転職活動中のスケジュールを調整する段階や、面接前の準備、終了直後などには、面接と時間にまつわる疑問が生じることがあります。
たとえば、面接の平均時間の目安を知りたいと感じる人もいるでしょうし、もっと広く面接と期間の関係を知りたいと感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、転職面接と時間、期間についての疑問を集め、お答えしていきます。
目次
面接の所要時間についての疑問
まずは、面接の所要時間についてのさまざまな疑問を見ていきましょう。
面接にかかる時間はどれくらい?
面接にかかる時間は企業によってさまざまですが、おおよその目安はあります。
新卒の就職活動と異なり、転職の場合は個人面接が一般的です。
所要時間は30分~1時間がひとつの目安となります。
短い場合には10~20分ほどで面接が終了する場合もありますが、比較的じっくりと面接する企業では、1時間半~2時間ほどかかることもあります。
また、稀なケースではありますが、転職でも集団面接が実施されることがあります。
転職で集団面接になるケースとしては、
- 応募者が想定より多くなってしまった場合
- 新規オープンのように大量募集をかける場合
- 第二新卒など新卒同様の見極め方をしたい場合
などが考えられます。
人数が多い分、トータルでの面接時間は必要になるため、2時間以上かかることもあります。
しかし、1人あたりの発言時間は短くなりますので、与えられた質問に対して的確に、かつオリジナリティのある答えを用意してインパクトを残す工夫が必要です。
面接時間が短いと不採用?
面接時間が短いことで、不採用になったのではないかと落ち込むことがあるかもしれません。
しかし、面接時間の長い、短いは、なぜそうなったのかがケースによって異なるため、「短い=不採用」と一概には言えないものです。
たとえば、次のようなケースでは面接時間が短かったとしても、採用にいたるケースが少なくありません。
- ほとんど採用前提で面接が実施された
- もともと1人あたりの面接時間が短く設定されている
- 申し分ない人材だったため面接を長くおこなう必要がない
転職を成功させた人の中には「面接時間が短くて絶対に不採用だったと思ったけれど、採用された」と言う人が多くいるものです。
一方で、
- 面接で致命的なミスを犯した
- 他に採用したい人がいる
などのケースでは、予想通り不採用になってしまうことがあります。
面接時間が短かったのであれば、不確実な結果を予想するよりも、面接の振り返りをおこない、失敗したところがあったのなら見直すことが大切になります。
面接時間が短くて採用になると危険?
面接時間が短いことで「そもそも誰でも良かったのでは?」「つまりはブラック企業だということ?」と、不安に感じてしまうことがあります。
せっかく内定をもらったのに、内定受諾の連絡をする場面で迷ってしまうでしょう。
面接に時間をかけないにもかかわらず人材を雇うということは、とにかく人手が不足していたり、離職率が高かったりするブラック企業だと懸念することは、ある意味無理はありません。
この場合、もう一度企業研究をおこなう、口コミを確認するなどして、丁寧に確認することが対処法になります。
面接時間が短いからブラック企業かどうかも、一概に判断することはできないからです。
また、面接を通じて、先方の考え方に触れてきたはずです。
もう一度面接自体を振り返り、自分自身が転職したいと感じる企業かどうかを考えることが大切です。
面接時間が長いと採用確実?
面接時間が長ければ、採用確実とばかりに、面接終了後にガッツポーズをしてしまう人もいるでしょう。
確かに、面接時間が長いということは、面接官がある程度興味を示してくれた証拠のように感じますよね。
興味の無い人に対して、わざわざ長く時間を使うことも考えにくいかもしれません。
しかし、短い場合と同様に、企業ごとの事情や、面接の状況によってさまざまです。
たとえば、
- 単純に面接官が話好きなだけ
- 興味は湧いたが他の応募者の方がさらに良かった
- もともと1人あたりの面接に時間をかける選考スタイル
といったこともあり、面接時間が長くても採用にいたらないケースが珍しくありません。
面接時間が長かったということは、たとえ採用されなかったとしても、さまざまな質問に答える機会があり、練習になったわけです。
次につながっていくと前向きに捉えてみましょう。
面接開始時間にまつわる疑問
続いては、面接開始時間にまつわる疑問を紹介します。
面接開始何分前に到着するべき?
