デザイン業界でデザイナーとして就職したけれど、思っていたことと違うとギャップを感じるという人は多くいます。

そのギャップは後々まで自分を苦しめることになりますから、早めに適切な対処を講じる必要があります。

そこで今回は、デザイン業界で感じやすいギャップと適切な対処方法についてご紹介していきます。

デザイン業界で感じやすいギャップとは

デザイン業界に就職したときに感じやすいギャップにはどんなことがあるのでしょうか?

学校で習ったことは現場では使えないことが多い

学校にもよりますが、講師自体のレベルが低かったり、売れないデザイナーがアルバイトとして非常勤講師できていることもあります。

そのため、教えられたことが現場で活かせないレベルの知識やスキルである場合も多いのです。

学校で真面目にスキルを身につけるための努力も必要ですが、学校だけにとらわれず、自分のセンスと行動力でさらなるスキルを磨いてきた人とは、就職時点ですでに差がついています。

就職してしばらくすると、自分のセンスのなさや実力不足に気づいて愕然としてしまう人も多いのです。

自分のやりたいものとクライアントが求めているものが違う

デザイナーの仕事に就く人は、好きなことを仕事にしたいと感じてその仕事を選ぶ人が多いです。

自分のイメージが形になるのはやりがいが大きいですし、何より楽しいことですよね。

しかし、実際に給料をもらって仕事をするということは、際立ったセンスや知名度がない限りは自分のやりたい仕事をすることはできません。

クライアントが求めているものをできる限り再現し、自分の意志ではなくクライアントの希望を形にするのが仕事なのです。

もちろんこれを理解している人にとってはそれこそがやりがいですが、自分の考えやセンスを過大評価している人にとっては、自分のやりたいことができないと仕事がつまらなく感じてしまうことがあるのです。

地味でパターン化された仕事が多い

デザインの仕事はクリエイティブな要素があると思われがちですが、実際にはパターン化されたデザインの作成も多く、地味な作業が続くことがあります。

クリエイティブな仕事に就きたいという夢を持っていた人にとっては、退屈で思っていた仕事と違うということになります。

デザイン事務所によってもどんなデザインができるのかは違ってきますが、デザイナーという仕事の現実的な部分を目の当たりにして、がっかりしてしまうことは多いです。

仕事なので生活が基本。稼ぎが少なすぎてやっていけない

デザイナーは夢がある仕事ですが、結局は仕事なので給料がなければ生活が成り立ちません。

大手のデザイン事務所で実力をつければ別ですが、小さなデザイン事務所であれば仕事を取るために料金を下げざるを得ず、結果的にデザイナーの給料も低くなります。

デザイナーの仕事は残業が多い割に残業代が出ないことも多いため、時給に換算するとかなり低い給料になってしまいます。

将来的に独立したいなどの夢があっても、生活が困難になり仕事を辞めて、スキルを磨く機会を失うということになってしまうのです。

小さなデザイン事務所だと人間関係に失敗しがち

デザイン業界は個性的な人も多く、一般的に言われるような社会常識がない変わった人もいます。

ある意味それが個性でもあり、オリジナル性の高いデザインを生み出すことにもつながるのかもしれませんが、個性的な人たち相手に人間関係の難しさを感じることも多くあります。

特に小さなデザイン事務所ではスタッフが少人数のため、人間関係がうまくいけば良いのですが、少しでも合わない場合には仕事そのものがやりにくくなるという直接的な影響が出てしまいます。

どんな仕事でもある人間関係ですが、それを理由に辞めるデザイナーは多くいます。

他部署との意志疎通がうまくいかない

デザイナーの仕事はデザインだけでなくコミュニケーション能力も必要な仕事です。

クライアントとやり取りする場合もあれば、他部署と協力しあって行う仕事もでてきます。

特に営業は、デザインの知識がないにも関わらずクライアントにいい顔をしたいため、デザイナーに無理難題を押し付けてくることがあります。

夜に受けた発注を明日の朝までに仕上げろと言ってきたり、システム的に難しいデザインを要求してくることもあります。

デザイナーとクライアントの調整を上手に行うのも営業の仕事なのに、デザイナーの立場を全く分かっておらず自分だけが会社やクライアントから評価されたいという人もいます。

デザインの仕事をしたいとこの業界に入ったのに、他部署とのコミュニケーションがうまく取れず、何のためにこの仕事をしているのかとストレスに感じてしまうことがあります。

デザイン業界でギャップを感じたときにはどうすべき?

デザイン業界でデザイナーの仕事をする際にギャップを感じた場合はどうすれば良いのでしょうか?結論から言うと転職を考えるべきです。

なぜなら一度感じたギャップは埋めることが難しく、疑問を抱えながら仕事をすることになり仕事で成果を出すことができなくなるからです。

同業他社に転職を考える場合は円満退職を

基本的にはデザインの仕事が好きで入った業界ですから、人間関係や給料を理由に辞めた場合は、所属事務所を変えることで改善される可能性は十分にあります。

仕事そのものが嫌ではないのであれば同じ業界に転職するのが良いでしょう。

ただ、同じ業界内で転職をする以上、今の職場の人たちとどこで会うかわかりませんし、業界内で悪い評判が立っても厄介です。

最後の最後まで円満退職を目指して、転職準備期間も長めにとって今の会社にできる限り迷惑をかけないようにするなどの気遣いは必要です。

デザインの仕事が好きではないと思ったら早めに動き出す

学生時代にデザインの仕事に就きたいと専門学校に行った流れでこの業界に入ったという人は多いです。

しかし実際に働いてみたら、実はデザインの仕事が好きではないと気づいたという人は意外にも多くいます。

その場合は、業界内でオペレーターや営業などの別の職種に転職をするか、業界そのものを変えるということになります。

職種変更であればこれまでの知識や経験はある程度活かすことができますが、業界を変えるのは大変です。

特にデザイン業界でしか仕事をした経験がない場合は、全くの未経験から新しい仕事を始めることになります。

20代であれば未経験であっても応募できる業界は多いのですが、30代以降ともなると段々選択肢が狭まってきます。

そのことを念頭に置いて、転職をするのであれば早めに動き出しましょう。

転職は転職エージェントを利用しよう

デザイン業界での仕事にギャップを感じ転職したいと思ったら、まずは転職エージェントに登録するところから始めましょう。

転職先では今回のようなギャップを感じないためにも、転職支援のプロである転職エージェントの力を借りて、慎重に転職活動を行うことが必須です。

同じデザイン業界への転職であれば、具体的にどのような資質が求められる事務所なのか、どんなデザインの仕事があるのかをしっかりとリサーチし、「こんな仕事をしたいわけではなかった。」を避けましょう。

また、未経験の業界へ転職するのであれば、知識不足もあり、一人での転職活動にはなおさら限界があります。

その業界の特性や求められるスキルについて、転職エージェントのアドバイスを受けながら、条件の良い求人を探していきましょう。

転職エージェントは無料で利用できますのでしっかりと活用し、効率よく良い企業への転職を果たしてください。

最後に

いかがでしたか?今回は、デザイン業界に就職して感じやすいギャップと適切な対処法として転職をご紹介しました。

一度感じてしまったギャップはなかなか埋めることは難しいです。

そのままだらだらと疑問を持ちながら仕事をするより、思い切って転職をすることで本当に自分がやりたかった仕事に巡り合えるかもしれません。