女性が多い職種である薬剤師にとって、ワークライフバランスは非常に大切ですよね。
今の職場では到底バランスを保つことが難しいと思ったら、転職を考えてみることも1つ。
そこで今回は、女性薬剤師がワークライフバランスを叶える職場を見つけるポイントを解説します。
自分にとってのワークライフバランスを保つには、どこで働くのが適しているのかをじっくり考えてみましょう。
目次
自分にとってのバランスを整理しておく
ワークライフバランスとひとくちに言っても、人によってそのバランスは異なります。
ワークライフバランスという言葉が一人歩きし、単に残業がなくて年間休日が多いことを指すイメージを持たれていますが、本当は違います。
自分自身にとって大切なものを失わず、納得できる働き方ができてこそワークライフバランス。
世間一般的に言われるワークライフバランスとは切り離して考えてみて、自分自身が何を望むのかを自己分析してみましょう。
「家庭が何より大事」な薬剤師がチェックしたいポイント
ここからは、「どんなワークライフバランスを望むのか。」によって、希望別のチェックポイントを解説します。
まずは、家庭重視派。
家庭を優先したい場合、パートや派遣薬剤師として活躍する方法もありますが、収入や福利厚生の面ではやはり正社員がいいですよね。
正社員として家庭に時間を費やして働くにはどんな点をチェックすればいいのでしょうか。
残業の有無
毎日残業が続くと、帰宅しても入浴して寝るのが精いっぱいで、家事に時間をかけることができません。
子育て中の薬剤師は子供のお迎えがあったり、面倒を見てくれている両親などの負担を考えたらそう遅くまで働くことも難しいでしょう。
転職先を見極める際、残業の有無は大事なポイントです。
理想は17~18時台、遅くとも20時までには帰宅できれば、仕事と家庭との両立が無理のない範囲で保ちやすくなります。
残業があっても月20時間以内はキープしたいところです。
夜勤、当直の有無
毎日のことではないものの、家庭を何より大事にしたい薬剤師にとって、夜勤や当直は無いに越したことはありません。
その時間帯に家にいられないだけでなく、翌日の家事育児にまで影響があるため、夜勤や当直が完全に無い職場かどうかをチェックしましょう。
病院は基本的に夜勤や当直があることが多いですが、慢性期病院などを探せば夜勤なし、当直なしのケースもあります。
薬局やドラッグストアは深夜時間帯に働くリスクを回避しやすいため、病院以外で探すことも1つです。
女性薬剤師の割合
薬剤師は女性が多い職種なので、女性のモデルケースを見つけやすいメリットがあります。
ただし、薬剤師の人数が少ない職場だとほとんどが男性薬剤師ということもあるため、必ず女性薬剤師の割合をチェックしておきましょう。
女性が多い方が産休・育休の取得実績があったり、子育てへの理解を得やすく女性のキャリアについて相談もできたりします。
20代の若い女性薬剤師より、30代以降で子供がいる中堅女性がいるかどうかも1つのチェックポイントです。
「成長しつつ適度に休みたい」薬剤師がチェックしたいポイント
仕事もプライベートも両方充実させたいと願うのは、欲張りでも何でもなく、ごく自然なことです。
今は2つを同時に叶えることができる時代なので、仕事で成長しながらも、しっかり休んで好きなことに時間を費やすことが可能ですよ。
仕事もプライベートも譲れない薬剤師は、転職先をどんな視点でチェックすればいいのでしょうか。
複数科目を受け持っているか
複数科目を受け持っている職場なら、勉強になって薬剤師としてのスキルアップにもつながります。
特定の科の門前薬局より、大手の調剤薬局や病院の方がルーチンワーク化しにくい傾向にあるでしょう。
ただし、1日の処方枚数は必ずチェックしなくてはなりません。
求人情報には処方箋枚数が記載されていることが多いですが、記載されていない場合は面接等で確認してみることが大切です。
処方箋枚数が1人あたり30枚以下かどうかを目安にされるといいでしょう。
薬剤師の人数
薬剤師の人数が少ない職場だと、全員と相性がよければ働きやすいですが、1人でも合わない人がいると一気に働きにくくなります。
職場の人間関係が悪いと聞きたいことも聞けないため、職場での成長機会も失われてしまいます。
人数が少ないと有休申請もしにくいため、適度に休むことが難しくもなるでしょう。
業務に忙殺されない程度の薬剤師数を保っているかは必ず確認したいところ。
ただし、薬剤師数が多ければいいというわけでもありません。
