転職先を決めるときに福利厚生が気になるという方は多いのではないでしょうか。

福利厚生が充実していると、なんとなく魅力的な企業に思えてくることもありますよね。

福利厚生については、確認することも大切ですが、それだけにとらわれ過ぎない冷静さも必要ですよ。

今回は、福利厚生の概要と応募時に注意点を解説します。

そもそも福利厚生とは

求人広告に設けられている福利厚生欄ですが、そもそも福利厚生とはなんだろうという方
のために、簡単に説明します。

福利厚生は大きくわけて2つ。

「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」と呼ばれています。

「法定福利厚生」は厚生年金、健康保険、介護保険、雇用保険、労災保険の事業主負担分のことで、「法定外福利厚生」は、法定福利厚生以外で、会社が従業員のために負担、補助しているものという位置づけです。

どんな福利厚生があるの?

法定外福利厚生については、従業員のモチベーション維持、企業の対外的なイメージアッ
プなどにもつながりますから、多くの企業で多種多様な福利厚生を取り入れています。

一般的に広く利用されている福利厚生にはたとえば下記のようなものがあります。

  • 社員食堂、食事補助
  • 住宅、扶養手当など
  • 社員寮
  • 慶弔・災害見舞金
  • 結婚、誕生日などの法定外の有給休暇
  • 人間ドッグ、健康診断
  • 託児所

こんな福利厚生も!

大企業やベンチャー企業を中心に、下記のようなユニークな福利厚生を積極的に取り入れ
ています。

  • 施設提供タイプ(美容サロン、ジム、カフェ、昼寝スペースなど)
  • 現物支給タイプ(飲食物、宝くじ、無料券など)
  • 金銭支給タイプ(誕生日祝い、有休利用時や出産時の特別手当など)
  • ユニーク休暇タイプ(バーゲン、失恋、美容など)

従業員にとっては「お得でラッキー」と同時に、会社が自分たちのために何かをしようと
してくれている、その気持ちこそが嬉しいもの。

「これだけのことをやってくれている会社のために業績を上げよう」という意欲向上につながるのかもしれませんね。

福利厚生が決め手になって応募する場合の注意点

充実した手当、娯楽施設やフィットネスの利用に資格取得支援制度…。

魅力的な福利厚生がずらりと並ぶのを見て「ここに転職したい!」と思うことがあるでしょう。

ただし、福利厚生が決め手になって応募することには注意が必要です。

一体どんなことでしょうか。

面接でストレートに伝えるのはNG

募集要項でも企業HPでも、魅力的な福利厚生を自社のアピールポイントにおいている企業
をよく見かけます。

「企業側がアピールしているのだから、そこに惹かれたと言っても問題ないのでは?」と思うかもしれませんね。

しかし、応募書類や面接で、福利厚生が決め手となって応募を決めたことをストレートに伝えるのはNGです。

企業は福利厚生をアピールしておきながら、それを応募動機にするのは嫌います。

なぜなら、福利厚生は従業員のために企業側が用意した制度であり、従業員が企業に貢献してくれることを前提としたものだからです。

大切なのは、応募者が企業のために何ができるのかということ。

福利厚生を応募理由に挙げるのは、応募者が「自分が得になるから応募するのです。」と言っているようなものですよね。

それでは企業が採用したいとはならないでしょう。

企業が採用したいと思うのは当然、「企業側のメリットになる人」。

この視点を忘れないようにしましょう。

要件は厳しいと思っておくこと

仕事内容や基本給など、応募を決めた主な理由が他にあるならいいのですが、福利厚生が
手厚いことが決め手となっている場合は要注意です。

たとえ内定をもらっても「こんなはずじゃなかった。」と後悔する可能性もあります。

特に、住宅手当や扶養手当など給与に直接関係する福利厚生については、要件は厳しめです。

企業によっては、家族の収入確認、結婚の有無、賃貸か持ち家かなど、さまざまな要件が設けられており、転職前に詳細まで確認することは難しいでしょう。

実際には収入証明や住民票などの書類提出をもって支給決定がされるからです。

募集要項に「手当あり」と書いてあっても、あくまでも制度が存在しているだけ。

誰もに当てはまる制度ではありません。

「そう簡単にお金がもらえるうまい話はない」と思っておきましょう。

福利厚生欄にたくさん書いてある!でもよく見ると…

求人によっては、福利厚生欄に「法定福利」をびっしり書いてあるケースを見かけます。

それによってぱっと見て「福利厚生が充実している会社」という印象を持つこともあるで
しょう。

しかし、社会保険などの法定福利に関しては、いわば「当たり前」のもの。

「労災保険完備、育児休業取得できます」と書いてあっても、そもそも労災は1人でも従業員を雇えば強制加入ですし、育児休業についても法律で決まった加入要件を満たせば拒めるものではありません。

本当に福利厚生が充実している企業の求人は、社会保険など法的なものについてはあって当然なので、求人広告でむやみにアピールしたりしません。

見た目の文字数やキャッチコピーに惑わされないようにしたいですね。

質の高い求人を見つけたいなら

求人広告は、よく見ると「ここの会社怪しいかも…。」と思うようなものがありますが、
求人の知識や転職経験がない人にとってはなかなか見極めが難しいです。

転職してから「求人広告と違う!」と後悔しないために、質の高い求人を見つけることが大切でしょう。

そこで、転職エージェントを利用した転職活動をおすすめします。

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転職活動全体をサポートしてくれる転職支援のプロでもありますから、上手に利用してみましょう。