営業という仕事を選ぶときに、「人が好き、人と話をするのが楽しいから。」という理由を挙げる人がいます。
確かに営業は人と会話をするのがベースにありますから、人と話をするのが嫌いという人には向いていないのかもしれません。
ただ、転職して営業職を目指そうと考えている人は、人が好きだからという理由が正解なのかは一度考えてみるべきです。
なぜなら、営業という仕事は、人が好きであればあるほど抱えがちなリスクがあるからです。
目次
「営業は結果が求められる仕事」を理解しよう
まず大前提として理解しておきたいのは、営業は単に人と接するだけでなく、商品やサービスを「売る」ということを目的とした仕事です。
そんなのわかっているよ、と思うかもしれませんが、このことへの理解度が足りずに転職した結果、転職後に苦労するという営業マンは本当に多いのです。
人と話すのが好きでどんなに会話が楽しかったとしても、商品やサービスを売るということに最終的につながらなければ、営業としての役割を果たしたとは言えない厳しい世界なのです。
人が好きな「いい人タイプ」ほど結果を出せない世界である理由
人が好きという人は、人当たりが良く、感じの良い人も多いです。
性格的にも周囲から好かれやすい魅力があり、いい人タイプの人もかなりいます。
誰だって、人嫌いで人と話をしたくないタイプの人より、人が好きで話しかけやすいタイプの人の方に好印象を抱きますよね。
一見すると後者のタイプの人は営業向きのような気がします。
しかし、営業の仕事はいい人ほど結果が出せないとも言えます。
一体なぜなのでしょうか?
クライアントの都合を聞きすぎて振り回されてしまう
いい人営業マンはクライアントの都合を大切にしますし、できる限りクライアントの要求に応えたいと思います。
その結果クライアントをしっかりと「教育」することができず、夜中の電話やメールは当たり前、無理難題をふっかけられるなどモンスタークライアントが完成してしまうのです。
それでもいい人の営業は要求を断れませんから、深夜まで残業したり、休日の呼び出しにも応じてしまったり、心身ともに休まるときがありません。
散々振り回されたあげく心労や過労でダウンしてしまうなんてことにもなるのです。
いい人営業マンが与える影響は自分に対してだけではありません。
教育できなかったクライアントは、営業担当が変わっても同じことを要求しますから、担当替えがあったときに別の営業担当も苦労するハメになるのです。
多くの会社は営業の契約件数だけを見ますが、中にはクライアントの教育がしっかりできない営業を無能と判断する会社もあります。
長い目で見るとそのような視点を持った方が会社にとって大きなメリットになるからです。
社内での競争に一歩引いてしまう
営業部署に所属していると、他の営業マンたちとの競争があります。
会社の方針にもよりますが、クライアントの奪い合いということも頻繁に起こります。
厳しい世界ですが、その競争に勝つことで成績も上がっていくものです。
しかし、いい人営業マンは、職場のライバルたちにも気を遣ってしまったり、自分の担当クライアントに手を付けられても「自分が継続営業をしていなかったから…。」と一歩引いて譲ってしまうことがあります。
自分よりも他者を優先してしまうため、自身の成績に伸び悩むことになります。
「クライアントのために」の営業職と「利益のために」の会社
営業の仕事は、表向きはクライアントのためにという考えに基づいています。
いい人営業マンであれば、いつもクライアントのためになることは何かを考えることでしょう。
確かに、この目線は非常に大切なことで、それがなければクライアントの信頼を得ることはできません。
ただ、これ「だけ」のいい人営業マンは苦悩を抱えることになります。
会社は表向きは何と言おうと、クライアントのためではなく自社利益のために活動をしています。
それ自体は悪いことではないのですが、営業マンに対して利益追求の姿勢を強要することも多いため、営業マンとの間に溝が生まれてしまいます。
営業本人はクライアントのために少しでも良い商品やコスパの高いものを紹介したいと思いますが、会社はそれよりも少しでも高い商品やたくさん買ってもらうということを重視します。
営業マンにとってはジレンマを抱えることになり、辞めたい理由にもなり得るのです。
人が好きよりも、興味を持って商品を愛せるかが大事
営業の仕事をやるにあたって人が好きということは、もちろん悪いことではありません。
しかし、それよりも大切なことに「興味を持って商品を愛せるか」ということがあります。
どんなに人が好きでクライアント目線に立ったいい人営業マンであっても、自社商品やサービスを愛せなければ相手に売ることはできません。
ある会社のトップセールスマンは、最初営業成績がぱっとしませんでしたが、自社製品を自腹で購入し、その商品の魅力や特徴を研究しつくしたと言います。
その結果、商品が大好きになってバンバン売れるようになったそうです。
家電量販店などでも、「この人は本当に家電が好きなんだろうな。」というぐらい目をキラキラさせながら説明してくれる店員さんがいますが、その人の接客がうまい下手に関わらず、買ってしまおうと思うことはよくあります。
営業スキルや接客が好き嫌いの前に、人は自分の好きなもののことはどんどん魅力を伝えることができるという特性があるのです。
営業は売ることが目的ですから、商品やサービスの魅力が相手に伝われば自然と成績が上がります。
好きな商品やサービスがあれば転職して営業職になるのはアリ
自分が好きな商品やサービスがあれば、そこから仕事を探していくという方法は良い方法です。
特に営業であれば、魅力を余すところなく伝えることができ、結果的に売れるという好循環が期待できます。
転職活動の面接でも、面接官に熱意が伝わりやすいというメリットもあります。
転職して営業の仕事に就きたいと考えている人は、「人が好き」以上に大切な要素になります。
営業職への転職は転職エージェントで探すのがおすすめです。
転職エージェントはハローワークや求人誌などと比べても圧倒的に求人数が多く、自分が気になる商品やサービスを扱っている企業を見つけやすいです。
様々な転職ノウハウを提供してくれる転職エージェントは、心強い味方になりますからぜひ活用してください。
最後に
いかがでしたか?今回は、営業が人が好きという理由だけで成功しない理由と、それ以上に大切なことをご紹介しました。
営業職への転職を検討している方は今後の転職活動の参考にしてみてください。