会社を辞めたいと言っている人に「じゃあ辞めれば?」と伝えるとこんな答えが返ってきます。
- 「周りに迷惑がかかるから辞められない」
- 「責任があるから辞められない」
- 「後任が未定だから辞められない」
協調性を重んじる日本人だからこそ、こうした思考になってしまうのでしょう。
「それは思い込みだよ。辞めてもいいんだよ。」といくら言っても、どうしても「辞められない理由」が捨てられないのです。
辞められない理由を並べているうちは、今の仕事にも自分のキャリアにも満足することはないでしょう。
では、どうすべきか。
そこで今回は、辞められない理由ごとに対処法を紹介します。
目次
「周りに迷惑がかかるから辞められない」
人が1人辞めることで、残された人は新しい仕事に四苦八苦したり、職場内がバタバタすることがありますよね。
しかし、それは一時的なこと。
どんな組織でも、慣れてしまえば何事もなかったかのように業務をまわしていきます。
そもそも、新しい仕事を覚えたり、忙しくなって効率を考えるようになるのは、残された人の成長につながります。
長期的に見て迷惑ということはありません。
それより「辞めたい、辞めたい」と思いながら周囲への迷惑を気にして辛い顔をして仕事をされる方が迷惑です。
職場全体の士気が下がるきっかけになるでしょう。
<対処法>
こう問いかけてみてください。「辞めなければ絶対誰にも迷惑かけないですか?」
「責任があるから辞められない」
役職者や真面目な人に多いのが、この理由です。
ところで、その責任は何に対してのものか明確に答えられますか?
会社の経営者クラスだって交代はよくあり、代わりの経営者がなんとかやっていくものですよね。
会社トップが辞めてもどうにでもなるのに、会社員1人が辞めてなんともならないことはありません。
責任があると言っているのは、単に「責任を放棄したと思われたくない。」という他者からの視線が気になるだけで、自分だけが持てる自身のキャリアへの責任はどこに行っているのでしょうか。
転職に踏み切る人は、自分の将来について責任をもって決断しています。
自分の道に責任を持てない人が、他人や会社に対して責任を持つことはできません。
<対処法>
他人にどう思われるかより、自分のキャリアに責任をもとう
「社会人としての常識を考えると辞められない」
会社員として働くことこそが、もっとも正しい方法だと思っている方は、意外にも多いもの。
そうした場合に、社会人としての常識を理由に辞められないと思い込んでしまいます。
自分で決めた「常識」はなかなか変えることが難しいですが、「常識」を理由に挙げるくらいなら、こう考えてみてください。
社会というのは公の場所であり、そこへの貢献が「社会人として」どの程度できているのかということです。
たとえば税金。
会社員ではなく、自由業でたくさん稼いでいる人はどうでしょうか。
彼らは、会社員でいることが「常識」だと思っている人以上に多額の税金を納めています。
その税金は、公的施設やインフラなどさまざまな用途で使われています。
会社員でないから社会に貢献していないとは言えませんよね。
もちろん、高額納税者のみが社会に貢献しているわけでもないでしょう。
言いたいのは、なにをもって「社会人としての常識」かどうかは一概に決めることはできないということ。
頑なに手放せない常識は、他者にとっては常識ではないのかもしれませんよ。
<対処法>
自分が思う常識はごく限られた世界の中に過ぎないと知ろう
「後任が決まらないから辞められない」
退職日の話になると、「まだ後任が決まっていないんだよね…。」と上司に言われることがあります。
このとき、「後任が決まっていないならまだ辞められないな。」は完全に勘違いです。
後任は「決まらない」のではなく「決めていない」だけです。
人材はいるわけですし、特定の人に引き継ぐかどうかは関係なく、自分の仕事を「誰か」ができる状態で残していけばいいのです。
もっと簡単に言うと、引き継ぐ相手は人ではなく、会社。
誰が見てもわかるマニュアルを渡す、一旦上司に引き継ぐなどし、そこから誰に担当してもらうかは会社の問題ですよ。
<対処法>
自分の仕事はしっかり「会社」に引き継げばいい
「辞めてはいけないから辞められない」
「辞めてはいけない。」と本気で思っている人がいますが、必ず、「なぜ?」を自分に問いかけてみましょう。
なぜ辞めてはいけないの?→当たり前だから→なぜ当たり前なの?と繰り返してみると、辞めてはいけない理由はないとわかるはずです。
ちなみに、辞めてはいけないと思い込むことは、外国人からすると非常に「クレイジー」なことだそうです。
<対処法>
辞めてはいけないのはなぜ?を繰り返してみる
結局は「不安」が辞められない理由
「〇〇だから辞められない」は、本当はありません。
「辞めたいけど辞められない。」と言っている人に、辞められない理由を突き詰めて聞いてみると、最終的には本音がでてきます。
それは「転職できるかわからない。」「転職して失敗したら後悔しそう。」といった不安。
その不安を認めるのが恥ずかしいから、なにかと理由をつけて辞められないと言っているだけなのです。
人間は、将来が決まっていない状態に不安やストレスを感じるようにできています。
不安はもつのは当たり前、恥ずかしがる必要はありません。
不安を払拭するには、在籍しながら転職活動するのが一番です。
転職市場を覗いてみなければなにも始まりませんし、活動していく中で自分の方向性が見えてきます。
転職活動した結果、「やっぱり今の会社で頑張ろう」でもいいのです。
やってはいけないのは、いきなり退職してしまうこと。
特に、辞められない理由を並べがちな人は不安への耐性が低いため、退職後の活動はストレスになります。
必ず今の仕事をしながら転職活動をしましょう。
在籍しながらでは時間的余裕がないと思う人は、転職エージェントを利用することで効率のいい活動ができますよ。
最後に
いかがでしたか?辞められない理由への対処法をご紹介しました。
辞められないと思い込んでいる理由を一旦すべて外してみると「本当は自分はどうしたい?」というシンプルな問いにたどりつきます。
そこから目を背けず考えていくことが、今後のキャリア形成のために必要なことではないでしょうか。