上司と合わないことに悩みをお持ちの方は大勢いらっしゃいます。

上司と合わないことで、たとえば次のような状況に陥ってしまうことがあるでしょう。

  • 仕事に行くこと自体が苦痛
  • 頑張っても評価されずモチベーションが上がらない
  • 上司に委縮してミスを連発してしまう
  • 心身ともに疲弊して限界

会社組織で働く以上、上司と合わないことがネックになる場面は多数あります。

しかし、上司と合わないことを我慢し続けることは避けるべきです。

ストレスが膨れ上がりメンタルの不調などを感じてしまうこともありますので、できるだけ早い段階で対処しましょう。

では、上司と合わない場合にはどうすればよいのでしょうか。

今回は、上司と合わないときの考え方と対処法を紹介します。

上司と合わないと感じたとき知っておきたいこと

上司と合わなくて会社に行くのが辛いと感じたとき、まずは知っておきたいことをお伝えします。

イジメ体質の上司はどこにでもいる

同じ立場の人や家族に対してはごく普通に接することができる人でも、人の上に立った途端、自分が偉くなった気がしてしまう人はいます。

普段はそうでもないのに、職場でだけ「イジメ気質」が表面化してしまう人もいます。

それだけ権力は人を変えてしまう力があるということです。

まずは、イジメ体質の上司はどの業界、企業にもいることを覚えておきましょう。

「そういうもの」だと捉えておくことで、上司と合わない悩みを深刻化することを防ぎます。

合わない上司がいない人の方が少ない

自分と上司との関係性を見たとき、そもそも他人であることに加え、立場が異なります。

人は共通点が多い相手ほど相性のよさを感じやすくなりますが、自分と上司には共通点が極めて少ないのです。

つまり、上司とは合わなくて当たり前ということです。

一般的な会社員の中で、「合わない上司などいない」と感じる人の方が少ないのではないでしょうか。

上司と合わなくて辛いと感じているのは、自分だけではありません。

そう思うと、上司との人間関係が少し気楽に感じられるでしょう。

上司自身を変えることは難しい

合わない上司に対して、「その考え方はおかしいです」「もっと〇〇してもらえませんか?」と、上司を変えることに注力する方がいます。

しかし、その指摘がたとえ正論だったとしても、残念ながら上司自身を変えることは相当に難しいです。

部下からの指摘を素直に聞き入れられる上司は少数派です。

指摘する労力が無駄になるばかりか、上司の気分を害し、より自分の立場が苦しくなってしまうリスクの方が高いです。

合わない上司に対しては、考え方や接し方、環境など、自分側の何かを変えるしかありません。

とはいえ、ひたすら我慢する方法はおすすめしません。

我慢の連続はストレスになり、心身ともに疲弊してしまいます。

我慢したからといって状況が改善されるかは分かりませんし、むしろ状況が悪化するおそれの方が高いといえます。

一つずつでもよいので、自分側の何かを変える工夫をしてみましょう。

どの上司とも合わないなら原因は自分かもしれない

嫌な上司はそもそも人間的におかしいのだから、自分を変える必要はない。

このような考え方があります。

確かに人としてどうしようもない上司を相手にするにあたり、自分を責める必要もなければ、自分を変える必要はないでしょう。

人と人には相性の問題もあるため、いちいち自分のよさを殺してまで相手に合わせる必要もないかもしれません。

しかし、「どの上司とも合わない」状況が続くのであれば、自分の非を疑ってみることが必要になります。

上司にもいろいろなタイプがいますので、相性の問題に程度の差が生まれることは当然です。

どの上司になっても不満だけが募るようなら、相性の問題ではないと考えるのです。

相手が上司というだけでむやみに反抗していないでしょうか。

上司と部下という立場をわきまえず、自分の考えが絶対的に正しいと視野を狭くしていないでしょうか。

あるいは、そもそも人の下で働くことに向いていないのかもしれません。

その場合は、会社員ではなく自身で事業を興す方が性に合っていることがあります。

自分を責めるということではなく、自分自身を分析してみることが必要だということです。

上司と合わないときの対処法とは

上司と合わない場合、具体的に何をすればよいのでしょうか。

上司と合わないときの対処法を紹介します。

