マタハラ被害に悩む女性たちは数多くいます。社会的に問題視されているとは言え、実際にはまだまだ理解がすすまず、心無い言動を行う人たちがいるのが事実のようです。
そこで今回は、職場でマタハラを受けてしまったときの対策や、転職を考えるときにマタハラ対策ができている企業への転職方法についてご紹介します。
目次
マタハラってどんなこと?
マタハラとはマタニティハラスメントのことで、妊娠や育児などによって心無い言葉を投げかけられたり、実際に仕事を奪われる、休暇を取らせてもらえないなどの不利益を受けることを言います。
近年はセクハラやパワハラなどとともに問題視されています。
マタハラを受けた場合の対策方法
職場でマタハラ被害に合った場合にはどのようにするべきなのでしょうか?
その対策方法についてご紹介していきます。
まずは周囲に相談しよう
妊娠や出産に関することは個人の考え方に違いがあります。
例えば、妊娠中の女性に対して妊娠経験のない上司が本当に体のことを気遣って「仕事のことは考えなくていいからゆっくり休養を取って」と言ったとしましょう。
しかし妊娠中の女性が復帰後の仕事に対して不安を抱いている場合には「暗に職場復帰をしないでいいと言われた。」と感じてしまうこともあります。
他にも、「出産した後は子供のために仕事をしたくない。」と自分が感じているから、自分以外の人も同じように考えるはずと思い込んで「子供が小さいうちは仕事をしない方が幸せだよ。」などと言ってしまうこともあります。
明らかにマタハラと分かるようなケースを除いては、まずはその人がどういう意図で言ったのかに目を向けてみることも必要です。
それには自分だけで悩みを抱えてしまっても、自分の考え以外に思い浮かぶはずもありません。
他の人の意見も聞いてみるなどすると良いでしょう。
案外相手が傷つかないと思ってつい言ってしまっただけであって、マタハラだと思い悩む必要もないということもあります。
社内の専門部署
周囲の人に相談した結果、やはり明確なマタハラだと感じるような言動があるのであれば社内の専門部署に相談することも必要です。
匿名の無料相談窓口などを設けられており、外部の専門家のアドバイスを受けることができることがあります。
また、窓口などがない場合であっても、人事課や労務を扱っている部署であれば、ハラスメントなどの職場の問題については知識があり理解がすすんでいることもあります。
さらに、労働組合などがあれば労働者の職場環境に関わることですので相談してみるのも手です。
外部の専門機関へ相談も
社内に相談窓口がないという場合でも、マタハラを含むハラスメントは社会問題になっていますから、行政や自治体など相談できる窓口はたくさんあります。
いざというときには弁護士などの専門家に直接相談するのも手ですが、費用がかかりますからまずは行政などの無料相談窓口に聞いてみると良いでしょう。
労働局や労働基準監督署などの他にも、各自治体や民間で運営している相談窓口も存在します。
自分一人で悩みを抱えてしまうのは決して良くありませんし、相談できる場所は必ずありますから諦めないで探してください。
マタハラで辛い思いをしているなら転職を
マタハラで悩んだり辛い思いをしているのであれば転職も必要です。
企業への是正勧告などにより明らかなマタハラ行為に関しては是正がされることもありますが、人の考え方や職場の雰囲気を変えることは難しいことです。
職場自体の理解がなかったり、肩身の狭い思いをするようであれば古い体質の企業であり、企業の将来性についても疑問が残ります。
少子化の日本でその体質のまま優秀な人材を育てたり、新しいビジネスにチャレンジするということは難しいかもしれません。
自分自身の将来のためにも働き方の多様化を受け入れ、柔軟な姿勢で向上していける企業へ転職を考えてみましょう。
マタハラがない会社への転職方法
転職先でも同じようなマタハラ被害に合わないためにも、マタハラがない会社かどうかはしっかりと確認しておきましょう。
マタハラ対策ができている会社への転職方法についてご紹介します。
マタハラ対策ができている会社は業績も上がる?
マタハラ対策ができている会社とできていない会社とでは、その生産性の差が2倍以上になるというデータもあるぐらい、マタハラ対策ができている会社は将来性が見込めます。
特に女性が転職を考える上では、その企業のマタハラに関する考え方を見極めることが、マタハラを予防する方法としても、将来性のある企業を見つけるという意味でも大切になってくるのではないでしょうか?
働き方の多様化がすすんでいる会社を選ぼう
法律で認められている産休・育休以外にも、企業独自で時間や勤務場所などについて働き方が選べる会社はマタハラ対策に積極的と言えるでしょう。
働き方の選択肢を設けることによって、優秀な人材の流出も防ぐことができますし、企業として制度を設けていることにより、出産後の家庭事情などについても職場の理解が得らえやすいとも言えます。
どんな制度があるかは転職前に確認することができることですから、しっかりと見ておく必要があります。
モデルケースを確認しよう
制度が整っているだけでなく、実際に制度利用者がいるかどうかも大切です。
単に制度があるだけで実際に利用した人がいない、利用しにくい状況があるというのでは、応募者を増やしたり世間的な評判のために出産や育児を利用しているに過ぎないことも考えらえます。
制度を利用して働いているモデルケースが参考になりますから、面接などで事前に聞いてみると良いでしょう。
転職前にきちんと意志を伝えておく
出産する意志があるのかどうかなどの妊娠や出産に関することは、面接で聞くことは禁じられています。
しかし、実際の現場の問題として人員配置などを考える上では、本当は知っておきたいというのが本音です。
面接で不快に感じるような質問を受けた場合にはその企業は論外ですが、自分から意志を伝えておくというのは実は効果的な方法でもあります。
それによって不採用になってしまう企業もあるかもしれませんが、そのような企業は転職してもそもそもうまくいくことはありません。
自らの意志を伝えておくことは、転職した後に働きづらさを感じて退職になるということの予防にもなります。
私の知っている人は、数年以内に出産したいということを伝えた上で企業から内定をもらいました。
そのため、いざ妊娠をしたときも周囲の協力や理解を得やすかったと言います。
また、企業側もそのつもりで派遣会社を探しておくなどの対策を立てていました。
何を優先させるかは考え方によりますが、長い目で見て自分の意志を隠さないということも賢い方法ではないでしょうか?
転職エージェントを利用しよう
転職を希望する企業に、勤務時間や働く場所などの制度があるか、実際の利用者がいるかどうかは面接などでは正直聞きにくいという人もいるでしょう。
その場合には、転職エージェントを利用して事前に確認してもらうのが効果的です。
転職支援のプロであるキャリアコンサルタントが企業の採用担当に制度の有無や利用状況などについて確認してくれます。
また、働き方が選べる企業というくくりで求人を探すことも可能です。
ハローワークや求人誌などに比べても求人数が多いですから、働き方が選べる優良な求人も見つけやすいはずです。
マタハラの心配がない企業へ転職するためにもぜひ活用してみてください。
最後に
いかがでしたか?今回は、職場でマタハラを受けたときの対策法とマタハラのない企業の探し方についてご紹介しました。
マタハラ対策をしっかりできている将来性のある企業への転職を成功させるためにぜひ参考にしてみてください。