転職面接を受ける際、開始何分前に到着するべきか迷うこともあるでしょう。
マナーを重視するあまり、「少しでも早い方がよい」とばかりに、30分以上前に訪問してしまう人がいますが、かえって先方に迷惑をかけてしまうことがあります。
転職の場合、新卒一括採用の際に見られるような、広い面接会場や待合室を設けていないことも考えられます。
会議室の一画を使って面接したり、待合室がなかったりといったことも普通にありますので、あまりに早く訪問されると困ってしまうのです。
かといって、面接開始1分前などギリギリになってしまうと、慌ただしい印象を与えます。
本人としても、心が落ち着かず、いつも通りの力を発揮できないリスクが生じます。
訪問時間の目安は、面接開始5~7分前です。
このくらいであれば面接官も準備ができていますし、受付としても予定時間を大幅に外した訪問という印象はありません。
早く到着して時間を潰す方法は?
面接開始5~7分前に訪問するなど、交通機関の時間もありますので、そう簡単にできることではありません。
通常は、それよりも早く前に企業の近くに到着するようにしておき、時間になったら会場に訪問する形をとります。
企業の近くにある飲食店やコンビニ、本屋などで時間を潰すことも方法になります。
お手洗いなどで身なりを整えておき、時間を見計らって訪問することもよいでしょう。
いずれにせよ、遅刻だけはしないことが大切です。
転職者の場合、ビジネスマナーが備わっていることが当然と見られますので、遅刻は悪印象です。
転職面接前日に天気予報や移動ルートを確認しておくなどし、余裕をもって行動することが大切です。
交通機関の遅れなどでやむをえず遅刻をしてしまう場合は、早めに連絡を入れるようにしましょう。
駅の改札口などで遅延証明書をもらって提示することも、企業側が人材を把握するうえでの安心材料のひとつとなるかもしれません。
面接と面接の間に必要な時間について
面接そのものではなく、面接と面接の間の時間など、スケジュール調整をする際に感じやすい疑問には何があるのでしょうか。
面接と面接の間はどれくらい時間が必要?
複数の面接を同日に受ける場合、面接と面接の間はどれくらいの時間を空ける必要があるのか、悩むことがあるでしょう。
さきほど、面接にかかる時間が30分~1時間だとお伝えしましたが、あくまでも目安なので、余裕をもってスケジュールを組む必要があります。
面接開始時間が企業側の都合によって遅くなることも考えられますし、面接自体の時間が長引くこともあるからです。
たとえば、A企業の面接とB企業の面接開始時間が2時間程度しか空いていない場合、移動時間も含めるとかなり厳しいと考えられます。
同日の面接は、少なく見積もっても3~4時間程度は空いていることが望ましいといえます。
同日に複数の面接を入れたい場合の時間調整は?
午前中と午後に分けて面接を入れることもひとつの方法です。
面接官の昼休憩を考慮すると、午前中に開始して午後の遅い時間まで長引くということはあまりないケースです。
そうなる場合は、あらかじめ説明があり、応募者の了承を得たうえであることがほとんどです。
午前に1件、午後に1件というスケジュールであれば、比較的余裕をもって組むことができます。
とはいえ、遠方からの面接など、同日に複数の面接を入れたいケースもあります。
その場合、企業の人事担当者に所要時間の目安をあらかじめ確認しておくことも方法です。
メールなどで日程調整をする際に、おおよその所要時間を聞いておくとよいでしょう。
転職希望者の場合、現職があることも想定されますし、他の面接を受けることも、企業側にとっては予想の範囲内です。
そのため、所要時間を聞くこと自体はマナー違反にあたりません。
質問しなくても、人事担当者の方から所要時間を示してくれる場合もあります。
もっとも、あくまでも目安となりますので、終了時間が前後する可能性もあると思っておきましょう。
面接と期間の関係
転職面接では一回の面接で合否が決まるケースばかりではなく、一次面接、二次面接、最終面接と段階を踏むことも珍しくありません。
ここで気になるのは、次の面接までにどれくらいの期間があるのか、合否の連絡はどのタイミングでなされるのかといったことです。
次の面接までにどれくらいの期間がある?