自分の性格や上司のタイプによって、どれが正解ということはありません。

できそうなことから始めてみて、自分に合った方法を見つけていきましょう。

上司を「かわいそうな人」と思ってみる

イジメ体質の上司や、部下にだけ厳しくて上層部には媚びを売る上司は多数いますが、腹を立てると自分自身のストレスが過大になってしまいます。

それよりも、内心だけは上から目線で「かわいそうな人だな」と思ってみることがひとつの方法です。

部下イジメをすることでしか自分を表現できない人なのかもしれません。

他の会社では活躍できないから、上層部に媚びを売るしか生き残る方法がないのかもしれません。

かわいそうに思ってみることで、上司の言うことにいちいち腹を立てたり、落ち込んだりすることなく、「合わない上司」と「仕事そのもの」を分けて考えることができます。

別の上司と仲良くなっておく

合わない上司と仲良くなることは相当に難しいものです。

こちらがいくら下手にでても、合わない上司が自分を変えることはないでしょう。

ならば、あまり相手にしないことです。

暴言や嫌がらせなどで同じ職場にいたくない場合は、別の上司と仲良くなっておきましょう。

評判のよい上司がいれば積極的にコミュニケーションを取るようにしておくことで、人事異動などのよいタイミングで部署異動が叶うことがあります。

上司の上司と仲良くなっておくことで、上司のパワハラなどの抑止力にもなります。

上司そのものに対処するのではなく、周囲を固めておくことで、いざというときの下準備になります。

職場以外の人に愚痴を聞いてもらう

上司への不満を溜めこむことはよくありません。

いつかストレスが膨大になり爆発してしまいます。

信頼できる人に限り、愚痴を聞いてもらうことは悪くありません。

ただし、聞いてもらう相手は「職場以外の人」がポイントです。

同じ上司に対して、自分と同じように不満を持っている人もいるでしょう。

ですが、職場内で職場の人の愚痴を言い合うことはリスクがあります。

どこからか漏れ伝わり、上司との関係性を悪化させてしまうかもしれませんし、愚痴を言い合ったはずの同僚が上司に取り入って出世し、人間不信になるかもしれません。

上司の愚痴は、職場とは関係のない人に聞いてもらうことが一番です。

パワハラなどで具体的に相談する必要がある場合、それはすでに愚痴ではありません。

コンプライアンス部門や別の上司など、しかるべき相手に相談することが必要になります。

自分だけは完璧にしておく

上司と合わないからといって反抗的な態度を取ったり、指示を守らなかったりすることは避けるべきです。

いざ話し合いをするときや、上司の横暴を訴えるという場面で、「でも、あなたも悪かったよね?」と言われてしまうからです。

上司が理不尽なことを言ってきても、自分だけは大人の対応をしましょう。

ビジネスマンとして非の打ちどころがないくらい完璧にしておくことで、あなたを攻撃する上司の愚かさが目立つようになります。

要するに、合わない上司の存在は無視して自分は粛々と仕事に精を出すのです。

合わない相手のことをを考えて貴重な時間を費やすよりも、自分のスキルを磨くことに集中しましょう。

それが、いつか自分の身を助けます。

上司を反面教師にする

合わない上司のどんなところが嫌いかを聞かれれば、いくつでも思い浮かぶ方は多いのではないでしょうか。

それらをパソコンや紙に書き出し、自身の反面教師とするように心がけてみる方法があります。

部下から見て嫌な上司像がそこにあるのですから、いずれ自分が上司になったときに役立ちます。

本来自分と合わない上司から得るものはないですが、「こうはならないようにしよう」と思うことで、自分にとってのメリットとすることができます。

同じ上司に反骨心を抱いている他の社員からしても、上司とは真逆の考え方をするあなたについていきたいと思うことがあります。

異動希望は常にだしておく

上司と合わない場合に異動することはよい方法のひとつです。

上司が代わることで水を得た魚のように生き生きと仕事をする人は大勢います。

とはいえ、人事異動の希望はいつ通るかわかりません。

希望届提出の時期に「もう少し我慢しようかな」と思っていると、次のチャンスは先になってしまいます。

異動の希望はそう簡単に通らないことを認識し、常に希望をだしておくようにしましょう。

人事部との面談の機会があれば、異動に前向きであることをアピールしておきます。

