現在地方企業で働いていて、東京の企業への転職を考えていませんか?
メディア等を通じて見聞きする東京の様子は、憧れであり、行っただけで夢を叶えてくれそうな期待も膨らむかもしれませんね。
とはいえ、すでに社会人になった今、憧れだけで安易に東京の企業への転職に踏み切るわけにはいかないでしょう。
そこで今回は、地方企業から東京の企業に転職した人の声を元に、東京に来て良かったこと、悪かったことをまとめました。
現在地方で仕事をしていて、東京にある企業への転職を考えている方は、憧れやイメージだけでなく、悪い点もしっかりと想定して転職に踏み切るようにしましょう。
目次
転職して東京に来て良かったこと
地方企業から東京の企業に転職し、今も東京で働いている方は、どんな点が良かったのでしょうか。地方から東京に来て良かったことを紹介します。
若くても責任ある仕事を任せてもらえる
東京はビジネスのスピード感や業務量、扱う案件の規模が違います。
若くても責任ある仕事を任せてもらえる場面も多く、意欲と努力次第でどんどん成長していくことができます。
刺激に溢れる街なので、仕事上のアイデアもでやすい環境にあります。
ベンチャー企業も多数あるため、企業を選び、結果を残せば、経験年数が少なくても重要ポストに抜擢される可能性もあるでしょう。
地方の場合は企業体質が保守的で、ベンチャー企業もあまり見られません。
昔からある地元企業で年功序列的な評価制度を採用していることが非常に多く、努力が昇級や報酬に結びつきにくいと言えます。
スキルアップが叶いやすい環境
仕事や転職に活かすために、資格取得やセミナー、勉強会に参加したいと感じることがあるでしょう。
地方の場合、そもそも学校や教室は限られた選択肢の中で選ぶしかないため、質や価格を比較して最適な方法で学ぶことができません。
資格試験1つ取っても、わざわざ最寄りの大都市まで受験しに行く手間や費用がかかります。
場合によっては泊まりがけで受験することもあるでしょう。
その点、東京は学校や教室は山ほどあり、受験地も都内にあることがほとんどなので、もっと気軽に受験することができます。
セミナーも同じで、東京では多数開催されており、人気講師のセミナーに参加できる可能性も非常に高いです。
向上心が高くスキルアップを積極的におこないたい人にはメリットが大きいですね。
遊ぶ場所が多くてプライベートが充実できる
東京は流行や情報の発信地なので、次々と新しいお店がオープンしたり、面白そうなイベントが各地で開催されたりしています。
地方だといつも行く場所が同じで、週末の行動パターンがマンネリ化します。
車を使って遠出するくらいしか変化をつけられないため、体を休めるはずの週末に疲れてしまうこともあります。
東京なら降りる駅を変えるだけで新しい発見があり、行く場所について少ない選択肢の中から絞りだす必要もありません。
美味しい飲食店がたくさんあることも魅力です。
地方には「本当にこの味でお金を取るの?」というくらいひどい飲食店も普通あります。
もちろん東京でもありますが、競争が激しい分全体的なレベルが高いのは言うまでもありません。
仕事が多数あるため辞めたいと感じたときに選択肢が豊富
転職して地方から東京に来た場合でも、転職先を辞めたいと思うことがあるでしょう。
ビジネスの中心地は東京ですから、求人件数は圧倒的に東京が豊富です。
再転職する際にも、仕事が全くなくて困ることにはなりません。
大企業だけでなく、アイデアを駆使した事業を展開するベンチャー企業も豊富。
地方にはないような興味深い仕事に出会える可能性もあるでしょう。
ただし、雇用主側にとっても選択肢が豊富です。
転職するときにはライバルが多く、転職した後にも競争にさらされるでしょう。
東京には代わりになる人がいくらでもいるため、結果を残せない人材は淘汰される可能性があるということです。
成長できる環境にある分、ついていけない人には厳しいという点は忘れてはならないでしょう。
給与が高い
東京は地方に比べて給与相場が高いため、賢く生活すれば貯金額をアップさせることができます。
物価が高いと言われる東京ですが、主には住居費なので、都心から外れた場所や近隣都市に暮らして家賃を抑える方法もあります。
