楽器大国日本と言われていましたが、少子化や景気の悪化などによってその国内需要は先細り状態になることが予想されています。

様々なメーカーが乱立する業界ですから、その生き残りはし烈になっていくことでしょう。

楽器が好きで楽器業界に転職をしたいと考えている人は、転職する前に業界の特徴について知っておく必要があります。

また、楽器業界への転職を失敗しやすい人の特徴についても知っておきましょう。

自身がその特徴に当てはまるのであれば、楽器業界への転職前に意識改革が必要です。

そこで今回は、楽器業界全体や転職を失敗しやすい人の特徴、転職を成功させるための方法についてご紹介していきます。

楽器業界の特徴とは?

楽器業界に転職を考えているのであれば、業界の特徴についても知っておく必要があります。

どのような特徴があるのでしょうか?

大手以外にも様々なメーカーが乱立している

楽器業界と聞くと大手楽器メーカーがいくつか思い浮かぶ人が多いかもしれませんが、大手以外にもメーカーが乱立している業界です。

これは技術者たちが企業の方針に囚われず自分が作りたいものを極めるため、大手から独立する、楽器好きな人が自ら起業するなどが繰り返されているという業界の特徴があります。

中小規模のメーカーでもそのモノづくりへのこだわりが評価されて人気が高いメーカーもありますが、資金力の高さという意味ではやはり大手楽器メーカーが強い傾向にあります。

景気の動向に左右されやすい業界

学校の吹奏楽部向けなど教育関係などに一定の需要が見込める楽器業界ですが、日本は少子化ですから、将来的には減少傾向にあります。

また、楽器は残念ながら生活必需品ではありませんから、景気の動向に非常に左右されやすいという特徴があります。

さらに近年は一時期のバンドブームも去り、楽器を練習したい、バンドをやりたいと思う若者も減ってきています。

日本経済は先行きが不透明ですから、趣味で楽器をたしなむほどの経済的な余裕はないという人も多いです。

資金力がある大手楽器メーカーも近年は楽器やその周辺機器だけでは成り立たず、全く別のビジネスへ参入していっています。

楽器業界への転職を失敗しがちな人

楽器業界へ転職したいと思うのであれば、自身の適正について考えてみる必要があります。

どんな人が楽器業界に不向きで失敗しがちなのでしょうか?

楽器が好きで趣味の延長として考える人

楽器が好きで楽器に携わる仕事をしたいという考えは、楽器業界への転職を考える人の多くが思うことです。

しかし、単に趣味の延長としてこの業界に入りたいと考えても失敗します。

楽器が好きという程度は当たり前のことですし、なぜ仕事としてその業界を選んだのか、強い動機がなければ面接官の心に訴えかけることはできません。

また、自分が好きな楽器以外に携わることも当然ありますし、何より商品として売る必要があるということを忘れてはなりません。

趣味感覚では仕事として成立させることは難しいと覚えておきましょう。

自分のこだわりを捨てきれない人

楽器に対して強いこだわりがあるのは良いのですが、そのこだわりは起業でもしない限りは捨てる必要があります。

メーカーはこだわりの楽器を作って自己満足することが目的ではなく、売って利益に変えることが目的です。

ときには自分のこだわりなど何の役にも立たないこともある厳しい世界なのです。

時代背景や流行などを敏感に察知し、柔軟に対応できる力がない人は楽器業界への転職は難しいと言えます。

コミュニケーション能力がない人

職人タイプの人で人とコミュニケーションを取るのが苦手という人は、楽器メーカーに転職するのは難しいでしょう。

楽器メーカーでは、製造部門や営業部門など、様々な部門と連携を取りながら、総合的に楽器を売ることを考えるチームワークが大切です。

内向きで自分の仕事だけを考えるようなタイプの人はメーカー勤務は向いていません。

職人として個人向けの販売などをする方が向いているかもしれません。

楽器業界への転職を成功させるためには

憧れの楽器業界への転職を成功は簡単なことではありません。

特に未経験者であれば覚悟は必要です。

しかし、それでも楽器業界へ転職をしたいのであればそれがやりたい仕事ですから、チャレンジしてみる価値はあります。

では、楽器業界への転職を成功させるためにはどうしたら良いのでしょうか?

大手が絶対に良いというわけではない

転職エージェントや転職サイトなどを見ると大手楽器メーカーの求人も掲載がありますし、全く可能性がないというわけではありません。

営業職などから入って経験を積み、別の部署への異動を試みるという選択肢もあります。

しかし、大手楽器メーカーに未経験中途で転職するのは非常に厳しいと言われています。

大手以外に目を向けてみることも大切でしょう。

中小企業であっても、モノづくりへのこだわりが高く評価されている優良メーカーも多くあります。

楽器が好きな人なら、特にこだわりの強いメーカーに転職した方がやりがいを感じることができるかもしれません。

また、中小企業で経験を積み、経験者として最終的に大手への転職を考えるという道もあります。

長い目でみてどんな場所で働きたいのかについてじっくりと考えてみましょう。

楽器が好きということ以外の強みを身につけよう

楽器業界へ転職したいという人のほとんどが楽器に興味がある、楽器が好きでしょう。

ですから、楽器が好きということだけでは他の応募者と差別化を図ることができません。

営業力があるとか、企画力があるとか、それ以外に即戦力として戦える強みを身につけることが必要になります。

まずは今の仕事で自分が何をやってきたのか、自分の得意なこと、強みは何かについて冷静に自己分析を行いましょう。

職務経歴書は非常に大切になってきますから、時間をかけて作成することが必要です。

自己分析が終わったら、いきなり応募するのではなく、第三者の客観的な意見を聴いてみましょう。

自分よがりの応募書類では、書類審査ではじかれてしまう可能性が高いからです。

自分以外の人から見てどんな風に見えるのかについて知っておくことが必要です。

第三者としては、身近な先輩や同僚でも良いのですが、一番良いのは転職エージェントを利用することです。

転職支援のプロから応募書類の添削や面接時のアドバイスを受けることができます。

また、面接の日程調整や給与交渉など、自分ではうまくできないことも代わりに行ってくれるというメリットもあります。

転職エージェントは無料で利用できますから活用してみてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、楽器業界の特徴と転職で失敗しがちな人、楽器業界へ転職を成功させる方法についてご紹介してきました。

楽器が好きな人にとっては憧れる業界ですが、業界や失敗する人の特徴について事前に知っておく必要があります。

転職を成功させるためにぜひ役立ててください。