転職する

何をしても合わない上司との関係性がつきまとう場合、いよいよ転職を視野に入れる必要があります。

環境を変えることは勇気がいります。

しかし、合わない上司に頭を悩ませ、仕事に集中できない、ストレスが甚大になるといった環境から脱出できるチャンスです。

具体的に転職活動を始めるだけで、上司へのストレスから解消される人もいます。

頭の中が「嫌な上司」から「自分の未来」に移行するため、その時点で上司のことが気にならなくなるのです。

合わない上司を理由に退職するときの注意事項

上司と合わずにやむを得ず退職を決める場合の注意点を紹介します。

上司だけを理由に退職することは冷静に

上司と合わないことと、仕事そのものは分けて考える必要があります。

「上司と合わない=仕事が嫌い」と結びつけていないか、一度冷静に立ち止まってみましょう。

  • 上司は嫌いだけど仕事は好き
  • 上司は嫌いだけど他の社員とはうまくやっている
  • 上司は嫌いだけど会社に不満はない

こうしたケースでは、退職を思いとどまった方がよいことが多々あります。

波風立てずに退職することが一番

異動も叶わず、上司に我慢して居続けるしか方法がないケースもあります。

特に中小零細企業では上司との距離も近く、異動も少ないため、上司が辞めるか自分が辞めるかしか選択肢がありません。

しかし、パワハラや違法労働などよほどのことがない限り、上司の退職には期待できません。

早めに区切りをつけて自分は前に進むこともよいでしょう。

退職の際、上司に一言文句を言ってから辞めたいと感じる方がいるかもしれません。

どのようなひどい待遇を受けたのか、どの程度辛い思いをしたのかは本人しか分かりませんので、最終的には本人の意思によるものです。

ただ、今後の職業人生や他の人との関係性を考えたときには、波風立てずに退職することがよいと考えられます。

上司に文句を言ったところで、上司が反省して心を入れ替えることは考えにくいですし、同じ業界内や地域で転職すれば、いつ元上司と会うとも限りません。

退職日までの引き継ぎの間にぎくしゃくしてしまい、うまくいかないこともあるでしょう。

自分と合わない嫌な上司のことは忘れるつもりで、何の気持ちも残さず退職されることをおすすめします。

転職活動中に上司の悪口を言わないこと

転職活動中に必ず質問されるのが転職理由ですが、たとえ上司と合わないことが直接的な理由でも、応募企業に言わないようにしましょう。

上司が圧倒的に悪かったとしても、実際に目撃していない外部の人が理解することは難しいものがあります。

「上司に反抗的な人物」と捉えられてしまえば採用が遠のきます。

転職理由はあくまでも前向きであるべきです。

人間関係が原因で辞めたと思われるとマイナス要因にしかなりませんので、仕事内容や自身のキャリアプランに触れ、前向きな転職理由を述べるようにしましょう。

次が決まってから退職する

上司のパワハラやセクハラなどで心身ともに辛い状況にある場合は、一旦休職するか、退職を優先させることも必要です。

一番大切なことは自分自身の心と体ですから、状況に応じて自己防衛をしなくてはなりません。

その状態で転職活動をしても自分のよさをアピールできないこともあるでしょう。

一方で、そこまでの状況でなければ、早めに転職活動を開始するべきです。

忙しい方は辞めてからでなければ活動時間が取れないと思うかもしれませんが、非常にリスキーですので避けた方がよいでしょう。

いつ内定がでるか分からない以上、経済的に困窮するおそれがあり、それにともない精神的な負担も増えていくからです。

忙しくて活動時間が捻出できない方は、転職エージェントを使うとよいでしょう。

あらかじめ希望の条件を伝えておくことで、エージェントが代わりに求人を探してくれるほか、面接の日程調整、給与交渉など面倒な役割を担ってくれます。

非常に効率よく転職活動ができますので活用しましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、職場で上司と合わないときの考え方と対処法を紹介しました。

合わない上司を変えることは難しいですが、自分の考え方や接し方、環境を変えることは十分可能です。

何を変えるべきかを考えることのほうが、合わない上司に貴重な時間を奪われるよりも有意義な時間となるはずです。

今すぐできることから始めてみましょう。