1人薬剤師でも有休が取れる働きやすい職場もあるため、業務量や有休取得率等の実態を確認しましょう。
成長機会が多いのは病院
最先端医療に関わることができ、薬剤師としてのスキルアップがしやすいのは急性期病院です。
夜勤や当直もあり残業も多めですが、福利厚生に恵まれており、薬剤師数が圧倒的に多いため有休申請もしやすいのがメリット。
若いうちは病院薬剤師として働き、結婚や出産を機に薬局やドラッグストアへ転職して自分のペースで働く方法もあります。
「今はバリバリ働いてとにかく稼ぎたい」薬剤師がチェックしたいポイント
一般的なワークライフバランスは、定時帰りや休日の多さといった、労働時間にスポットがあたりがちです。
ただ、人によっては給与こそがすべてという場合も。
残業はむしろ積極的にしたい、忙しい職場ほど稼げるから有り難いと考える方にとっては、効率良く稼げることがワークライフバランスと言えるのではないでしょうか。
ここでは、とにかく稼ぎたい薬剤師のチェックポイントを紹介します。
残業、夜勤、当直があるか
薬剤師は基本給自体が決して悪くない水準ですが、今以上に稼ぎたいなら「忙しい職場」を探すのが一番です。
残業、夜勤、当直があれば割増賃金がつくため働けば働くほど年収が上がっていきます。
特に、夜勤や当直は人によっては「おいしい」勤務です。
少人数体制で責任が重い、ストレスを感じやすいといったデメリットはあるため若手にはおすすめできませんが、中堅以上の薬剤師で経験も知識も豊富にある方は、気楽だと感じることもあり、割増や別の手当がつくため効率良く稼ぐことができます。
向き不向きがあるものの、夜勤や当直が苦にならないタイプなら転職先を見つける際にチェックしてみましょう。
都内以外の求人かどうか
一般的には東京の給与相場が高く、地方へ行くほど下がる傾向にありますが、薬剤師の場合は少し違っています。
人手不足と言われる薬剤師ですが、実は都内は飽和状態になっており、転職機会も少なく年収アップを狙うことが難しい状況です。
一方、地方では薬剤師の人手不足は続いており、高年収求人も比較的見つけやすくなっているため地方で働く方が効率よく稼げる場合があります。
地方の方が住居費用を低く抑えることができる分、貯蓄にまわすことも可能でしょう。
どうしても都内で働きたい場合は別ですが、今はとにかく稼いで今後の勉強のため、家族のために備えておきたい方は、都内以外の求人もぜひチェックしてみましょう。
大手企業での勤務が稼ぎやすい
薬剤師がもっとも稼げる職場は大手企業で、主に製薬会社になります。
病院は規模が大きくても医師らの給与に人件費がかかるため、薬剤師の給与はそれほど高くありません。
ドラッグストアは悪くありませんが、大手の製薬会社ほどは期待できないでしょう。
薬剤師が製薬会社に勤務する場合、研究職かMRかが主な選択肢となりますが、未経験から研究職に就くのは至難の業なので、基本的にはMRを狙うことになるでしょう。
病院での薬剤師経験があれば、医師相手に営業するMRに活かせる経験があると言えます。
MRは激務と言われる職種の1つで、一般的にイメージされるワークライフバランスとはかけ離れているかもしれません。
しかし、自分にとってのバランスが「今はとにかく稼ぐこと」であるなら、仕事に没頭できる環境と恵まれた報酬を手にすることが可能なので、検討する価値はあるでしょう。
ワークライフバランスを保てる職場を探すなら転職エージェントを利用しよう
薬剤師がワークライフバランスを保てる職場を探すには、転職エージェントの利用がおすすめです。
薬剤師は日々の業務に忙しく求人を1つ1つ丁寧にチェックする時間がないため、代わりに求人チェックと紹介をしてくれるエージェント利用が効率的だからです。
あらかじめ希望を伝えておくことで、プロの目線で最適な職場を探しだしてくれるでしょう。
より希望に沿った求人紹介をしてもらうには、エージェントとの面談前に自身の希望を洗い出して書いておくといいですよ。
頭の中でイメージしているだけだと上手く伝わらないことがありますが、紙に書くことで整理され、エージェントにも理解されやすくなります。
最後に
いかがでしたか?
今回は、女性薬剤師がワークライフバランスを保てる職場を見つけるポイントを紹介しました。
求人票の条件欄を何となくチェックするのではなく、自己分析から譲れないポイントを探しだし、それに合うかどうかを確認することが大切です。
希望の転職を叶えるためにぜひ参考にしてみてください。