次の面接までの期間は、
- 企業がどのような状況で募集をかけているのか
- 応募者数はどれくらいいるのか
- 人事担当者の忙しさはどうか
などによっても大きく変わります。
たとえば、欠員募集の場合のように、すぐにでも新しい人を採用したいケースがあります。
この場合は、企業側はかなり急いでいますので、面接から次の面接までの期間は短くなることがあります。
ただし、応募者数が多ければ当然選考に時間がかかりますので、早くても1週間程度が目安になります。
場合によっては応募者の状況を聞いたうえで、数日以内の面接になることもあります。
一方、新年度に向けて、新卒者と中途採用者を同時に採用したい場合など、比較的時間をかけて採用活動が進むことがあります。
欠員募集ではなく、毎年おこなう募集になるため、入社日にあわせて採用スケジュールを組むことができるからです。
具体的には、11~12月くらいから募集をかけ始め、1~2月で一次面接、二次面接をおこない、3月上旬くらいには最終面接を終えて採用決定、といった形です。
この場合、面接から面接までの間は2週間~1ヶ月ほどかかることがあります。
一般的には、面接から次の面接まで1週間~3週間と、幅があると思っておけばよいでしょう。
合否の連絡はどれくらいでくる?
一次面接や二次面接通過の知らせ、最終的な採用の知らせなど、合否の連絡はどれくらいで入るものでしょうか。
これも企業によってさまざまですが、1週間~2週間ほどがひとつの目安となります。
面接が終わった際に人事担当者から「合否の連絡は2週間ほどいただいております」などと、おおよその目安を告げられることもあります。
人事担当者から何も言われなかった場合、目安を聞くこと自体はマナー違反ではありませんが、人事担当者としては確実なことは言えませんので、ある程度時間がかかっても仕方がないと思っておいた方がよいでしょう。
とはいえ、他の企業から内定をもらっており、迷っている場合や入社の返事をしなければならない状況なども考えられます。
そのときは、内定をもらっている企業に、回答を待ってもらうことができるか確認する必要があります。
内定受諾を待ってもらえる期間は?
内定受諾を待ってもらえるか交渉する際には、基本的に、他社の選考待ちである旨を正直に伝えます。
しかし、「他社が第一希望で…」などとはいわず「他社の状況も踏まえて慎重に判断したいと考えており」など、言い方に気をつけるようにしましょう。
このあたり、企業側も転職希望者に対して一定の理解を示してくれますが、すべり止めであることがあからさまに分かると、よい印象ではありません。
企業側にも、内定辞退なら次の応募者を探す必要がありますので、あまり長く待ってもらうことはできません。
中途採用者の場合は欠員募集も考えられるため、時間的な猶予は少ない傾向にあります。
待ってもらえる期間は、常識的に考えると、2~3日、長くても1週間程度が許容範囲です。
あとは、自身がどの企業に行きたいのか、企業研究を振り返ることも必要になります。
すでに内定をくれた企業の申し出を断るべきか迷うということは、現在選考中の企業に魅力を感じているということです。
そこに転職の本音が隠れていることもありますので、再度の自己分析をすることも大切です。
転職活動期間はどれくらい?
転職活動期間全体でどの程度かかるのかも疑問に感じる方が多いようです。
ここまでの内容を踏まえて考えると、1社あたりの選考では、非常に早いケースでは1~2週間ほど、一般的には1~2ヶ月かかります。
もちろん、1社ずつ応募するわけでなく、同時に複数の企業に応募し選考が進んでいきます。
その中で、内定をもらうケース、不採用になるケース、内定を辞退するケースなどがあります。
転職活動を開始して最終的に転職が決まるまでは、早い人で1ヶ月ほど、平均的には3ヶ月が目安となります。
応募ペースが遅い人や、なかなか内定をもらえない場合には、半年~1年ほどかかることもあります。
最後に
いかがでしたか?今回は転職面接の時間、期間にまつわる疑問を紹介しました。
転職活動は現職を抱えていたり、複数応募が基本であったりするため、時間や期間は気になるものです。
目安を知っておき、焦って失敗しないように、余裕をもった行動を心がけることが大切です。
スケジュール調整が難しい場合は転職エージェントを使うこともよい方法になりますので、あわせて検討してみましょう。