食材や日用品に関しては、東京だけが特別高いということはないですし、今はネットを使っていくらでも全国の物が買える時代なので、さほど問題になることはありません。
ただし、地方出身者が東京で暮らす場合、「いざというときに頼れる人が近くにいない」ことがネックになります。
失業や休職で収入が途絶えた場合、一時的に実家に帰ったり、昔からの友人を頼ったりということができにくいでしょう。
転職して東京に来て悪かったこと
続いては、東京に来て悪かったことを紹介します。
地方企業から東京の企業に転職して後悔した人や、辛くなって地方に戻った人の話も含めていますので、東京で働くデメリットをよく認識しておきましょう。
地元に戻りたいと思ったときに転職活動が大変
一旦東京の企業に転職すると、地元に戻りたいと感じたときや、家族の事情でやむを得ず戻る必要がでたときなどに転職活動が大変です。
地方には求人自体が少なく、転職エージェントを利用しようにも拠点がない、取り扱い求人がないといった理由で断られることもあります。
地方ではまだまだハローワークや地元の求人誌を使った転職活動が広くおこなわれているため、今の仕事を続けながら転職活動をすることは難しいと言えます。
とはいえ、一旦仕事を辞めても、実家を頼る、地元の人脈を活かして紹介を受けるといった選択肢もあるため、地方から都会にでてきたときのように路頭に迷う心配はないとの見方もできます。
人間関係が希薄
東京は人間関係が希薄です。
多数の地方出身者がいますし、1人1人が冷たい人間というわけではありません。
同僚と仲良くしたり友人を作ることはもちろんできます。
東京は絶対数が多いため、ドライな考え方を持ったり、警戒心が異常に強い人もいるということです。
地元の温かい人間関係から離れて寂しく感じることはあるでしょう。
特に地元愛が強い方にとって東京は冷たいと思うようです。
一方で、地元を離れて東京に来て人間関係が楽になる方もいます。
いわゆるアットホームな職場での人間関係を「干渉」と感じてしまう人や、近所付き合いや地元の友人同士の定期的な集まりを「面倒」だと感じてしまう人は、自由でドライな東京での人間関係が向いています。
どこに行っても人混みばかりで正直疲れる
東京は人の多さが尋常ではありません。
地方出身者は、電車に乗ったり建物内を歩いたりしているだけで気分が悪くなることもあります。
単に数日遊びに来ただけのときは、精神的にゆとりがあるため気になりませんが、毎日だと大きなストレスになるでしょう。
通勤の満員電車はひどいもので、職場につく前に疲れ果ててしまうこともありますよ。
地方のように自分のペースでゆっくり駅構内や建物のエスカレーターを使うことができず、常に周りの流れにあわせる状態に正直疲れてしまうのです。
落ち着きにくい
東京は人も企業も多く、精力的に仕事や遊びに取り組むことができるため、精神的にギラギラして落ち着かない状態が続きます。
せっかく東京にいるのだから、自分自身の気持ちとして「落ち着きたくない。」となることもあるでしょう。
落ち着こうにも落ち着きにくい環境でもあります。
結婚などを機に「そろそろ持ち家を。」と考えることもあるでしょう。
しかし、都内で家と土地と購入することは一般家庭では大変なことで、必然的に職場から離れた近隣都市に構えることが選択肢にあがります。
東京が好きなのに近隣都市に暮らすことに抵抗を覚えると、「やっぱり持ち家はいいや。」との考えにもなりやすいと言えるでしょう。
仕事と子育ての両立が大変
東京での子育ては、待機児童問題だけでなく、親兄弟が近くに暮らしていないため、サポートを依頼することもできません。
地方のように「地域全体で子供を守る」意識が薄く、周囲からの支援を受けにくい環境にあります。
働きながら育児をする家庭にとっては恵まれた環境にはないでしょう。
自然が多い公園が近くになく、保育園では過保護なほど安全第一主義のため、子供を伸び伸びと遊ばせて強い体やメンタルを作ることもしにくいです。
金銭的な面も同様に大変です。
東京でも国からの子育て援助を受けることはできますが、年々教育費が上がりやすい傾向にあります。
