妊娠や出産を理由に精神的・肉体的不利益を被ることをマタハラと言います。

その逆の妊娠や出産を理由として、妊娠・出産の当事者以外の人が被害を受けることを逆マタハラと言います。

例えば休職にあたり空いた人員の穴を他の職員で埋める必要があり、長時間労働や深夜労働などによって身体的・精神的に負荷がかかることなどが挙げられます。

近年は逆マタハラに悩みを抱える人が増えているとも言われています。

そこで今回は、逆マタハラが起きてしまう背景や現状、逆マタハラで悩む人の打開策についてご紹介します。

逆マタハラが起きてしまう背景

逆マタハラが起きてしまうのはどのような原因が考えられるのでしょうか?

女性の社会進出が進みハラスメントが社会問題化しているから

マタハラを含むハラスメントが社会問題になっています。

特に女性の社会進出が進み、「女性が働きやすい環境を!」という声が高まっているため、女性の象徴である妊婦さんや子供がいる女性に対しての意見や行動は常に批判される危険性があります。

そのため、妊婦さんや育児中の女性に対して腫れ物のように扱う雰囲気があります。

妊婦さんや育児中の女性に対する行き過ぎた対応によって、それ以外の人たちへの負担を増やしていることが考えられます。

待機児童問題や育休のモラルのない利用

待機児童は社会的問題で、働きたくても子供を預ける場所が見つからず悩みを抱えている人が多くいます。

また、待機児童などの理由があれば育休を延長することも可能です。

しかし、このような状況を逆手にとって「地域的に探せば預け先を見つけることが可能なのに敢えて預け先を探さない」「子供を保育園に預けたまま有休を取って育休を延長する」ということをする人がいます。

育休の延長も、育休制度そのものも、働き続けたい親のための制度なのであって、働く気がない人は退職して育児に専念すべきです。

にもかかわらず、残された職場の人のことを考えず、自分だけが制度の特性を使って得をしようと考える人がいるため、逆マタハラが起きてしまうのです。

結婚・出産しないという選択肢が増えたこと

一昔前であれば、女性は結婚して出産することが当たり前のような時代もありました。

しかし今は考え方の多様化もすすみ、女性が結婚や出産をしないという選択をするケースが増えてきました。

そのことから、出産や育児を経た女性との考え方の格差が広がり、同じ女性であるにもかかわらず、子供がいないというだけで扱いに差があるということに不満を感じる女性も増えてきています。

逆マタハラという言葉が生まれた背景には、そのような同性の思いもあります。

逆マタハラが引き起こす悲劇とは?その現状について

逆マタハラの現状としてはどんなことがあるのでしょうか?

新しく人を雇うことができず残された社員がオーバーワークに

産休・育休を取得する職員の代わりに新しく人を雇うことすら批判の対象になってしまう風潮があります。

職場に復帰したときに居場所がないからマタハラだと言われてしまうのです。

そのため、新しく人を雇うことを躊躇し、代わりに残された職員が仕事を引き継ぐことになります。

上司や会社がしっかりしていれば、可能な限り仕事を分散させ、一人の負担が少なくなるようにすれば十分可能なのですが、大抵は負担をかけられる人が偏ってしまいます。

自分の仕事に加えて人の分まで働くようになり、労働時間が増えて体調不良に陥る人も多いと言います。

しかも、本人も文句を言えばマタハラだと言われる可能性があるため何も言えず、我慢してストレスがたまり、逃げ場のない状況だと感じてうつ病などになってしまうこともあります。

妊娠を理由にされると何も言えない

体質によるところが大きいですが、妊娠中にはつわりやホルモンバランスの乱れなどから仕事でミスを連発したり、急な休みなどでなかなか仕事が進まないということもあります。

原因としては仕方のないことなのですが、会社としての信頼を失うなど仕事に悪影響があってはならないことです。

対外的なミスを防ぐために事前にダブルチェック体制を依頼しておいたり、急な休みに備えて仕事量を分散してもらうなど自分自身でできることはあります。

そのような努力をせず、「ミスも休みも妊娠中だから仕方がない」という態度を取られても、他の社員の不満が募るばかりです。

マタハラだと言われることが怖くて対策を講じることができず、ミスを防ぐことができないということも考えられます。

逆マタハラに悩みを抱えている人に伝えたい打開策とは?

逆マタハラに悩みを抱えている人は、まずは相互理解が大事という意識が大前提ですが、打開策について知っておく必要もあります。

逆マタハラにはどのような対処が必要なのでしょうか?

妊婦さんでも社会人だということに変わりはないという考えも必要

例え相手が妊婦さんや子育て中の人であっても、気を遣いすぎる必要はありません。

妊婦さんや親である前に一人の社会人なのです。

つわりを理由に無断欠勤をするなどの非常識な行為に対してはしっかりと注意して良いのです。

また、周囲に怒鳴ったりする様子が見られたらホルモンバランスの乱れかもしれませんが、職場の雰囲気を悪くしていることに変わりはありません。

「大変だと思うから皆あなたに協力したいと思っている」と前置きした上で、他の人もフォローや対応に努力していることを伝えることも必要です。

そのときには、皆の前で伝えるのでも1対1でもなく、職場で信頼を得ている人に同席してもらうことも大切です。

皆の前で伝えると相手のプライドが傷つきますし、1対1では「マタハラを受けた」とあることないこと言われてしまう可能性もあります。

最大限の配慮をしながらも、注意をする必要があるということです。

信頼できる人に相談しよう

逆マタハラによって自分の仕事量が急激に増え、体調不良や精神的に辛い思いをしているというのであれば、一人で抱え込んではいけません。

信頼できる人に相談してみましょう。

妊娠というおめでたいニュースに気を取られ、そのフォローに一人苦労するあなたの存在に気づいていないことも考えられます。

悩みを伝えることで周囲の協力が得られ、「職場全体で一人の穴を埋めよう」という雰囲気になるかもしれません。

周囲の協力が得らえずどうしも辛いのであれば異動を打診してみることも手です。

あなたまでいなくなると困るはずですし、それほどまでに大変だという本気度の証明にもなります。

また、異動は自身のキャリアアップのためにも決して悪いことではありません。

いざとなったら自分のためにも異動すれば良いと思っておくことも大切です。

改善の余地がないなら転職を考えよう

周囲の協力も得られず異動も難しいのであれば転職を考えましょう。

あなた一人に休職者の穴を埋めさせる会社の体質に問題がありますし、広い視野で問題に取り組む柔軟性もない会社は将来性にも不安が残ります。

世の中には、妊婦さんだけでなく従業員全員のことを考えてくれる企業は存在します。

求人数の多い転職エージェントなどを利用することで、働きやすい会社への転職は十分可能ですから、まずは勇気を持って動き出すようにしましょう。

最後に

いかがでしたか?今回は、逆マタハラの背景や現状、逆マタハラに悩んだときの対処方法についてご紹介しました。

マタハラばかりが取り上げられることが多いですが、実は密かに逆マタハラの悩みを抱えている人は多くいます。

打開策をしっかりと覚えておき、必要な措置を講じるようにしましょう。

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