるところがすごく嬉しい。」などと、とことん褒めましょう。
今さら照れくさいなどと言っていては、仕事と家事の両立は叶いませんよ。
口で言うだけならタダなのですから、しっかりと夫を褒めてやる気をアップさせてしまいましょう。
やり方に口出ししない
家事を協力してもらうことを我慢する必要はありませんが、妻が「ここだけはぐっとこらえるべき」という部分があります。
それは、家事のやり方について自分の方法を押し付けること。
「こうやった方が早いのに…。」「洗濯物の畳み方がわたしとは違う。」などと意見するのはやめましょう。
家事に非協力的である夫に対しては、まずは家事に手をつけさせるところからがスタートです。
やり方や成果については、楽しく続けてもらううちに、自分でも工夫できるようになってきます。
最初のうちから妻の効率的なやり方を提案しても、夫は「じゃあ自分でやればいいじゃないか。」と拗ねてしまうでしょう。
多少家事が下手でも指摘せず、とにかく感謝と褒め言葉を伝えるようにすることで、気分よくやってもらうのがいいですよ。
家事代行や掃除ロボなどツール利用を提案する
夫が毎日遅くまで仕事をして、到底家事を手伝ってもらうことができないなら、家事代行や掃除ロボ、食洗器などの便利ツールを利用することを提案してみましょう。
夫婦共働きで家事負担の問題で言い争うくらいなら、家事にお金をかけてみるのです。
この時点で、「お金をかけるくらいなら」と、妻の真剣さを理解し、夫が家事を手伝ってくれる場合もあります。
家事に多少のお金をかけることになったとしても、夫婦のキャリアを尊重できるなら、長い目で見て無駄にはならないはず。
時間もない、お金もかけたくない、夫が協力しないでは、結局妻が睡眠時間を削って家事をするしかなくなります。
あれもこれも譲らないのではなく、部分的に何かを許容することが必要だと伝えてみましょう。
仕事の話もするようにする
家庭に仕事の話は持ち込みたくないという人は多いですし、それで良好な夫婦関係を保っている例もあります。
ただ、それはお互いの考え方を熟知していることが前提。
そもそも「夫が家事に非協力的」と妻が不満を抱えているならば、敢えて仕事の話をしてみるのも1つです。
注意したいのは、できるだけ前向きな話をすることです。
単なる愚痴や上司の悪口といったことではなく、今の仕事にやりがいを感じていることや、評価されるために努力していることなど。
妻だって仕事を大切にしているということをきちんと共有しておくのです。
そうすれば、「自分だけ仕事を頑張っている。」という感覚が薄れ、家事に対して協力的になってくれるはず。
もちろん、本当に辛いときは弱みを見せられるのが夫婦ですから、たまには仕事の愚痴をこぼしてもいいのです。
ただ、「いつも愚痴」にだけはならないよう、好きな仕事ができているとわかってもらいましょう。
今の職場では両立できないなら転職も手
夫が協力してくれなくても、職場の人がよくしてくれ、上司の理解もあるなら、何とかやっていけることもあるでしょう。
しかし、夫からも職場からも協力を得られない状況では、ストレスも溜まり、仕事を続けることが難しくなります。
今の状況をしっかり見極め、職場環境を変えるべきだと判断したなら転職も手。
最近は家事・育児をする女性のサポートに積極的な企業も増えていますし、求人媒体でもよく特集が組まれています。
特に、転職エージェントを利用すれば、キャリアコンサルタントが仕事と家庭が両立しやすい職場を一緒に探してくれます。
企業内情などあらかじめ知っておきたい情報についても、事前に整理して伝えてくれるなど情報収集力にも期待大。
キャリアに関しては、夫以上に頼りになる存在かもしれませんね。