転職を考える人が超えるべきハードルとして、周囲からの引き留めがあります。

特に家族や友人など親しい人からの引き留めには太刀打ちできないこともあり、せっかく決心した転職をやめてしまうという人もいます。

そこで今回は、妻や親、友人たちからよく言われる転職の「引き留め言葉」をもとに、何を考えて対処していくべきかを解説していきます。

友人からの「やめた方がいい」その根拠は?

現役で働いている友人たちは、仕事の話が通じやすいという意味で転職の相談相手にすることがあります。

しかし、相談相手にする友人は選んだ方がいいです。

その友人は、自分や転職市場のことをよく理解している人でしょうか?

そうでなければ、何となく一般論を例にあげて「どこも厳しいからやめたほうがいいよ。」と、言ってくるだけのことがあります。

その場合、自分自身が転職を経験したこともなく、経験したとしても随分前だということはあります。

また、友人が転職の道を模索して変化していくことを、自分が取り残されたように感じて引き留める人もいます。

学歴も仕事での身分も同じような人の場合、小さな輪の中に仲間がいることに安心感を覚えることがあるからです。

また、同世代の友人などと久しぶりに会って転職談話が盛り上がることはありますが、今の自分を本当によく知っているのかどうかはわかりません。

その場だけ盛り上がるならば問題ないですが、久しぶりに合った友人に人生の大事な選択を左右されないようにしましょう。

本当の友人であればチャレンジを応援したり、引き留めるにしても具体的にやめた方がいい理由を提示するでしょう。

根拠のない一般論を述べたり、自分自信が置いてかれないように引き留めているのであれば、話半分で聞いておけばよいです。

妻からの「今の生活を失いたくない。」は何が要因?

嫁ブロックと呼ばれるように、転職に対して妻から大反対を受けることがあります。

「今の生活を失いたくない。」「家族のことは考えているの?」など、自分目線での反対意見に納得できないこともあるでしょう。

しかしそこで頭ごなしに意見を押し通すようなことをすると、家庭内が不安定になります。

仕事から帰ってきてすぐに食事がとれるのも、安心して子供の世話を任せられるのも、すべては妻の存在のおかげなのです。

女性の多くは突発的に起きたことをすぐに受け入れることが苦手です。

感情的になりやすく、安定を求める保守的な考えを持つ人も多いので、転職に対して拒否反応を示す人もいるでしょう。

しかし、妻が反対する要因をしっかりと探っていき、順序立てて説明することで理解してくれるものです。

最終的には精神的に強い女性が多いので、時間をかけてでも説得するよう努力すれば理解してくれるはずです。

妻が「今の生活を失いたくない。」と不安に思う理由は、基本的には「経済面」「家族との時間」の2つです。

人によってはそれ以外に原因がありますから、何が理由で反対するのかをじっくり聞いてみましょう。

まずは自分の話ではなく、妻の話を聞いていき、その不安材料を払拭できる提案と自分の確固たる意志を伝えることが大切です。

親からの「安定した職を手放すのか?」は古い価値観かも

転職を親に相談する人もいるでしょう。

特に実家暮らしの場合など、親との距離が近い人は相談せざるを得ない場合があります。

親から反対を受けるケースとしては「今の安定した職を手放すのか?」「転職なんて逃げることだ。」など、昔ながらの価値観を押し付けられることがあります。

現役世代ではない親だって、新聞やニュースを見れば転職が当たり前になった時代ということは理解しているはずです。

しかし自分の子供に対してはそれを当てはめることができず、不安定な道を進んでほしくないと思ってしまうのです。

親からの反対を鵜呑みにしてはいけませんが、「時代が違う。」などと直接言ってもいけません。

親は子供に対して心配しているだけだからです。

心配への感謝の気持ちを述べることと、安心させる材料を提示してあげればそれでいいのです。

引き留められるのは突然の申告にあり

妻や親など家族から強い引き留めに合うのは、計画性のなさが引き起こしていることが多いです。

これまで仕事も順調そうに見えていた、転職の二文字なんて一切感じさせなかったという場合にいきなり「転職したい。」と言っても、反対に合うのは必至です。

突然伝えるのではなく、徐々に分かってもらえるようにしておくことが大切です。

例えば理不尽な仕事をさせられているなど、仕事の悩みや愚痴をその都度言っておきましょう。

そうすれば「ずっと悩んでから仕方がないね。」と、いざ転職の希望を伝えても理解される可能性が高いです。

また、やりたい仕事があるが今の会社では叶わない、いずれの転職に向けて努力していたなど、目標をしっかりと周囲に宣言してあれば「ついに転職時期が来たか。」と受け入れてくれます。

転職という言葉は家族にとっては破壊力が大きいものです。

最初のうちはその言葉を使わず、徐々ににおわせる方法を取るようにすると良いでしょう。

現実的な提案で家族への説得を

転職に反対する家族を説得するときは、夢を語るのではなく現実的な提案をすることが重要です。

単に「もっと実力を評価してくれる会社があるはずだ。」「大幅な年収をアップしたい。」などと理想を述べるのではなく、自分の実力でどの程度の転職が可能なのかを客観的に伝えましょう。

具体的には適正年収やスキル、経験をきちんと分析した上で、転職する価値があるということを家族に対してプレゼンしていくことになります。

家族を説得できないようであれば、応募先の人事担当者に自分をアピールすることなどできません。

家族からの反対に合ってがっかりしているかもしれませんが、応募への下準備ともなるものだと前向きに捉えましょう。

考えるのは「いずれ」ではなく「今」

家族や友人からの反対に合うと「今は考えるタイミングではないから給与が下がったら考えよう。」など、転職を考えること自体を先延ばしにしてしまいます。

しかし実際に給与が下がったときには悠長なことは言っていられず、慌てて転職先を探すことになるでしょう。

その頃には年齢が上がり、転職できる可能性は今より低くなっています。

現実に転職先を決めるまでに少し時間はかかったとしても、考えるべきは今です。

業界や企業研究をしておく、転職市場の状況から目を離さないようにしておくことが大切です。

今のうちから転職エージェントに登録するなどして、求人チェックや情報収集を欠かさないでおきましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、周囲からの引き留め言葉を投げかけられたときに、何を考えるべきかをご紹介しました。

周囲からの激しい引き留めにあって悩んでいる人や、一度決めたことをすぐに覆してしまうという方は、ぜひ参考にしてみてください。