転職先の条件として「教育体制が整っている」という点を挙げることがあります。
転職先でスキルを磨いて成長したい、向上心が高い人などにとっては教育体制がどうなのかは気になる点なのでしょう。
では、転職者にとって教育体制が整っているとはどんなことなのでしょうか?
今回は、教育体制が整っている企業の特徴や、転職時の注意点をご紹介します。
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目次
転職組と新卒組とで求める教育が異なる
「教育体制が整っている」とはどういうことでしょうか?
中途採用者が確認すべき教育体制は、新卒が気にすべき教育とは違った意味合いを持っています。
新卒の場合は右も左も分からず仕事自体が初めてです。ですので、研修期間が設けられていてしっかり育ててもらえるなど、制度自体の充実が大切です。
一方、中途採用者の場合は即戦力を求められていますから、基本的には教育不要を前提としています。
そのため、制度の有無を確認することはあまり役に立ちません。
とはいえ中途採用者であっても、システムや仕組みが異なる企業に転職するわけですから、分からないことがあって当然です。
自分で調べたり知識を磨いてもどうにもならないことがあるでしょう。
中途採用者が気にすべきなのは、「教育制度によって強制的に学べる」という受動的なものな教育ではなく「分からないことをこちらから質問したら教えてもらえる環境にあるのか。」という点です。
具体的な教育制度自体はなくとも、聞けば教えてくれるのであれば問題ないことがほとんどです。
「分からないことが何かすら分からない。」という新卒ではありませんから、投げかけた答えに対して返事をもらえるかという視点で探してみると良いでしょう。
教育体制が整っている企業の特徴
では、制度自体の有無ではなく、中途採用者にとっての「教育体制が整っている企業」とはどんな職場のことを指すのでしょうか?
その特徴をご紹介していきます。
教える側の能力が高い
「中途採用者だから教えなくてもできて当たり前」という大義名分をふりかざし、教育に時間をかけたがらない企業に限って、教える側(社員)の能力・スキルが不足していることがあります。
簡単に言うと、教えたくても自分たちもよく分からないから教えられない、ということです。
これは業務の背景や目的、仕組みを理解せずに、上司や先輩から言われた仕事を何となく覚えてしまったことが原因です。
こういう仕事のやり方をしている人は応用がきかず、人に教えることもできません。
何となくでしかやっていないので、何となくでしか教えられない、結果的に相手を混乱させてしまうのです。
社員の能力が高い場合、根本を理解した上で応用を重ねながら業務に取り組むことが多くなります。
そのため、誰に聞いても適切な答えがもらえるなどして、疑問を都度解決していくことができるのです。
職場の雰囲気が良く質問しやすい
社員の能力は高くても、皆忙し過ぎて殺伐としている、誰も言葉を発せず重苦しい空気が漂っているなど、職場の雰囲気が悪いと教育体制としては残念だと言えます。
転職直後は社員たちがどんな人なのか手探りですし、早く職場に慣れようと気を遣うことが多いでしょう。
その中で雰囲気が悪いと、聞きたいことも聞けないという状態になってしまいます。
良い雰囲気作りに取り組んでいる職場では、ちょっとした疑問もその都度質問できるので、若手も育ちやすく伸び伸びと仕事ができるものです。
教育不要とされる中途採用者にとっても、聞きやすい環境は非常にありがたいことでしょう。
30歳前後の社員が多くいる
必ずということではありませんが、30歳前後の社員は教え方がうまいことがよくあり、その理由は三つあります。
1つ目は、20代前半の若手社員はまだ自分が分からないことが多いため教えるレベルに達していないことが多いということ。
2つ目は、40代、50代で社歴が長いと、分からなかったときの自分が思い出せないということ。
3つめは、年配者は「先輩の姿を見て技術を盗んで覚えろ。」という考えを持つ人が多く、教育に積極的ではない、ということです。
現場経験をしっかり積んだ中堅どころで、若手の気持ちが分かる30歳前後の社員が多いと、教え方に長けた人に出会える可能性が高まります。
もちろん、年齢だけですべて分かるわけではなく、社歴や業界での経験年数にもよります。
30歳前後の社員が多いならば、その企業で経験を積んだ人がいる確率が上がるということです。
教育体制が整っている企業に転職する際の注意点
転職先で成長したい、早く仕事を覚えたいと思っている人は、教育体制が整っていることに魅力を感じて応募する企業が出てくるでしょう。
その際に注意すべき点をご紹介していきます。
研修が多いことがすべてではない
転職市場でも、教育制度充実を売りにしている企業はあります。
業界や職種の未経験者やスキル不足を実感している人にとっては魅力的に感じることでしょう。
ただ、研修内容についてはどのレベルのものなのか確認しておくべきです。
数ヶ月の研修期間を設けて、1からみっちりトレーニングを行うというものもあれば、名ばかりの研修や勉強会が数多くあるだけで、中身がそれほど伴わないものもあります。
特に後者の場合、勤務時間外に無意味な勉強会に強制参加であったり、中途採用者にとっては、すでに十分理解している内容も多いので注意が必要です。
面接で聞いてみると、本格的な研修がある場合はしっかりと説明してくれるでしょう。
名ばかり研修や勉強会の場合は、答えの内容がどこか曖昧で、何を目的としているのか判断できない回答に終始することがあります。
教育ありきの姿勢では内定につながらない
経験者はもちろん、未経験者であっても、基本的には中途採用者は新卒とは異なる扱いで、「これまでの経験を活かしてほしい」と思われています。
そのため、「教えてください。」「育ててください。」という姿勢では敬遠されます。
あくまでも自ら積極的に学ぶ姿勢をアピールしていかなくてはなりません。
転職先を学校のように勘違いした発言を気にする人事担当者は多いので、教育制度ばかりを気にしていると内定が遠のくでしょう。
前述したように、社員の質や職場の雰囲気が良ければ、制度自体がなくても中途採用者が成長できる環境は整っています。
職場見学や電話、面接対応などを総合的に見て、社員の質や職場の雰囲気を判断するようにしましょう。
情報収集なら転職エージェントの力を借りて
教育制度の有無や職場の雰囲気など、転職活動では事前に確認しておきたいことが多くあります。
情報収集こそが転職成功の鍵となりますから、信憑性の高い情報をできる限り集めることは大切なことです。
一人での情報収集には限界がありますので、転職支援のプロである転職エージェントを頼ると良いでしょう。
業界情報や企業の内情に詳しく、役立つ情報を手に入れることができます。
情報収集以外にも手厚いサポートが受けられますので、上手に利用してみてください。
教育体制が整っている会社で働こう
いかがでしたか?
今回は、教育体制が整っている企業の特徴と注意点をご紹介しました。
自分に必要な教育とは何か、中途採用者である自分自身のスキルや経験と照らし合わせて考えてみることも大切です。
ぜひ参考にしてみてください。