仕事のやり方に裁量度が高い営業という仕事は、自由がある仕事だと思われることが多いです。

もちろんそういう側面はあるのですが、実は自由に見えて自由ではない仕事だと言えることもできます。

自由な働き方を求めて営業職への転職を考えているという方は、一旦立ち止まって、自分にとっての自由とは何かについて考えてみることをおすすめします。

今回は、営業の仕事が自由に見えて会社に縛られている事実についてご紹介していきます。

事務所仕事が苦痛だから自由がある営業に転職したいという人は多い

営業という仕事を選んだ人に、なぜ営業になったのかを聞いてみると、「内勤で会社と机に縛られているような働き方は自分には向いていないから。」という返答をする人は意外と多いです。

この意味は、営業は社内の人の目が届かず、自由に自分のペースで外回りをすることができるため、「束縛されない働き方」だということです。

確かに外回りの最中に銀行に行ったり自宅に帰って用事を済ましたとしても、内勤のオフィスワークの人のように上司にわざわざ申請して、有休を使って用事を済ます必要もないのかもしれません。

また、外回りの間はいちいち自分の言動を上司や先輩に注意されることもなく、指示されるのが苦手なタイプにとってはメリットが大きい仕事と言えます。

これらの意味では「自由がある」と言える仕事なのでしょう。

しかし、実際には決して自由とは言えず、会社に束縛されているという側面があるのです。

営業職が実は会社に縛られている理由

営業という仕事が、実は会社に縛られているのはどんな理由からでしょうか?

土日おかまいなしで携帯電話が鳴る

オフィスや工場での仕事であれば、休日は基本的に仕事の電話がかかってくることはありません。

よほど緊急性の高い場合や、ブラック的な働き方を余儀なくされているケースなどに限ります。

しかし営業職になると、クライアントは営業が土日だろうと夜だろうと、関係なく電話をかけてきます。

クライアントにとっては単なる業者であって、休みだから悪いかな?など、相手の都合を考えてくれるクライアントばかりではないのです。

しかも、仕事の依頼など、良い電話であればまだ良いのですが、理不尽なクレームや無茶な要望などがかかってくることもあります。

そうなるとせっかくの休みも憂鬱な気持ちに支配されてしまうことになります。

しかも、会社自体は休みなので具体的に話を進めることもできず、休日明けの仕事のことが気になって心も体も休まりません。

もちろん、営業職でも土日は携帯電話の電源を切ってあるなどしてオンオフをはっきりさせている人もいます。

しかし歩合の営業の場合はそれによって仕事のチャンスを逃す可能性を考えて、そうはいかないという人も多いのです。

厳しいノルマが精神的自由をなくす

ノルマなしの営業であれば良いですが、多くの営業職にはノルマが設けられていたり、ノルマがないにしても上司からのプレッシャーが厳しいということは多いです。

これらは精神的に負荷がかかりますから、気持ちの自由度がないと言えます。

ノルマがあるから仕事が終わった夜でも仕事のことを考えてしまったり、プライベートな時間でも心が休まらないということも多いのです。

ノルマが厳しい営業の仕事をしていた人が、ノルマがない仕事に転職をしてみると、「精神的に解放感がある。」と気持ちの面での自由度に喜びを感じることもあります。

社内の人の目が届かないなど、一見自由に見える営業の仕事でも、精神的な自由がないという意味で会社に縛られていると言えます。

歩合給に一喜一憂する

歩合給の営業は、頑張った分だけ賃金が上がるという大きなメリットがあります。

しかし、一方で頑張っても契約が取れないときは賃金が下がってしまうリスクもあり、歩合給に一喜一憂することになります。

これが仕事へのモチベーションにもなりますから、必ずしもデメリットというわけではありません。

しかし、賃金が上がればテンションが上がり、賃金が下がれば焦りが生まれるなど精神的に振り回されることになります。

毎月固定給の職種であれば、頑張った分の目に見えた見返りはない代わりに、多少仕事がうまくいかなくても安定的に収入があり、賃金のことを考えず仕事に集中することができます。

優れた営業マンは常にアンテナを張っているから結局仕事モード

優れた営業マンは、仕事以外のときでも常にアンテナを張っているといわれます。

それがクライアントとの会話の糸口だったり、提案事をスムーズに行うためのヒントになったりするからです。

それ自体は良いことでもあるのですが、仕事以外でも完全オフにならないということです。

結局いつも仕事モードになってしまうため、仕事人間で会社に縛られているということもできます。

拘束されているようで意外と自由なオフィスワーク

ここまで、営業の仕事が会社に縛られている側面をご紹介しました。

対比されることが多いオフィスワークは、ずっと机に座って仕事をしないといけない、上司や先輩の目がある場所で仕事をするのは監視されているようで嫌だと言われることもあります。

確かにそれが嫌な人にとっては苦痛な仕事かもしれません。

ただ、オンオフの区別がはっきりつけやすいですし、ノルマや歩合に一喜一憂することもなく精神的に楽だというメリットもあります。

内勤か外回りか、どちらを選ぶかは何を優先するかが基準

事務所や工場など、毎日同じ場所で働く仕事か、それとも外回りや出張が多い仕事か、それぞれ働き方が違います。

どんな働き方を選ぶのかは、何を優先するかの基準によって変わってきます。

人目を気にせず自分の裁量で仕事をしたい人は、外回りや出張が多い営業などが向いていますし、ノルマや歩合にとらわれない精神的な自由度を求めるのであれば事務所や工場も良いでしょう。

自分にとっての自由とは何なのか、転職先を決める上での判断基準についてじっくりと分析してみましょう。

転職活動での悩みや相談ごとは転職エージェントにしよう

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最後に

いかがでしたか?今回は、自由に見える営業職が会社に縛られているという点をご紹介しました。

転職活動で大切なのは、自分の優先順位や基準です。

自己分析を通して明らかにすることで、今後の転職活動がスムーズに行くことでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。