地方だと地元の公立中学や高校に進ませるのが一般的ですが、東京では私立の中学に入れる人も多いため、教育費は膨大となるからです。
独身の場合は給与が高いことがメリットになりやすいですが、結婚出産まで考えるなら地方の方が育てやすい場合もあります。
地元の美味しいものが食べられない
東京に来ると、地元では近所の人からもらったり、格安で食べられていた地元の美味しいものが驚くような価格で売られています。
鮮度を保つため地元でしか食べられないものもあるでしょう。
食べ物は単にお腹を満たすためだけのものではなく、心の栄養でもありますが、地元の食べ物で心をリラックスされることも難しいです。
たかが食べ物1つと思うかもしれませんが、自慢の特産品が多いような地方からでてきた方は、特にデメリットに感じることがありますよ。
地方企業から東京の企業への転職を考える際に覚えておきたいこと
地方から東京に来て働きたい人は、転職活動を始める前に覚えておきたいことがあります。
東京へ来て良かったと感じた人は大勢いますが、反対にそうでない人も山ほどいるからです。
後悔しないよう、「なぜ東京で働きたいのか?」をぜひじっくり考えてみましょう。
地方では絶対にできない仕事なのか
地方から東京に来て働くには目的意識が重要です。
地方から東京に来て転職する人はよく「東京でしかできない仕事だった。」と言います。
確かに、芸能や音楽、ファッション関係など東京でやるメリットが大きい仕事もありますが、皆が皆、東京でしかできない仕事に本当に就いたわけではありません。
実際には地方でも十分携われる仕事に転職し、東京での家賃の高さやドライな人間関係に弱音を吐いたりするのです。
特に、大阪、名古屋、福岡など、地方の中でも規模が大きい都市から転職を考えている方は、わざわざ東京にでてこなくても、就ける仕事は多数あります。
地方の大都市は、都会でもあり、地方ならではの温かさもある「一石二鳥」な場所なので、下手に動かない方がいい場合もありますよ。
東京でしか就けない仕事なのかをよく考えてからでないと、転職した後に地方の良さを身に染みて感じることになるかもしれません。
本当に東京が好きかを自問自答しよう
東京に出てきて疲れてしまう人は、地方が好きなのです。
反対に東京に長く住み続けることができる人は東京が好きな人です。
自分自身が本当に東京が好きなのか、自問自答してみましょう。
好きと憧れは違います。
ほんの数回東京に来たことがあるだけで好きだと感じるなら、どこが好きなのかを書きだしてみてもいいでしょう。
遊ぶところがたくさんあるといった理由だけなら、「そこで暮らし年齢を重ね、仕事を毎日する」ということをぜひイメージしてみてください。
毎日の生活は地方でストレスなくおこない、来たいときだけ遊びに来る方法もありますよ。
転職活動方法と転居のタイミングをしっかり考えてから動き出そう
地方から東京にどうしても来て仕事をしたい方もいるでしょう。
地元を一度もでたことがない人よりも、若いうちに都会経験を積んだ方が視野が広がり、自分が本当にやりたいことが見つかることもあります。
この場合、問題になるのが転職活動方法と転居のタイミングです。
今の仕事を辞めて地方を離れる場合、無職であることから賃貸契約がしにくかったり、転職先が見つかるまで無収入になって生活が不安定になったりします。
地方での仕事を続けながら有休を使って転職活動する方が安心ですが、交通費や宿泊代など転職活動費がネックになります。
十分な活動費用を蓄えてから計画的に転職活動をしましょう。
最近は、東京で働きたい人のために、仕事紹介と住居提供を同時におこなってくれるサービスもあります。
一時的にそうしたサービスを使って東京生活を安定させるのも1つの方法でしょう。
いずれにしろ、地方から東京への転職活動は慎重によく考えてから動き出すようにしましょう。
最後に
いかがでしたか?地方企業から東京の企業に転職して良かったこと、悪かったことを紹介しました。
東京には東京の、地方には地方の魅力があり、それは働く場所という点においても同様です。
東京での仕事には向き不向きがありますので、自己分析をしっかりおこなったうえで転職されることをおすすめします。
後悔のないキャリアの選択ができるよう、ぜひ参考にしてみてください。