教員になりたいと夢を持つ人がいる一方で、教員を辞めたいと考える人も多数います。
1つの仕事を定年まで続ける時代ではなくなったのは、教員もまた同じ。
教員を辞めて一般企業に転職するという道もあるのです。
教員から一般企業へ転職するには、厳しいハードルが待ち受けていると言われています。
それなりに覚悟が必要ですが、長い職業人生を考えれば、今転職に踏み切るメリットは大いにあるのではないでしょうか。
今回は、教員が一般企業へ転職する際に覚悟しておきたい点と、おすすめの転職先を紹介します。
目次
教員を辞めたい理由は?
若手教員の離職率が高いと言われていますが、なぜ教員を辞めたくなってしまうのでしょうか。
教員を辞めたい理由は主にストレス過多と長時間労働が原因です。
よく聞かれる理由には下記のようなものがあります。
- 学校内のいじめ問題
- モンスターペアレントへの対応
- 教員同士の人間関係
- 部活顧問で休日がない
- 授業以外の事務作業や行事の準備による残業
- 生徒のトラブル対応
夢を抱いて教員になった場合、辞めたいと感じる自分を責める気持ちが生まれることもありますが、その必要はありません。
仕事は他者への貢献や、やりがいを感じるものであるのと同時に、心身の健康と生活を保つための手段でもあるのです。
教員が一般企業への転職で覚悟しておいた方がいい点
教員が一般企業へ転職するときに苦労すると言われているのには理由があります。
転職を考えるうえでは、リスクを許容し、本当に転職すべきかどうかをじっくり考える必要があるでしょう。
一般企業は利益を追及するところ
学校と一般企業とで大きく異なるのは、利益追求があるかないかです。
学校は生徒たちへの教育や指導を通じて成長を促す場であり、公立の場合は設立や運営には税金が使われていますので、いわゆるお金儲けを目的としていません。
一般企業は利益がなければ始まりませんので、顧客や消費者にモノやサービスを買ってもらい、徹底的に利益を追及しなくてはなりません。
教員が一般企業に転職してやっていけるのか、その資質が問われるのです。
賞与は景気に左右され退職金は教員より少ない
教員から一般企業に転職して後悔するケースとしては、収入が減るということです。
教員はサービス残業も多く、割に合わない仕事ではあるものの、公務員として給与や退職金には恵まれており、景気によって大きく左右されることもありません。
一般企業の場合は業績によって賞与カットがあったり、そもそも賞与も退職金もでないという企業もあります。
今まで当たり前に得ていた収入は、一般企業ではそう簡単に手にできるものではないと思っておきましょう。
転職活動時期が限られる
通常、転職活動の時期には決まりがなく、欠員補充や事業拡大等、年度の途中で募集がおこなわれることは頻繁にあります。
しかし、教員の場合は、年度の途中で辞めることは少なく、担任をもっている場合は3月の年度末までは辞められないケースがほとんどです。
一般的な転職に比べると転職活動時期が限られ、企業によっては入社時期が調整できないことを理由に採用を見送ることも。
ここは教員が転職活動で苦労するポイントです。
年明けくらいから転職活動をはじめ、年度変わりのタイミングで転職できなくても、しばらく生活できるだけの預貯金の準備も必要になるでしょう。
教員が辞めたらどこに転職できる?
教員を辞めて転職する場合、その転職先には豊富な選択肢があります。
どこにでも転職できるかより、自身のやりたい仕事が何なのかによって可能性を判断すべきです。
実際に、教員を辞めた人にはさまざまな職種になった人たちがいます。
とはいえ、どんな仕事への転職可能性があるのか気になるでしょうから、おすすめの転職先を紹介します。
教育商品やサービスを扱っている企業
転職理由に「教育に携わりたい」という一貫性を持たせることができるため、比較的転職者が多いのはやはり教育関連企業です。
職種はさまざまで、いわゆる塾講師から、教室をマネジメントするスクールマネージャー、教育商品サービスを売る営業職などがあります。
講師業の場合は人に教える経験が活かせますし、応募条件に教員免許や学歴要件があるケースも多いので、その点もクリアできるでしょう。
営業職の場合は、未経験からの転職組も多く、どの業界にとっても必須の職種なので、求人が全く見つからないということは少ないはず。
対人スキルという点でも教員経験を活かすことができます。
スーパーバイザー
小売店や飲食店店長の管理や指導、コールセンターのスタッフ統括などをおこなうスーパーバイザー。
最初はスーパーバイザー候補といった形で募集されていることが多く、まずは現場経験からですが、未経験でも転職可能性がある職種です。
相手が大人か子供かで異なりますが、多くの人と向き合い、まとめる仕事である共通点があります。
教員として1人1人の生徒の声に耳を傾け、親身に対応してきた教員にはスーパーバイザーとしての適性があると言えるでしょう。
IT関連企業
教員の仕事を直接活かせるわけではありませんが、IT関連企業への転職は1つの選択肢です。
理由は2つ。
1つめは、業界全体として人手不足なので、未経験からの受け入れが比較的緩いということ。
2つめは、スクールや通信講座も充実しているため、資格やスキルを今からでも習得すれば、挑戦できる可能性があることです。
仕事でITに一切関わらない教員でも、趣味でパソコンをいじるのが好き、機械オタクといった人も実際にはいます。
つまり、教員経験ではなく、自分の好きなことを仕事にする方法というわけです。
もちろん、職歴が活かせないため転職ハードルは上がりますし、年齢による壁もあります。
「それでも、教員とは全く違う仕事に挑戦したい!」という思いがあるなら挑戦してみてもいいでしょう。
転職エージェントの利用は必須
教員から一般企業に転職する場合、転職市場の状況がわからず、転職ノウハウも一切もっていない人が多いです。
民間にはどんな企業があるのかも知らないという人もいるでしょう。
そのため、転職支援のプロである転職エージェントのアドバイスを受けながら、慎重に転職活動をしていく必要があります。
プロの視点から適性が高い仕事を探してきてくれるため、具体的な転職先が思い浮かばない方にも適しています。
転職活動全体を徹底サポートしてくれる、転職エージェントの利用を検討しましょう。